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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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やんばる

20件の記事があります。

2017年03月07日やんばる国立公園指定記念行事が開催されました!【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

3月に入りやんばるでは暖かい日が少しずつ増えてきました。

皆さんの地域はいかがですか?

事務所まわりの芝生を見ると、気温が上がり始めて最初に咲くチクシキヌランがたくさん顔を出しています。

 

▲お米粒の様な小さな花のチクシキヌラン

春がもうすぐやってきそうな気候の中、やんばるでは去る226日(日)に"やんばる国立公園指定記念行事"がおこなわれました!

昨年の915日にやんばる国立公園が指定されたことを皆さんとお祝いしました。

当日午前中は、東村慶佐次のふれあいヒルギ公園にてやんばる国立公園標識の除幕式を行いました。しかし、直前までまさかのどしゃぶり。

 

▲雨の中、除幕式の準備

どうなることやらと心配しましたが、ご参加の皆様の日頃の行いが素晴らしいおかげか開始前には雨が止み、とても良いお天気の中で進行する事が出来ました。

 

比嘉政務官

▲比嘉環境大臣政務官と慶佐次に広がるマングローブ林

 

序幕前

▲いよいよ除幕です。

 

除幕後

▲ジャーン♪

やんばる国立公園の標識は写真のモニュメント型の他に、オーバーハング式、路側式合わせて10基設置されています。これからの日記で紹介していきたいと思いますが、皆さんもやんばる国立公園に来た際は探してみてくださいね。

 

 

無事に除幕式を終えた後は、記念式典会場である大宜味村農村環境改善センターへ!

 

式典会場

▲記念式典会場

満席になるほど大勢の方にお越しいただきました。

 

山本環境大臣

 

▲山本環境大臣より挨拶

山本環境大臣、翁長沖縄県知事、宮城大宜味村長からご挨拶した後は、新しく制作したやんばる国立公園の紹介映像を初公開しました(映像は今後、ウフギー自然館でご覧いただけます。)。

その後は、やんばるで学ぶ児童生徒達の研究発表でした。

大勢いる大人の前でみんな立派に発表してくれて、私は思わず感動してしまいました。

記念式典閉会の挨拶をした比嘉環境大臣政務官も、素晴らしい取り組みと発表にとても感銘を受けた様子でした。

大宜味小発表

 

▲大宜味村立大宜味小学校の野鳥と蝶の観察発表

 

 

▲沖縄県立辺土名高等学校環境科発表(クロサギの色について)

 

 

▲沖縄県立辺土名高等学校環境科発表(やんばるの川のエコツアー)

 

さあ、いよいよ締めくくりの祝賀会です。会場は国頭村民ふれあいセンターでした。

 

祝賀会

 

▲幕開けの"かぎやで風"

沖縄でお祝い事があるときに踊る琉球舞踊です。踊り手も三味線も太鼓も、みんな地域の方々です。

 

記念楯

 

▲国頭村・大宜味村・東村から、環境省と沖縄県に記念楯をいただきました!

賑やかな音楽と歌に囲まれながら、閉会まで皆さんの嬉しそうな会話が途切れることはありませんでした。

一生に一度立ち会えるかどうかの行事に参加することができて、緊張しながらも貴重な時間を過ごせた一日になりました。

国立公園に指定されたこれからも引き続き、奄美大島・徳之島・西表島とともに4地域で世界自然遺産の登録に向けて地域のみなさんとがんばっていきます。多くの人にその価値の素晴らしさを伝えつつ、やんばるらしさを失わない魅力あふれる場所であるように私もお手伝いしたいです。

これからもよろしくお願いします。

 

イタジイの芽生え 

 

今月の一枚「春の芽生え(シイノミ)」

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2017年01月23日ツルヒヨドリについて

やんばる 藤田雄

皆さん、はいさい(こんにちは)。

やんばる野生生物保護センターの藤田です。

本日は皆さんに沖縄県に定着している外来種、ツルヒヨドリについてお話しさせていただきます。

ツルヒヨドリ、という名前だけでは鳥の様にも思えますが、このツルヒヨドリは北アメリカと南アメリカの熱帯地域を原産とする、外来の植物です。ヒヨドリバナという日本在来の植物とよく似た花を付ける蔓性の植物であるため、この名前が付けられています。

