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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

グリーンイグアナがやってきた。【石垣地域】

2012年11月19日
石垣
センターに約1.5mのグリーンイグアナのオスがやってきました。10月上旬に石垣市街地で発見され、通報を受けた警察署でいったん引き取られましたが、飼い主が現れなかったことから、センター内の中庭で試験飼育と普及啓発のために飼う事になりました。

グリーンイグアナは、ペットの放棄などによって、17年程前から石垣島の北部地域を中心に繁殖が確認されている要注意外来生物です。今回、捕獲されたグリーンイグアナは、ペットが逃げ出したものなのか、野生化したものなのか分かっていません。しかし、爪が整っていることからペットであった可能性が高いようです。

手作りの止まり木で休む飼育中のグリーンイグアナ

試験飼育をして1ヶ月になりましたが、警戒心が強く近寄るとアゴの下にあるひだ状の突起を広げて威嚇し、後ずさりしながら逃げてしまいます。日中は、バスキング(日光浴)をして活発的に動き回っていますが、日没が近づくと手製の隠れ家に戻りおとなしくています。エサは、小松菜やチンゲン菜などの緑黄色野菜を与えています。

中庭に植えたカボチャの新芽を食べた様子

この大きなグリーンイグアナが来る以前から、4匹のグリーンイグアナの幼体(体長25cm程)を普及啓発のために飼育しています。この幼体は、今年の夏、石垣島北部にある小学校から連絡を受けて、捕獲した1匹と、小学校内で、すでに捕獲されていた3匹を譲り受けた個体です。捕獲場所は、海岸に面した小学校の体育館倉庫で、その幼体は、俊敏に逃げ回り、捕獲するのが大変でした。ましてや野外の捕獲になれば、発見されたとしても捕獲まで非常に困難になるだろうと作業を通して感じました。この4匹の幼体の捕獲によって、確実に多くの野生化した個体が繁殖し続けていることを実感しました。

グリーンイグアナの幼体は比較的安価であり、鳴き声を出さず、性格が温厚なことからトカゲ類の中では比較的、流通量が多い種です。しかし、成長するスピードが速く、最大で2m程になることから広い飼育スペースが必要になります。また、発情期になるとオスは攻撃的になり、木に登るために発達した爪や尻尾などで危害を与える恐れがあります。そのため、飼育途中で捨てられることも多いようです。

体温調節やビタミンを得るため、昼間は光を浴びてジーっとしています。

石垣島の気候は、日本の他の地方とは異なり、亜熱帯に属しています。冬でも暖かい日の気温は、25℃程まで上がり、寒い日でも16℃以下になることはあまりありません。本州では生きられない生き物も石垣島では生きることができる環境があります。

最近は、繁殖個体かどうかははっきりしていませんが、市街地でもいくつか目撃情報が寄せられています。今後、石垣島全域までグリーンイグアナの繁殖域を拡大し、このまま増え続けると在来の植物や他の両生は虫類などの生態系へ悪影響を及ぼすことや、農作物への被害などさまざまな危険性が心配されています。海外の例では、フロリダ半島やハワイでも、グリーンイグアナが繁殖し、個体数が年々増えていることが問題になっているそうです。

他の生き物もそうですが、ペットはその飼育方法や将来のサイズ、周りの環境などもよく考えた上で購入し、責任を持って最後まで飼育していただきたいと思います。