九州地域のアイコン

九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

石垣島でアメリカザリガニの初確認【石垣地域】

2016年08月24日
石垣 アクティブレンジャー 仲本

今夏の石垣島の天気予報は、晴れマークが並び、厳しい暑さが続いています。夏休みとあって、家族や友人などで、公園や広場などへ外出する機会も多くなると思います。

   

今回は、公園や広場などへ外出されるみなさんに注意していただきたいことがありますので、お知らせしたいと思います。

   

石垣島の某所の池で、石垣島には本来生息していないはずのアメリカザリガニが確認されてしまいました。

また、そのことが「ザリガニ釣り・・・格好のアトラクション」として地元の情報誌に掲載されました。

▲アメリカザリガニの生息が確認された池

   

現在、八重諸島でアメリカザリガニが確認されているのはこの池だけです。

しかし、ここだけでかなりの数のアメリカザリガニが生息しており、これ以上いろんな場所で増えてしまうと、もともと生息しているテナガエビとエサを巡って競合したり、希少な水生昆虫や水草を食べてしまうなど、八重山諸島の生態系に及ぼす影響が強く懸念されます。

▲池で捕獲したアメリカザリガニ。「生態系被害防止外来種リスト」では緊急対策外来種に選定され、積極的に防除を呼びかけている。

   

池にアメリカザリガニがいる原因は不明ですが、おそらくホームセンターなどで購入し、ペットとして飼われたものが池に捨てられ増えたのではないかと考えています。

   

夏休みとあって、うわさを聞きつけた家族連れや子供たちがやってきて、アメリカザリガニを網や釣り竿で捕獲する人たちが増えています。捕まえたザリガニを持ち帰ったはいいけどやっぱり飼えないからと他の場所に捨ててしまうと、そこでまた繁殖して増えてしまう可能性がありますので、持ち帰ることはご遠慮いただきたいのですが、持ち帰る場合は捨てたり、逃がしたりすることは絶対にやめてください。

   

そういった事態を避けるため、親水広場の入口と池の周辺には、アメリカザリガニ等を捨てない、逃がさないことを周知する立て看板を設置して注意喚起を行っています。また、人力での定期的な捕獲作業に加え、施設を管理している石垣市と調整しながら、池に流れる水をせき止めて、汲み上げ式ポンプで水を枯渇させて防除する方法を行っているところです。

▲池付近に立てた注意看板

   

ペットを飼えなくなった結果、かわいそうだからといって、むやみに野外に逃がしたり、捨ててしまうと、爆発的に増えてしまい、もともと棲んでいた生き物に悪い影響を及ぼしてしまうという事例が全国的に問題になっています。

   

これ以上被害を拡大させないためにも、外来生物についての問題を正しく認識して、いろんな場所に拡がらないように注意する必要があります。取り返しの付かない事態になってしまう前に、ペットを飼う際は、その生き物のことをよく知った上で、最後まで責任を持って飼いましょう。