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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

坊ガツルの輪地焼き 【くじゅう地域】

2011年10月05日
くじゅう
たびたびの雨で、3週間近く延期になっていた坊ガツル湿原の輪地焼き(わちやき)が、10月4日(火)にようやく行われました。
今回は平日にも関わらず、約70名の参加者が集まりました。

輪地焼きとは、来春に行う野焼きの際に必要な防火帯(輪地)を作るための仕上げの作業で、「輪地切り」(8月29日の記事ご参照)で刈った枯れ草を燃やす作業です。



まずは、火をつける前に、みんなで刈った後の枯れ草をフォークや熊手で帯状に集めていきます。
それを火付け役であるリーダーが、頃合いを見計らって、点火!



一昨日に雨が降ったということで、きちんと燃えるかどうか心配していましたが、それは杞憂でした。次々に火が燃え移っていきます。

みなさん火の速さに負けじと、一生懸命草をすくって、寄せて。
当日は寒かったので、火の暖かさが心地よかったです。



草を集めていると、リンドウ(リンドウ科・上)とキセルアザミ(キク科・下)が気持ちよさそうに花を咲かせているのを発見。
輪地切りでススキなど背丈の高い周りの植物が刈られ、のびのびと太陽の光を浴びていました。

そして、約3時間後、湿原を取り巻く、総延長約4キロの防火帯が完成!
草を集め続けるのも根気がいる作業で、私の腕も多少の疲れが…。
でも、これであとは来春の野焼きを待つのみです。

野焼きは、この作業があって初めて安全に行うことができます。
野焼きをすることで、草原の森林化を防ぎ、坊ガツルの草原景観や動植物を守ることができるのです。

まだ坊ガツルに行ったことがない方、ぜひ、一度訪れてみてください。今はススキがとってもキレイですよ~。