沖縄県では1984年にうるま市の天願川河口付近で発見され、沖縄本島中部一帯で繁茂し、西表島にも侵入が確認され、急速に分布をひろげています。そのため、平成28年8月に特定外来生物として新規指定されました。

ツルヒヨドリの遠景。沢山の葉っぱと白く粒々とした花が、地面を覆っている。

▲ツルヒヨドリ(遠景)

ツルヒヨドリの近景。細い蔓にたくさんの葉と白い花が付き、画面手前には花がアップで映っている。花はラッパ状だが、花弁の先端には細いひもの様なものが数本ついている。

▲ツルヒヨドリ(近景)

このツルヒヨドリはやんばる地域にも侵入しており、大宜味村田嘉里の田嘉里川と、やんばる野生生物保護センターがある国頭村比地の比地川の川沿いで発生が確認されたため、地域住民のみなさんと一緒に防除活動に取組み始めました。

ツルヒヨドリが繁茂している場所の全体図。護岸のコンクリートから川の中までが、ツルヒヨドリに覆われている。

▲比地川沿いの、ツルヒヨドリが繁茂している場所。コンクリートからススキの生えている場所にかけてツルヒヨドリに覆われている。

また比地川では駆除の際に、山の一部にもツルヒヨドリの繁茂が確認されていたので、こちらでも防除を行いました。

ツルヒヨドリが林の木々に覆い被さっている。

▲ツルヒヨドリが枝の上に繁茂している林。画面中央付近、左上と右下の白っぽい花がツルヒヨドリのもの。

ツルヒヨドリはとても繁殖力が強く、放っておくと森一つを丸ごと覆ってしまう程にも増えてしまうおそれがあります。そうなれば、

在来の植物の生育だけでなく、生態系全般に悪影響が出る可能性があります。

 また、農地に入れば農作物にも被害を及ぼすでしょう。

このため駆除が必要なのですが、その際にも注意が必要になります。というのも切り落としたツルから根が張って再生していってしまうためです。このため防除の時にツルが散らばったりするとかえって広げてしまうこともあり、駆除した後には散らばらない様に気をつけなくてはなりません。

ただ、ツルヒヨドリは特定外来生物にあたります。この特定外来生物は、飼育、栽培、保管や生きたままの運搬等が原則として禁止され、これらを行う場合は許可が必要になります。適切な方法で防除しないと、かえって広げてしまう可能性もあるため、駆除を検討される際はまずは、環境省へお問い合わせください。

もし、国頭村、大宜味村、東村の前述以外の地域でツルヒヨドリを見つけた場合は、やんばる野生生物保護センターにご連絡をお願いいたします。

それでは、やんばるより藤田でした。

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2016年09月15日続編:夏の渡り鳥「アジサシ」...子育てを終えて... 【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所の上開地です。

9月になり、真夏の強い日差しが少し和らいできましたが、まだまだ暑い日が続いています。

テレビや新聞を見ると、今年の夏は北日本や九州に大きな台風が上陸し、記録的大雨となって甚大な被害が出ていると聞いています。みなさんの地域は大丈夫でしたでしょうか。

沖縄はどうかというと、今年の夏は台風が来ませんでした。

沖縄の海にとっては台風が全く来ないのも困りもので、熱くなった表面の海水と下の冷たい海水をかき混ぜる役割を持つのが台風です。台風が来ないと海水温が熱くなりすぎて、サンゴが白化して長く続くと死んでしまいます。

今、沖縄のサンゴが至るところで白くなっているのがニュースなどで報じられていて、やんばる地域でも白いサンゴが見られています。

サンゴにとっては厳しい夏になりましたが、海の岩礁で繁殖する「アジサシ」にとっては良い年になりました。

20160601日の日記もご覧下さい。)

825日、今年最後の屋我地鳥獣保護区のアジサシ調査を行いました。

この時期、アジサシ達の子育ても後半に入り、巣立ちをした幼鳥が見られるようになります。今年は何羽巣立ってくれたのか...ドキドキしながら船に乗り込みます。調査日の海

▲調査日の海 

この日は遠い太平洋沖にある台風10号の余波で風が少し強い日でした。

風が強い日は、アジサシ達は橋桁の下などでよく休息しています。

 

古宇利大橋

▲古宇利大橋の下

 

アジサシ達はいるでしょうか...?

