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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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屋久島国立公園 屋久島

101件の記事があります。

2017年07月21日パークボランティアで口永良部島へ!【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

 

今回の日記は屋久島のお隣の島で全域が屋久島国立公園でもある口永良部島でのパークボランティア活動報告です。

パークボランティアにとっては待ちに待った口永良部島活動でした。

なぜなら、平成27年に口永良部島での活動を計画していた矢先、新岳が噴火して全島避難指示が出され、計画を中止せざるを得なかったということがあったからです。

避難指示解除により島民の方々は帰島され、復興・生活再建を進めていますが、そんな口永良部島の方々のお手伝いができればと、再びボランティアから口永良部島活動を熱望する声があがりました。

しかし、口永良部島で活動するには交通費や清掃時に回収するゴミの処理費など多くの費用が発生するため、参加できる会員が限られてしまうことがネックで昨年度は実現できませんでした。

そこで、今年度「GGG国立・国定公園支援事業」の助成金を申請することになりました。

結果は、大変ありがたいことに「採択」。

助成を受けて活動が実現したのです。

 

梅雨明け発表翌日の7月14日、海はべたなぎ、空は晴天で、いざ口永良部島へ!

 

甲板からの景色を楽しむパークボランティアのみなさん

▲甲板で景色を楽しむパークボランティアの皆さん。波が無かったので船は全く揺れず快適でした。

 

トビウオが水面を滑空する様子

▲船に驚いてトビウオが滑空する場面も。

 

口永良部島全景

▲口永良部島全景。

 

島に到着後、すぐに海岸清掃を始めました。

まずは口永良部島八景のひとつ、「岩屋泊(いわやどまり)」です。

長い間回収されずに溜まった漂着ゴミの量はすさまじく、拾っても拾ってもなくなりません。

岩場なので作業もスムーズに進みませんでした。

夏の日差しも容赦なく照り付け、1時間ほどでヘトヘトになってしまいました。

まだゴミはたくさん残っていましたが、熱中症の危険もあるので、海岸清掃は短時間で切り上げました。

 

岩屋泊の海岸清掃の様子

▲岩屋泊の海岸清掃の様子。

 

休憩を取った後、岩屋泊の案内標識を補修しました。

標識周辺の草を刈り、防腐塗料を塗ったり文字を塗り直したりしました。

こちらも日陰が一切ないのでとても暑く大変でした。

 

看板補修作業の様子

▲標識補修作業の様子。

 

お昼休憩の後、別の海岸(西之湯)へ向かい、再び海岸清掃を開始しました。

こちらも長年清掃されていない海岸なので、大変なゴミの量でした。

 

西之湯横の海岸清掃の様子

▲西之湯横の海岸清掃の様子。ものすごいゴミの量でした!

 

ここもやはり時間内にゴミを取りきることはできませんでしたが、見栄えは多少良くなったと思います。

 

清掃前と後の海岸の様子

▲清掃前(左)と清掃後(右)の海岸。

 

最終的には両海岸で1t用フレコンバック8袋分のゴミを回収しました。

8人いたので1人1袋集めたということですね...頑張りました!

 

回収したゴミが入ったフレコンバックの横で記念撮影

▲回収したゴミが入ったフレコンバックと共に記念撮影。新岳をバックに。

 

翌日は八景である新村(しんむら)と永迫(ながさこ)の標識補修を実施しました。

この日も晴天に恵まれ日差しがとても強かったので、合板で即席の日陰を作って作業しました。

 

看板補修作業の様子

▲作った日陰の中で標識補修作業!日陰になるだけでずいぶん楽になりました。

 

数年ぶりのパークボランティア口永良部島活動は、大量の漂着ゴミの回収と口永良部島八景の案内標識の補修ができて、とても充実した活動となりました。

取りきれなかったゴミがまだたくさんあることが心残りですが、今回参加できなかった会員もいるので、今年度中にもう一回同じ活動をしよう!と会員は意欲を見せています。

みなさんのやる気と熱意に脱帽です。

第二回口永良部島活動が実施されたときはまた日記で報告したいと思います(^^)

パークボランティアのみなさん、暑い中本当にご苦労様でした!

 

集合写真

▲はい、チーズ!

