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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

阿蘇中岳噴火警戒レベル1へ引き下げについて【阿蘇地域】

2017年02月23日
阿蘇 アクティブレンジャー 藤田

 201727日、阿蘇中岳の噴火警戒レベルが2年半ぶりにレベル1に引き下げになりました。それに伴い、環境省や関係市町村がつくる阿蘇火山防災会議協議会は中岳火口周辺の調査に向かいましたが、

火口広場や駐車場には大量の火山灰や大小の噴石が堆積しており、噴火の威力を伺い知ることができます。

 

  

【現状の様子】

 

ロープウェイ山上駅舎は噴石により天井に穴が開き、窓ガラスも割れ、駐車場には50cm程の火山灰が積もっている。

   

以下、噴火以前の写真と比較して掲載します。

 

        今回噴火後                    以前の様子                                            

 火の国橋は、元の姿も分からないほどになっている。

  

 

        今回の噴火後                   以前の様子

 火口縁の仮設安全柵、支柱だけが残る   

 

       今回の噴火後                  以前の様子

 退避壕とガス検知器 噴石で天板がへこみ、パトライトも潰れている

 

 

これまでの経緯として、2014年8月30日に約20年ぶりに噴火し、福岡管区気象台が噴火警戒レベル2の火口周辺1km圏内の立ち入り規制を発令。その後、2016年10月8日の爆発的噴火では、噴火警戒レベル3の火口周辺3km圏内の立ち入り規制が発令されました。この時の噴出物の総量は60~65万トンと推定され、海抜11,000mまで噴煙が上がり、阿蘇山の北東側約5km内では降灰の量が3,800g/㎡に達する甚大な被害が発生しました。

 

昨年10月の噴火以降、新たな噴火はなく今年の2月時点では火山性微動の振り幅も小さな状態で経過しており、湯だまり量も中岳火口底の約8割を確認、色も灰白色から緑色に戻っており、火口底への熱や火山ガスの供給が弱まってきていると推測されます。

 

昨年12月20日、気象庁より新たな噴火警戒レベルの判断基準の公表に伴い、阿蘇山中岳の状況を照らし合わせ、今回噴火レベル1への引き下げに至りました。

 

しかし、活火山であることから、火口内では土砂や火山灰を噴出や火山ガスの発生の可能性もあるため、阿蘇火山防災会議協議会では山上一帯の安全確認を行うとともに、観光客等の安全が確保されるまでは車や登山者の入山について、これまでの自主規制と監視体制を継続していく方針です。

 

※気象庁では、火山観測データをホームページに掲載し、随時更新されています。

 《各火山の活動状況》

   http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/volcano.html

 《阿蘇山火山観測データ》

   http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/open-data/open-data.php?id=503

 

これから安全対策を図りつつも、大量の火山灰の搬出や安全柵、火山ガス検知器、電源ケーブル、避難シェルター(退避壕)の整備など、関係機関とともに早急な復旧を進めて参ります。

 

阿蘇山上広場・ロープウェイ駅前までは通行可能です。噴火後の阿蘇中岳の息づく様子が見られますよ!