ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

阿蘇くじゅう国立公園

51件の記事があります。

2017年03月14日『烏帽子岳・杵島岳ルート』点検と登山道状況①

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田

阿蘇山遭難防止対策協議会が取り組んでいる毎年恒例の登山ルート『烏帽子岳・杵島岳ルート』の点検に参加しました。

どちらも、熊本地震やその後の水害により亀裂や崩落等が発生しており、通行不可となっていたルートです。3班に分かれて行いました。


【烏帽子岳ルート】

     西側ルートには亀裂多数         50cm程の段差があるところも

 

 

   数年前に整備した階段が左側に崩落している。右側も急斜面

 

    

   烏帽子岳山頂 標柱が傾き、周辺は崩落している

 

 

         山頂東側が崩落している

 

    

 地面が緩くなっているため、山頂は霧が発生するとより危険であるため、阿蘇山遭難防止対策協議会にて注意喚起の看板とロープを設置しました。

 

    

       西側、垂玉ルート合流地点

 

  

烏帽子岳登山については、東側ルートの往復コースが利用できます。

現在、立入禁止となっている西側ルートは、今後、補修工事を行っていく予定です。

 

 

      2015年5月の烏帽子岳

 

  

      2016年5月地震後の烏帽子岳南側崩落の様子

 

 

      2016年12月の烏帽子岳南側の様子

 今後も、崩落状況が広がったりしないか、定期的に監視を続けていきます。

ページ先頭へ↑

2017年03月03日春の訪れ~猪の瀬戸湿原野焼き~【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

先日、猪の瀬戸湿原の野焼きに参加してきました。ARとして参加したものでは今年初めてです。猪の瀬戸湿原では野焼きを毎年2月の終わり頃に行なっており、例年天気の心配だけでなく残雪の心配もあるのですが、今年は暖かく、好天が続いたおかげで、草はよく乾いていてよく燃えました。

たくさんのボランティアが持ち場につき、トランシーバーで連絡を取り合いながら作業を進めていきました。


夏に作った輪地がしっかりと防火帯の役目を果たします。燃え残った小さな火はボランティアによって消し止められます。その時に使うのが背中に背負ったジェットシューター(水の入ったリュック)です。


▲ものすごい炎があっという間に草を燃やしていきます。最初は無風だったのが、炎によって上昇気流が発生して風が吹いてきました。写真はありませんが、上空には猛禽類が飛んでいて、慌てて飛び出してくる小動物を狙っていました(去年はイノシシが飛び出てきたそうです)

みなさんは猪の瀬戸湿原をご存知でしょうか?

国道11号線・やまなみハイウェイ沿いの、由布岳と鶴見岳の山間にある小規模な湿原です。北西側に見える由布岳、北東の鶴見岳から水が流れ込んでいて、豊富な水量から湿原内にも何筋も川が流れています。湿原という繊細な環境で生息する貴重な植生を有するため、国立公園の中でも重要な場所として位置づけられています。

草原や湿原を維持するためには野焼きが重要なのですが、この場所での野焼きは一時中断されていました。


▲野焼きには多くの人の手が必要。事前に何度も話し合いをし、作業の確認を行います。一歩間違えれば死亡する可能性もある危険な作業だからです。

1960年代までは地域の住民らが放牧を行っていたため、昔から野焼きが行われていました。しかし様々な理由によって野焼きが行われなくなり、森林化がすすんでいました。

1995年頃に湿原の保全、野焼きの復活をしようという動きがあり、2005年から野焼きの実施に向けた調査や準備が進められてきました。その中心となっているのが「猪の瀬戸湿原保全の会」と「城島高原オペレーションズ」です。湿原内に進入してきた樹木の伐採、大量の不法投棄のゴミの撤去、外来種の駆除活動などに加え、植生調査、野鳥調査などを行い、野焼きを行うことの効果についてもデータとして蓄積、研究しています。

猪の瀬戸湿原で野焼きが復活して今年で6年目になります。少しずつ焼く範囲が広がっており、昔のような湿原の姿を取り戻しています。


▲野焼きのあとは真っ黒な大地となります。しかしよく見てみると、草の根までは焼けていません。

自然観察ができるトレッキングルートもあるので、野焼き後の湿原の散策をしてみてはいかがでしょうか。灰の下から新芽が顔を出しているかもしれませんね。

猪の瀬戸湿原保全の会では自然観察会を行っていますので、興味のある方はそちらもどうぞ!