 

今回行った口永良部島~八景~

 

岩屋泊の風景

▲岩屋泊。

 

新村の風景

▲新村。

 

永迫の風景

▲永迫。海の向こうに見えるのは屋久島。

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2017年06月08日環境の日!パークボランティア海岸清掃【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

 

6月6日、屋久島を含む九州南部の梅雨入りが発表されました。

今年の屋久島は雨が少なく晴が続き、昨年より13日も遅い梅雨入りとなりました。

 

梅雨に入る前の週、梅雨対策のため屋久島世界遺産センターを少し補修しました。

屋久島世界遺産センターの窓枠は木でできているので、大雨が降るとセンター内まで水がしみ込んでくることがあります。

少しでも水をはじくように、木材部分に防腐塗料を塗りました。

 

屋久島世界遺産センターの窓枠に防腐塗料を塗る様子①

屋久島世界遺産センターの窓枠に防腐塗料を塗る様子②

▲作業風景。無事梅雨を乗り切ってくれよ~!!

 

さて、梅雨の6月は、「環境月間」でもあります!

6月5日は何の日かご存知ですか?

そうです、「環境の日」です!

広く環境の保全についての関心と理解を深めるとともに積極的に環境の保全に関する活動を行う日です。

「環境の日」について、詳しくは下記をご覧ください。

【環境省HPhttp://www.env.go.jp/guide/envdm/

 

屋久島国立公園パークボランティアの会では、毎年この環境の日に合わせてNPO法人屋久島うみがめ館が主催する永田浜(いなか浜)の清掃活動に共催で参加しており、今年も6月3日に開催され参加してきました。

永田浜は北太平洋で一番アカウミガメが産卵にやってくる浜です。

産卵シーズン真っ只中ということもあり、気合が入ります!

 

開会式の様子

▲開会式の様子。総勢164名!

 

一般参加者の清掃の様子

▲清掃の様子(一般参加者)。

 

パークボランティアはいつも一般参加者とは別の場所を担当します。

奥まっていてゴミもたまりやすい場所です。

 

パークボランティアの清掃の様子①

 

パークボランティアの清掃の様子②

▲清掃の様子(パークボランティア)。

 

しかし、今回のイベント前に別の清掃イベントがあったこともあり、ゴミはとても少なかったです。

最終的にイベント全体で燃えるゴミ12袋、燃えないゴミ3袋、流木、漁具など総重量140kgを回収したそうです。

NPO法人屋久島うみがめ館HP】 http://www.umigame-kan.org/

 

これでウミガメたちも一層気持ちよく上陸、産卵できそうです!

みなさんも、環境月間であるこの6月は環境について関心を寄せ、地域の環境保全に関する行事に積極的に参加してみましょう!

 

パークボランティアの集合写真

▲最後にパークボランティアのみなさんで、はい、チーズ!お疲れ様でした!

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2017年05月25日アカウミガメの産卵上陸が始まっています

屋久島国立公園 池田 裕二

ウミガメが産卵のため上陸するいなか浜の景色2017年4月撮影

 

 今年もウミガメの産卵のシーズンがやってまいりました。屋久島の永田浜は世界でも有数のアカウミガメ産卵地です。ウミガメそのものが世界的にも希少な動物ですので、産卵地という貴重な環境があるというのは素晴らしいことですね。

 普段海の中で行動するウミガメにとって産卵は特別なイベントです。上陸するのは成熟したメス個体のみ。オスや未成熟の若い個体は上陸しません。

 屋久島での産卵ピークは5月から6月。海岸の砂地に後脚で産卵のための穴を器用に掘ります。その穴に多いときは100個を超す卵を産み落とし、丁寧に穴を埋めていきます。ウミガメの親は産卵巣を守ることなく、産卵を終えるとすぐに海に帰っていきます。やがて約2か月経過すると卵は孵化し、仔ガメが産卵巣から砂をかき分けて這い出し、誰に教わることなく海を目指してゆきます。自然の神秘ですね。

 ウミガメは野生の爬虫類で、とても臆病で神経質な生き物です。産卵も孵化も、できるだけそっとしておいてあげるのが原則です。永田浜では、産卵時期になるべくウミガメにストレスを与えないような形のルールを設けて予約制の観察会を行っております。ご予約や観察ルールにつきましては下記のサイトをご参照ください。

