九州地域のアイコン

九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

小学生企画:明石クリーン大作戦!【石垣地域】

2013年11月28日
石垣
 11月24日(日)、石垣島北部の明石地域で海岸清掃「明石クリーン大作戦」が開催され、私も参加してきました。石垣では様々な団体が海岸清掃を実施していますが、今回の活動は少し特別です。というのも、この海岸清掃は小学生が企画を立ち上げ地域へと呼びかけたイベントなのです。
 これまでのAR日記でも何度か紹介していますが、明石小学校では、子どもパークレンジャーとして地域の自然の大切さを学んでいます。今回の清掃活動はこれまでの学習を通して自分達に何ができるかを考え、児童たちが企画し実行したイベントです。「明石クリーン大作戦」には明石小学校の児童や先生だけでなく地域の方々や他校の児童、小学校の卒業生など60名以上が集まりました。

 まずは、明石小の体育館で児童が学んだ成果の発表です。「海をきれいにする生き物」について調べた児童が海綿について発表しました。海をきれいにする生き物は砂に付着する微生物を食べるナマコが有名ですが、海綿は海水を取り込むことで水中に漂っている微生物を食べて生活しています。
 児童の発表を聞いて少し賢くなった後は海岸へ移動し、約150mを歩きながらゴミ拾いです。気にして歩いてみるとよくわかりますが、海岸にはペットボトルや発泡スチロール、漁具、タイヤなどたくさんのゴミがありました。
 特に多かったのはペットボトルと発泡スチロールでした。児童達は自分の体ほどの大きな発泡スチロールを、大人たちは重くなったゴミ袋をせっせと運びます。特に大きなゴミや重い漁具は捨てられていた網の上に乗せ、数名の児童で力を合わせて引っ張って行きました。先生方もトゲのある植物「アダン」の林の中へ果敢に入り込み、波や風で防風林の中へと運ばれたゴミを掻き出していました。



写真1.ゴミを集め、運搬する児童や先生、地域の方々

海岸清掃はあっという間に終わりました。用意した袋では目に入るゴミを拾いきることができなかったのです。用意した60枚のゴミ袋は1時間足らずで全ていっぱいになりました。それでも清掃前に比べるととてもきれいになり、参加者の皆さんの笑顔も見られました。
 清掃後は記念撮影をし、児童達の相撲大会とビーチフラッグも行われました。参加者だけでなく、企画した児童達もたのしく過ごしたイベントになったようです。



写真2.参加者で記念撮影。わずかな時間でもたくさんのゴミが集まりました。



写真3.清掃後のビーチフラッグ。異学年対抗レースが一番盛り上がりました。

 今回だけでゴミを拾いきることはできませんでしたが、児童たちは地域の方々と一生懸命ゴミを拾い、思いっきりレクを楽しんでいました。私たちが関わる学習をきっかけに、児童たちが進んで地域の海を守るための取り組みを行ったことは大きな意味を持ってくることでしょう。担当の先生からも「清掃活動をこの一度で終わらせたくない。」との言葉をいただき、地域に根ざした活動となることを期待しています。
また、参加した子どもたちが成長して島を離れる時がきたとき、これから出会う人々に「明石の海や自然はこんなに素晴らしい。そしてこの自然を守ってきたのは僕たちだ!」と胸を張って言えるよう、これからもサポートし、見守っていきたいと思います。