アクティブ・レンジャー日記
◎ヤマネコ発見の地モニュメント除幕式@南風見田の浜◎
2018年04月20日皆さま、こんにちは!
西表自然保護官事務所の光森康祐です。
先日、4月15日の竹富町のイリオモテヤマネコの日にあわせたイリオモテヤマネコ発見を記念するモニュメントの除幕式に参加してきました。
(除幕式の様子)
西表島といえば皆さんは何を想像されますか?
島では色々なアウトドアアクティビティが行われていますが、多くの方が西表島のシンボルとなっているイリオモテヤマネコを想像するかと思います。
そんなイリオモテヤマネコの学術的な最初の発見記録はなんと1965年です。
意外に最近ですよね...。
それまでにも地元住民の間ではイリオモテヤマネコはヤマピカリャーや、ヤママヤーと呼ばれ、飼い猫・野良猫と明確な区別をされていました。
53年前の5月5日、地元の大原中学校の生徒が遠足で南風見田浜を訪れた際に岩の陰で弱っているイリオモテヤマネコを発見・捕獲しました。
その後、そのイリオモテヤマネコは死んでしまいましたが、新種発表の際の証拠(タイプ標本)となりました。
イリオモテヤマネコの発見・捕獲場所を当時の関係者しか知らないことから、記念モニュメントは「当時の子どもたちから現代の子どもたちへ」をテーマに建立されました。
(記念モニュメントを見る子どもたち)
こちらが記念モニュメントです。
親しみやすいようにかわいらしいデザインと、発見時のヤマネコの顔が岩に隠れていたことを再現するデザインになっているそうです。
(記念モニュメント)
イリオモテヤマネコですが現在、環境省のレッドリスト絶滅危惧IA類に分類されており、国内希少野生動植物種、さらには国の特別天然記念物にも指定されています。
地球上にも西表島にしか生息しておらず、また西表島は小型の野生ネコ科の生息地としては世界最小の島です。
(※小型のネコ科の生息地としては世界最小、についてですが詳しく載せると長くなってしまうので、また後日のアクティブ・レンジャー日記で載せたいと思います。なぜ西表島で生息でき、今日まで生き残れたのかをお伝えします。とても面白いと思いますのでお楽しみに!)
生息数はおよそ100頭とギリギリ野生化で個体数を維持することができる数です。
そして現在、イリオモテヤマネコの生息を最も脅かすことが車による交通事故です。
将来、イリオモテヤマネコ発見のモニュメントを見た人たちが「過去には西表島にイリオモテヤマネコがいたんだ...。」とならないように、西表島では人や生きものが飛び出してきても止まれる様に、安全運転をお願いいたします。