黒い大地に、緑が増えていく、これからの季節が楽しみですね♪

ページ先頭へ↑

2017年02月23日阿蘇中岳噴火警戒レベル1へ引き下げについて【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田

 201727日、阿蘇中岳の噴火警戒レベルが2年半ぶりにレベル1に引き下げになりました。それに伴い、環境省や関係市町村がつくる阿蘇火山防災会議協議会は中岳火口周辺の調査に向かいましたが、

火口広場や駐車場には大量の火山灰や大小の噴石が堆積しており、噴火の威力を伺い知ることができます。

 

  

【現状の様子】

 

ロープウェイ山上駅舎は噴石により天井に穴が開き、窓ガラスも割れ、駐車場には50cm程の火山灰が積もっている。

   

以下、噴火以前の写真と比較して掲載します。

 

        今回噴火後                    以前の様子                                            

 火の国橋は、元の姿も分からないほどになっている。

  

 

        今回の噴火後                   以前の様子

 火口縁の仮設安全柵、支柱だけが残る   

 

       今回の噴火後                  以前の様子

 退避壕とガス検知器 噴石で天板がへこみ、パトライトも潰れている

 

 

これまでの経緯として、2014年8月30日に約20年ぶりに噴火し、福岡管区気象台が噴火警戒レベル2の火口周辺1km圏内の立ち入り規制を発令。その後、2016年10月8日の爆発的噴火では、噴火警戒レベル3の火口周辺3km圏内の立ち入り規制が発令されました。この時の噴出物の総量は60~65万トンと推定され、海抜11,000mまで噴煙が上がり、阿蘇山の北東側約5km内では降灰の量が3,800g/㎡に達する甚大な被害が発生しました。

 

昨年10月の噴火以降、新たな噴火はなく今年の2月時点では火山性微動の振り幅も小さな状態で経過しており、湯だまり量も中岳火口底の約8割を確認、色も灰白色から緑色に戻っており、火口底への熱や火山ガスの供給が弱まってきていると推測されます。

 

昨年12月20日、気象庁より新たな噴火警戒レベルの判断基準の公表に伴い、阿蘇山中岳の状況を照らし合わせ、今回噴火レベル1への引き下げに至りました。

 

しかし、活火山であることから、火口内では土砂や火山灰を噴出や火山ガスの発生の可能性もあるため、阿蘇火山防災会議協議会では山上一帯の安全確認を行うとともに、観光客等の安全が確保されるまでは車や登山者の入山について、これまでの自主規制と監視体制を継続していく方針です。

 

※気象庁では、火山観測データをホームページに掲載し、随時更新されています。

 《各火山の活動状況》

   http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/volcano.html

 《阿蘇山火山観測データ》

   http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/open-data/open-data.php?id=503

 

これから安全対策を図りつつも、大量の火山灰の搬出や安全柵、火山ガス検知器、電源ケーブル、避難シェルター(退避壕)の整備など、関係機関とともに早急な復旧を進めて参ります。

 

阿蘇山上広場・ロープウェイ駅前までは通行可能です。噴火後の阿蘇中岳の息づく様子が見られますよ!

ページ先頭へ↑

2017年01月26日冬山くじゅう【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

寒波襲来によりどこも冬らしい寒さを感じていると思いますが、寒さに負けてはいませんか?

くじゅう自然保護官事務所の兒島です。

くじゅうもこの度の寒波により、雪景色につつまれております。

そして待ちに待った青空!

さっそく山の様子を見に巡視へ行ってきました。御池(みいけ)の様子も気になります......!

ちなみに昨日(1/25)の長者原の朝の気温は-12℃。肌を刺すような寒さです!

こんなに寒いというのに、たくさんの方が登山に来られていました。九州にいながらにして、手軽に雪山登山ができるのもくじゅうの魅力のひとつではないでしょうか。みなさん、ちゃんと軽アイゼンをつけてらっしゃいます(^^)b

登山道を歩いていると様々な冬の芸術作品に出会います。繊細なものからダイナミックなものまで。暖かくなって消えてしまう前に、自分のお気に入りの作品を見つけてみてはいかがでしょう?

 









         ↑樹霜                         ↑霧氷

さてさて登山道の様子はというと、積雪が約30cm、深いところは50cmくらいあると思いますが、すでにトレース(踏み跡)があり、足元さえしっかりしていれば歩けるといった感じでした。





そして目的の御池(みいけ)はというと...............
              じゃーーーーーーーん!全面凍結していました!

最初は恐る恐る、ちゃんと凍っているか確認しながらでしたが、端から端まで歩ききりました。

1/25時点では凍っていましたが、気温の変化により氷が薄くなる場合があります。よく確認してから足をのせるようにしましょう。

この御池(みいけ)はすぐ下にある空池よりも標高が高いのに、水をたたえているのは御池だけであり、昔から不思議がられています。
 

       空池(奥は久住山)            御池(人が渡っています)

 
         中岳                   ペンギン岩(冬期限定)

これからまだ寒い季節が続きます。寒い日でも、勇気を出して外へ出てみると色んな景色に出会えます。歩き回っていると体もポカポカしてきて、とっても気持ちが良いですよ!

