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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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西海国立公園

17件の記事があります。

2018年08月20日小値賀島周辺離島における生きもの・地形調査 【平戸・九十九島地域】

西海国立公園 岡山桂

 こんにちは!

 佐世保自然保護官事務所の岡山です。

 

 7/14-15、五島列島小値賀島の周辺に浮かぶ小島に、平戸・九十九島地区パークボランティアのメンバーと共に生きものと地形の調査に行きました。

 平戸市南端の宮ノ浦漁港からチャーター船で出発し、途中に見える野崎島には、先日世界遺産に登録された『長崎と天草の潜伏キリシタン関連遺産』の構成資産「野崎島の集落跡」があります。この島では現在、人が住まなくなったことでシカが増え、シカの食害による裸地化が進み、島の斜面崩壊が起こっています。人と自然の共存が続いてきた土地では、両者のバランスが崩れてしまうと、このように自然にとっての悪影響を及ぼすことがあります。

        野崎島南部                   平島全景

  

 出発しておよそ2時間で到着した平島の北部は火山の隆起によってできたもので、主に玄武岩から成り、南部は火山灰や火山礫などの堆積によってできています。また、島の北側には玄武岩で囲まれて外海と切り離され浅い内海となったラグーンがあります。

     玄武岩から成る平島北部           火山性堆積物から成る平島南部

  

   

     玄武岩で囲まれたラグーン

 

 生きものの調査では、海岸の開発で個体数減少のおそれのあるスナビキソウや鮮やかな青緑色が美しいアヤニシキなど、海岸に生育する多くの植物を確認できました。

        スナビキソウ                  アヤニシキ

  

 当初は平島でキャンプする予定でしたが、熱中症のおそれがあり、有人島の大島へチャーター船で渡り、区長のご厚意で公民館に泊めてもらうことができました。

 

 2日目は小値賀島の北に浮かぶ納島へと渡ると、アコウの巨木が目に入りました。アコウは絞め殺しの木とも呼ばれ、鳥などによって運ばれたアコウの種子が他の木の上に落ちると、元の木を絞め殺すように絡まりながら成長するためそう呼ばれています。

 納島はラッカセイの生産が有名ということなので、ラッカセイ畑を見学しました。道中にはトキワススキも見られました。「ススキといえば秋じゃないの?」と思われるかもしれませんが、このトキワススキは夏に穂を出すのが特徴です。こうして納島での人々の生活の様子や生きものの調査を終えました。

        アコウの巨木                 トキワススキ

 

 今回、平島や納島での調査を終え、島の特徴的な地形が作り出す美しい風景と、それが育む多様な生きものの姿を観察することができました。

 子どもたちの夏休みもあと少しですが、まだまだ暑い日は続きます。水分はこまめに摂り、しっかりと熱中症対策をして、最高にアツい夏を楽しく過ごしましょう!

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2018年07月05日高島の宝物を発見しよう! 【平戸・九十九島地域】

西海国立公園 佐世保 岡山桂

 はじめまして!

 今年5月から佐世保自然保護官事務所のアクティブレンジャーとして採用された岡山です。これから西海国立公園の平戸・九十九島地区での活動をたくさん発信していきたいと思います。

 6月9日(土)、高島という島で開催された自然観察会にスタッフとして参加しました。九十九島の離島には他のイベント等で訪れたこともありましたが、有人島へ行くのは初めてで、新たな発見ができると楽しみにしていました。

 高島は人口200人、島の南部に集落があり、北部は自然がそのまま残されている島です。今回のイベントは島の南端に位置する番岳に登り、自然や遺跡を見学した後、集落を散策するという行程です。

      展望所から見る高島              番岳と海沿いの集落

  

 208もの島々で構成される九十九島の中で、高島にのみ生育する植物に出会うことができました。ミヤコジマツヅラフジは、海岸に近い場所に生育し、ハート型の葉の裏にフワフワした毛がある南方系のつる性樹木です。

