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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

ヤマネコ探偵団 謎を解く【西表地域】

2012年12月11日
西表
12月2日(日)に「ヤマネコ探偵団~イリオモテヤマネコ調査体験観察会」を開催しました。

『イリオモテヤマネコが高い山より低い山に多く暮らすのはなぜ?』
これが今回のヤマネコ探偵団に解いてもらう謎です。

実はイリオモテヤマネコは、西表島の高い山よりも低い山に暮らしている方が多いのです。
それはなぜか!?ということで、3つの指令「①痕跡を調査せよ」「②生きものを調査せよ」「③交通事故現場を調査せよ」をクリアして、謎を解くための野外観察に出発しました。

「指令①痕跡を調査せよ」では、ヤマネコのフンを発見!そのほかにイノシシの足跡、何者かが食べたと思われるカニの食痕、鳥の羽毛の散乱が見られました。残念ながらこの日は、前夜の大雨のためかヤマネコの足跡やにおいはありませんでした。

しかし、フンがあったということは、ヤマネコが暮らしているということです!周りの環境を見回してみると、田んぼや沢、森林、道路の向こうにはマングローブや海があります。この調査で、ここにはヤマネコが暮らしていること、暮らしている環境の様子がわかりました。


道の真ん中にフンを発見!(ヤマネコは目立つ場所にフンをします)


ヤマネコが暮らしている環境

「指令②生きものを調査せよ」では、カエル・オタマジャクシ・バッタ・コオロギ・カニ・鳥のシロハラ・カンムリワシなどの生きものが見つかりました。また、姿は見えませんでしたが足跡からイノシシがいることもわかりました。探偵団には、見つけた生きものの中でヤマネコは何を食べる?と予想してもらいました。

イリオモテヤマネコが暮らす場所は、人にとって身近な場所です。そのために交通事故も起こりやすいことを知ってもらうため、「指令③交通事故現場を調査せよ」では、10月25日に起こってしまった仔ネコの事故現場も見ました。


仔ネコの交通事故があった場所

ヤマネコが暮らす場所の調査後、探偵団自ら考えてもらい、いよいよ謎の解明となりました。皆さんもぜひ考えてみてください。

・・・謎の答えは、「低い山は、沢・湿地・マングローブ・海岸・田んぼなど様々な環境があり、様々な生きものがたくさん暮らしており、ヤマネコもエサをとりやすいため。」です。今回は短時間の調査だったため、見つけた生きものも少なかったですが、様々な環境があるということは、それだけたくさんの種類の生きものもいて、ヤマネコが暮らしやすい場所だということです。

なかなか姿を見ることのできないヤマネコですが、今回の観察会で痕跡からでもヤマネコが暮らしていることを知り、少しでもヤマネコの存在を身近に感じてもらえたら嬉しいです。