そして阿蘇の山口ARの日記にもあるように、外へ出た後の温泉も最高です(*^o^*

※雪山へ行かれる際は、軽アイゼン、防寒具などをしっかりと準備してください。また路面凍結のためチェーン規制がかかっている場所があります。車でお越しの際はチェーンや冬用タイヤの準備と、道路の情報収集を行ない、安全運転でお越しください。




***くじゅうの情報発信中!***

くじゅう地区の様々な団体からなるくじゅう地区管理運営協議会(くじゅうファンクラブ)は、くじゅうの自然環境を守るために様々な活動をしています。

【くじゅうファンクラブ】

http://kujufanclub.com/

また長者原ビジターセンターも随時情報発信しているので、情報収集の参考にされてください。

【くじゅうファンクラブ(長者原ビジターセンター)Facebookページ】

https://www.facebook.com/choujabaruvisitor/



ページ先頭へ↑

2017年01月25日自然がつくりだす氷の芸術 古閑の滝【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさんこんにちは~!阿蘇自然環境事務所の山口です!

阿蘇は本格的な冬の季節となり、室内で過ごすことも多くなりましたが、

実は冬にしか見ることができない、阿蘇の美しい景色が色々あるんですよ~

今回ご紹介するのは、阿蘇市坂梨地区の古閑(こが)の滝です。

駐車場から少し坂を登って林を抜けると、突如大きな岩山と凍った滝がみえてきます。

近くで見ると迫力があります!

(▲ダイナッミックな氷の芸術 古閑の滝) 

古閑の滝は阿蘇カルデラの東部外輪山に位置します。絶壁はカルデラが形成された約27万年~9万年前の火山活動以前の地層がむき出しの姿となっています。滝の上流の大地は火砕流などが蓄積して平らになっており、あまり水があつまりません。そのため水量が少なく、氷の柱が100mもの高さになることもあります。

見上げるとふたつの滝が流れており、左側が雄滝(おだき)80m、右側が雌滝(めだき)100mです。

先阿蘇火山の溶岩崖を流れ落ちるままの凍滝(いてたき)は、寒さがもっと厳しくなると、

氷瀑の姿になることもあります。

地球温暖化が進んでいくと古閑の滝に流れる水量が多くなり、氷の柱がみれなくなってしまうことも

危惧されています。

太古に形成された表情豊かな岩、そして氷にあたる陽の光の輝き。

日中、気温の上昇によって谷に落ちる「カーン」という氷の音も趣があります。

春には、その音が冬の終わりを告げる風物詩として、地元の方に親しまれているそうです。

例年では12月下旬から2月末までが見頃です。

 

日に日に姿を変える古閑の滝。

一瞬一瞬の奇跡のアートを、ぜひ皆さんにも見ていただきたいとおもいます。

■古閑の滝 (阿蘇ユネスコジオパーク内33カ所あるジオサイトのうちのひとつです)

http://www.aso-geopark.jp/geosites/geosite10.htm

さらに、古閑の滝から南(高森方面)に向かうと箱石峠があります。

峠の上から景色を見渡すと冠雪した阿蘇山の稜線が映え、美しく雄大な姿を眺めることができます。

(▲草小積みと雪景色の阿蘇山 箱石峠)

手前の草原にあるのは、農業の機械化とともに見られることが少なくなった草小積み。

刈り取った野草を乾燥させて稲の茎で結び積み上げ、雨から守るためにススキを上から被せたもので、

冬の間の牛のえさなどに利用されてきました。

草小積みの牧歌的な風景は、通気性がよく草が傷みにくい貯蔵法として、

阿蘇に暮らしてきた先人たちの文化的草原資源の知恵が守られている姿なのです。

 

季節ごとに、新しい発見と感動を与えてくれる阿蘇の自然。

ちょっとコタツから抜け出して、防寒具を身にまとったら、

冷たく凛とした阿蘇の空気と冬の魅力を感じに遊びにきてみませんか?

雄大な冬の景色を堪能した後の温泉はまた、格別ですよ~♫

■阿蘇温泉町村湯マップ

http://onsen.aso.ne.jp/map/index.html

http://minamiaso-onsen.jp/access.html

■阿蘇地域アクセスルートマップ

http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/tecforce/pdf/asoaccess

 

■阿蘇地域の積雪・凍結に伴う道路情報

http://www.pref.kumamoto.jp/kenhoku/kiji_8808.html

ページ先頭へ↑

2017年01月23日野草堆肥づくりのための採草・草集め ~草原に暮らすカヤネズミ発見!~【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさんこんにちは~!阿蘇自然環境事務所の山口です!

今回は阿蘇の草原が、人々の暮らしにどのように利用されているのか、

集草作業に参加してきましたので、みなさんにご紹介したいとおもいます。