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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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雲仙天草国立公園 天草

8件の記事があります。

2022年04月11日恐竜時代にタイムスリップ【雲仙天草国立公園・天草地区】

雲仙天草国立公園 森俊夫

 御所浦地区牧島にあるスフェノセラムスの壁と呼ばれる化石群への入口が右側にあることを示すアンモナイトの化石をかたどった標識を撮影した写真天草の御所浦地区は、大小18の島々で構成されており、島の地層は、恐竜が生きていた白亜紀のものと恐竜が絶滅した後の時代のものに大別されますが、その両方に、古代に生きた生物の死骸や足跡などの痕跡の化石がが含まれています。

 1997年の恐竜の化石の発見によって、御所浦島は一躍有名となり、以後、恐竜の島と呼ばれるようになりました。

 御所浦島と中瀬戸橋で結ばれている牧島では、直径60センチのアンモナイトの化石が見つかり、隣の御所浦島と合わせて化石の島と呼ばれています。

 熊本県が天然記念物に指定したヘゴの自生地であることが表示された石柱2種類が並べて表示されている写真天草には、もう一箇所、恐竜が生きていた時代を彷彿とさせる場所があります。

 天草市河浦町宮野河内(みやのがわち)の熊本県が天然記念物に指定している「ヘゴ」の自生地で、ちょっと力が抜けてしまいそうな言葉の響きですが、その正体は、大きいものでは高さと葉の広がりの直径が3メートルにも及ぶ超巨大なシダです。

 自分の背丈よりも高いヘゴが立ち並ぶ様を下から見上げると、まさに、恐竜の時代へと

タイムスリップしてきたかのような錯覚に陥

り、今にも森の奥から恐竜が出てくるのでは

というスリルすら感じられます。

 中央の焦げ茶色の幹の先端から四方に鮮やかな緑の葉を広げるヘゴ(大型シダ植物)を下から見上げるような角度で撮影した写真静寂な森の中に白亜紀のたたずまいを感じさせてくれるヘゴですが、かつては、心ない人に踏み荒らされて、絶滅の危機にひんしたこともあったそうです。

 ヘゴは、ヘゴ科のシダ植物ですので、花は咲かず、種子もできません。

 胞子嚢(ほうしのう)から直径約100分の3ミリの大きさの胞子を飛ばして増殖しよ

うとしますが、これが3メートルにまで生育

することは容易ではありませんので、直接目

にされる機会には、少し離れたところから、

白亜紀の雰囲気をお楽しみいただきますようお願いいたします。

森の奥深く続く杉並木を背景に四方に大きく鮮やかな緑の葉を広げるヘゴ(大型シダ植物)が数本連なっている様を撮影した写真

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2022年03月22日海を歩くゾウ【雲仙天草国立公園・天草地区】

雲仙天草国立公園 森俊夫

 文化財とは、長い歴史の中で生まれ育ち、先人たちから私たちに受け継がれてきた貴重な国民的財産であり、私たちはこれを守り、未来へと引き継いでいかなければなりません。

 このため国は、文化財保護法を制定するなどして、国宝、重要文化財、史跡、名勝、天然記念物等として指定、選定、登録することで、文化財の保護・保存を図っています。

 文化財として指定されている自然景観は、史跡(古墳、その他の遺跡で、歴史上又は学術上価値の高いもののうち重要なもの)、名勝(海浜,山岳その他名勝地で、芸術上又は観賞上価値の高いもののうち重要なもの)、天然記念物(動植物、地質鉱物で、学術上価値の高いもののうち重要なもの)のいずれかに分類され、天草西海岸の妙見岩を含む妙見浦一帯は、昭和10年に名勝と天然記念物に重複して指定されています。

 この妙見岩は、少し離れた十三仏崎あたりから眺めるとゾウのように見えるため、地元では「ゾウさん岩」と呼ばれて親しまれ、雲仙天草国立公園天草地区の象徴的な眺望として紹介されることも多いです。そのため、天草といえば妙見岩を連想される方も少なくないと思います。

十三仏崎の妙見岩見学地から妙見岩を撮影したもので、妙見岩が、洞穴や岩の影の具合で、頭を左側に向けて、右から左に歩いているように見える写真

 この写真は、妙見浦から少し離れた南西側にある十三仏崎妙見岩見学地からゾウさん岩を眺めたものです。

 ゾウさん岩のすぐ近くには妙見浦展望所もあるのですが、そこから見えるのはゾウさんのお尻なので、目の前の小島がゾウさん岩だと気が付かなかった方も多かったのではないかと思います。