いました!ベニアジサシ、エリグロアジサシの成鳥です。端の下のベニアジサシとエリグロアジサシの成鳥

▲左2羽ベニアジサシ、右エリグロアジサシ

そしてその近くには、それぞれの幼鳥も確認出来ました。

エリグロアジサシの幼鳥 

▲エリグロアジサシ幼鳥

  

ベニアジサシ幼鳥

▲右:ベニアジサシ幼鳥

今年生まれの個体は、背中や翼にまだら模様があるので見分けられます。

 

他の岩礁でも両種の幼鳥がみられました。

ベニアジサシは全て巣立ちをしていますが、エリグロアジサシはまだヒナがいて子育て中の岩礁もありました。

釣りやレジャーで岩礁に行く際は、お気をつけください。

 

給餌をするベニアジサシ

▲給餌を受けるベニアジサシの幼鳥 

 巣立った後もしばらくは親鳥から小魚をもらいます。

 

小魚をもらうエリグロアジサシのヒナ

▲小魚をもらうエリグロアジサシのヒナ

 

今回の結果をまとめると、この日確認できた幼鳥の数は、

ベニアジサシ幼鳥19羽、エリグロアジサシ46羽でした。

この数は、調査を開始した2006年以来、最も多い数です!

 

今年の成功の要因は、

台風が来なかったことに加えて、釣り人の影響を最小限に抑えられたからだと思っています。

屋我地ひるぎ学園とおこなったデコイや看板の設置を、テレビや新聞などに沢山とりあげてもらったおかげで沢山の人に周知され、釣りやレジャーに来た人が協力してくれたのだと思います。

 

ベニアジサシのデコイ設置の結果は、残念ながらカラスの影響で繁殖を誘因する事は出来ませんでしたが、別の岩礁で繁殖を成功させてくれました。

これまでの活動のおかげで今後の課題も見えてきました。

 

今年、巣立った幼鳥たちは10月になると親鳥と共に越冬地へ帰っていき、繁殖するために戻って来るのは2年後です。

これからも、アジサシたちにとって安心して子育ての出来る屋我地であるように、地域の皆さんと活動していきたいと思います。

みなさんの住んでいる地域の海にも、子育てをする鳥たちがいるかも知れません。

遊びに行く際は、優しく見守ってもらえたらと思います。

 

アジサシたちで賑わう岩礁

今月の一枚「アジサシのにぎわう岩礁」

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2016年06月07日平成28年度奥ヤンバル鯉のぼり祭りとロードキル防止キャンペーン

やんばる 藤田雄

皆さん、はいさい(こんにちは)。

やんばる野生生物保護センターの藤田です。

今日は皆さんに、平成28年度奥ヤンバル鯉のぼり祭りと、環境省の行っているロードキル防止キャンペーンについてお伝えします。

平成28年度奥ヤンバル鯉のぼり祭りの会場で、色とりどりの鯉のぼりが宙を泳いでいる。

▲平成28年度奥ヤンバル鯉のぼり祭りの様子

去年にもこのアクティブレンジャー日記でお伝えした様に、やんばる地域では野生動物の交通事故、ロードキルが多発しています。

このロードキルを防止するため、環境省では交通事故防止の為のキャンペーンを行っています。その一環としてゴールデンウィークに開催された国頭村奥区の奥ヤンバル鯉のぼり祭りに参加させていただき、クリアファイルやパンフレットなどで野生動物や交通事故についての情報をお伝えし、パネルなどの展示で環境省や関係機関の取組の紹介をさせて頂きました。

