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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

子どもパークレンジャー開催!(石垣市立八島小・第1回)【石垣地域】

2012年05月15日
石垣
はじめまして。
4月から石垣自然保護官事務所に着任しました、春口と申します。
3月までは北海道の支笏湖(しこつこ)でアクティブレンジャーとして勤務していました。どうぞよろしくお願いします。

5月7日、石垣市立八島小学校の5年生を対象に子どもパークレンジャーを開催しました。
子どもパークレンジャーは、レンジャー(自然保護官)の活動を子どもたちが体験しながら、自然にふれあい地域の自然の大切さを学ぶ活動です。この活動を指導してくれる中心メンバーは、エコツアーをしながら環境教育に熱心に力を入れてくださっているみなさんです。

八島小学校は海に面した学校で、歩いて5分ほどでサンゴ礁の広がる海岸に到着することができます。ちなみに私たちの事務所もすぐそばにあります。
今回子どもパークレンジャーとなる5年生は総勢51名、みんな元気いっぱいです。そんな子どもたちと1日かけてサンゴについて学習していきました。

簡単な挨拶のあと、まずはサンゴ礁の巨大ジグソーパズルをみんなでつくります。子どもたちは一斉に動き出し、わずか10分ほどでパズルを完成させました。パズルにはサンゴだけではなく、ダイバーや山の絵も描かれています。サンゴ礁にはサンゴや魚だけでなく、人の営みや陸の自然が健康であることも大切だということをこどもたちは体を使って感じることができたと思います。



(写真右上:一人一枚パズルを受け取ってスタートです。左上:残りのピースと自分のピースを確認しながらパズルに向かいます。下:だいぶできあがりました。)
少し体を動かしたら、今度は国立公園について自然保護官から説明がありました。さっきまで元気にはしゃいでいたとは思えないほどみんな真剣に話を聞いています。多くの子どもたちは石垣島の一部が国立公園に指定されていることを知らなかったようで、「日本の代表選手のようなもの」という説明に驚いていました。みんなは普段から見ているので、その景色が日本の代表とは思えなかったようです。石垣島が国立公園に指定されたことを知らない人はまだまだ大勢いるので、ぜひお父さんお母さんに今日の学習を話してほしいです。

その後はサンゴクイズがあり、サンゴのスケッチを行い、午前中の活動は終了です。



(写真左上:サンゴクイズの様子。体を動かすとなると子どもたちは元気いっぱいです。左下:自然保護官より国立公園についてのお話。先生も真剣に聞いていました。右:「サンゴ」から連想されるキーワードを書き出しました。色や形だけでなく、オニヒトデのようにサンゴ礁衰退の原因も挙げられています。)



午後の活動は「コーラルウォッチ」。実際に近くの海岸まで歩いて、サンゴを探しに出かけました。5年生みんなでサンゴの健康状態をチェックします。カードとチェックシートを使い、ひとつのサンゴの一番色の濃いところ(健康なところ)と色の薄いところ(健康じゃないところ)を記録していく調査です。

子どもたちは勢いよく海へ向かいましたが、まずはサンゴを探すよりカニや小魚に夢中・・・やっぱり元気いっぱいのやんちゃ坊主たちです。でも少し落ち着いてサンゴを探し始めるとすぐに見つけ出し、チェックシートに記録していきました。
調査が終わるとまた生き物探しを始めましたが、調査が終わっても「これもサンゴ?」と関心を持っていて、この活動の成果が早くも見られました。



(写真:コーラルウォッチのカード(左下)の縁に近い色を探してチェックシート(右下)に記録します。)

生き物に興味を持つこと、自然に興味を持つことはとても重要です。地元で生活していると当たり前のことでも、一歩外に出ると今までいた場所がとても貴重だったことに気づかされます。実際、サンゴ礁にこんなに近い小学校なんてなかなかありません。
サンゴだけでなく、海の生物に興味を持ってもらう、海で遊ぶということは次世代の海を守る担い手として成長してもらうための第一歩です。また、楽しく学んで感性を磨くことが今後の彼らにとっても重要な経験となってくれるはずです。

今回の子どもパークレンジャーはコーラルウォッチでしたが、次回は6月に名蔵アンパルでの学習が待っています。また、別の小学校でも子どもパークレンジャーを開催予定ですので、子どもたちとの活動をまたご報告したいと思います。