ウミガメ観察会の予約はコチラ↓

【永田ウミガメ連絡協議会HP】

http://nagata-umigame.com/

ウミガメ観察ルールはコチラ↓

【屋久島世界遺産センターHP】
https://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/np/kansatu.htm

 また海中で、ウミガメの普段の暮らしをご覧になりたい方は屋久島町公認ガイドのスキューバダイビングやスノーケリングなどのアクティビティにチャレンジしてみてください。ウミガメに出会えるかは運次第ですが、島の沿岸に居ついているアオウミガメでしたら、年間を通して高い確率で出会うことができます。海中を優雅に泳ぐウミガメの姿は、つい見とれてしまうほど美しいものです。ウミガメが平和に暮らしていける素敵な海を、大切に守っていきたいですね。

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2017年05月24日シャクナゲシーズン到来!パークボランティア活動報告【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

 

今年もヤクシマシャクナゲのシーズンがやってきました。

昨年、一昨年と花が少なかったですが、今年はたくさん咲きそうだと聞いています。

すでに開花も始まっているそうです。

 

昨年のヤクシマシャクナゲ

▲昨年のヤクシマシャクナゲ。

 

5月26日~28日には(公社)屋久島観光協会が主催する「屋久島しゃくなげ登山」が開催されます。

例年屋久島国立公園パークボランティアの会では、この登山イベント前に登山道の補修や看板の清掃をしていましたが、今年は登山道ではなく登山口までの道路(荒川三叉路~淀川登山口)の看板清掃と枝払いを実施しました。

シャクナゲシーズンにはたくさんの車がこの道を通りますが、道幅が狭く曲がりくねって見通しがきかないため、山道を走り慣れていない方には運転し辛いかもしれません。

このような道のため、カーブミラーや注意看板がたくさんあります。

おまけに木が茂り日当たりが良くないので、ミラーや看板にはコケも元気よく育っています(^^;

登山者の方が安全に登山口まで走行できるよう、今回の活動は4班に分かれて、3班は担当区間の看板やミラーを磨き、1班は各区間のミラーや看板にかかる枝葉を刈り払いました。

※枝葉の刈り払いは屋久島森林管理署の森林官にも同行頂き適正に実施しました。

 

道路沿いの看板やカーブミラーを磨く様子

▲作業の様子。背の高いカーブミラーは脚立に乗って慎重に作業しました。

 

カーブミラー越しにピースしたボランティアが映る様子

▲綺麗になったミラー越しにピース(^^)∨

 

看板の磨く前と後の様子

▲文字が見えなくなっていた看板は、コケを落としてまっさらに!

 

最後は全員で登山口の看板や使用済み携帯トイレ回収ボックスを掃除しました。

 

使用済み携帯トイレ回収ボックスを掃除する様子

▲使用済み携帯トイレ回収ボックスを掃除する様子。中まで綺麗に磨きました!

 

綺麗になった携帯トイレ回収ボックス

▲中も外も綺麗になった回収ボックス。

 

時間の都合で、予定していた作業区間のカーブミラーや看板全てを清掃することはできませんでしたが、以前よりも多少なりとも見やすく走りやすくなったのではないでしょうか♪

登山口までの運転はどうぞご安全に。

そして美しいヤクシマシャクナゲをお楽しみください!

 

集合写真

▲最後にみんなで、はい、チーズ!お疲れ様でした(^^)

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2017年05月23日縄文杉北側展望デッキオープン!

屋久島国立公園 池田 裕二

 2017年4月より屋久島自然保護官事務所アクティブレンジャーに着任いたしました池田と申します。アクティブレンジャーの活動と、屋久島の自然の面白さを発信してまいりますので、よろしくお願いおいたします。

縄文杉北側デッキ。森の中でひっそりと佇む神秘的な姿を見ることができます。

 

 

 さて、縄文杉発見から50周年を迎えた今年2017年、新しい縄文杉展望デッキが4月1日、ついに完成いたしました!

