アクティブ・レンジャー日記
カンムリワシ週間【石垣地域】
2017年02月08日今回は国内希少野生動植物に指定され、石垣島と西表島のみに生息しているカンムリワシの観察会が行われましたので、ご紹介したいと思います。
この観察会は、カンムリワシの交通事故防止のための普及啓発や救護されたカンムリワシのリハビリから野外復帰までのケア、放鳥した個体の情報収集などを行って頂いているカンムリワシ・リサーチ(民間団体)が主催した観察会です。旧正月の祝いの席などに披露される八重山民謡「鷲ぬ鳥節」にちなんで、毎年旧正月の日から一週間(今年は1月28日~2月4日)を「カンムリワシ週間」と題して、カンムリワシに関する啓発活動が行われています。今年で10年目となり、石垣自然保護官事務所も毎年協力して観察会に参加しています。
▲カンムリワシ(成鳥)
▲双眼鏡やスコープでカンムリワシを観察する参加者たち
観察会当日は、天気もポカポカ陽気で、参加者40名が集まり大盛況でした。観察中、3羽のカンムリワシを観察することができました。一度に3羽のカンムリワシが観察できるのも生息しやすい自然環境が残されている証だと思います。他にもミサゴやアマサギ、アカガシラサギなども観察することができ、参加したみなさん楽しそうでした。観察会後は、やいま村(観光施設)の中にある古民家で、地元中学生(郷土芸能部)のみなさんによる八重山民謡「鷲ぬ鳥節」の演舞がありました。中学生の楽しげで元気溢れる演舞は、とても素晴らしくて私も元気をもらいました。
■八重山民謡「鷲ぬ鳥節」
一、綾羽ば生らしょり ぶいる羽ば産だしょうり
二、正月ぬすいとぅむでぃ 元日ぬ朝ぱな
三、東かい飛ぶぃつぃけ 太陽ばかめ舞いつぃけ
(翻訳)
一、綾羽の鷲が生まれ 立派な羽の鷲が生まれ
二、正月の早朝に 元日の明け方に
三、東の方へ飛んでいき 太陽に向かって舞っていきました
▲八重山民謡「鷲ぬ鳥節」を演舞する地元中学生(郷土芸能部)のみなさん
また、カンムリワシのスナップ写真などが展示された「カンムリワシ展」も市立図書館で開催されました。カンムリワシのスナップ写真は、カンムリワシ・リサーチの方が撮影され、一点一点どれも迫力のある写真ばかりで見応えがありました。
▲カンムリワシ展の様子
これからの2月~3月の時期は、カンムリワシの子育て時期になります。子育て時期は、親鳥が子どもにエサを与えるためにエサを獲る回数も増えるため、行動が活発的になります。カンムリワシが車に轢かれたヘビやカニなどを食べるため、道路上で目撃されることも多くなります。
この時期に石垣島や西表島にお越しになる際は、カンムリワシ等の野生動物のことに気にかけて頂き、安全運転で八重山の自然を楽しんで頂けるとうれしいと思います。