アクティブ・レンジャー日記
北部JPR活動(第五回~第七回)【石垣地域】
2019年01月30日アクティブレンジャー日記をご覧の皆さんこんにちは。
石垣自然保護官事務所の山田です。
さて今回は北部子どもパークレンジャー(以下JPR)活動が無事に終了いたしましたので、その第五回~第七回の様子をお伝えしたいとおもいます。
11月の第五回北部JPR活動の舞台は石垣島北東部平久保半島。
ここには国立公園にも指定されている未舗装路の平野―明石エコロードがあり、ここを自転車で走ろうというもの。
題して「平野―明石エコロード凸凹サイクリング」です。
まずは安全にゴールまでたどり着けるように、自転車に乗る際の注意点のレクチャーをうけます。
そして凸凹道を一生懸命こいで約8㎞先の明石のゴールを目指します。
ここ平野―明石エコロードは一度、明石集落で途切れていますが、伊原間までこの未舗装路はつづいています。全体的には市道平久保半島東線(通称平久保半島エコロード)と呼ばれます。
なんといっても牧野景観越しに望むリーフ景観は絶景で、また海風が心地よく非常に気持ちいいサイクリングを楽しめました。
途中ハンドルがずれたりなどのトラブルもありつつも、なんとか全員ゴールすることができました。
第六回の舞台も再び平久保半島。
第五回は平久保半島を縦断しましたが、第六回は平久保半島の平久保地域から山を越えて安良地域に向かう安良越地として横断しました。
この道はかつて平久保半島東側に存在した安良村と西側にある平久保集落の重要な交通路として利用され、馬車も通っていたそうです。
そんな歴史あふれ、自然があふれる道を通ろうと子ども達だけではなく、子ども達の親御さんも多く集まりました。
しかし、この安良越地、一筋縄にはいきません。
道の至る所にヒルが生き血(!?)を求めて這いつくばっています。
ですので、長靴の上にストッキングを装着し、完全防備で安良越地に臨みます。
このヒルはなぜか人によって多く集まる人と、そうじゃない人がいるらしく、多い人ではゴールするまで100匹以上のヒルを取り除くヒルからモテモテ(!?)の人もいました。
勿論ヒルがいるのはごく自然の事で、自然あふれる証拠かもしれません。
この日は、ナナホシキンカメムシの群れや、国の天然記念物でもあるヤエヤマセマルハコガメ、そして非常に大きなガジュマルやギランイヌビワなど、多くの生き物たちに出会え、八重山特有の自然に触れることができました。
しかし、終わって感想を聞くとやっぱりヒル・・・!
印象が強い記憶は残りやすいですが、ヒルに懲りずまた平久保半島の自然に触れて欲しいものです。
そして2018年度最後、第7回の活動の舞台は私たちアクティブレンジャーやレンジャーが普段勤務している石垣自然保護官事務所と併設している国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターにて行いました。
第7回は「北部子どもパークレンジャー実験室:プランクトンをつかまえろ!」と題しまして、身近な海の中にいる小さな生物プランクトンを採取して観察しようというものです。
プランクトンという言葉はよく聞くけれど、実際はどういうものか、考えるところからはじめました。
各々が考えるプランクトンを実際にかいてもらいます。
そして答え合わせ。
プランクトンという言葉に大きさは関係なく、水の中を漂う生き物のことです。
プランクトンについて学んだところで、今度はプランクトンを捕まえるプランクトンネットを自作していきます。
白いバンダナ、植木鉢の底敷、小瓶など市販されている身近なものを組み合わせて作っていきます。
そして完成したプランクトンネットを使い、センターからすぐ近くの漁港にてプランクトンの採取を試みます。
捕まえたプランクトンをシャーレやスライドガラスに移して顕微鏡やマイクロスコープを使って観察しました。
慣れない細かい作業に疲れてしまう子どももいましたが、みんなで色々なプランクトンを観察することができて良かったです。
これにて今年度の北部JPR活動は終了いたしました。
自然のなかで思いっきり身体を動かしてくたくたになるものから、じっくり生き物を観察
するものまで様々な活動を行ってきました。
この活動を通して普段から遊び場や学び場として国立公園を利用してもらえたらと思います。
そして大人になってたとえ石垣島や北部地域を離れてしまったとしても、この時の活動を思い出して素晴らしい自然に囲まれた場所に住んでいた事を誇りに、豊かな心を育んで貰えたら幸いです。
この活動は来年度も行う予定なので、今からどんな活動になるか楽しみです。