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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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西表石垣国立公園

116件の記事があります。

2021年06月14日交通事故に遭ったカンムリワシ放鳥【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本

今年3月下旬に交通事故に遭ったカンムリワシ(若鳥)を救護しました。野生復帰はかなり難しいと覚悟していましたが、順調に回復し、骨折した翼も完治。リハビリゲージ内でも翼を広げて旋回できるまで元気になったことから、5月26日(水)に救護場所近くのきび畑にて放鳥することができましたので、お伝えしたいと思います。

▲事故現場(緩やかな下り坂)

発見された際は、道路上でうずくまっていたそうですが、職員が救護現場に駆けつけると道路上にはおらず、道路脇の林の中で、うつ伏せの状態で発見されました。

▲救護時の様子

救護後、すぐに動物病院で診察と治療が行われ、右の翼の橈骨と尺骨(人で言うと手首と肘の間の骨)の開放骨折(骨折した際に皮膚が破れて、骨が外に露出する状態)が見つかり、皮膚の表面の損傷もかなり酷く、翼がねじれてしまい、雑菌による感染症を引き起こす可能性も高く、重傷な状態でした。

▲救護したばかりの放鳥個体

今回のようなケースで野生復帰できるのは、かなり稀なケースです。これも速やかな通報により迅速な救護対応ができこと、動物病院の獣医師さんの懸命な治療、リハビリを行って頂いている方等の連携がうまくできたおかげです。今回、放鳥を行うことができ、本当にうれしい限りです。

▲放鳥場所(写真中央、野底岳)

▲元気に羽ばたき、林内に向かう「のそこ」

放鳥した個体には、左脚に緑のNと刻印された足環を装着し、野底(のそこ)地域で救護されたことから、愛称は「のそこ」と名付けられました。かなり臆病な性格で、なかなか飛び立とうとしなかったのですが、しばらくして元気に飛び立っていきました。

令和3年(2021年)のカンムリワシの救護件数は、石垣島で2件、西表島で3件、合計5件です。その内5件すべてが交通事故で救護されています。もし、交通事故にあったり、衰弱して弱っているカンムリワシを発見しましたら、下記の連絡先までご連絡をお願いいたします。

<カンムリワシの救護連絡先>

○石垣島

 環境省石垣自然保護官事務所 0980-82-4768

 石垣市教育委員会文化財課  0980-83-7269

○西表島

 西表野生生物保護センター  0980-85-5581

<足環の付いた放鳥個体目撃時の連絡先>

○カンムリワシリサーチ(代表者 小林 孝 さん)

 ウェブサイト "http://kanmuriwasi.web.fc2.com/"

 E-mail "kresearch526(a)yahoo.co.jp" ※(a)を@に置き換えて送信ください。

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2021年04月12日サンゴSHOWでおうちカフェ ~サンゴと歩んだ20年~【石垣地域】

西表石垣国立公園 田村彰帆

アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、こんにちは。

石垣自然保護官事務所の田村彰帆です。

地域の皆様から「サンゴセンター」と親しんで頂いている国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターが開所20年の節目を迎えたことを記念し、3月6日(土)、「サンゴSHOWでおうちカフェ ~サンゴと歩んだ20年~」と題し、サンゴ礁の価値や重要性、保全の必要性を考えるきっかけとなるようイベントをWEB配信にて開催しました。

サンゴSHOWでおうちカフェの様子をご紹介します。

◯看板お披露目

イベントの前日である3月5日(サンゴの日!)に、地元小学校の児童がサンゴの破片や、貝殻、シーグラスを使ってサンゴセンターの表札看板をリニューアルしてくれました。

サンゴを慎重に運び作った看板は、どんな看板に仕上がったのでしょうか。

「1、2、サンゴ!!!」の掛け声とともに看板のお披露目をしました。

この看板がサンゴセンターの新しい顔になります。

↓以前の看板とはまた違った、個性あふれる看板ができました。

国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター20周年記念WEB配信イベントのお知らせ【石垣地域】

◯トークセッション第1部「サンゴってなに?」

サンゴに詳しい琉球大学名誉教授の土屋先生が、サンゴ・サポーターである石垣島の大人気アーティスト「きいやま商店」からの質問に答える形式で、写真で説明しながらサンゴの基本的なことについておさらいしました。

◯トークセッション第2部「サンゴと歩んだ20年」

土屋先生と石垣自然保護官事務所職員が、サンゴセンターを拠点に行われてきた石西礁湖再生事業を中心としたサンゴ礁に関する情報の収集・整理・提供や海外支援活動、普及啓発活動などの20年の取組みを、八重山でのできごとをまとめた年表と一緒に振り返り、達成できたことやこれからの課題についてのトークを繰り広げました。