 この展望所とゾウさん岩の間は送電線が眺望を遮っていたのですが、九州電力送配電株式会社天草送配電事業所様のご協力で送電線が移設され、ここからの眺望を心おきなく楽しめるようになっています。天草へお越しの際には、妙見浦展望所へもお立ち寄りいただき、ゾウさんのお尻を間近からご堪能ください。

(送電線移設前の状況)

妙見浦展望所から、横長長方形の縦横3つずつの九分割の中央部分に妙見岩を捉えた構図で、全体を横断するように3本の太い青色の電線が写っている写真(送電線移設後の状況)

前の写真と同じ場所からの同じ構図で、3本の太い青色の電線が写っていない(電線が移設されて視界を遮るものが消えている)写真

 さらに、妙見浦展望所の脇には妙見浦の海岸へ至る市道(車道)があり、海岸横には駐車場も整備されており、そこから妙見岩に歩いて渡ることもできます。

 潮位が低いときには、ゾウさん岩の北東側(ゾウさんのお尻を正面に見たときの右側)にまわり込むことができます。

 まわり込んだ先では、ちょうど十三仏崎から見たときの反対側からゾウさん岩を見る形になるのですが、なんと、ゾウさん岩は反対側から見てもゾウさんに見えるんです。

折り重なる岩の隙間から妙見岩を撮影した写真で、上下左右の手前の岩がフレームのように、中央の妙見岩が、頭を左側に向けて、座っているように見える写真 その先には、洞穴岩もありますので、潮位のタイミングが合えば、是非ご覧ください。

左上奥に妙見岩のゾウの頭の部分が写り込んだ、右下に洞穴がある大きな岩を写した写真で、洞穴の中の海面が光っている。

 潮位が高く、ゾウさん岩の北東側にまわり込めない場合には、笠松公園から裏ゾウさん岩を眺めることができます。

 少し遠くなりますが、近くで見るよりもゾウさんっぽく見えますよ。

高台の笠松公園から妙見岩を見下ろすように撮影したもので、妙見岩のシルエットが、頭を右側に向けて、座っているゾウのように見える写真

(笠松公園へのアクセス)

妙見浦展望所方面から

 国道389号線を下田温泉方面に北上し、2つめのトンネルのすぐ手前を左折

下田温泉方面から

 国道389号線を南下し、鬼海ケ浦トンネルの次のトンネルを抜けてすぐに右折

入口付近には、何の表示もありませんので、ご注意ください。
 入口から道なりに車で5分程度進むと途中でY字路になっており、ここを左側に進入し、時計回りの周回路の突端を折り返す少し手前辺りで左手にゾウさんが見えます。

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2022年03月09日見る人の心を映す?奇岩・人面岩【雲仙天草国立公園・天草地区】

雲仙天草国立公園 森俊夫

 以前、龍ヶ岳山頂のハート岩を紹介させていただきましたが、今回は奇岩の宝庫天草シリーズ第2弾として、上天草市の維和島にあり「あなたの心を映す?」と言われている人面岩の記事をお届けします。

 維和島は九州本土と天草上島の間に位置する大矢野島と東大維橋、野牛島、西大維橋でつながれており、車海老養殖の発祥地として知られていることに加え、温州みかんなどの柑橘類の栽培が盛んなところで、島をほぼ一周する九州オルレ維和島コースでは、いくつもの養殖場やみかん畑を目にすることができます。

中央手前に「車海老養殖発祥の地」と表示された白い標柱、後方の1メートル程度の台座の上に「車海老供養之碑」と表示されている約2メートルの高さの石碑が祀られている様子を撮影した写真

 標柱の後方に見えている石碑は、車海老供養の碑です。

 また、天草・島原の乱の若き首領として有名な天草四郎の生誕の地とも言われています(諸説あります)。

 この維和島の南端の一部は、雲仙天草国立公園の特別地域に指定されており、その海岸線には、波状岩(宮崎県青島海岸のものは「鬼の洗濯板」と呼ばれています)が広がり、ちょうど汀線(陸と海の境界)あたりに奇岩・人面岩が鎮座しています。

