アクティブ・レンジャー日記
第3回子どもパークレンジャー【石垣地域】
2013年01月09日
石垣
あけましておめでとうございます。今年は昨年以上に私たちの活動を発信していこうと思います。今年もよろしくお願いします。
環境省で実施している「子どもパークレンジャー事業」も第3回を終え、今年度の事業が終了しました。11月2日(金)に実施した八島小学校、そして11月9日(金)に実施した明石小学校での活動の様子をお伝えします。
第3回となる八島小の学習では、「サンゴのテリトリーウォーズ」というアクティビティーを行いました。このアクティビティーは、限られたフィールドの中で成長速度や好みの場所など、特徴が異なる4種類のサンゴを成長させていくものです。「成長カード」の他、オニヒトデや白化などの「減少カード」も含まれている25枚のトピックカードをランダムに引き、それに併せてマス目シート上のサンゴが増減を繰り返します。児童達はグループに分かれ、サンゴの担当やカード係など役割を決めます。カード係がトピックカードを引き、最後にサンゴがどれだけ残っているのかグループ毎で確認しました。
(ルール詳細はこちらから< http://kyushu.env.go.jp/naha/coral_reef_study/>)
写真:サンゴのテリトリーウォーズの様子。サンゴでいっぱいになるグループもあれば、サンゴが少ない班もあります。なぜでしょう?
各グループの残ったサンゴとトピックカードの引いた順番を比べてみると、終わりの方に成長カードが続いたグループはサンゴ面積の割合が高く、連続で減少カードが出てしまった班の割合は低くなっていることがわかりました。児童達はこの活動を通して、減少する要因が連続するとサンゴは耐えられずに減っていくことを学習しました。
次に、トピックカード1枚を1年と考えて25年前から現在までの八重山のサンゴをとりまく歴史に当てはめて実施してみたところ、フィールド上のサンゴはほとんど残りませんでした。これは児童たちにとって相当な衝撃があったようです(これは事前に練習した私たちにも衝撃でした)。
今までの活動でサンゴが衰退する原因を学習している児童たちですが、今回は自分の班のサンゴが減っていく様子を地元の海で実際に起こった出来事として捉え、今まで以上に真剣に考えてもらうことができました。
写真:トピックカードの配列を八重山の海の25年の歴史に当てはめたシート。半分以上が赤色の「減少カード」となり、サンゴがどんどん減っていきました。
もうひとつの実施校、明石小学校では3つのアクティビティーを行いました。そのうちのひとつはサンゴの強さに着目したものです。サンゴはストレスに弱い生き物ですが、海が健全なら回復できる強さを持っています。それを踏まえて児童みんなにサンゴになってもらい、長い時間をかけて増減を繰り返していることを知ってもらいます。
アクティビティー中に変化していくサンゴの数を毎回記録し、最後にグラフにして確認します。すると、白化などの減少イベントが発生するとサンゴの数が激減することがわかります。特に、2つの要因が一度にでてしまうと多くのサンゴが減ってしまいました。一方、減る原因がなければサンゴは順調に増えていくこともグラフから見てとることができました。
写真左:アクティビティーの様子。サンゴになるには、向かい側で同じカードを持っている児童とペアになります。
写真右:サンゴになった人数の変化を確認。グラフの変化を真剣に見つめていました。
この2つのアクティビティーに共通するメッセージは、「環境負荷がなければ健全な自然環境が保たれる」ということです。これ以上サンゴを減らさないためではなく、これからサンゴが増えていくためにはどうしたらいいのか、児童達は今までとは違う角度から考えることができたと思います。
ぜひ一度、「自然を守るために生活を見直す」ではなく、「生活を見直したら、自然が元気になっていく」と考えてみてください。そうすると、ちょっとした行動も環境保全に役立っているように感じられます。少し考え方を変えてみると、環境に配慮した生活が楽しくなってくるのではないでしょうか。
これで今年度の子どもパークレンジャーは終了ですが、11月30日にサンゴの海の学習をしている学校の児童達が集まり、学んだことを発表し合う「環境学習交流発表会」が行われ、八島小と明石小も参加しました。この「環境学習交流学習発表会」の様子は、次回のアクティブレンジャー日記でお伝えしようと思います。
環境省で実施している「子どもパークレンジャー事業」も第3回を終え、今年度の事業が終了しました。11月2日(金)に実施した八島小学校、そして11月9日(金)に実施した明石小学校での活動の様子をお伝えします。
第3回となる八島小の学習では、「サンゴのテリトリーウォーズ」というアクティビティーを行いました。このアクティビティーは、限られたフィールドの中で成長速度や好みの場所など、特徴が異なる4種類のサンゴを成長させていくものです。「成長カード」の他、オニヒトデや白化などの「減少カード」も含まれている25枚のトピックカードをランダムに引き、それに併せてマス目シート上のサンゴが増減を繰り返します。児童達はグループに分かれ、サンゴの担当やカード係など役割を決めます。カード係がトピックカードを引き、最後にサンゴがどれだけ残っているのかグループ毎で確認しました。
(ルール詳細はこちらから< http://kyushu.env.go.jp/naha/coral_reef_study/>)
写真:サンゴのテリトリーウォーズの様子。サンゴでいっぱいになるグループもあれば、サンゴが少ない班もあります。なぜでしょう?
