アクティブ・レンジャー日記
【石垣地域】石垣島北部地域子どもパークレンジャー第1回~第3回
2019年07月25日今回は石垣島北部地域子どもパークレンジャー活動の第1回~第3回の様子をお伝えしていきます!
地元ガイドさんと共に行っているこの事業は、石垣島北部に住んでいる子ども達を対象に、国立公園の自然の中で親しむ機会をつくり、自然を守っていく大切さを伝えようと行われています。
今年度第1回の活動の舞台は、石垣島野底地域に位置する「吹通川(ふきどおがわ)」です!
ここには広大なマングローブ林が広がり、西表石垣国立公園に指定されているだけでなく、天然記念物として石垣市の文化財に指定されている場所です。
第1回の活動のタイトルは「吹通川たんけん隊」。
カヌーで川を上り、途中から歩いてゴールである滝を目指します。
カヌーを漕ぐこと自体初めての子も多いので、まずはガイドさんからカヌーの漕ぎ方のレクチャーを受けます。
マングローブ林が広がる川を、二人で息を合わせて進んでいきます。
最初はうまく進めない子ども達も、段々と慣れてきて乗りこなせるようになりました。
浅くなってきた奥地のマングローブ林でカヌーから降りて、この場所のマングローブ林の特徴や、立ち枯れの原因、それに伴い植樹をしたことなどの説明を受けます。
ここからは更に上流を目指して歩いていきます。
歩いている途中から少し川の雰囲気が変わり、岩場となります。
約2㎞という短い間にも川の環境が変わっていくのが、吹通川の特徴でもあります。
そしてようやく滝に到着!
歩いてほてった身体を冷やすようにみんな滝に打たれていました。
滝の下にてみんなで記念撮影!
無事に全員でケガなく到着できて良かったです。
さて、第2回の活動の舞台は、これまた野底地域にある野底林道が舞台です。
第2回の活動のタイトルは「アコークローの生き物調査」です。
アコークローとは、沖縄の方言で「明るい暗い」の意を指し、夕暮れ時の時間帯の事を言うそうです。
その夕暮れ時は昼行性の生き物の活動が収まっていき、夜行性の生き物が活動をし始める時間帯で、様々な生き物の様子を観察することができます。 ↑活動開始前国立公園看板にて記念写真
そこで2班に分かれて、見えた生き物や聞こえた生き物の声を記録していき、時間による生き物の移り変わりを実感してもらいます。
↑シートに見えたり聞こえたりした生き物を記録していきます。
普段、夜に出歩く事はなかなか少ないので、子ども達は少し興奮気味にどんどん先へと進んでいってしまいます。そこでときおり見かける夜の生き物に注意を向けてもらい、昼間との活動の違いや、夜にしか見られない生きものの姿などを観察して貰いました。
↑リュウキュウコノハズクを観察している様子
カエルだけでも5種確認するなど、多くの生き物を観察することができ、貴重な経験になったことと思います。
第3回の舞台は石垣島北部平久保半島の西側に位置する久宇良の海です。
タイトルは「サバニに乗って、サンゴ礁スノーケリング」。
沖縄の伝統的な小型船であるサバニに乗ってポイントまで行き、スノーケリングをしてサンゴ礁に生息する生き物を観察して貰おうというものです。
活動日の近日に台風が通過しており、実施できるか心配していましたが、風も波も強くなく、無事に活動を実行できる運びとなりました。
当日は大小3艇の船に分かれて乗船しました。
いざ行かん!サンゴ礁ポイントへ!と帆をあげると一気にテンションが高まります。
風の力を受けぐいぐい進み、漕ぐ力をほとんど必要にしてないようにも思える程でした。
15分ほど船を走らせ、サンゴ礁のポイントにつきました。
そこには、とても生き生きとしたサンゴたちが広がっていました。その様子を、スノーケルを用いて観察して貰います。
時にはクマノミも観察することができました。 ↑カクレクマノミ(他にもハマクマノミが確認できました)
1時間ほどスノーケリングをして、また船に乗り、浜へと戻ります。
反対方向となりましたが、うまく風の力を利用して行きよりもスピードが出ているように思えました。
伝統的なサバニの文化を実体験してもらい、身近な海の中のサンゴの広がりを観察することができ、夏休みに入ったばかりの日曜日にとても良い夏のスタートがきれたのではないかと思います。
どの活動もケガ無く、それぞれ全く違った北部地域の自然を楽しんで貰う事ができました!
これからも地元の自然を知り、普段から国立公園の素晴らしい自然に親しみを持って貰いたいと思います。