<人面岩へのアクセス>

熊本市・宇城市方面から

 天城橋・天門橋(1号橋)から国道266号線を南下して、Aコープ先の三叉路交差点を左方向(県道107号線)へ

天草市方面から

 大矢野橋(2号橋)から国道266号線を北上して、ショッピングプラザキャモン横の十字路交差点を右折

熊本市、宇城市方面からは、国道266号線の信号機のある三叉路交差点を左方向の県道107号線へ、天草市方面からは国道266号線から信号機のある十字路交差点を右折して、上天草高校方面に向かう経路が表示された地図

 上天草高校先T字路交差点を左折して、西大維橋へ

上天草高校の前を通過して、T字路交差点を左折して、西大維橋方面へ向かう経路が表示された地図 東大維橋を通過して維和島に渡り、変則T字路を折り返すように左折し、海岸沿いの道路を道なりに南下して、維和島南部の下山地区へ

東大維橋を通過して維和島に渡り、変則T字路を折り返すように左折し、海岸沿いの道路を道なりに南下して、維和島南部へ向かう経路が表示された地図

 下山地区に到着(国道266号線の交差点から25分程度)

 付近は私有地ですので、私有地への無断駐車はご遠慮ください。

 道なり突き当たり付近から左方向に延びる山頂鉄塔への連絡道路がありますので、その道路の脇の他の車両の通行の妨げにならないようなところに駐車してください。

維和島下山地区の人面岩のある海岸に至る小道と駐車位置に至る道路の分岐交差点付近を撮影した写真にそれぞれの進行方向が、駐車位置方向が黄色の矢印、人面岩方向が緑色の矢印で図示されている2枚の並列画像駐車位置に至る道路を撮影した写真に進行方向が黄色に矢印で、駐車位置が赤く塗りつぶされて図示されている2枚の並列画像

 駐車位置から人面岩には徒歩で向かいます。

人面岩のある海岸に至る経路の道路に近い側の写真に進行方向が緑色の矢印で図示されている2枚の並列画像人面岩のある海岸に至る経路の海岸に近い側の写真に進行方向が緑色の矢印で図示されている2枚の並列画像で、右側の画像には、看板の位置が表示されている 海岸の入口に、日本語、英語、韓国語、中国語の4か国語で書かれている人面岩を説明する看板があります。(この看板の向こう側に人面岩がありますが、以下の要領にしたがって進んでください。)

人面岩のある海岸への入口に設置されている、日本語、英語、韓国語、中国語の4カ国語で人面岩の説明が表示されている看板を撮影した写真(説明文 日本奇岩百景認定「あなたの心を映す人面岩」ご対面されてどのような表情に見えますか?悲しんでいるように見えますか?喜んでいるように見えますか?怒っているように見えますか?笑っているように見えますか?叱っているように見えますか?心が少し軽くなりましたか?これからどんな道を歩んでいきますか?)

 看板の左側には海岸へ降りる小道があり、そこから降りた海岸には波状岩が広がっています。(潮位が低いときほど広く見えます。)

 正面に大きな岩が見えますが、これは人面岩ではありません。

左下から右上に向かって洗濯板のように折り重なるように連なる板状の岩の先に海が広がる風景を撮影した写真

 波状岩まで降りたら、人面岩を探すのではなく、まず、自分の思うままに、波状岩の上を歩いてください。(鬼の洗濯板のようなところを歩きますので、十分注意してください。)

 そして、ここぞと思う場所で、空を見上げて送電線の鉄塔を探します。

 そこから真下に視線を降ろしていくと、小高い山のふもとにある人面岩と目が合います。

頂上に鉄塔がそびえ立つ小高い山とそのふもとにある人面岩が映された写真 見る角度、天候、時間帯など(方向と光の具合)によって表情が異なり、悲しんでいたり、喜んでいたり、怒っていたり、笑っていたりするそうです。

晴天時に、人面岩をほぼ正面から撮影した写真晴天時に、人面岩に向かってやや左側から撮影した写真晴天時に、人面岩を向かってやや右側から撮影した写真

 あなたの目には、どのように映るでしょうか。

 あなたの心は喜んでいるでしょうか。

 是非、ご自身でご体験ください。

次回予告編

 奇岩の宝庫天草シリーズ第3弾は「ハイパー・リアル!おっぱい岩」の予定です。

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2021年12月22日今年も天草にマナヅルが飛来しました【雲仙天草国立公園・天草地区】