 新しいデッキ「縄文杉北側デッキ」からは今までの南側デッキとは異なる角度の縄文杉を見ることができます。まず目に飛び込んでくるのが南側に張り出した太い枝。圧倒的な迫力です。こちらの枝だけでも、1000年以上の時が経っているのかもしれませんね、

 昭和41年に縄文杉が発見された当初は、周囲が鬱蒼とした藪となっており、森の中に生き続けてきた神秘的な姿をしていたそうです。南側デッキからは縄文杉周囲の灌木の樹高が低いために、縄文杉全体像を観察することができます。そして今回オープンした北側デッキからは縄文杉発見当時のように、森に隠れてひっそりと佇む幽玄な世界を感じることができます。森からぬっと伸びる縄文杉の太い枝や、灌木の合間から覗く、岩のような迫力のある幹を観察することができ、私たちの想像力を掻き立ててくれます。

 さらに今年は50周年記念特別イベントがいくつも用意されており、屋久島の観光も例年以上に盛り上がることでしょう。

 縄文杉に会いに行きたい!とお考えの方は、今年旅行計画を実行に移すチャンスですね。もちろん事前の準備や、十分な筋力、持久力トレーニングもお忘れなく!

 屋久島自然保護官事務所が運営する、屋久島世界遺産センターのホームページ上では縄文杉快適登山日カレンダーを公開しております。

http://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/tozan/kaitekic.htm

混雑日をなるべく避け、快適な登山をお楽しみください。

縄文杉南側デッキ。縄文杉の全体像を観察することができます。

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2017年03月24日外来種「アメリカハマグルマ」駆除!【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

3月4日(土)、パークボランティアのみなさんとアメリカハマグルマの駆除を行いました。

 

アメリカハマグルマは、フロリダ南部~熱帯アメリカ原産のキク科の植物で、1970年代初期、沖縄に緑化用に導入されその後南西諸島や小笠原などに広がり、強靭な繁殖力で元からいた植物の生育場所を奪ったり、近縁種と交雑するなどして生態系に影響を与える外来種です。

大きな被害が予測され、特に緊急性が高く積極的な防除が急がれる種として生態系被害防止外来種リストの緊急対策外来種にも指定されています。

 

アメリカハマグルマ

▲アメリカハマグルマ。

 

屋久島でも海岸や海岸近くの道路、港や集落内で繁茂しているのを確認しています。

そこで昨年度から、個体数が限定的で根絶できそうな地域や国立公園内に生育しているものを優先して駆除を始めました。

今回の活動場所は昨年度駆除を実施した場所で、1年ぶり2回目となります。

前回の活動の様子はコチラ↓↓

http://kyushu.env.go.jp/blog/2015/12/post-130.html

 

ひとたび外来種が侵入してしまうと、1回の駆除で根絶することはほぼ不可能です。

地中に残る根や種子、地表の取り残しがどうしてもあるからです。

根気よく生えては取り、生えては取りを繰り返して個体数を減らしていくしかないのです。

今回の場所は1年前の駆除の効果が出ているようで、再生しているアメリカハマグルマは少なく、前回8袋もあった除去量に対して今回は1~2袋でした。

 

アメリカハマグルマを探す様子

▲しゃがみこんで探さないと見つけられないほどアメリカハマグルマの勢いは衰えていました。

しかし強靭な繁殖力を持つアメリカハマグルマは茎や根が少しでも残っているとそこからまた生えてきます。

実際、少しずつではありますが確実にじわじわと再生していました。油断は禁物です!

 

しゃがみこんでアメリカハマグルマを探す様子

▲取り残しがないように、みなさん目を凝らして探してくれました!

今後も巡視等で経過観察しながら、また1年後駆除を実施したいと思います。

 

この地域はアメリカハマグルマの生育が限定的なので比較的駆除が楽ですが、すぐ近くのキャンプ場ではすでに一面にアメリカハマグルマが繁茂しており、駆除は非常に厳しい状況となっていました。

 

近くのキャンプ場に生えたアメリカハマグルマ

▲近くのキャンプ場。地面の緑はすべてアメリカハマグルマ。

 

猛繁茂するアメリカハマグルマを前に頭を抱える様子

▲アメリカハマグルマの猛繁茂を前に頭を抱える。

 

キャンプ場のアメリカハマグルマの一部を駆除した様子

▲試しにキャンプ場の一部のアメリカハマグルマを抜いてみました。

一面に生えたアメリカハマグルマを根こそぎ抜き取る労力を実感できたことに加え、ボランティアの皆さんから様々な駆除方法が提案されました。

今後ここがどのようにして再生するかしないか等も観察していき、今後の駆除活動の方針決定に役立てたいと思います。

 

さて、早いもので平成28年度のパークボランティア活動も今回が最後となりました。

今年度は悪天候等で中止になる活動が多く、不完全燃焼だったボランティアの方もいたようですが、様々な活動に取り組んで頂き本当にお疲れさまでした。

来年度もよろしくお願いいたします(^^)

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2017年01月27日九州特産物リレー1月~ヤクスギ~【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

九州各地の特産物をアクティブレンジャー達がリレー形式でお伝えする九州特産物リレー!

