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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

コーラルウォッチ&イノーの観察会【石垣地域】

2012年08月07日
石垣
 7月7日(土)、私立海星幼稚園の園児たちとコーラルウォッチとイノーの観察会を実施しました。幼稚園のお泊まり保育の活動の一環として地域の自然について学ぶために、海のいきものを観察しながらサンゴの健康チェックであるコーラルウォッチを行います。海星幼稚園は私の通っていた幼稚園でもあり、お泊まり保育の懐かしさを感じつつ多田浜海岸で観察会を行いました。



写真:多田浜海岸に集まった海星幼稚園の園児たち。

今回参加した園児たちは約30名。みんな元気いっぱいで挨拶してくれました。今回は園児ひとりひとりがコーラルウォッチ用のカードを準備しています。子ども達は自分のアイテムに喜んでいる様子。水中メガネと水槽の二つの役目を果たすペットボトルも持って海へ向かいます。
観察会の時間はちょうど干潮、大人なら膝もつからずにどんどん歩いて行ける深さなので、幼稚園児もおぼれる心配はありません。

園児たちはグループに分かれて観察を行います。役員の保護者さんたちが園児のグループを引率し、私たちは所定の位置で園児たちの到着を待ちます。園児たちは海に入るや魚を探して追いかけだす・・・と思いきやまっすぐにこちらへ向かってきました。
「あまり海やいきものに関心がないのかも・・・」と少し戸惑っているうちに園児たちが到着しました。まずはいきもの観察です。私の心境を悟られないようにナマコやヒトデを見せてあげると園児たちのテンションは一気に上がりました。ナマコを手にとって観察したり、触るのは怖くてもじっと見つめていたり。最初に遊びださなかったのは先生の注意をしっかりと守っていたからだったんですね。
園児たちの一番人気はカクレクマノミ。干潮とはいえ水深20cm程度の場所で出会えるのはとても貴重です。



写真:カクレクマノミを観察。園児たちはしばらくここから離れませんでした。



写真:観察していたカクレクマノミ。写真からも浅さがわかるでしょうか?

しばらく海のいきものとふれあったら、次はコーラルウォッチです。持っているカードを使って小さなサンゴの健康を一生懸命調べてくれました。
園児たちはびしょ濡れになりながらもケガなどはなく、無事にコーラルウォッチと観察会を終えることができました。

後日幼稚園の先生から話を伺ったところ、園児たちはとても満足し、とても貴重な活動になったとの声をいただくことができました。お泊まり保育の翌日にカードを持って親子で海にいった園児がいたほどだったそうです。また、園児のお姉ちゃんが学校の自由研究で使うというご家族もいました。園児たちだけではなくご家族にも広がったことで、今回の行事もより多くの役割を果たすことができました。

天候や潮位に注意しておけば小さなお子さんと一緒に海辺の観察が楽しめます。しっかり探せばカクレクマノミのような素敵ないきものにも出会えるかもしれません。ただし、見つけた場合はその場でじっくり観察するだけにして、持って帰ったりほかの場所へ連れて行かないようにお願いします。
また、石垣自然保護官事務所ではもっともっと家族で自然に親しむ機会が増えるよう、ふれあい行事を実施していきます。普段の生活では出会えないいきものを見ると、大人も子どもも笑顔になったり感心したりと表情が豊かになります。ぜひご家族での参加、お待ちしています。

※コーラルウォッチについては5月15日作成のAR日記「子どもパークレンジャー開催!(石垣市立八島小・第1回)【石垣地域】 」をご覧ください。