雲仙天草国立公園 森俊夫

 鹿児島県出水市の出水平野は、国内最大のツルの越冬地として知られており、既に1万5000羽を超えるツルが渡来しているようです。

 熊本県の南西部に位置する天草市の上空は、出水平野に渡来するツル達の飛行コースとなっており、天草市の河浦町と深海町にまたがる標高405メートルの六郎次山(ろくろうじやま)の山頂では、渡りのツル達を観察することができます。

 その六郎次山の麓の河浦町で、越冬する3、4羽のマナヅルが、10年以上前から確認されていました。

 例年11月下旬頃に飛来が確認されていましたが、今年は、12月初旬になっても見当たらず、10年以上続いていた越冬も途切れてしまうのかと心配していましたが、12月21日に3羽にマナヅルの飛来を確認することができました。

 このまま、この地で越冬してくれることを願いながら、観察を続けたいと思っています。

写真1 今年も3羽のマナヅルが飛来しました1

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル3羽が間隔を空けて写っている写真

写真2 今年も3羽のマナヅルが飛来しました2

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル3羽が間隔を狭めて写っている写真

写真3 周りを警戒しながら羽を休めています1

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル1羽がが大きく写されている写真で、目の周りが赤くなっている特徴が確認できます写真4 周りを警戒しながら羽を休めています2

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル2羽が大きく写されている写真で、1羽はエサをついばみ、もう1羽は周りを警戒しているように見え、目の周りが赤くなっている特徴が確認できます写真5 エサをついばむときは、必ず1羽はエサを食べずに、周りを警戒しているように見えます1

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル3羽の写真で、2羽がエサをついばみ、その横に立った1羽が周りの様子を窺っている様子が確認できます写真6 エサをついばむときは、必ず1羽はエサを食べずに、周りを警戒しているように見えます2

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル3羽の写真で、写真5と同様に、1羽は必ず周りを警戒しているようです写真7 他の2羽がついばみをやめたところで、見張り役の休憩でしょうか、片足を延ばしてリラックス?

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル1羽の写真で、片足で立ったまま、もう片方の足を後方に延ばしている様子が確認できます

 ツルは、警戒心が強く、銃声に驚いて越冬をやめる事例が発生しておりますので、ツルの渡来地では、狩猟(特に銃の使用)についてご配慮いただきますようお願いいたします。

 また、渡来地の河川敷や河口干潟、ため池等をねぐらとして利用しますので、夜間(日の入から日の出まで)の同所への立入り(犬も含む)についてもご配慮願います。

 数少ない越冬地の確保に向けて、みなさんのご理解とご協力をお願いいたします。

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2021年08月10日国立公園スタンプラリー天草コース【雲仙天草国立公園・天草地区】

雲仙天草国立公園 天草 森俊夫

(国立公園スタンプラリー)

 日本の国立公園には、美しい自然の風景をはじめ、その自然に育まれた伝統文化や食など、その地域ならではの魅力あふれる見どころがたくさんあります。

 それぞれの国立公園のビジターセンターや見どころを巡り、身近な自然の魅力を発見しながら、国立公園ごとのオリジナルスタンプやコイン(ポイント)を集めることができるアプリが「国立公園スタンプラリー」で、コインを50枚集めると商品がもらえます。

 商品は、先着500名様限定で、2021年8月5日現在、16名の方が50枚以上のコインを獲得されているようです。(ちなみに、同日現在の最高獲得枚数は89枚です。)

 雲仙天草国立公園の天草地区にも、天草上島に2か所、天草下島に3か所のチェックイン(スタンプ・コインを獲得できる)地点が設けられています。

 詳細は、ポスター・チラシまたは「国立公園スタンプラリー」で検索してご確認ください。

(天草上島コース)