 集落周辺で見つけたデンジソウは、葉の形がクローバーにも似ていますが、漢字の田の字に似ていることから名付けられたシダ類の水草です。なぜ同じ地域なのに高島でのみ見られるのかよくわかりませんが、島の植生の豊かさを感じました。

     ミヤコジマツヅラフジ               デンジソウ

  

 番岳山頂には戦時中、対空砲台が設置され、現在は探照灯跡や聴音照射指揮所跡など戦争遺産が残されています。聴音照射指揮所から敵の戦闘機の高度や距離、速度を測定していたそうです。

天候に恵まれ、山頂の展望台からは、高島漁港と後方に九十九島の島々を望むことができました。

      聴音照射指揮所の内部           番岳山頂の展望台からの眺望

  

 島の志賀神社にはクジラの石像があります。偶然出会った島の方のお話によると、大正時代、島に大きなクジラが漂着し、高値で売れたため島民が潤ったことを記念して造られたそうです。


     志賀神社のクジラの石像          島民から島の歴史を聞く参加者

  

 今回の自然観察会では、高島の豊かな自然と歴史、そして温かい島民の心に触れることができました。高島からは、世界遺産「長崎と天草の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産がある黒島へフェリーの所要25分で行けます。皆さんも九十九島の島めぐりを楽しんでみませんか。

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2017年04月13日九州自然歩道でつながる豊かな自然と文化の島、奈留島

西海国立公園 五島 竹下洋子

 こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。328(火曜)、奈留島において公園区域周辺部の現状及び九州自然歩道の活用状況の把握のため現地調査を行いました。奈留島に国立公園はありませんが、久賀島と若松島の中間に位置し、他の島々と九州自然歩道のルートでつながっています。奈留島は五島列島の主要な7つの島の一つで、島内各所で豊かな自然と文化に触れることができます。

 福江港から北東に位置する奈留港へフェリーで45分程の所要時間です。この地で一番初めに出迎えてくれたのは、春に訪れる鳥、ヤツガシラです!ヤツガシラは3月頃になると東南アジアから中国北東方面へ移動する渡り鳥で、五島ではこの時期よく見かける鳥ですが、本土では滅多に見ることができないそうです。また海岸の堤防では、2羽のイソシギが縄張り争いか求愛行動と思われる奇妙な行動をしていました。一定区間を何度も行ったり来たりして、追いかける鳥が前の鳥を飛び越えて方向転換していました。

  

左)雌雄同色のヤツガシラ

右)奇妙な行動をする2羽のイソシギ

 奈留島の北西部には、大串池塚海岸のビーチロック (五島市指定天然記念物)と雛ノ浦のハマジンチョウ群落(長崎県指定天然記念物)があります。一般に熱帯から亜熱帯地方に多く見られるビーチロックは、干潮時のみ広範囲にわたって見ることができ、砂や礫が可溶性の珪酸と炭酸石灰質物で固くセメント化され幾層にも固まったものですが、九州では沖縄以外では珍しく当地はほぼ北限に近いものと言われています。ビーチロックの近隣には長さ80メートルにわたり自生する雛ノ浦のハマジンチョウ群落があります。ハマジンチョウは1月から3月ごろまで咲く亜熱帯性の常緑低木で、通常波静かな入り江の奥の海岸に生育します。ここは満潮時には株本に海水が入る海跡湖のため、湖岸にハマジンチョウ以外にもハマボウなどの塩湿地植物が自生しています。

左)干潮時以外は海水に浸かるビーチロック  

右)海跡湖の湖岸に咲くハマジンチョウの花

 大串湾をはさんで雛ノ浦の対岸には、国指定重要文化財 江上天主堂があります。江上天主堂は日本教会建築の父・鉄川与助によって大正7(1918)建てられ、外見はクリーム色の板張り壁・水色の窓枠と可愛らしい教会です。現在は「奈留島の江上集落」を潜伏キリシタン関連遺産の構成資産としてユネスコの世界遺産登録に向け教会の修復中です。

可愛らしい外見の江上天主堂

 さらに九州自然歩道に沿って島の西側を南下すると、道路の海沿いに宿輪の淡水貝化石含有層(五島市指定天然記念物)があります。約2000万年前には大陸と陸続きの際に巨大な淡水湖であったことを地形的に確認できる場所です。