◯講演「サンゴは魚とお友だち!?~サンゴと生き物のつながり~」

サンゴにちなんだ講演として、水産総合技術研究所の名波さんを講師にお迎えし、サンゴ礁を住処とし、サンゴをエサとする魚の生態についてお話くださいました。

魚の種類によって食べるサンゴの部位や食べ方が違うことなど、動画を交えた説明は子どもにも分かりやすく、サンゴの重要性を、サンゴそのものだけでなくサンゴと関係のある生き物の視点からも考えるきっかけになりました。

◯ミニライブ「サンゴSHOW TIME」

最後に、サンゴ・サポーター「きいやま商店」によるミニライブが行われました。

「画面の向こう!盛り上がってますか~!?」

サンゴ礁保全再生応援ソング「1、2、サンゴー!」や、他の曲も「サンゴ保全」と歌詞を替えて歌ってくださり、サンゴを守ろうという強いメッセージを届けてくださいました。

初の試みであるWEB配信イベントを通して、サンゴ礁やサンゴセンターに親しみを持ってもらい、少しでもサンゴ礁のためにできることを考えるきっかけになっていただけたら嬉しいです。

八重山の、日本の、世界のサンゴ礁を守るため、これからも多くの方とともに一歩一歩進んで行けたらと思いますので、よろしくお願いします。

みなさまのご視聴ありがとうございました!!

サンゴセンターでは、常設展示も行っております。

是非遊びにお越しください!

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2021年03月17日カンムリワシ交通事故防止の活動【石垣地域】

西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本

最近の石垣地域は、夏目前の過ごしやすい気候が続き、天気の良い日は、少しの間で日焼けしてしまう3月となりました。

また、カンムリワシにとっては、求愛や巣作りなどで行動が活発的になるシーズンを迎えています。特に雨が降った後は、カンムリワシのエサとなるカエルやミミズなどが道路上に轢かれて死んでいることも多く、轢かれて死んでいるエサを求めて道路沿いに現れたカンムリワシが交通事故に遭うケースが、例年多発するシーズンでもあります。

令和2年(2020年)のカンムリワシの交通事故件数は石垣島で5件、西表島で5件、合計10件でした。そのうち7件(石垣島3件、西表島4件)が死亡しています。新型コロナウイルスの影響で観光客が減少し、交通量も減少した時期もありましたが、近年のカンムリワシの交通事故件数は、ほぼ同数で推移しています。

▲令和2年(2020年事故件数)石垣島におけるカンムリワシ運転注意マップ

今回は、地元でカンムリワシの保護活動や普及啓発活動を行っている民間団体のカンムリワシ・リサーチさんや関係機関と協力しながら、カンムリワシの交通事故が多発する道路で、カンムリワシの交通事故を1件でも減らしていけるように、通行するドライバーさんに注意喚起する活動を2回に分けて実施しましたので、報告したいと思います。

▲1回目の注意喚起活動(名蔵湾沿いの県道)

1回目の活動は、警察署や石垣市役所の方など関係機関と協力しながら、青空の下、ドライバーさんに呼びかけを行いました。

▲2回目の注意喚起活動(於茂登岳に近い県道)

2回目の活動は、長年野鳥観察を続けている小学校の児童や先生と協力して実施しました。「いきもの注意」「いそがず」「ゆっくり走ろう」と書かれたメッセージボードを掲げ、車を運転されるドライバーさんの中には、スピードを控えてくれるドライバーさんもいました。

現在、カンムリワシ交通事故多発地帯「あぶない!」と書かれた移動式の看板をカンムリワシの多発する道路にも設置して注意喚起を行っています。

▲カンムリワシの交通事故防止移動式看板

カンムリワシは、低空飛行で道路を横断することもあるので、野生動物の急な飛び出しがあっても安全に事故を避けることができるよう、余裕をもったゆとりのある運転にご協力お願いします。

