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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

【非常事態】カンムリワシの交通事故が多発しています

2022年03月16日
西表石垣国立公園 江川博子

カンムリワシは国内では西表島と石垣島でしか繁殖が確認されていない希少な鳥です。

▷ 詳しくは西表野生生物保護センターのこちらのページをご覧ください。

3月5日、石垣島ではカンムリワシの交通事故が3件発生しました。昨年秋からカンムリワシの交通事故が増えています。今年に入ってまだ3ヶ月しか経っていませんが、西表島と石垣島を合わせて交通事故の件数はすでに8件です。例年と比べるとかなり多くなっています。

カンムリワシ交通事故非常事態宣言

  • ▲ 非常事態宣言で呼びかけを行っています。

カンムリワシは森や水田の多い場所にすんでいますが、森と森の間の道路を横切ったり、車にひかれた生き物をえさとして捕食したり、道路を利用することがよくあります。

車が近づいて来てもすぐに逃げなかったり、車とぶつかりやすい高さで飛行したりすることが多く、車のスピードが速いとよけることができません。

またカンムリワシは年1回、1羽のヒナを育てます。1月頃から繁殖行動がはじまり、巣作りをします。この頃から電柱や林縁の木にとまり人目につきやすくなります。子育てシーズンのちょうど今頃が活発に動き出す時期です。合わせて、車との距離のとり方が不慣れな昨年生まれの若鳥もいる時期です。

カンムリワシ交通事故防止看板

▲ 注意喚起看板

特に、看板が設置してある場所はカンムリワシがよく道路に出てくる場所です。交通量がそれほど多くなくても、急に生き物が出てくるかもしれないので、スピードの出しすぎにはご注意ください。

スピードが出ていなければ、気づいたらすぐ停止できますし、たとえぶつかってしまっても軽傷で済むこともあります。3月5日の事故で救護された1個体は幸いにも治療の甲斐あって回復し、10日に放鳥されました。(他2件は残念ながら、死亡してしまいました。)

▷ 過去の放鳥の様子は過去のAR日記で紹介しています。こちらをご覧ください。

カンムリワシは体長55cmほどで、八重山のカラスとくらべると大きく感じます。

カンムリワシ

  • ▲ カンムリワシ成鳥

もし、カンムリワシの事故に遭遇した、飛べなくなっている個体を見つけたなどがありましたら、下記までご連絡ください。

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  •  ○ 石垣島内  石垣自然保護官事務所  :0980-82-4768

  •  ○ 西表島内  西表野生生物保護センター:0980-85-5581

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運転者の方はマップを参考に安全運転にご協力をお願いいたします。

カンムリワシ運転注意マップ石垣島

  • ▲ 石垣島版(2022年3月発行)

カンムリワシ運転注意マップ西表島

  • ▲ 西表島版(2022年3月発行)