今回は、屋久島の土地と歴史に深く関係する「ヤクスギ」をご紹介します。

 

縄文杉

▲代表的なヤクスギ「縄文杉」

 

ヤクスギなどの巨樹・巨木の天然林が広がる屋久島の自然の美しさは、世界自然遺産になった理由の一つでもあり、ヤクスギは屋久島の自然を語る上では欠かせないキーワードです。

とは言っても、「普通のスギと何が違うの??」と疑問に思う方が多いかもしれません。

  

屋久島の標高500m以上の山地に自生する樹齢1000年以上のスギのことを、「ヤクスギ」と呼びます。

一般的にスギの寿命は500年程とされています。

ところが、屋久島のスギの寿命は1000年をはるかに超えます(縄文杉の推定樹齢20007200年)。

屋久島で育つスギが長寿である秘訣は、「年輪」と「樹脂」です。

屋久島は花崗岩でできているため土の中の栄養が乏しく、スギの成長が遅くなります。

そのため年輪が緻密になり丈夫で倒れにくく長生きできるのです。

 

普通のスギの年輪とヤクスギの年輪

▲普通のスギの年輪                ▲ヤクスギの年輪

 

また、多雨・多湿の気候の中で育つヤクスギには、普通のスギの6倍以上の樹脂が含まれています。

豊富な樹脂のおかげで腐りにくく害虫にも強くなるのです。

 

屋久島の特異な環境が生み出したヤクスギは、美しい杢目と独特の色艶、濃厚な香りが特徴の工芸品に形を変えます。

ヤクスギはその特性から加工が難しく、工芸品の製造には高度な職人技を必要とします。

熟練された職人の手によって最大限に魅力を引き出されたヤクスギの工芸品は、鹿児島県の伝統的工芸品にも指定されており、屋久島の重要な産業の一つとなっています。

 

ヤクスギ工芸品

▲ヤクスギ工芸品(写真提供:屋久島町立屋久杉自然館)

 

しかし、世界的に貴重なヤクスギは保護されていて、1980年代以降伐採は禁止されています。

一体どうやって工芸品の原料となるヤクスギを入手していると思いますか?

 

実は、現在のヤクスギ製品には「土埋木(どまいぼく)」が使われています。

土埋木とは、強風などで倒れたヤクスギや江戸時代に伐採されたヤクスギの切り株、伐倒後利用されず山に残されたヤクスギです。

丈夫なヤクスギは数百年山中に放置されても腐らないため、工芸品の原料として利用できるのです。

 

屋久島の山中にある土埋木

▲屋久島の山中に残る土埋木

 

世界自然遺産である屋久島の森は手つかずの原生林だと思われがちですが、林業の島であり、古くからヤクスギも伐採されてきました。

江戸時代にはヤクスギ材は年貢として定められ、以来幕末までに5~7割のヤクスギが伐採されたといわれています。

 

江戸時代に切られたスギの切り株

▲江戸時代に切られたスギの切り株

 

戦後復興の時代には、チェーンソーも導入されてヤクスギや広葉樹の皆伐が一挙に進みました。

現在生木として残るヤクスギは、凸凹が激しく利用に適さないとして切られずに残ったものなのです。

  

縄文杉と仏陀杉と弥生杉

▲縄文杉              ▲仏陀杉             ▲弥生杉

 

伐採の時代に残された土埋木を有効活用しようと生産が始まったのは1966年(正規の生産事業開始は1975年)。

土埋木の生産は、トロッコで搬出できるようにトロッコ道に近い箇所から架線集材によって行われてきましたが、徐々に集材箇所が奥地化するとともにヘリ集材に依存するようになりました。

作業は危険で大変難しく、土埋木の特殊な性質や急峻で特異な屋久島の地形、変化しやすい気候を十分に理解した人にしかできないそうです。

 

トロッコ道脇に集材される土埋木と造材の様子

▲架線集材でトロッコ道脇に集材された土埋木と造材の様子(2009年)

 

トロッコで搬出される様子

▲トロッコで搬出する様子(2009年)

 

トロッコからトラックに土埋木を積み直す様子

▲トロッコからトラックに積み直す様子(2009年)

 

この後貯木場に運ばれ入札にかけられます。

2015年の入札会での最高落札額は1立方メートルあたり580万円だったとか!!