 天草上島地区では、天草ビジターセンターと高舞登山(たかぶとやま)がチェックイン地点となっています。

 天草ビジターセンターと高舞登山は、車で10分くらいのところにありますので、1時間程度で両方の対象地点を巡ることができます。

 また、両地点の間には、天草松島の島々を一望できる標高162メートルの千巌山があり、頂上近くの駐車場から巨岩の間を通って登って行きますので、手軽に登山気分を味わうことができます(身体障害者用コースも併設されており、バリアフリーの展望所の横まで車で行くことができます)ので、時間に余裕があれば、お立ち寄りください。(上記コースと併せて2時間程度で巡ることができます。)

天草ビジターセンターの外観と同センター奥の遊歩道からつながる海岸から見える海に浮かぶ島(令和3年7月撮影)

天草ビジターセンターの外観と遊歩道からつながる海岸からの眺望

高舞登山展望所入口と同展望所から見える天草松島の海に浮かぶ島々の風景(令和3年7月撮影)

高舞登山展望所入口と同展望所からの眺望

巨岩の間を通る千巌山登山道と山頂から見える天草五橋(島々をつなく橋)と青い空の風景(令和3年7月撮影)

千巌山登山道と頂上からの眺望

千巌山の車いすでも登ることができる展望台とそこからの天草松島(海に浮かぶ島々)の風景(令和3年7月撮影)

千巌山のバリアフリーの展望所(駐車場)と眺望

天草上島の地図にチェックイン地点と経路を表示した図

赤線表示がコース経路

(天草下島コース)

 天草下島地区では、富岡ビジターセンター、崎津教会(集落)、竜洞山みどりの村キャンプ場がチェックイン地点となっています。

 富岡ビジターセンターから崎津教会に至るまでの海岸沿いには、天草のリアス式海岸の断崖絶壁・奇岩群の代名詞ともいうべき鬼海ヶ浦、妙見浦(十三仏崎)があります。

 瀬戸(せど)大橋から、富岡ビジターセンターまで車で50分程度、同センターから鬼海ヶ浦まで30分程度、鬼海ヶ浦から十三仏崎まで10分程度、十三仏崎から崎津教会まで20分程度、崎津教会から竜洞山キャンプ場まで50分程度、同キャンプ場から瀬戸大橋まで50分程度が移動時間の目安です。

富岡ビジターセンターの外観と同所から見える独特の地形をもつ曲崎(鉤型に海に突き出た砂嘴)の風景(令和3年7月撮影)

富岡ビジターセンターの外観と眺望(曲崎、ハマジンチョウ(開花時期1月から3月)群落地)

天草西海岸の断崖絶壁、奇岩群の景勝地としてしられる鬼海が浦と十三仏﨑から見える妙見浦(象の形の奇岩)

鬼海ヶ浦展望所からの眺望と十三仏崎から見た妙見浦(ぞうさん岩)

漁村の街並みにたたずむ崎津教会と拝観マナーの説明等を行う崎津集落ガイダンスセンターの外観(令和3年7月撮影)

崎津教会と崎津集落ガイダンスセンターの外観

 崎津教会内部の拝観には事前の予約が必要です。詳しくは、天草市委託事業者(九州産交ツーリズム株式会社旅行センター)にお問い合わせください。

 なお、崎津教会の地点チェックインは、周辺の天草市崎津集落ガイダンスセンターでも可能です。(同センター展望所から崎津教会の建物を見ることができます。)

みどりの村キャンプ場の管理棟の外観と展望台から見える風景(オートキャンプ場と奥の海に浮かぶ獅子島)(令和3年7月撮影)

みどりの村キャンプ場管理棟の外観と展望所からの眺望(オートキャンプ場と獅子島)

天草下島の地図にチェックイン地点と経路を表示した図赤線表示がコース経路

コロナ禍の影響により、施設が閉館となっている場合もありますが、閉館中であっても、施設の敷地内であれば、チェックイン手続ができます。

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2021年07月28日崖っプチの愛・ハート岩(龍ヶ岳園地)【雲仙天草国立公園・天草地区】

雲仙天草国立公園 天草 森俊夫

 天草上島の東端を約30キロにわたって縦断する山稜ラインは「観海アルプス」と呼ばれていますが、その南端に位置するのが標高470メートルの龍ヶ岳です。

 その山頂周辺は自然公園として整備され、山頂展望所、キャンプ場などの施設がありますが、山頂展望所からの海に浮かぶ島々の眺望と並ぶ自然景観として、「ハート岩」があります。

