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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

西表島鹿ノ川でのビーチクリーン【石垣地域】

2023年11月16日
石垣 江川博子
みなさん、こんにちは。石垣自然保護官事務所の江川です。
石垣島ではすっかり日も短くなり秋らしくなってきましたが、まだ日中は28℃前後まで気温が上がるので半袖で過ごせます。
さて、先日11月1日(水)に八重山環境ネットワークによる、西表島鹿ノ川のビーチクリーンに参加しました!

鹿ノ川は西表島のどこにある?

i西表島の地図 ▲グレーの線で示されているのが県道、☆印の場所が鹿ノ川です
 
西表島には道路が一部にしか通っておらず、鹿ノ川海岸は陸路では乗り物が使えない場所にあります。交通の便が悪くほとんど人が入ることができず手付かずの状態なので、定期的に年に1度鹿ノ川海岸でのビーチクリーンを行っています。昨年度は天候不良のため実施できなかったので、2年ぶりとなりました。
西表島在住の方も特別に傭船した船でアクセスし、私たち石垣島から参加するメンバーは石垣港から海上保安庁の巡視船「あだん」で移動し、海岸付近の海上で小型船に乗り継いで上陸しました。
船の写真
▲石垣港から乗船した「あだん」
上陸 
▲上陸の様子 港がないので海岸へはしごで上陸

ビーチクリーンの流れ

ゴミはたくさんありますが、持ち帰る量には限りがあるので、時間を決めて午前中に力を合わせてビーチクリーンを開始。
ビーチクリーン 
▲ゴミを拾う様子
集めた後は分別もしっかり行います。
また、集めたペットボトルでラベルが残っているものは、バーコードの数字からどの国のものか調査しています。潮の流れの影響もあり、こちらの地域へは東南アジアなどの外国から流れてくるものが多いようです。ペットボトルだけでも900本ほど回収しました。
ゴミの分別 
▲ペットボトル調査の様子
西表島の漂着ゴミの状況についてもっと知りたい方は、西表エコプロジェクトの調査内容が詳しく書かれているこちらのページをご覧ください。
https://www.iriomote-ea.com/blank-8(西表財団のウェブサイトにつながります)
回収したゴミは船で持ち帰り、白浜港まで運びます。船の中がいっぱいになるまで集まりました。船に乗せるときにはバケツリレーで、皆で協力して運びます。
 
回収したゴミ 
▲回収したゴミ
船に積み込んだ様子 
▲船に積み込んだ様子

ゴミ回収の様子

ゴミを回収前には分別の仕方の説明があります。 効率よく回収・分別を行うために自分で決めたものだけ袋にいれて行います。力持ちの人は大物を拾う。重いものを持つ自信のない人はペットボトルや発泡スチロールなど軽いものを専門的に拾う…など。


私はプラスチック類を集中して集めました。
色がカラフルで見つけやすく、中にはおもしろいものがあるので楽しく回収できます。
プラゴミ 
▲カンムリワシみたい?
プラゴミ 
▲来月はクリスマスですね
プラゴミ 
▲カラフルなキャップ

午後の自由時間

鹿ノ川に行く機会はめったにないので、午後に散策をしたり、海でスノーケリングをする時間がありました。
 
私は海岸沿いを散策してみました。すると岩場に鳥の羽が散乱している場所がありました。よく見てみると、首を噛まれたサギが横たわっていました。
サギ 
▲岩場で見つけたサギ
まだ死んで間もないのか綺麗な状態です。これはイリオモテヤマネコが捕まえたようでした。ガイドをされている方の話によると、羽をむしり取って一時的に置いておき、またあとで持って行くそうです。
 
今度は海岸から、林の中を入っていくと…
林 
▲林の中の様子
実は海岸よりも多くのゴミがたまっていました。
風の力でこんなに奥まで入ってくるとは驚きました。拾って持ち帰ることができないほどの量がまだまだありました。
林内のゴミ 
▲ほとんどがプラスチックのゴミ

まとめ

石垣島のいくつかの海岸でも何度もビーチクリーンを実施していますが、人数が集まりやすい、行きやすい、安全な場所など条件が限定された場所です。

久しぶりに鹿ノ川のビーチクリーンに参加し、なかなか人が手をつけられない場所にも漂着ゴミがたくさんあることを再確認しました。
鹿ノ川では現在は人が暮らしていないので、陸から出るゴミはなく、ほとんどは海を渡って流れ着くものばかりです。

歯ブラシやサンダル、お弁当容器やプラスチックフォーク、蛍光灯など……。海岸で拾ったゴミのほとんどは私たちの普段の生活の中で使われているものでした。
ゴミを減らすためにはどうしたらいいか考えながら、日々生活をしていきたいと改めて感じました。