そしてこのキャンペーンのために、あのヤンバルクイナのクイちゃんが今年も登場してくれました。

しかもクイちゃんだけではありません。今回の鯉のぼり祭りには、キョンキョンも駆けつけてくれました。

奥川の川辺に設けられた特設ステージの前で、参加者の皆さんに駆け寄られるクイちゃん。

▲来場者の方とふれあう環境省のマスコットキャラクター「クイちゃん」

クイちゃんとキョンキョンには多くの来場者の方が駆け寄り、一緒に写真を撮って下さいました。大勢の方が、ヤンバルクイナについて興味を持って下さった様に思います。

ただ、心配な事もあります。ヤンバルクイナの交通事故が、最近増加傾向にあることです。5月の26日の時点で、12羽のヤンバルクイナが交通事故に遭っていることが確認されました。そのうちの10件は4月と5月に発生しています。それだけでなく、ケナガネズミの交通事故も今年に入ってから2件発生しています。

最近沖縄は梅雨入りし、雨の降る日が多くなりました。雨の降っている時や雨上がりには、地面に出てくるミミズなどを求めてヤンバルクイナが道路へ近づいてくることがとても多いです。

もし雨が降っているときや雨上がりにやんばるを車で走ることがあれば、一層注意して運転していただければ幸いです。

それでは、やんばるより藤田でした。

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2016年06月01日夏の渡り鳥「アジサシ」の子育てを守るために【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

 

沖縄・奄美地域は516日に梅雨入りしました。

この梅雨入りを境に、様々な生き物が夏支度を始めます。

 

夏の渡り鳥である「アジサシ」たちも、梅雨入り前後に子育てのために沖縄へやってきます。

やんばる地域では「ベニアジサシ」と「エリグロアジサシ」の2種類のアジサシが繁殖します。

20130620日の日記もご覧下さい。)

▲左:ベニアジサシ、右:エリグロアジサシ

 

2006年から繁殖状況調査を続けている国指定屋我地鳥獣保護区(以下、屋我地)では、

今年は梅雨入りの少し前の59日に最初のエリグロアジサシがやってきました。

ベニアジサシは例年より少し遅れて528日頃から飛来し始めました。

 

さぁいよいよこれからアジサシ達の子育てが始まります。

屋我地では主に海の岩礁の上で繁殖するのですが、

このような岩礁は、釣りやレジャーをする人達にとっても良い場所になっているようで、釣り竿を固定するパイプや足場が設置されている事があります。

▲エリグロアジサシの繁殖岩礁

 

▲釣り竿を立てる塩ビパイプ

 

岩礁の上は夏の太陽の強い日差しが当たります。

親鳥は卵やヒナが熱で死んでしまわないように日陰を作るのですが、この時に人が近づいてしまうと親鳥が警戒して飛び去ってしまい子育てに失敗してしまうことがあります。

これまでの調査でも、繁殖を放棄した岩礁を調べてみると釣りの餌や蚊取り線香のゴミが落ちていました。

別の岩礁では生まれたばかりのヒナが死亡していました。

そして残念なことに、年々アジサシ達のヒナの巣立ち数や、飛来してくる親鳥の数が減少していて、特にベニアジサシの数が急激に少なくなってきています。

 

 死んでしまったヒナ

▲岩礁に残っていた釣り餌(小エビ)のゴミ       ▲死亡していたエリグロアジサシのヒナ

 

これまではパンフレットや、海岸沿いに看板を立てて注意喚起をおこなっていましたが、昨年からの新たな取り組みとして、繁殖岩礁に簡易看板を設置しています。

  

今年は、屋我地島のひるぎ学園(旧屋我地中学校、小学校が統合)の5年生と一緒に看板を設置しました。

 

 

▲看板設置の様子                   ▲5年生手作りのポスター

 