 

しかし、長年続いた土埋木生産もいよいよ生産可能な土埋木※を取り尽くし、トロッコによる搬出は2009年に終了し、2016年のヘリ搬出を最後に大規模生産は終了しました。

(※生産可能な土埋木:国立公園の特別保護地区や第1種特別地域、森林生態系保護地域の保存地区や自然休養林など、土埋木の採取が禁止されている地域外にあってかつ生産コストに見合った土埋木。)

今後増々厳しい状況になりますが、継続していくために生産や加工など各方面で工夫や検討がされています。

最近ではお手頃価格の製品も増えて、キーホルダーやアクセサリーなどのかわいい小物も充実しています。

屋久島にお越しの際は、お土産店やヤクスギ加工工場をのぞいてみてくださいね!

山に登る際は、林内に残る土埋木を探してみましょう。

土埋木の採取が禁止されている保護地域ではたくさんの土埋木が眠っています。

ヤクスギや土埋木が残る森の風景は、屋久島の自然環境や歴史を物語っている...そう考えると屋久島の山歩きも一味違った角度から楽しめるのではないでしょうか(^^)

 

▼ヤクスギ製品店一覧

(公社)屋久島観光協会HP

http://yakukan.jp/souve/shop.html#sugi

 

▼ヤクスギの博物館

屋久島町立屋久杉自然館HP

http://www.yakusugi-museum.com/

 

▼参考文献

佐藤政宗・寺岡行雄(2012)ヤクスギ土埋木生産の変遷と現状について.

屋久杉自然館(2000)屋久島やくすぎ物語.

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2017年01月16日正月行事~鬼火(おにび)たき~【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

明けましておめでとうございます。

屋久島自然保護官事務所の水川です。

2017年も、アクティブレンジャー日記【九州地区】をよろしくお願いします!

 

さて、私の2017年最初の日記は1月7日に屋久島で行われたお正月の伝統行事「鬼火たき」についての紹介です。

鬼火たき(焚き)とは九州地方に伝わる正月の伝統行事で、正月飾りなどを燃やして悪霊を払い、無病息災や一年の幸せを願うものですが、「どんど焼き・とんど焼き・左義長」など様々な呼び名で全国各地でも行われていることでしょう。

屋久島では毎年1月7日に行われており、今年は私も朝の準備から参加してきました。

屋久島の鬼火たきは集落ごとに行われ、モウソウ竹やコサン竹(布袋竹)を組んで、てっぺんに鬼の顔が描かれた旗を掲げて燃やすのですが、中でも原(はるお)集落の鬼火たきはとても手が込んでいます。

なんと十数メートルのスギの木を鬼火の芯に使うのです。

 

バックホーでスギの木を持ち上げる様子

▲芯になるスギの木。原集落の鬼火の準備はバックホーまで出動する大仕事となります。

 

スギの周囲には十数本ものモウソウ竹を取り付け、モウソウ竹の周囲にはコサン竹を取り付けます。

 

スギにモウソウ竹とコサン竹を取り付ける様子

▲スギにモウソウ竹とコサン竹を取り付ける様子。太く大きな竹がモウソウ竹、細く小さな竹がコサン竹です。

 

まだ終わりません。外側にコサン竹がびっしりと取り付けられた柱に、今度はウバメガシの枝を一本一本手で刺し込んでいくのです。

 

スギにコサン竹とウバメガシの枝を取り付ける様子

▲コサン竹を取り付ける右側の人達とウバメガシを刺していく左側の人達。

 

ウバメガシを刺していく様子

▲柱にウバメガシの枝を刺し込む様子。柱を立てた時に枝が飛び出ていると格好が悪いので、枝の傾きが柱の中央に向くように刺していきます。根気の要る作業です。

 

ウバメガシの枝を柱全体に刺し終えたら、いよいよ柱を立てます。

 

バックホーで柱を立てる様子

▲柱を立てる様子。バックホーでゆっくり引っ張り、徐々に柱を立ち上げていきます。

驚くのはそのバランス!