 「ハート岩」は、山頂付近の巨大な岩に自然にできたハート型のくぼみ(侵食)で、古代人がそのくぼみにお酒を満たして神々と通信する儀式を行っていたという伝説があります。また、形成されている位置が数百メートルの断崖絶壁の崖っぷちにあることから、「愛さえあれば何も怖くない」というフレーズで、愛と恐怖でドキドキの恋愛成就のパワースポットとしても紹介されています。

ハート岩を案内するプレート(2021年6月撮影) ここからハラハラ・ドキドキ体験が始まります。

 駐車場から徒歩5分くらいのところにあり、スニーカーでなくともヒールの低い靴であれば大丈夫ですが、ハートは大きな天然岩の崖側の端近くにあり、岩には小さな凹凸がありますので、念のためしっかりと手をつないで近づくことをおすすめします。

 この夏、あなたも龍ヶ岳でハラハラ・ドキドキ体験してみませんか。

山頂から見下ろした風景で、手前にハート型のくぼみがある巨大な岩、背景に、山の裾野と海が広がっている(2021年6月撮影) 逆向きハートの向こうには、数百メートルの断崖絶壁と天草の藍い海が広がっています。

巨大な岩のハート型のくぼみを真上から撮影したもので、岩の向こうには、数百メートル下の裾野が写っている(2021年6月撮影) 真上からのぞき込むと、きれいなハート型です。

 写真からもわかるように、現地では景観を保持するために手すりなどは設置されておりません。

 くぼみは、ほぼ真上から見たときが一番きれいなハート型に見えますが、くぼみの向こうは数百メートルの断崖絶壁となっていますので、くれぐれもそれ以上は崖側には近づかず、決して、くぼみの向こう側へは行かないでください。

画像の上下を入れ替えて、ハート型がわかりやすいようにしたもの

 携帯の待受画面にすると恋愛運アップ?

 待受画面用に、撮影した写真の上下を入れ替えて、角度を調節し、縦長に切り取りました。

 ハート岩のある龍ヶ岳山頂は、環境省が主催するスターウォッチング・ネットワークで、最も星空の観測に適した場所に認定されたこともあり、その立地を活かしてミューイ天文台が設置されています。(ミューイとは、天草地方の方言で「見よう」という意味です。)

 天体観測は日没後のみですが、昼間や夜間の天候不良で天体観測ができないときは、プラネタリウムも上映されています。(詳細は直接施設にお問い合わせください。)

龍ヶ岳山頂にある天文台の建物を撮影したもので、中央にレンガ色の門と入口、その右奥に天井が半球形の白い展望室が写っている(2021年6月撮影)環境省が制定した星空をイメージしたスターウォッチング・ネットワークのキャラクターとロゴ

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2021年07月19日白嶽(しらたけ)森林公園・ハッチョウトンボ【雲仙天草国立公園・天草地区】

雲仙天草国立公園 天草 森俊夫

 今年も白嶽(しらたけ)園地(白嶽森林公園キャンプ場)の湿地帯に、ハッチョウトンボが舞っています。

 ハッチョウトンボは、トンボ科ハッチョウトンボ属の体長2センチ程度の日本一小さなトンボです。熊本県のレッドデータブックでは2019年絶滅危惧ⅠA類に指定され、県条例により県内全域での捕獲が禁止されています。絶滅危惧ⅠA類とは、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いものとされており、熊本県では、絶滅の危機に直面している状況にあるということです。

 このような状況の中で、6月1日の巡視の際にはその姿が見られなかったため、一時は大変心配していましたが、6月中旬頃に生息が確認されたという嬉しい報道がありました。6月29日(午前11時頃)の再度の巡視では、7頭のオスのハッチョウトンボが確認できました。

 トンボといえば、ゆっくりと風に乗って流れるように優雅に舞うというイメージでしたが、私が見たときは、3頭と4頭のグループに分かれて、数分間、それぞれに直径30センチくらいの弧を描きながら、追いかけっこをするように、地面から150センチくらいの高さの同じ軌道を、目が回らないかと心配になるくらいのものすごい早さでグルグルと飛んでいました。その後分散し、地面から20センチ程の高さの湿地帯の草の間でホバリングをして、草の葉に乗って羽根を休めたかと思うと、10秒足らずで飛び立って、水平に1メートル程度移動しては、ホバリングと羽根休めを繰り返していました。2センチ程度の細く小さな体ですが、鮮やかな赤色をしているため、3メートルくらいの距離までは、その行方を目で追うのはそう難しくはありませんでした。しかし、すぐ近くまで来てじっとしていることはほとんどありませんでしたので、その姿をカメラに収めるのは、至難の技でした。