そして、今年は国内初の試みでベニアジサシのデコイを設置しました。

デコイとは、本物の鳥とそっくりに作った模型の事です。

群れで行動するタイプの鳥は、仲間の姿を見つけると同じ場所に集まる習性があります。

集団繁殖をする希少な鳥たちの繁殖をうながすなど、保全対策の為に使われます。

 

このデコイの色づけも、ひるぎ学園の4~6年生のみんなが協力してくれました。

色づけ デコイの設置

▲デコイの色づけ                  ▲デコイの設置

 

自然や生き物の保全対策をおこなう時、私たち職員だけでは出来ない事がたくさんあります。一番大切で必要なのは、地域の人達の理解と協力です。

今回のベニアジサシの保全対策も、野鳥の専門家からアドバイスをもらったり、地域の人々、学校の協力のもとにおこなう事ができました。

 

6月になるとアジサシ達は産卵を始めます。

初めてのベニアジサシのデコイを使った対策がうまくいくように、みんなでドキドキしながら見守っていきたいと思います。

 

皆さんが海へ遊びに行くときも、海鳥が近くで営巣してないかどうか気を付けながら夏の海を楽しんで下さいね。

 

いつまでも美しい海に、アジサシ達が舞う姿が見られますように...。

 


今月の一枚「アジサシが食べる小魚の群れ(おそらくキビナゴ)」

まるで川の流れの様に形を変えながら泳いでいきました。

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2016年04月08日ヤンバルクイナの集落プレイバック調査について

やんばる 藤田雄

 みなさん、はいさい(こんにちは)。

 やんばる野生生物保護センターから藤田です。

やんばる地域は急に暖かくなって参りました。これからの季節、寒暖の差で体調を崩さない様気をつけたいと思います。

 本日は2月4日から23日に、国頭村と東村の小学校で行われた、ヤンバルクイナの集落プレイバック調査についてお話しします。

佐手小学校にて、プレイバック調査のための用具の準備。

(佐手小学校にて、用具の準備をするNPO法人どうぶつたちの病院沖縄の皆さん)

 プレイバック調査というのは、スピーカーなどで鳥の鳴き声を周囲に響かせ、鳥たちがその鳴き声に反応して鳴き返す声を聞き取り、いつ、どこから、どんな風に鳴いているかを記録する、という調査方法のことです。

やんばる野生生物保護センターではこのプレイバック調査をやんばる地域の各集落で、2005年からNPO法人どうぶつたちの病院沖縄の皆さんと、各集落の小学校および小中学校の教師と生徒の皆さんの協力のもとで行っております。今年は国頭村の佐手小学校、奥小学校、安田小学校、北国小学校、安波小学校と、東村の高江小中学校の皆さんに協力していただきました。

 奥小学校の渡り廊下にて、アクティブレンジャー藤田が生徒の皆さんと教師の皆さんにプレイバック調査の事前説明をしています。高江小学校の正門前にて、アクティブレンジャー藤田が生徒の皆さんと教師の皆さんにプレイバック調査の事前説明をしています。

(生徒と教師の皆さんへの調査手順の説明 左:奥小学校 右:高江小中学校)

 この集落内でのプレイバック調査では主に各集落に設置されている放送用のスピーカーからヤンバルクイナの鳴き声を再生し、集落内の4から5地点に分かれた各班が再生された音声に鳴き返す声を聞き取り記録します。

 班員の役割は、時計を持っていつ鳴いたかを調べる時計係、地図を持ちながら鳴き声に聞き耳を立ててどこからどんな風に鳴いたかを聞き分ける聞き取り係、時間と場所と聞こえ方を紙に書き留めて記録する"記録係"の3つに分かれます。

そうして記録したヤンバルクイナの鳴き声を、最終的に1枚の地図に纏めて調査結果を記録する。これが集落プレイバック調査の流れとなっています。

辺戸集落にて、プレイバック調査中の北国小学校の皆さんがヤンバルクイナの声を聞き取っています。安田小学校の理科室にて、調査に参加して下さった皆さんがプレイバック調査の結果をまとめています。

(左:辺戸集落でヤンバルクイナの鳴き声を聞き取る北国小学校の皆さん 右:調査結果をまとめる安田小学校の皆さん)

