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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

「海の自然教室」を実施しました【石垣地域】

2012年09月18日
石垣
9月8日(土)、前回のAR日記で紹介した「海の自然教室」を無事に開催することができました。当初は8月27日(月)に開催する予定でしたが、台風の影響により延期しました。会場は予定通り米原海岸で、地域との連携を深めるため、石垣市観光交流推進課との共催行事として実施し、市の職員の方にも機材の運搬や安全管理に協力していただきました。夏休み明けの最初の土曜日ということもありどれだけの方に参加いただけるか不安でしたが、定員いっぱいの20名を枝サンゴ群落が広がる米原の海へ案内することができました。

まずは千田上席自然保護官の挨拶と国立公園の紹介です。米原海岸は海域公園地区に指定されているため、「保護と利用を考え、ぜひ自然を傷つけずに楽しむ方法を覚えてください。」と皆さんにお伝えしました。その後パークボランティアさんにスノーケルの使い方を説明していただき、最後に私が危険生物とフィン(足ヒレ)を使うにあたっての注意を皆さんにお伝えしました。フィンを装着するとリーチが長くなり、意図せずサンゴを傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。余談ですが、この危険生物とフィンの使い方のシートは、石垣自然保護官事務所で研修をしたインターンの学生さんが作成してくれたものです。私は絵を描くことが苦手なので彼らにはとても助けてもらいました。


 写真上:シートを使って危険生物・フィン使用時の注意事項を説明します。
   下:インターンの学生さんが作成してくれたシートはこれからも活用していきます。ありがとう!

事前説明も終わり、今回も4つのグループに分けてパークボランティアの方々と一緒にいきもの観察を行います。安全対策としてまずはスノーケルの練習から始めました。正しい使い方を覚え、ウェットスーツの浮力にも慣れてきたら沖へと向かいます。


 写真上:まずは浅瀬でスノーケルの使い方を練習。命にも関わるのでしっかり行います。
   下:練習の後は実践です。目的地のサンゴ群落までおよそ300m。けっこうな距離でした。

今回の観察ルートは比較的浅く、スノーケルが初めての方でも安心して沖へと進むことができたようです。サンゴを観察する地点も立つことができる場所でしたが、サンゴ保全のために休憩する時にはサンゴのない場所で休んでいただきました。


 写真:枝サンゴ群落に到着。事前説明でお伝えしたとおり、休憩時にはサンゴのない砂地に着地していただけました。

今回の「海の自然教室」で、今年度のスノーケリングを使った観察会は終了です。1年に2回の実施ですが、真栄里海岸と米原海岸、どちらも参加してくれた方もいました。その中でも前回の観察会では海水に顔をつけることも怖がっていた子どもが次第に水になれていき、今回の観察会では楽しそうにお母さんと水中のいきものを観察している姿を見た時は感動しました。一度に多くの方をご案内できない「海の自然教室」ですが、少しずつ、確実に成果の芽を出していると感じられました。
来年度も石垣自然保護官事務所では「海の自然教室」を開催する予定です。また、石垣だけでなく西表自然保護官事務所主催の行事では、海だけでなく湿地の観察会などを予定していますので、ぜひご参加ください。知識豊富なパークボランティアや私たちと一緒に、自然との優しい付き合い方を覚えていただけたらと思います。