左)宿輪の淡水貝化石含有層

右)淡水に生息する巻貝(タニシ科)や二枚貝(イシガイ科)の化石

 奈留島の中央部には、中世期に山城があったことから城岳(標高189m)と呼ばれる山があり、その展望台から複雑な奈留島の地形や周りの島々を見渡すことができます。

左)城岳展望台から眼下に望む、奈留港、手前が前島、右上が末津島

右)一人の生徒の手紙がきっかけで愛唱歌が生まれた「奈留高校」

 奈留島の南部には千畳敷と呼ばれる広く平坦な岩礁があります。山手から望む千畳敷とその後方の舅ケ島、紺碧の海とのコントラストが美しく、近づくと様々な形をした大きな岩に驚かされます。

左)奈留の千畳敷

右)人の背丈の何倍もある大きな岩

 奈留港からフェリーで福江港へ向かう途中、前島と末津島の間に道が現れるトンボロ(砂嘴)という珍しい地形を干潮時のみ確認することもできます。トンボロは奈留瀬戸の激しい潮の流れで小石が堆積してできたもので、その規模は幅10m長さ400mあります。

奈留島は、同じ五島市の福江島とは異なり山間部が多く、農地があまり見られないなど新上五島町と似た地形だと感じました。今五島市は長崎県や関係市町とともにユネスコの世界遺産登録に向け奔走していますが、その先に目指すジオパークの候補地もこの島から出るかもしれませんね!

前島(左)と末津島(右)を繋ぐトンボロ

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2017年02月01日「最西端・化石ウォーク」活動支援

西海国立公園 佐世保 佐伯信吾

「最西端・化石ウォーク」活動支援

(1)日 時:平成28年11月13日(日)

(2)場 所:佐世保市小佐々町 神崎鼻

(3)講 師:天草御所浦白亜紀資料館学芸員 鵜飼 宏明 氏

現場の様子            現場の様子

天草御所浦白亜紀資料館の学芸員鵜飼氏に神崎鼻の海岸を案内していただきました。鵜飼氏はこの付近一帯の野島層群研究の第一人者。前日の九十九島サロンでは幻の湖という題でここの化石の話をしてもらいました。

一般の方の参加の中に多くのパークボランティアも加わり、約2000万年前の出来事や生き物、岩石、地層について学習しました。

この一帯を含めて佐賀県から下五島まで広がる大きな湖があった話で参加者をぐっと引きつけ、昔のことを知るために今の生き物と化石を比較すること、野島層群より古い層は中国にはないこと、周辺の大陸の例として中国の生き物と比較することも重要であること等の解説の中で、特に興味をひかれたお話は地層の見方についてでした。例えば積み重ねた本を横に徐々に倒していくと地層の断面が露出します。

化石を指さし説明講師が化石を指さし説明

ここ神崎鼻の海岸がいい例であるとのことです。これを下(古い方)から上(新しい)の方向に向かって調査するのが基本であることを現場を見ながら解説していただきました。

化石探しになると次々に貝類を探しだしていました。ガマノセガイ、サギの足跡、湿地に生息するワニの足跡、コサザヒメタニシ等を観察できました。

また、噴火により火山灰が空中に散布され、これに雨があたりころころした丸い固形物となった火山豆石も確認しました。

講師が手持ちの化石を説明

講師が手持ちの化石を説明

低学年の子ども達が参加していましたが、この子達が地元を案内できる鵜飼さんのような学者に一人でもなってもらえればと願うばかりです。

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2017年01月23日「上段の野トレッキング」活動支援

西海国立公園 佐世保 佐伯信吾

「上段の野トレッキング」活動支援

(1)日時:平成28年11月6日(日)

(2)場 所:平戸市小田町 上段の野(190m)

上段の野の草原          (上段の野の草原)