安波小学校にて、まとめ終わったプレイバック調査の結果を発表中。

(安波小学校にて、調査結果の発表)

 本年度は全ての小学校での結果を合わせて、47羽のヤンバルクイナの鳴き声が確認されました。これは昨年の結果と比べると10羽以上増えており、特に辺野喜や安波といった、国頭村の南の集落では数が増えているという結果が得られました。少しずつヤンバルクイナの生息域が回復している、ということかもしれません。

 協力していただいた各校生徒の皆さん、教師の皆さん、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の皆さん、どうもありがとうございました!!

 それでは、やんばるより藤田でした。

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2016年03月31日国頭村 産業祭り

やんばる 藤田雄

 みなさん、はいさい(こんにちは)。

 やんばる野生生物保護センターから藤田です。

やんばるでは最近、暖かい日が続いています。春が、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。

 本日は2月13日と14日に道の駅ゆいゆい国頭で開催された、国頭村産業まつりとヤンバルクイナの交通事故防止の取組についてお話しします。

産業祭りのオープニングセレモニーにて、スタッフの皆さんと参加者の皆さんが取り囲む中でくす玉が割られる瞬間。

(国頭村産業まつりのオープニングセレモニー)

 このお祭りのテーマは、地産地消。出店された数々の屋台はもちろん、農作物の収穫体験など、このテーマに則った様々な出し物が行われます。

美野定雄さん、菊田一朗さんの二人展"山原の風"の開催、熱帯魚を観察できるスペースの設置や、これとは別に魚の掴み取り大会などの開催もありました。

様々な種類の熱帯魚が参加者の皆さんに見て貰うために集められ、プールの中で泳いでいます。生け簀の中で泳ぐ魚のつかみ取り大会の為の魚が、生け簀の窓から見えています。

(左:熱帯魚の展示スペース 右:魚の掴み取り大会のために運搬されてきた魚 )

 そんなお祭りに我々やんばる野生生物保護センターはNPO法人やんばる・地域活性サポートセンターのみなさんと一緒に参加し、ヤンバルクイナのマスコット達を登場させて貰いました。クイちゃん、キョンキョン、くーやんです!

去年に登場した新たなヤンバルクイナのマスコットキャラクターイベントでエイサーを踊っていた子供達が踊りを終え、登場したキョンキョンとクイちゃん、二羽のマスコットキャラクターを取り囲んでいます。

(会場に登場したヤンバルクイナのマスコット達 左:くーやん 右:キョンキョンとクイちゃん)

 やっぱりみんな、子供達には大人気。くーやんへ駆け寄って抱きついたり、クイちゃんとキョンキョンにチューしてとおねだりしたり、いろんな質問をしたりもしていました。

でもヤンバルクイナがどんなものを食べているかについて、どんな風に成長して大人になっていくかについて、交通事故の重点区間について、どんな時に交通事故が起こりやすいかについて、そしてやんばる野生生物保護センターや国頭村安田のクイナの森でもっと詳しい展示がされている、と説明すると、真剣に聞いてくれました。みんな、ちゃんと聞いてくれてありがとうね!

 それでは、やんばるより藤田でした。

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2016年01月21日林道パトロール ~忘れて欲しくない忘れ物~【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

明けましておめでとうございます。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

2016年がスタートし、気持ち新たに頑張りたいと思います。

今年もよろしくお願い致します。

今日のタイトルは、「林道パトロール ~忘れて欲しくない忘れ物~」。

昨年は、森の中にはあって欲しくない"忘れ物"が例年よりも沢山ありました。

その写真の一つがこちらです。

昆虫トラップ1

これはいったい何でしょう?