巨大な柱を支えるのは四方向に張った細い番線のみで、柱は地面に固定されていないのです。

こうして鬼火の柱は立ち、あとは根元に竹や各家庭の正月飾りを積み上げて完成です。

 

▲完成した鬼火。てっぺんには鬼の顔が描かれた旗がついています。

火入れの時を待ち、静かにたたずんでいます。

 

夕方、人々が集まりいよいよ火入れです。

通常は七草祝いをした集落の子どもの役目ですが、今年は強風で危険だったため青年団が火をつけました。

 

火をつける様子

▲火をつける様子。

 

鬼火たきの様子

▲鬼火たきの様子。バチバチ、ゴーゴー、パンパンと、ものすごい音と勢いで燃えました。

この音と火で悪霊(鬼)を退治するのです。

 

そして各家庭は、ウバメガシや竹の葉、割木を束にしたものをこの火で半分焼いて持ち帰ります。

持ち帰った束を家で再度燃やすことで、まだ家に残っているかもしれない悪霊を払います。

魔除けとして玄関に置いたりもします。

  

各自で葉と木の束を燃やす様子

▲葉と割木の束を燃やす様子。

 

こうして集落からも家庭からも鬼はいなくなり、一年の無病息災と一家の幸福を願い、新たな年が始まるのです。

 

鬼火たきを終えた夜は、子どもや青年が各家庭を回り、大きな声で祝い歌を合唱します。

「祝い申そう」や「くせもんいい」や「門回り」といいます。

小班に分かれて家々を回るので、集落内のあちらこちらに、太くたくましい青年の歌声と活き活きと若さあふれる子どもの歌声が縁起良く響きます。

今年も皆さんにたくさんの幸福が訪れることでしょう(^^)

古くから受け継がれる地域の伝統行事、大切にしたいですね。

みなさんの地域にはどんな行事がありますか?

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2016年11月17日島の小学校で出前授業!【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

今年島内の3つの小学校で合計11回の出前授業を実施し、小学生のみなさんに国立公園や世界遺産、屋久島の自然について学んでもらいました。

今回の日記は、今年実施した出前授業(野外)についての報告です!

 

教室授業の様子はコチラ↓(7月16日のアクティブレンジャー日記)

http://kyushu.env.go.jp/blog/2016/07/post-214.html

 

今年の野外授業は、田代海岸や栗生海岸、西部地域へ行きました。

どこも屋久島国立公園で、西部地域は世界自然遺産地域でもあります。

 

田代海岸では、自然に親しむゲームをしました。

流木やサンゴなど、海岸に落ちている自然のものを集めてまっすぐつなげて長さを競うゲームです。

 

流木やサンゴをまっすぐつなげて長さを競っている様子

▲ゲームの様子。長いものを集めた方が有利になるゲームですが、どんなゲームをするのかは秘密にして集めてもらったので、集まったものは大小様々。

貝殻や小さなサンゴを集めた班は短くなってしまい、まっすぐにつなげるのにも苦労していました(^^;

集めたものは、ゲーム終了後に元の場所に戻してもらいました。

   

田代海岸には屋久島町の天然記念物になっている枕状溶岩があります。

この枕状溶岩は、はるか昔海底で噴出したもので、プレートにのって運ばれてきたと考えられています。

枕状溶岩の観察を通して、屋久島の地形や地質の面白さを学びました。

  

枕状溶岩の説明をメモする様子

▲枕状溶岩の説明をメモする様子。

 

またレンジャーのお仕事体験として、海岸調査やゴミ拾い、看板清掃をしてもらいました。

 

看板清掃をする様子

▲看板清掃の様子。手の届かないところは肩車をして隅々まで磨いてくれました!