平戸大橋から車で1時間弱の場所。

上段の野の展望所。

展望所から志々伎湾及び佐世保方面を一望できます。

西側から北側にかけての斜面は、メカルガヤ、ススキ、チガヤが主の草原。東、南側は林

となっています。講師は、地元で漁業に従事しておられるパークボランティアの稲下氏に案内していただきました。

ワレモコウ            (県内ではここだけの植物ワレモコウ)

スタート、稲下氏は集合場所の説明を始めました。ここは、埋め立ててできた場所で昔は、

川の河口であったため、びっくりするような大きなハマグリやカガミガイ(ハマグリ程の大きさで白く丸く平たい貝)が多く獲れていたそうな。今では、ハマグリがよく食されているが、地元の人はカガミガイの方が味がよかったのでハマグリより食されていたこと、川では天然ウナギを捕って食べていたなど今聞くと羨ましい限りの話ばかり。内容は植物がメインでしたが、町の歴史や上段の野の草原が維持されて来た経緯等も話していただきました。やっぱり、地元のことは地元の人に説明してもらうことが一番だとあらためて思いました。

秋の味覚エビヅル、ムベ、ミカンを食したり秋ならではのトレッキングでした。稲下さん、ユーモアいっぱいの案内ありがとうございました。

まきの実          (まきの実。熟した実は食べられる)

カセンソウ                   (カセンソウ)

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2017年01月23日全国・自然歩道歩こう月間「佐志岳トレッキング」活動支援

西海国立公園 佐世保 佐伯信吾

全国・自然歩道歩こう月間「佐志岳トレッキング」活動支援


(1)日時:平成28年10月30日(日)

(2)場 所:長崎県平戸市津吉町 佐志岳(347m)

平戸大橋から車で1時間弱の場所に佐志岳はあります。

山頂からは360度の展望がきくため、低い山ですが満足感のある山です。平戸特有の植物を観賞するため市外、県外からの登山客があります。

この日の朝は、放射冷却で冷え込んだもののトレッキングにはふさわしい日和りとなりました。集合場所は、麓の南部公民館駐車場。ここから登山口の駐車スペースが狭いのでスタッフの車に便乗して出発。登山口は民家の脇にあり、軽自動車がやっと通れるぐらいの道幅です。

今回の講師は、パークボランティア(PV)の副会長邑上氏にお願いしました。

山頂までの登山道が草に埋もれて危険と云うことで、この日のために前もって邑上氏達が除草をされていました。(安全確保ありがとうございました。)案内も、面白く、楽しくそして飽きない解説です。

低い山ですが、登山道はかなりの勾配があるので休憩をとりながらのゆっくりした歩きです。佐志岳の山頂が見える場所まで来るとサインを見ながら佐志岳の特徴を説明後、中腹あたりの岩場まで歩くと休憩も含めて参加者を座らせ岩場にあるチョウセンノギク、ダンギク、イトラッキョウ、イブキジャコウソウ、サワヒヨドリの説明。ジャコウソウの説明では、五感で覚えると云うことでこの植物の匂いも嗅いだり触ったりしながら説明でした。

山頂に着いた頃には予定通りのお昼時。邑上氏昼食の定番のアゴ(トビウオ)の干し物や手作りの一品をお裾分けして頂き美味しい昼ご飯になりました。

昼食後、霞も殆ど無く島々もはっきり見える中、山や島の名前、特徴について説明していただいた後無事下山しました。案内ありがとうございました。

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2016年12月08日黒子島保全普及啓発活動関係者の研修活動支援

西海国立公園 佐世保 佐伯信吾

平成28年10月31日  

参加者46名(パークボランティア及び関係者)

西海国立公園平戸平戸・九十九島パークボランティアと 

黒子島は、平戸港の入り口にある楕円形の無人島です。

この日、数少ない西海国立公園特別保護地区そして国指定特別天然記念物になっている黒子島に上陸しました。昔、この島は平戸藩主松浦家の所有で樹木の伐採が禁止されていたため暖地性樹木が鬱蒼とした状態をなしており、1951年に国の天然記念物に指定されました。1969年に長崎県で開催された国民体育大会にご臨席なされた昭和天皇が、わざわざこの島に立ち寄りになられた程の島です。

