アクティブ・レンジャー日記
オニヒトデ調査【石垣地域】
2023年02月03日
石垣
皆さん、こんにちは。石垣自然保護官事務所の江川です。
年が明けた石垣島では珍しく寒い日が続いていました。船の上や海に入る際には防寒対策が必須の時期です。今回は、そんな1月でも比較的天気の良い日に潜水調査に同行したときの様子をお伝えします。昨年度もいくつかの地点でオニヒトデ調査に同行しましたが、今回の調査は以前に掲載したアクティブレンジャー日記と同じ地点で潜水調査を行いましたので、昨年度との変化についてご紹介します。
年が明けた石垣島では珍しく寒い日が続いていました。船の上や海に入る際には防寒対策が必須の時期です。今回は、そんな1月でも比較的天気の良い日に潜水調査に同行したときの様子をお伝えします。昨年度もいくつかの地点でオニヒトデ調査に同行しましたが、今回の調査は以前に掲載したアクティブレンジャー日記と同じ地点で潜水調査を行いましたので、昨年度との変化についてご紹介します。
調査地について
2022年の夏は八重山地方でサンゴの大規模白化現象がみられました。白化の影響の受けやすさはサンゴの種類によって異なることが知られていますが、今回調査を行った底地(すくじ)沖は、特に白化に弱いミドリイシの仲間が多い海域です。
前回のオニヒトデ調査についての日記では、オニヒトデや白化のダメージを受けた底地沖のサンゴが回復しているということをお伝えしていましたが、残念ながら再び白化のダメージを受けてしまいました。前回の調査でサンゴが一面に広がる元気な状態を見ていただけに、とてもショックな光景でした。
下の写真は2021年の12月に撮影した海中の様子と今回の調査で撮影した様子です。
前回のオニヒトデ調査についての日記では、オニヒトデや白化のダメージを受けた底地沖のサンゴが回復しているということをお伝えしていましたが、残念ながら再び白化のダメージを受けてしまいました。前回の調査でサンゴが一面に広がる元気な状態を見ていただけに、とてもショックな光景でした。
下の写真は2021年の12月に撮影した海中の様子と今回の調査で撮影した様子です。
違いがわかるでしょうか?
どちらもテーブルサンゴが一面に広がっているようにみえますが、前回撮影した方は赤や緑の鮮やかなサンゴ本来の色をしています。今回撮影したものは、死んだサンゴの表面に藻がついている状態です。
どちらもテーブルサンゴが一面に広がっているようにみえますが、前回撮影した方は赤や緑の鮮やかなサンゴ本来の色をしています。今回撮影したものは、死んだサンゴの表面に藻がついている状態です。
オニヒトデの様子は?
さて、今回の調査のテーマはオニヒトデです。オニヒトデにとっての餌であるサンゴがいない場所ではオニヒトデを見つけることができません。同じ海域でも数十m場所を変えると海中の様子が変わるので、場所を変えて調査を続けました。
続いて潜水調査をした場所は、生きているサンゴが比較的残っていました。すると、オニヒトデの捕食跡らしきものがテーブルサンゴにあるのを見つけました。
▲白くなっている部分はオニヒトデが捕食したあと
オニヒトデは夜行性のため、日中は岩陰にかくれています。オニヒトデの捕食痕をたよりにテーブルサンゴの裏など陰になっている場所をよーく探していきます。
すると、一緒に潜っていたアクティブレンジャーが発見しました!
テーブルサンゴの下にトゲトゲしたものが見えるでしょうか。
調査員さんにオニヒトデがいることを伝えて捕獲していただきました。 ▲毒があるので素手ではさわらずトングを使って捕獲
3か所、場所を変えて調査をした結果、最後に潜った地点でオニヒトデが3個体見つかりました。オニヒトデは30㎝近く成長しますが、餌が少ないせいか、今回の調査で見られたオニヒトデは20㎝を越えない小さな個体でした。 ▲今回の調査で捕獲したオニヒトデ。左側に見えるのは、同じくサンゴを捕食するレイシガイダマシ。
続いて潜水調査をした場所は、生きているサンゴが比較的残っていました。すると、オニヒトデの捕食跡らしきものがテーブルサンゴにあるのを見つけました。
▲白くなっている部分はオニヒトデが捕食したあと
オニヒトデは夜行性のため、日中は岩陰にかくれています。オニヒトデの捕食痕をたよりにテーブルサンゴの裏など陰になっている場所をよーく探していきます。
すると、一緒に潜っていたアクティブレンジャーが発見しました!
テーブルサンゴの下にトゲトゲしたものが見えるでしょうか。
調査員さんにオニヒトデがいることを伝えて捕獲していただきました。 ▲毒があるので素手ではさわらずトングを使って捕獲
3か所、場所を変えて調査をした結果、最後に潜った地点でオニヒトデが3個体見つかりました。オニヒトデは30㎝近く成長しますが、餌が少ないせいか、今回の調査で見られたオニヒトデは20㎝を越えない小さな個体でした。 ▲今回の調査で捕獲したオニヒトデ。左側に見えるのは、同じくサンゴを捕食するレイシガイダマシ。
まとめ
今回調査をした底地沖は、白化の影響を受けやすい種類でありながら、オニヒトデが餌として好む種類のサンゴが多くいる場所です。多くの攪乱要因にさらされながら、回復していくサンゴの様子を昨年度確認できたことを希望に、引き続き見守っていきたいと思います。
●最後に…●
オニヒトデは毒をもつ危険生物です。海で出会ってもさわらないようにご注意ください。オニヒトデはサンゴ礁生態系の一員で、通常の数が存在することには問題がありません。時に大量発生した際にサンゴが食べ尽くされてしまうことが問題となります。八重山の海でオニヒトデを多く目撃したという情報がありましたら、下記までご連絡ください。
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国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター
HP:http://kyushu.env.go.jp/okinawa/coremoc/index.html
住所:沖縄県石垣市八島町2-27 電話:0980-82-4902
Email:coremoc(a)sirius.ocn.ne.jp ※(a)を@に変えて送信ください。
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●最後に…●
オニヒトデは毒をもつ危険生物です。海で出会ってもさわらないようにご注意ください。オニヒトデはサンゴ礁生態系の一員で、通常の数が存在することには問題がありません。時に大量発生した際にサンゴが食べ尽くされてしまうことが問題となります。八重山の海でオニヒトデを多く目撃したという情報がありましたら、下記までご連絡ください。
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国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター
HP:http://kyushu.env.go.jp/okinawa/coremoc/index.html
住所:沖縄県石垣市八島町2-27 電話:0980-82-4902
Email:coremoc(a)sirius.ocn.ne.jp ※(a)を@に変えて送信ください。
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