アクティブ・レンジャー日記
伝統行事の「浜下り」【石垣地域】
2018年04月20日沖縄本島の方言では「うりずん」、石垣方言では「うるずん」と呼ばれる季節になりました。うるずんとは、「潤い初め(うるおいぞめ)」が語源とされ、一年で最も過ごしやすく、植物の緑も鮮やかに生き物たちも活発的になりはじめるシーズンです。
日本で最も小さいセミのイワサキクサゼミもところかまわず「ジーチッチッチッチッ・・・」と鳴きはじめています。赤いくちばしと短い橋が可愛らしく、愛嬌のあるアカショウビンも夏鳥として4月から渡来し、朝夕に「キョロロロロー」とよく響く声で鳴き、夏がやってきたと感じる季節となりました。
▲4月上旬ごろから観察できるイワサキクサゼミ
▲4月下旬ごろから観察できるアカショウビン
今回は、旧暦の3月3日に行われる沖縄の行事「浜下り(はまうり)」が4月18日(水)に行われましたので、浜下りのご紹介と現場の風景をお伝えしたいと思います。
浜下りは、沖縄県や鹿児島県の奄美群島で行われる伝統行事です。「身を清めて健康を祈願する」という意味合いがあり、災厄を払うために浜にでます。浜下りの日は、潮位の差が1年間で最も大きい大潮です。海に飛び込んで身を清めるということもありましたが、現在では潮干狩りをしながら干潟を踏んで身を清めるなど、むしろ潮干狩りを楽しむ日となっています。
▲浜下りを行う人々
▲名蔵湾に広がる「浜下りの日」の干潟
18日は、石垣市の最高気温が25,3度と好天にも恵まれ絶好の潮干狩り日和となりました。いつもは春休みの期間に浜下りの日が重なることも多いですが、今年の浜下りは学校が始まっている平日ということもあり、家族連れの姿は少ないように感じました。
これからの時期は、干潟にカニや貝たちなどの多くの生き物が観察出来るので、ぜひみなさんも干潟に下りて、自然にふれあってみてくださいね。