黒子島

小雨の中実施されました。

平戸港から瀬渡船で約10分弱。

そこには桟橋もなくこの日のために簡易の浮き桟橋を準備しました。浮き桟橋と島とつなげる工事用足場が不安定だったので落水等の事故を心配しましたが無事上陸。

恐る恐る上陸不安定な仮足場

スタートは、まず平戸港正面の西海岸にある黒子島神社に参拝し、鳥居をくぐり裏山へ。

では参拝して入山鬱蒼とした林内の足下はツタがはい、これが足に絡まり何度か倒れそうになりました。林内では、フウトウカズラ、ビロウ、アオキ、タブ、スダジイが目に付きましたが特に目立った樹木はアコウの大木。おそらく樹齢数百年はたっているだろうと思われる見事なものでした。林内に塹壕と井戸のような跡がありました。

鬱蒼とした林内鬱蒼とした林内

大きなタブ木中でも大きなアコウ西から林を横切り急な斜面を降りて北海岸へ出たのですが、そこにはどうやってこんな大きな石を積んだのだろうと思わせる石積みの砲台跡がありました。説明によると2台の砲台があったが使用されたかどうかは分からないとのことでした。おそらく平戸瀬戸に入ってくる外国船を攻撃するためのものだったのでしょう。

帰りは東海岸を右周りに黒子島神社に戻ってきました。

砲台跡の石積み

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2016年12月08日平戸市中津良小学校 若宮浦干潟の観察会

西海国立公園 佐世保 佐伯信吾

日 時 平成28年10月23日(木)

場 所 平戸市中津良 若宮浦干潟

対 象 平戸市中津良小学校3、4、5、6年生

地元中津良(なかつら)小学校の総合的な学習の時間の活動協力依頼があり学校近くにある若宮浦干潟で生き物観察会を実施しました。

これは、地元在住のパークボランティアが地元の自然を小学生に知ってもらおうと学校に働きかけ、学校も是非にということで実施に至ったもので全校児童の25名で複式学級になっている小さな学校です。

干潟には敷佐川(しきさがわ)、中津良川の2つの川が流れ込み、干潟になっている(写真)

入り江は、細長く蛇行し以前は海苔養殖も行っていたそうですが今では跡形も残っていません。

若宮浦干潟

中津良地区は、中津良川のゲンジボタル棲息地と知られ、時期には観察会も実施されるなどから地域ぐるみで自分達の自然を大事にしようというムードが漂っているところです。

ノコギリガザミの一種ドロアワモチ

アナジャコの一種

今回の登場生き物は、ドロアワモチ(写真)、ケフサイソガニ(写真)、カブトガニの子ども(写真)、大きくて美味そうなノコギリガザミの一種(写真)そして児童達が見つけたアナジャコの一種。

中でも干潟をはっていたドロアワモチに児童達は特に興味を示し、不思議そうに手に取り観察しながら我々の説明に聞きいっていました。

カブトガニの子どもケフサイソガニ

カブトガニについては特別に剥製を持ってきて、雌雄の見分け方、この干潟のような産卵場所が年々減少しているため生息数も減少していること等を説明しました。

また、児童達は、底なし沼の様な干潟で遊び(写真)、長靴を干潟に取られた児童を助けに行った児童も足を取られる等面白い光景に笑ってしまいました。

干潟に足がはまり悪戦苦闘

おそらく、この干潟に入ったのは殆どが初めての児童達ばかりであったと思います。遊ぶことから自然環境保全が始まると考えます。これを第一歩として、若宮浦干潟でもっともっと遊んで欲しい。

終盤、平戸は歴史だけでなく稀少動植物の種類の多さでも特に貴重な島だから、地元の自然は地元の人が保全、保護する意識が必要なことを話して終わりにしましたが、この話に児童達が熱心に耳を傾けていたのが印象的でした。

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2016年11月30日九州特産物リレー11月 ~「椿」東の大島、西の五島~

