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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

ボートスノーケリングと今夏のサンゴ速報

2018年10月09日
西表石垣国立公園 神保彩葉

石垣島は、台風が過ぎてから、

急に気温が下がり、秋らしい風が吹き始めました。

まだまだ夏が続く!と忙しなく動いていましたが、

そんな季節の訪れに、ハッとさせられ、

こうして今年も終わるのか~と考えてしまう今日この頃です。

さて、今年の夏、本土では猛暑が続いたようですが、

南の島の石垣島は、実は比較的涼しく、過ごしやすい年でした。

人間もですが、サンゴにとっても、

今年は海水温が安定していて、過ごしやすい年だったようです。

さて、2016年の大規模白化では、

たくさんのニュースや新聞で報道がありましたが、

その後の石西礁湖がどうなっているか、

島の人にも知ってもらおう、みてもらおう。

ということで、先月ボートスノーケリングを開催しました。

今回の観察ポイントは、白化の影響を大きく受けてしまった場所(マルグー)と、

環境省で行っている石西礁湖自然再生施設&その周りのサンゴ(ヨナラ水道)の観察にいきました。

当日の航路

【観察ポイント①定点調査区S23_マルグー】

大規模白化前のマルグーはこちら(2014年撮影)

写真のような卓上ミドリイシが広がっているポイントでした。

大規模白化後(2018年9月撮影)

こうして比較してみると、白化の影響力がよく分かります。

ただ、石西礁湖のすべての場所が、白化によって死滅したわけではありません。

【観察ポイント②ヨナラ水道(小浜島と西表島の間)】

この地点は、潮通しが良く、日頃から流れがあるため、

白化の影響はさほど大きくなかった地点です。

下の写真のように、元気な枝状ミドリイシが広がっています。

 

枝状ミドリイシ群落

サンゴと生き物の観察中

元気なサンゴをみて、参加者も元気!

また、石垣自然保護官事務所では、サンゴを再生するための活動のひとつとして、

着床具を使ったサンゴの移植事業を行っています。

今回は、そんな取り組みの様子もみてもらいました。

石西礁湖自然再生施設

ボートスノーケリング、記念写真!

大規模白化で大きく衰退した場所。そうでない場所。

白化で死んだサンゴ。耐え抜いたサンゴ。

サンゴも色々ありますが、サンゴの生きる力は侮れません。

白化を耐え抜いたサンゴ(15cm程度)

赤ちゃんサンゴ。新しい命。

石西礁湖や石垣島沿岸では、現在、手のひらサイズの小さなサンゴがたくさん定着し、成長しています。

サンゴのように、くじけず懸命に生きる気持ちを忘れないでいたいですね。

以上、石垣自然保護官事務所からの報告でした。