 被写体が小さく、じっとしているのはほんの数秒間であるため、この程度の写真しか撮れませんでした。

湿地帯の草の上で右方向に頭を向けて羽根を休めているハッチョウトンボ(2021年6月撮影)湿地帯の草の上で左方向に頭を向けて羽根を休めているハッチョウトンボ(2021年6月撮影) 

 この写真では、鮮やかな赤をとらえることができませんでした。次回巡視時には、高性能カメラでリベンジ撮影にチャレンジします。

 残念なことに、間近で見たいと思われたのでしょうか、通路から外れて、湿地帯の中にまで入り込まれた来訪者もいらっしゃったようです。ここは、彼らにとっての数少ない生息地ですので、この貴重な聖地に、文字どおり、土足で踏み込むことのないように、利用者のみなさまには、自然環境の保護と保全にご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。

湿地帯が踏み荒らされて、いくつもの足跡が重なるように残されている様子が写されています(2021年6月撮影)

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2021年07月15日ARデビュー報告【雲仙天草国立公園・天草地区】

雲仙天草国立公園 天草 森俊夫

 雲仙天草国立公園・天草地区で初のアクティブ・レンジャー(AR:自然保護官補佐)として令和3年5月から天草自然保護官事務所に勤務することになりました森です。

 勤務を始めてから1か月余りが経過し、国立公園内の巡視を徐々に始め、ARの仕事が少しずつわかってきたような気がしていた6月初旬のとある日、事務所の電話が鳴りました。

 それは、一般の方からで、管内の松島地区で、オオキンケイギクらしき植物を見かけたという情報提供の電話でした。

 オオキンケイギクとはキク科の多年草で、コスモスに似た先がギザギザの(不規則に4つから5つの凹凸がある)花びらが幾重にも重なる、鮮やかな黄色の花を咲かせます。きれいな花を咲かせるため、以前は、道路脇の法面(斜面)の緑化資材として使われていましたが、その強靱な繁殖力で、他の植物を駆逐(他の植物を生育できなく)してしまうため、2006年から外来生物法で指定を受けている特定外来生物です。

 特定外来生物とは、海外起源の動植物のうち、生態系(生物の多様性)を破壊するおそれのあるもののことで、そのおそれの高いものは外来生物法で指定され、飼養、栽培、保管、運搬、輸入が禁止されています。例えるならば、自然界の指名手配犯といったところでしょうか。

 この一報を受けた自然保護官から指示を受けて、電話のあった30分後には現地に向けて出発。到着後、直ちに捜索を開始して、オオキンケイギクと思われる黄色い花を咲かせている植物の形状や分布範囲をデジタルカメラで撮影して事務所へと戻りました。

オオキンケイギクの生育状況の確認のために、現場捜索の際に撮影された写真で、中央手前に黄色い花が5輪、緑色の固いつぼみが3つ、後方斜面には、一面に黄色い花が点在している様子が写されている(写真1)見た目には、指名手配犯らしからぬ、非常に美しい花です。

オオキンケイギクの生育状況の確認のために、現場捜索の際に撮影された写真で、道路脇の斜面一面に密に黄色い花が点在している様子が写されている(写真2)斜面一面に黄色い花が点在しています。

 すぐに画像データを九州地方環境事務所の野生生物課に送り、30分程でオオキンケイギクであることの確認ができました。

 生育が確認された場所は、利用者の多い観光地(展望所・レストラン・宿泊施設)への連絡道路(市道)脇の斜面でしたので、直ちに、道路管理者である自治体の担当部署に、生育区域を表示した図面を添付して、駆除作業の計画を依頼することとしました。

 駆除作業を実施するにあたって注意を要するのが、オオキンケイギクが多年草であることと外来生物法により生きた状態での運搬(移動)が原則的に禁止されているということです。