 

浜で貝殻を採集し、標本作りにも挑戦しました。

 

完成した貝の標本

▲完成した貝の標本。色んな種類の貝があり、屋久島の海の豊かさを実感しました。

 

西部地域では、動植物を観察しました。

林内や林道にはたくさんのサルやシカがいて、じっくり観察することができました。

 

林内のサルの群れを観察する児童の様子

 

林道にいたサルの群れと小学生を乗せたバス

▲林内と林道にいたサルの群れ。バス車内からも観察できました。

 

また、落ちているサルとシカの糞を拾って沢で洗い、内容物を比べてみました。

サルの糞からは植物の種子がたくさん出てきて、シカの糞からは葉の繊維や少量の種子が出てきました。

「サルは木に登ることができるからシカよりたくさん実を食べられるんだ!」と、子ども達なりに糞の違いについて考えていました。また、植物は動物に実を食べてもらうことで種子を遠くまで運んでもらい、動物は植物から栄養をもらっていることにも気づきました。

 

フンの中身を観察する様子

▲糞の中身を観察する様子。

 

西部地域は、世界自然遺産になった理由の一つ、植生の垂直分布が残っている地域です。亜熱帯の海から冷温帯の山の上まで、植物が途切れることなく生えている様子を観察しました。

 

植生の垂直分布を観察する様子

▲植生の垂直分布を観察する様子。

 

西部地域で起きているシカの問題についても学びました。

 

植生保護柵内で林床植生を観察する様子

▲植生保護柵の中と外の違いは歴然!?柵の外には下層植生がありません。

これは、増えすぎたシカが植物を食べてしまっていることが原因です。

 

さらに、今年は出前授業を実施した1校から授業参観の講師に呼んでいただきました。

授業参観前の出前授業で栗生海岸へ行き、様々な生きものを見つけて海岸マップを作ったので、授業参観ではそのマップを使うことにしました。

テーマは「生きものどうしのつながり」です。

海岸マップの生きもの達が何を食べるか考え、エサになる生きものに糸を引いてもらいました。

 

生きものの絵にピンを刺し、糸をつなげる様子

▲生きものの絵にさしたピンに、糸を結んでつなげていきました。

 

完成した生きもののつながり

完成した生きものどうしのつながり

完成した生きものどうしのつながり

▲完成した生きものどうしのつながり。海岸で見つけた生きもの達は、複雑につながり合っていることがよく分かりました。

最後は、地球上から生きものが一種いなくなったらと仮定し、生きもののピンを一つ外してみました。

すると、それをエサにしていた生きものにつながり、その生きものもいなくなって...と、ほとんど全ての生きものがつながり合っていて、ピンが抜けていなくなってしまいました。

 

ピンを抜く様子

▲ピンが抜けていく様子。生きものどうしのつながりを知り、たくさんの種類の生きものがいることの大事さやそれらの生きものが生きていける自然環境の大切さを学びました。

 

授業を通して、屋久島の自然について知り、豊かな自然を体感してもらえたと思います。

レンジャーの仕事体験から、自然を守る取り組みについても理解が深まったのではないでしょうか。授業の最後に「環境省の職員になるにはどうすればいいですか?」と聞く児童もいて嬉しかったです!

今後も島の子ども達に屋久島の自然を大切にしたいと思ってもらえるような授業をしていきたいと思います。

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2016年11月17日パークボランティア活動報告!【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

11月中旬になりましたが、昼間は24度ほどで朝晩も20度前後あり、まだ暖かい屋久島です。

そんなぽかぽか陽気の中、屋久島国立公園パークボランティアの会でヤクスギランドの看板清掃をしました。

ヤクスギランドの散策コース内には、植物説明看板やコース案内看板など大小様々な看板がいたるところに設置されています。

全コースの看板を綺麗にするため、3班に分かれて班ごとに担当するコースの看板を一つ一つ丁寧に磨いていきました。

 

清掃前の看板と清掃後の看板

清掃前の看板と清掃後の看板

▲大きな看板は2~3人で太刀打ち!コケが落ちた看板は真っ白で、森の中でもよく目立つようになりました。

 

小さな看板を清掃する様子

▲小さな看板も抜かりなく!

 

川でお弁当を食べる様子

▲作業後は3班揃ってお弁当♪美しい自然の中で食べるご飯は格別でした。

ヤクスギランドに行かれる方は、ぜひ看板にも注目してみてくださいね♪

 

2016年のパークボランティアの清掃活動は今回で終わりです。

今年は雨天等で中止になってしまう活動が多かったですが、最後は気持ちのいい天気の中で活動できたのでよかったです!

今年度の活動は来年3月の外来種駆除活動でラストです!

次回もよろしくお願いします。

みなさん、お疲れ様でした(^^)

 

集合写真

▲最後にみんなでハイ、チーズ!

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