西海国立公園 五島 竹下洋子

 こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。毎月リレー形式で「その土地ならではの特産物」に関する日記を掲載していますが、11月の五島編では椿を紹介します。「東の大島・西の五島」といわれるほど五島列島は日本有数の椿の産地で、各地に椿の自生林や植林が多くみられます。椿の原始林は久賀島(ひさかじま)東岸の長浜にあり、広さ約1ヘクタールの長崎県指定天然記念物です。椿は長崎県の県木、新上五島町の町木・花、五島市の花木で、和名をヤブツバキといいます。花が散った後、椿実(五島ではカタシと呼びます)は9月初旬ごろまで成熟するため、1本の木に数個の口割れの実が出始める中旬過ぎから至る所で収穫風景を見かけます。


左:濃紅色が特徴のヤブツバキ

右:口割れした椿実に詰まった種

 かつて集落ごとにあった小さな製油所は機械等による効率化で集約され、現在 福江島には4つの製油所があります。製油所では圧搾機で搾油しますが、家庭にある器具でも手軽に椿油を作ることができます。修学旅行生や観光客等を対象とした椿油作り体験教室に私もスタッフとして参加しました。参加者は種を細かく砕くのにかなり時間を要しましたが、いくつかの工程を経た油が完成間際一気に白く変わった瞬間、ウォーッと歓喜の声があがりました!耐熱容器に注ぐ一番搾りのツバキ油は、黄金の雫のようにキラキラ輝いていました。この日の夕食は、五島の新鮮な魚介と椿油を使ったパエリアです。

  

初めて椿油作りを体験する子ども達。搾りたての椿油は炒ったナッツのような香りがしました。

 椿油は、昔から頭髪用・燈用・食用・石鹸原料・艶出し用・刃物錆止等さまざまな用途に使われてきました。椿油は、善玉コレステロールを減らすことなく悪玉コレステロールを減らす作用があるオレイン酸の含有量が85%とオリーブオイルを大きく上回ります。椿油を使った製品のうち、当地では遣唐使の時代に大陸から伝わったといわれる「五島手延べうどん」がお薦めです。五島手延べうどんは、五島列島特産の椿油で生地を延ばし島の良質な海塩を使い潮風による自然乾燥を行いますが、細く手延べしてもコシが強くつやがありのびないのが特徴です。上海テレビ祭のドキュメンタリー最高賞のマグノリア賞を受賞した「五島のトラさん」でも製造工程が紹介されたので、ご存知の方もいるかもしれませんね。


左:様々な用途に使われる椿製品

右:細くてコシのある五島手延べうどん

 西海国立公園鬼岳の中腹に位置する五島椿園には約3000本(約270種)のツバキが植林されているため、様々なツバキを花期に応じて長期にわたり鑑賞できます。椿の蜜を吸いにやってくるメジロも見られ、自然の豊かさを間近で感じることができます。ヤブツバキの中でも傑出して愛好家に好まれているのが、「玉之浦」という椿の種類です。玉之浦町の山中で発見されたこの椿は、ヤブツバキの突然変異で花弁に純白の縁取りがあり、深紅の花が満開の時期に潮風に吹かれて咲くさまは何ともいえない美しさがあります。以前は、幻の椿とまで言われてきましたが、今日では挿し木や接ぎ木でかなり普及するようになっています。

  


左:白く清楚な五島の銘花「久賀白(ひさかしろ)」

右:濃紅色に白覆輪のコントラストが美しい「玉之浦」

 ヨーロッパの教会ではバラの花が飾られますが、五島では教会のステンドグラス等に椿の花・葉・実があしらわれており、古くから島の人にとって生活や信仰の上で身近な植物だったことを教えてくれます。これからだんだんと気温が下がり冬らしい季節になってきますが、そんなときに凜とした赤い花を咲かせる椿を見ると、背筋がピンと伸びます。みなさんも、ツバキを五感で楽しんでみませんか!

 12月の特産物リレーは、屋久島の水川さん、野生生物課の古賀さんにバトンタッチです!