 多年草であるオオキンケイギクは、ロゼット型と呼ばれる丸く地面にへばりつくような形状で冬を越し、早いものでは、4月頃に葉を細長いクツベラ型に伸ばし始め、5月頃には茎を伸ばします。その後、5月から6月に開花し始めて結実し、7月頃から羽根の生えた種を風で飛ばし始めますが、遅れた時期から成長を始めるものもあるため、開花・結実は秋まで続きます。このサイクルを繰り返すことで、生育域を広げていきます。

 駆除の方法としては、まず、地上に見えている部分を刈り取る方法が考えられます。しかし、この方法では根が残ってしまうため、翌年にはまた開花・結実することになり、早いものでは同一シーズン中に再度、発芽して、開花・結実に至ることもあります。そのため、根ごと引き抜く方法がよいとされています。また、種を飛ばし始める前(6月まで)に駆除作業を行うことも重要なポイントとなります。

 また外来生物法で指定されている特定外来生物は、生きたまま運搬する(移動させる)ことが禁止されているため、駆除したオオキンケイギクはそのままの状態で燃やせるゴミとして出すことができません。そのため駆除した後は、種子や根を落とさないように袋などに入れて、口をしっかりと閉じて、その場に3日程度置いて枯死させた後に、燃やせるゴミとして処分するということになります。

 ただし、自治会やボランティア団体等による小規模の駆除作業に関しては、事前に駆除作業を実施する旨をホームページ、回覧板、掲示板、立て看板などで公表しておけば、生きたまま運搬することが認められています。この場合は駆除直後に焼却場へ持ち込むことができるようになりますが、運搬途中に根や種子がこぼれ落ちることのないように、十分な拡散防止措置を講じなければならない点に注意してください。

 今回は最初の生育の確認の約2週後(6月下旬)に行われた上天草市の9名体制の駆除作業に、天草自然保護官事務所から2名(天草自然保護官事務所には2名しか職員がおりませんので総動員です。)で参加させてもらいました。

 現地確認の際に黄色い花を目印に生育区域を確認し、少なくはないという印象を持っていましたが、駆除作業に参加してみると2週間の間に開花している量は2倍以上に増えていました。また開花が数本だけの、ほとんど育成していないように見えている区域でも、間近で見るとこれから茎を伸ばそうとしている株の群生がところどころに見られ、その繁殖力の強靱さは、想像を遙かに越えるものでした。(写真2と写真4はほぼ同じ場所を撮影したものです。現場確認から駆除作業までの2週間に開花の量が増えていることが確認いただけると思います。)

 1株ずつ根ごと引き抜く作業を行いましたが、乾燥して地盤が固くなっているところでは、思いどおりの作業ができず、地中の根を全部取り去ることができなかったものも少なくありませんでした。

駆除作業当日の作業途中で撮影された写真で、レンジャー服を着た記事作成者が駆除したオオキンケイギクを回収するために袋に入れる作業をしている様子が写されている

(写真3)駆除作業当日はくもり空でしたが、気温は30度近くあり、開始早々に息があがりました。

駆除作業当日の作業途中で撮影された写真で、斜面に作業員3名が垂直に並んで作業する様子と、作業員の手前(除草作業が終わった部分)には黄色い花がなく、これから作業する前方には黄色い花が密に点在している様子が写されている(写真4)写真2とほぼ同じ位置を写したものであり、現地確認から駆除作業までの約2週間で開花の量が数倍に増えているのが確認できます。

 スコップやシャベルで根元を掘り起こすなどして、根を残さないように取り去る作業が理想的でした(生育数の少ない区域では、そのような作業をしました)が、6月中に花の駆除を終えなければ、種子の散布が始まることを考えて、生育数の多い区域ではこれ以上数を増やさないように、少なくとも地上に見えているものは駆除する作業としました。

 生育数の多い区域では1回の作業で駆除を完了することは困難であり、根を残さない作業の範囲を徐々に広げていくことが、完全に駆除するための唯一の方法です。今回の作業はこれからの長い闘いの幕開けにすぎないことを、身をもって感じました。

 この一連の作業こそがアクティブ・レンジャーの活動の真髄であることを実感し、今回の経験を活かして、これからの業務にまい進していきたいと思っています。

駆除作業当日の作業完了後に撮影された写真で、斜面に密に点在していた黄色い花はなくなり、白い花のみが残されている様子が写されている(写真5)写真4の位置の作業(駆除)後の様子です。作業員のみなさん、大変お疲れさまでした。

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