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2021年01月28日ツルヒヨドリ駆除活動【石垣地域】

西表石垣国立公園 田村彰帆

アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、石垣自然保護官事務所の田村彰帆です。

遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。

さて、12月19日(土)に、西表石垣国立公園パークボランティア活動として特定外来生物「ツルヒヨドリ」の駆除作業を行いました。

ツルヒヨドリは、南北アメリカの熱帯地域を原産地とするツル性の植物です。

驚異的な繁殖力を持ち、生態系や農作物にも大きな被害を及ぼす可能性があり、世界の侵略的外来種ワースト100にあげられているほどです。

▲ツルヒヨドリ

葉は4から13㎝ほどの細長いギザギザのハート形で、平行な葉脈が特徴です。

ツルヒヨドリの駆除の際には、茎や葉を取り除いても根が残っていると再生してしまう可能性があるため、注意が必要です。丁寧に手作業で株全体を確実に抜き取ります。

今回の活動では、宮良川沿いに花の咲いたツルヒヨドリが確認されたため、駆除を行いました。

花を咲かせた後はタンポポのような綿毛のついた種子をつくり、風で遠くへと飛ばされ、広範囲に定着します。このように拡散しないためにも、確認した花はしっかりと除去する必要があります。

▲ツルヒヨドリの白い小さい花(11から12月に開花)

宮良川のツルヒヨドリは根茎が他のツル性の植物と絡まり、広範囲に繁茂している状態でした。

▲ツルヒヨドリ駆除活動の様子

今回、雨が降る中、1時間ほどの作業でしたが、約21袋分のツルヒヨドリを駆除することができました。

ツルヒヨドリは特定外来生物です。

この特定外来生物は、飼育、栽培、保管や生きたままの運搬等が原則として禁止され、これらを行う場合は許可が必要になります。また、ツルヒヨドリは土砂の運搬などに伴って拡散している可能性があります。このような拡散を防ぐため、土砂運搬の際にも注意が必要且つ、適切な方法で防除しなければいけません。

現在、石垣島では、今回の宮良川沿いとバンナ公園スカイライン沿いで確認しています。

他の場所で見つけた方は、可能な限り詳しい場所と写真を下記までご連絡お願いいたします。

【環境省石垣自然保護官事務所】

住所:沖縄県石垣市八島町2-27
TEL: 0980-82-4768 FAX:0980-82-0279

Mail:coremoc@sirius.ocn.ne.jp

今後も継続してモニタリングし、ツルヒヨドリの防除に努めたいと思います。

拡散防止のため、皆さまのご協力よろしくお願い致します。

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2020年10月23日オニヒトデの見つけ方【石垣地域】

西表石垣国立公園 神保彩葉

ご無沙汰しています。石垣自然保護官事務所の神保です。

石垣島も朝晩、風が涼しくなり、秋らしくなってきました。

さて、今日はオニヒトデのお話しです。

オニヒトデは、熱帯・亜熱帯に生息する大型のヒトデで、成体はサンゴを食べることで有名です。

▲サンゴを食しているオニヒトデ

時折、大発生し、サンゴを食べ尽くしてしまい、問題になることがありますが、

オニヒトデの生態は未だ、ナゾに包まれており、解明されていないことが多くあります。

八重山では、2008年~2014年頃にかけて、オニヒトデが大発生しました。

近年は、収束傾向にありましたが、

ここ最近、再び石垣島沿岸で、オニヒトデが確認されつつあります。

  • ▲引き揚げられたオニヒトデ

今回は「オニヒトデの見つけ方」のコツをご紹介します。

オニヒトデを見つけるには、まず海中で食痕を探します。

下の写真のような食痕をいくつか見つけたら、近くに潜んでいる可能性大です。

▲比較的新しい食痕          

  • ▲比較的新しい食痕(赤丸)と時間が経った食痕(黄丸)

 

  • ▲時間が経った食痕

食痕近くの岩陰を探すと...。いました。オニヒトデです。

  • ▲発見しました!

オニヒトデは基本的には夜行性なので、岩陰に隠れていることが多いです。

  • ▲管足を伸ばして元気いっぱい!

オニヒトデの大発生を防ぐには

より多くの目で、モニタリングしておくことが大切です。

八重山の海を利用している皆様、

オニヒトデが複数いた等の目撃情報がありましたら、下記までぜひお寄せください。

【国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター】

住所:沖縄県石垣市八島町2-27
TEL;0980-82-4902 FAX:0980-82-0279

Mail:coremoc@sirius.ocn.ne.jp

HP:http://kyushu.env.go.jp/naha/coremoc/index.html

ご協力、どうぞよろしくお願いします!