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2016年11月17日西海国立公園平戸・九十九島地域子どもパークレンジャー

西海国立公園 佐世保 佐伯信吾

西海国立公園平戸・九十九島地域子どもパークレンジャー

「九十九島あそびたい」実施

10月14日(金)、環境省子どもパークレンジャー事業の一環として赤崎小学校3年生の児童を対象に、総合的な学習の時間を活用し長尾半島で自然で遊ぶ会(あそびたい)を実施しました。

レベルブックに添付された長尾半島の地図

長尾半島は、西海国立公園の表玄関、鹿子前集団施設地区の一角にある無人の半島です。また、赤崎小学校は、児童の縄張りにあります。地域の豊かな自然とそこに棲息する動植物と友達になり、自分達の遊び場が国立公園であることを認識して西海国立公園を故郷自慢にすることを目的として実施しました。

植物は、シャリンバイ、ツクシハギ、ネジキ、ホルトノキ、クスノキ、カノコユリ(佐世保市の花)等が自生する他、北九十九島を自然分布北限とする稀少なハマジンチョウやハカマカズラ、ハマオモト、ハマボウ、ハマゴウ等の当地の海岸植物があります。

長尾半島に自生している佐世保市花のカノコユリ

観察会は、児童達にできるだけ考えさせるという手法で進められました。

集合場所の駐車場では、落ちているドングリを手に取り表面の小さな穴を見つけさせ、この仕業は昆虫のオトシブミ科のハイイロチョッキリだということを教えて中を見せると児童達は自分で幼虫を探すため歯で実を割り中身を確認していました。早速、この日環境省からプレゼントされたユポ紙のレベルブック(水に濡れても字が書ける特別なフィールドノートで長尾半島の地図や図鑑付き)にメモやドングリの絵を描いていました。

濡れても字が書けるレベルブックを環境省が児童にプレゼントレベルブックに長尾半島の植物図鑑を添付歩き始めるとヌルデの虫こぶ発見、虫こぶは何が変化したものかと児童に尋ねると「葉っぱ」と元気よく答えが返ってきました。虫こぶが出来る原因は、アブラムシの一種の仕業。虫こぶの粉と鉄錆を混ぜてお歯黒の原料にしていたことなどの話もしました。(お歯黒:平安時代貴族の間で男女共に歯を黒く染める風習で成人を意味するものであったらしいです。また、歯に塗布することで虫歯の予防等の効果もあったとのこと)

ヌルデミミフシの中身ヌルデミミフシを手に持って説明海岸では、絶滅危惧種のドロアワモチを発見。児童達は手のひらに置き、奇妙な生き物に関心をよせていました。ドロアワモチについて、殼は持っていないが貝の仲間、干潮の時に干潟に出てきて潮が満ちて来ると肺呼吸のため潮の来ない岩陰に潜む、干潟の表面を泥ごと食べて栄養分を吸収し他は排出する、だから移動の跡に見られる線状のものは糞、この生き物も絶滅が心配されていること等の説明にびっくりしました。

干潟を移動するドロアワモチ(手前がおしりで先が頭)歩道法面に15センチ位の大きなヤマナメクジも登場。児童達に講師が天敵はと尋ねると「マイマイカブリ」と直ぐ児童の一人が答えたのには誰もが感心していました。手にとって体の表面を覆っている粘膜に触れさせると粘着力に驚き、接着剤のようだとビックリしていました。(ヤマナメクジ:カタツムリと同じく陸産貝類の一種。)このような体験をできることが、野外学習の最大メリット。シナリオに無い生き物達の出現に一喜一憂しました。

大きなヤマナメクジチガヤの葉を使って草笛も鳴らしました。各々が違う音色を出したりまた全く出せない児童は葉っぱを持ち替えたり取り替えたりと試行錯誤しながら手作りの楽器を楽しんでいました。

また、展望台から見える景色を通して佐世保の今の地形の成り立ちを講師が描く絵を見ながら確かめてもらいました。

終盤、半島内のネムノキをクラスの木として決めたもので、今後この木の幹周

りを定期的に計測したりすることで半島への愛着も更に深めてもらいたいです。

今回、児童達にふるさとの自然の大切さ等を学ぶまたとない機会を提供できたと思います。

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