アクティブ・レンジャー日記
グリーンイグアナのテレメトリー調査を終えて【石垣地域】
2017年05月01日こんにちは。沖縄の県花となっている真っ赤なデイゴの花が開花して、石垣島は春の賑わいを見せている今日この頃です。
▲デイゴの花
さて、今回は2016年春から2017年春まで行ったグリーンイグアナのテレメトリー調査をひとまず終えたのでご報告したいと思います。調査地は、石垣島北部にある美しい景観が広がり、真っ白な砂浜とコバルトブルーの海を一望できる場所にあります。
▲美しい景観が広がるイグアナテレメトリー調査地点
グリーンイグアナは、環境省で重点対策外来種に選定され、対策の必要な種になっています。今回のテレメトリー調査は、海岸沿いを歩き、発信器の付いたグリーンイグアナをアンテナで探知して、どこにいるのかを特定してGPSでポイントに落としました。定期的にテレメトリー調査を行うことで、グリーンイグアナの行動範囲や好む環境を知る基礎的な情報を得ることができます。
▲テレメトリー調査時の様子
気温30度を超える真夏日の中を探索したり、トゲトゲしたアダンやツル状の植物に行く手を阻まれたりしながら、なんとか約一年間に及ぶ調査を終えることができました。
苦戦した調査ではありましたが、日々調査で出会う生き物や咲かせる花など、何気なく調査で通る砂浜も日々変化していることに気付かされ、改めて、自然のすばらしさや大切さを実感することができた約一年間の調査でした。
▲調査時に見つけたハマボッスの花(4月上旬)
4月上旬に砂浜を調査していると、白い花が海岸沿いに咲いており、白い花の植物について図鑑を広げて探してみると、「ハマボッス」と呼ばれる植物でした。全国の海岸沿いに分布している植物ですが、せっかくなので簡単にハマボッスについてご紹介したいと思います。
【ハマボッス】・・・北海道から沖縄までの広範囲の海岸の岩場や砂地に生える海浜植物です。茎は円柱形で直立して、高さ10から40cmになります。漢字では「浜払子」と書き、花の咲く様子が払子(ほっす:獣の毛などを束ねて柄をつけた仏具)に似ていることに由来しているそうです。
夏場に開花する植物なので、ぜひ、石垣島の砂浜を散策した際は見つけてくださいね。