アクティブ・レンジャー日記
第2回パークボランティア定期活動@白浜集落
2019年06月11日こんにちは。西表自然保護官事務所の光森です。
今年度より、西表石垣国立公園パークボランティアでは、毎月第二土曜日に定期活動として西表島で、野生動物の交通事故防止のための県道の草刈り作業や外来生物の駆除作業、海岸清掃などを行っています。
その活動の第2回目として、今年1月に西表島の白浜集落で確認された特定外来生物の「ツルヒヨドリ」の駆除作業を6月8日(土)に実施しました。
「ツルヒヨドリ」とは、北アメリカ、南アメリカの熱帯地域原産のつる性の植物で、"つる"で巻きつきながら1日で10㎝ほどの猛烈な勢いで広がっていきます。折れたりちぎれたりした"つる"が地面に触れていると、そこから根を出して増えていき、1つの株は1年間で25m四方に広がります。ツルヒヨドリは他の植物を覆いながら生長するため、覆われた植物は光が当たらなくなり、枯れてしまいます。そのため、西表島在来の植物をはじめとする生態系に大きな影響を与える可能性があり、すぐに防除する必要があります。
まさに特定外来生物のお手本のような植物です。
▲ツルヒヨドリの葉の特徴
作業した場所は、林野庁で木酢液を散布して駆除試験をしています。
今回の活動は、主に木酢液を散布することができない水路に繁茂しているツルヒヨドリを駆除しました。
▲水路のツルヒヨドリの根
これは元々ある水路の堰(せき)ではなく、ツルヒヨドリの根が水路を埋め尽くし、約20㎝の段差になっています。この根を鎌や手で抜き取り、いったん水路から陸に上げて水分を落としてからゴミ袋に入れ、駆除しました。
▲作業前
▲作業後
突然、雨が降ったり晴れたりと天気がコロコロと変わる中での作業となりました。
また気温も高く、水路での作業なので泥で汚れるなど大変な作業でしたが、最終的には45Lのゴミ袋を15袋分駆除することができました。
また、来月の定期活動でも同じ場所を行う予定です。
今回、駆除したツルヒヨドリがどのように変化しているのか経過観察をしていきたいと思います。