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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

カンムリワシ交通事故防止の活動【石垣地域】

2021年03月17日
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本

最近の石垣地域は、夏目前の過ごしやすい気候が続き、天気の良い日は、少しの間で日焼けしてしまう3月となりました。

また、カンムリワシにとっては、求愛や巣作りなどで行動が活発的になるシーズンを迎えています。特に雨が降った後は、カンムリワシのエサとなるカエルやミミズなどが道路上に轢かれて死んでいることも多く、轢かれて死んでいるエサを求めて道路沿いに現れたカンムリワシが交通事故に遭うケースが、例年多発するシーズンでもあります。

令和2年(2020年)のカンムリワシの交通事故件数は石垣島で5件、西表島で5件、合計10件でした。そのうち7件(石垣島3件、西表島4件)が死亡しています。新型コロナウイルスの影響で観光客が減少し、交通量も減少した時期もありましたが、近年のカンムリワシの交通事故件数は、ほぼ同数で推移しています。

▲令和2年(2020年事故件数)石垣島におけるカンムリワシ運転注意マップ

今回は、地元でカンムリワシの保護活動や普及啓発活動を行っている民間団体のカンムリワシ・リサーチさんや関係機関と協力しながら、カンムリワシの交通事故が多発する道路で、カンムリワシの交通事故を1件でも減らしていけるように、通行するドライバーさんに注意喚起する活動を2回に分けて実施しましたので、報告したいと思います。

▲1回目の注意喚起活動(名蔵湾沿いの県道)

1回目の活動は、警察署や石垣市役所の方など関係機関と協力しながら、青空の下、ドライバーさんに呼びかけを行いました。

▲2回目の注意喚起活動(於茂登岳に近い県道)

2回目の活動は、長年野鳥観察を続けている小学校の児童や先生と協力して実施しました。「いきもの注意」「いそがず」「ゆっくり走ろう」と書かれたメッセージボードを掲げ、車を運転されるドライバーさんの中には、スピードを控えてくれるドライバーさんもいました。

現在、カンムリワシ交通事故多発地帯「あぶない!」と書かれた移動式の看板をカンムリワシの多発する道路にも設置して注意喚起を行っています。

▲カンムリワシの交通事故防止移動式看板

カンムリワシは、低空飛行で道路を横断することもあるので、野生動物の急な飛び出しがあっても安全に事故を避けることができるよう、余裕をもったゆとりのある運転にご協力お願いします。