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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

西表石垣国立公園標識の塗装【石垣地域】

2013年07月02日
石垣
沖縄は、これから台風が多くやってくる季節になりますので、台風対策は万全に。
今回、石垣島に設置してある西表石垣国立公園標識の塗装を行ってきましたので、ご報告します。

石垣島には、野底マ-ペ-と呼ばれる山があり、登るルートが2つあります。1つめの野底集落の山林から登る片道約1時間のルートと、2つめの野底集落と伊野田集落をつなぐ林道の間にある登山道から登る片道約15分のルートがあります。山頂は気持ちいい風が吹いており、見晴らしが良く、サンゴ礁と白い砂浜や水平線が一望できる石垣島のすばらしいスポットです。

野底マ-ペ-と呼ばれる由来は、むかし、土地の開墾のため黒島から野底集落へ強制移住させられた人々がいました。その移住者にマ-ペ-と呼ばれる娘がおり、黒島に残された恋人を思い野底岳に登ったが、石垣島にそびえ立つ沖縄県最高峰の於茂登岳にさえぎられ、黒島の姿さえも見えず、マ-ペ-は絶望のあまり山頂で石になったという伝説があり、このように呼ばれているそうです。

標高282.4mの野底マ-ペ-(野底岳とも呼ばれています)

その野底マ-ペ-に続く林道に設置してある西表石垣国立公園の入口標識を塗装しました。林道内は湿度が高く、木材で建てられた標識は、数年の間にカビが付着していたほか塗っていた塗料も剥がれていた状況だったため、防腐・防カビ・防虫のための塗装と標識付近の草刈りを行ってきました。

西表石垣国立公園の標識塗装

標識塗装後、塗装前と見比べて色が明るくなり、標識周辺の草刈り効果で視認性も高くなったため来訪者にも国立公園を意識してもらえると思います。馴れない塗装作業で服や靴に塗料が付着し、洗濯しても落とせなく落ち込むこともありましたが、うまく塗装が出来きました。石垣島には、貴重な自然が見られるいくつかのスポットに案内標識が設置されており、これらの標識等公園内の施設の点検・整備もアクティブレンジャーの大事な仕事のひとつです。

標識付近で面白いチョウを撮影しましたのでご紹介します。撮影したのは、リュウキュウヒメジャノメと呼ばれるチョウでした。琉球諸島に生息し、八重山では2月~12月の長い期間でこのチョウが見られます。蛇の目のような模様は、天敵である鳥等の捕食者の目をくらます効果があり、鳥が眼状紋の部分を突いても体本体の損傷を回避して逃げることができるそうです。

蛇の目模様の側に白い太線があるのが特徴のリュウキュウヒメジャノメ