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2020年08月14日黒島清掃活動【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 田村彰帆

アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、こんにちは。

石垣自然保護官事務所の田村彰帆です。

先日、黒島にて海岸清掃があり、私も参加してきたのでその様子をお伝えします。

黒島は、島全域が西表石垣国立公園に指定されており、北部を除く周囲の海が海域公園地区に指定されています。そして、人よりも牛が多い「牛の島」でもあります。

今回、清掃した場所は宮里海岸です。

黒島ビジターセンターの脇から海岸へと続く道があります。

黒島ビジターセンターは、国立公園である黒島の自然や島の生活様式、民俗資料を展示した環境省の施設です。

砂浜には遠くからでもみえるほどの漂着ゴミがあります。

あまりにもゴミの量が多いので、まずは1か所に集めてから分別をしていきます。

どんどんゴミが集まっていきます。そして、強力な助っ人が!

重機の力も借りて、一気に運びます。

猛暑の中での作業でしたが、地域の方をはじめ多くの方々の協力で、本来の姿を取り戻せました。

皆様、お疲れ様でした!!

宮里海岸はそのままの自然が残されており、古くから島民に愛されている海岸です。

その自然の中に、外国からのペットボトルや漁業で使われた網やブイ、人間が捨てていったビニール袋などのゴミはいりません。

今回、一掃し、ゴミのない美しい砂浜をみることができて良かったです。

皆さんのお近くの海岸にも漂着ゴミがあると思います。多くの地域で海岸清掃・美化清掃は実施されているので、地域の清掃活動に参加していただければと思います。

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2020年08月14日北部JPR活動第1回・第2回【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 田村彰帆

アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、こんにちは。

石垣自然保護官事務所の田村彰帆です。

石垣島北部地域に住んでいる子ども達を対象に行った、子どもパークレンジャー(略称JPR:Junior Park Ranger)の第1回と第2回の活動を紹介します。

今年度第1回の活動では、野底崎にてコーステアリングを行い、海岸探索による自然・地形観察をしました。

コーステアリングとは、イギリス発祥の新しいスポーツで、普段は行くことができないと思っている海岸線の岩場を、徒歩や遊泳しながら進みます。

ライフジャケットと膝当て、そしてヘルメットを装備して野底崎の完全攻略を目指します。

砂浜から歩いてスタートします。

足のつかない深さの海もどんどん泳いでいきますが、泳いでばかりだと疲れてしまうので、岩場からも進みます。

陸側から探索、海側から探索。

かなり高い場所まで、自らの力で進みます。

飛び込みポイントでは大はしゃぎでした。

第2回の活動では、西表石垣国立公園に指定されている野底林道沿いで、「アコークロー」に生き物調査をしました。

アコークローとは、沖縄の方言で、明るい(あこう)暗い(くろう)を意味し、日が沈んでもまだ明るい夕暮れ時のことを言います。

夜の生き物の鳴き声に耳を傾け、寝ているところを起こさないように注意しながらライトを照らして生き物を見つけます。

見つけた生き物をまじまじと観察している様子。

特定外来生物であるオオヒキガエルも捕獲することができました。

水たまりのそばでハブを発見。やってくるカエルを狙っていたようです。

どの回も無事に活動を終えることができました。

まだまだ北部JPR活動は続きますので、随時お伝えしていきます。

これからも、石垣島の自然環境に触れ、自然体験等を通して環境保全に対する意識を高め、地元の素晴らしい自然に親しみをもって欲しいと思います。

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2020年03月26日西表石垣PVのみなさんとアンダーパス清掃を行いました

西表石垣国立公園 西表 光森 康祐

みなさんこんにちは。西表自然保護官事務所の光森です。

西表島では「うりずん」(潤い初め)の訪れを告げるアカショウビンが渡ってきました。

もう冬も終わりのようですね。

3月14日に西表石垣国立公園パークボランティア(PV)のみなさんと一緒に「アンダーパス」の清掃活動を行いました。

アンダーパスとは、イリオモテヤマネコなどの野生動物が道路によって生息地が分断されるという悪影響を軽減する目的に作られ、道路を横断せず安全に道路の向こう側へ行くことができる、野生動物のためのトンネルです。このアンダーパスは西表島内には123基が整備されています。

しかし一部のアンダーパスは維持管理されておらず、繁茂した草木によって動物が通りづらくなっているという現状です。

▲作業前

上の写真は今回清掃活動を行ったアンダーパスの一つです。

この場所のアンダーパスには「ネコ走り」と呼ばれる、トンネルから周辺林内への導線が整備されています。

(どこがアンダーパスでどこがネコ走りかわかりますか?)

作業にあたっては、ヒトのにおいを残さないよう短時間、ヒトの気配を残さないようにきれいにしすぎない、県道への導線を作らない、を意識して作業を行います。

▲作業後

 

▲ネコ走りから山への導線作業前      ▲ネコ走りから山への導線作業後