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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

海の自然教室2018【石垣地域】

2018年09月28日
石垣 山田 駿

アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、こんにちは。

今回は今年の夏に2回開催した海の自然教室の様子をお伝えします。

海の自然教室は、石垣島在住の小学4年生以上を対象に、初めてスノーケリングをする人でも正しいスノーケリングの仕方を身につけ、石垣島の海に親しみを持ってもらおうと毎年石垣自然保護官事務所主催で行っている海の自然観察会です。

今年度は、石垣市南部の市街地近くに位置する真栄里海岸と、北部に位置する米原海岸で開催しました。

講師には、石垣島でサンゴについての環境教育を行っているわくわくサンゴ石垣島から3名の方に来て頂きました。

第一回目は「海の自然教室in米原~国立公園の海をみてみよう~」と題しまして、8月4日(土)に開催しました。

この日は雷雨も心配されたのですが、いい方向に天気予報が外れてくれて無事に開催の運びとなりました。

まずは国立公園の話や米原海岸の話、そして石垣島のサンゴの話などのレクチャーを行い、その後、講師の方から海で泳ぐ上での注意事項の話をして頂きました。

それぞれの班に分かれてアイスブレイクを行い、この日に見たい生き物のビンゴカード作りを行いました。

そして、いよいよ海に向かい、海岸で器材を合わせスノーケリング開始です。

この観察会は初めての人も多いので、まずはスノーケル器材の正しい使い方から練習します。

だんだん慣れてきたところで、サンゴのあるエリアへ泳いで行きます。

といっても、ここ米原海岸は砂浜から泳いですぐの場所に多種多様のサンゴが広がっており、それに合わせて様々な色とりどりの魚やサンゴ礁にくらす生き物が観察できる、石垣島の中でも有数のスノーケリングスポットです。

海の国立公園である海域公園地区に指定されており、指定されている熱帯魚やサンゴなどを採集することは禁じられているなど、法律で守られている場所でもあります。

また、米原海岸はカクレクマノミ密漁防止のためにモニタリングを行っている場所でもあります。

モニタリングの様子を観察。

みんなで最後に海岸にて記念撮影。

そして7月に真栄里で開催する予定だったのですが、急遽諸事情により中止となり、9月に延期する運びとなりました。

「海の自然教室in真栄里~街の近くの海をみてみよう~」と題しまして、9月9日(日)に開催することができました。

まずは国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターにて開会の挨拶やレクチャーを行いました。

塚本自然保護官による開会の挨拶。

真栄里海岸の説明。

ここ真栄里海岸は市街地からすぐ近くの場所であるにも関わらず、ユビエダハマサンゴ群落が広がり、石垣島の中でもサンゴ被度の高い場所である隠れたスノーケリングスポットでもあります。

この日もビンゴカードを作って、今日見たい生き物をかいて貰いました。

スノーケル器材を合わせて真栄里海岸に移動しましたが、途中雨風が強くなる等あいにくの天気となり、待機の時間もありましたが、時間を短縮して行いました。

この日もスノーケリングの仕方から学び、サンゴが多く広がるエリアまで泳いでいきます。

ユビエダハマサンゴ群落と参加者

マイクロアトールの上で休憩中記念撮影

ユビエダハマサンゴ群落

終わるころにも雨が降ったので、センターにて記念撮影

延期や時間短縮はありましたが、両日とも無事に開催することができ、参加者の方々に石垣島の海中景観をみてもらうことができて良かったです。

石垣島在住の方だと、意外にも海に入る機会が少ないと聞きます。

今回初めてスノーケルをした方の中には、海中景観に感動して、この機会にスノーケリングやダイビングをやっていきたいと仰っていました。

また、今までスノーケリングをしたことがある方でも、講師の方による解説を聞いて、海の生き物により興味を持ったと仰っていました。

近年、石垣島の周りにあるサンゴの白化やサンゴの死滅が度々ニュースになる中で、この素晴らしい海中景観が今後どうなっていくのかわかりません。

勿論、それぞれの立場として良くなる方へと対策はしていかなければならないですが、まずは石垣島に住む市民として、今の石垣島の周りのサンゴの様子がどのようになっているか知ることが大事であると思っています。

これを機に、石垣の海そしてサンゴやサンゴ礁にすむ生き物に親しみを持ってもらい、見てきた海中景観を周りの人に伝えられるようになってもらいたいものです。

各々が思うサンゴのポーズ。