各グループの残ったサンゴとトピックカードの引いた順番を比べてみると、終わりの方に成長カードが続いたグループはサンゴ面積の割合が高く、連続で減少カードが出てしまった班の割合は低くなっていることがわかりました。児童達はこの活動を通して、減少する要因が連続するとサンゴは耐えられずに減っていくことを学習しました。
次に、トピックカード1枚を1年と考えて25年前から現在までの八重山のサンゴをとりまく歴史に当てはめて実施してみたところ、フィールド上のサンゴはほとんど残りませんでした。これは児童たちにとって相当な衝撃があったようです(これは事前に練習した私たちにも衝撃でした)。
今までの活動でサンゴが衰退する原因を学習している児童たちですが、今回は自分の班のサンゴが減っていく様子を地元の海で実際に起こった出来事として捉え、今まで以上に真剣に考えてもらうことができました。
写真:トピックカードの配列を八重山の海の25年の歴史に当てはめたシート。半分以上が赤色の「減少カード」となり、サンゴがどんどん減っていきました。
もうひとつの実施校、明石小学校では3つのアクティビティーを行いました。そのうちのひとつはサンゴの強さに着目したものです。サンゴはストレスに弱い生き物ですが、海が健全なら回復できる強さを持っています。それを踏まえて児童みんなにサンゴになってもらい、長い時間をかけて増減を繰り返していることを知ってもらいます。
アクティビティー中に変化していくサンゴの数を毎回記録し、最後にグラフにして確認します。すると、白化などの減少イベントが発生するとサンゴの数が激減することがわかります。特に、2つの要因が一度にでてしまうと多くのサンゴが減ってしまいました。一方、減る原因がなければサンゴは順調に増えていくこともグラフから見てとることができました。
写真左:アクティビティーの様子。サンゴになるには、向かい側で同じカードを持っている児童とペアになります。
写真右:サンゴになった人数の変化を確認。グラフの変化を真剣に見つめていました。
この2つのアクティビティーに共通するメッセージは、「環境負荷がなければ健全な自然環境が保たれる」ということです。これ以上サンゴを減らさないためではなく、これからサンゴが増えていくためにはどうしたらいいのか、児童達は今までとは違う角度から考えることができたと思います。
ぜひ一度、「自然を守るために生活を見直す」ではなく、「生活を見直したら、自然が元気になっていく」と考えてみてください。そうすると、ちょっとした行動も環境保全に役立っているように感じられます。少し考え方を変えてみると、環境に配慮した生活が楽しくなってくるのではないでしょうか。
これで今年度の子どもパークレンジャーは終了ですが、11月30日にサンゴの海の学習をしている学校の児童達が集まり、学んだことを発表し合う「環境学習交流発表会」が行われ、八島小と明石小も参加しました。この「環境学習交流学習発表会」の様子は、次回のアクティブレンジャー日記でお伝えしようと思います。