正体は昆虫トラップです。

ストッキングに果物を入れて、クワガタやカブトムシなどを誘引するために主に使われます。

けれど、このトラップを見つけたのは昨年2015年12月14日です。もうクワガタやカブトムシは活動していません。中に入っている果物らしき物も黒く変色し、カピカピに乾燥していました。

よく見ると、オキナワヒラタクワガタのメスがストッキングの繊維に絡まって死んでいました。

ストッキングに絡まるヒラタクワガタ

おそらく、採集者がトラップを放置した後に絡まって死んでしまったのだと思います。

このようなトラップを放置すると、森のゴミになるだけでなく、他の生き物が誤って絡まり死んでしまうこともあります。

昆虫採集に使われるトラップはこれだけではありません。

昆虫トラップ2

電池式のライトを使ったトラップもありました。

光が漏れるので、林道から見えないように大木の陰に設置されていました。

このトラップは秋に見つけたものですが、金具のサビ具合や、落ち葉、雨水の溜まり具合を見ると、長い間放置されているようでした。

この場所は希少生物が多く生息する地域です。長時間放置すれば混獲され、死んでしまう可能性があります。ライトには単三電池が8本ほど使われており、このまま放置すれば土壌汚染にもつながります。

やんばる地域ではこのような事をふまえ、2011年度から地域の人たちと連携協力し、希少種の密猟・盗掘防止のための林道パトロールを実施しています。

パトロールのミーティングの様子

パトロールのミーティングの様子

「林道パトロール実施中!!」チラシ

http://www.ufugi-yambaru.com/shiryou/panfu.html

※過去の林道パトロールの紹介記事(ウフギー自然館HPニュースレターNo.22)

http://www.ufugi-yambaru.com/shiryou/documents/NL22.pdf

研究や調査目的で設置する器具には、必ず調査者の名前と連絡先のラベルを付けていただくようお願いします。

昨年の夏は、特にたくさんの採集者無記名の昆虫トラップが見つかりました。

パトロールでは他にも、姿や声が確認された生き物や、外来生物の情報などを記録しています。記録を重ねることにより、季節によってみられる自然の移り変わりや、その地域のどんな場所に生き物が生息しているかどうかが分かってきています。

ハロウェルアマガエルの抱接

パトロール中に見られたハロウェルアマガエルの抱接の様子

やんばる地域だけでなく、南西諸島の島々には世界中でそこにしかいない生きものたちが生息していますが、中には過剰に採取(密猟・盗掘)され、数を減らしているものもたくさんいます。

島の自然は地域の宝物です。

昆虫採集は自然に親しむ最もポピュラーな手法の一つですが、採集方法のマナーやモラルについて見直さなければいけないのかも知れません。

そしてどんな地域や場所でも、必ず自然と繋がりがあり、

たくさんの方々が身近な自然の素晴らしさや大切さに気づくことが、宝物を守る重要な鍵になります。

みなさんの地域にはどんな自然との出逢いがありますか?

誰かに紹介したくなるような、素敵なところを探してみて下さい。

センダンの実を頬張るシロハラ

今月の一枚「センダンの実を頬張るシロハラ」

右下のシロハラの大きな口にご注目。

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2015年12月03日やんばる地区新ゆるキャラ 「くーやん」

やんばる 藤田雄

みなさん、はいさい(こんにちは)。

やんばる野生生物保護センターより、アクティブレンジャーの藤田です。

本日は皆さんに、9月17日(...917、つまりクイナ...に近い)に開かれる安波ダムクイナ祭りにて命名が行われた、ヤンバルクイナゆるキャラ界の超新星、くーやんを紹介いたします。

くーやん、キョンキョン、クイちゃんの三羽が並んでいる写真

▲くーやんの命名式にて。向かって一番左がくーやんです

くーやんは村公認の、リアルタイプのキョンキョンと対を成すバルーンタイプのゆるきゃらです。兼ねてから名前の募集がなされており、全195件の応募の中からこの「くーやん」という名前が選ばれました。"く"は国頭の"く"で、"やん"はヤンバルクイナの"やん"だそうです。

モチーフも勿論ヤンバルクイナ。その大きな頭とくりくりとした瞳が実に愛らしいですね。この命名式の時にも、その大きな瞳で子供達を見守っていました。

因みにくーやんという名前は、命名してくれた方が森の中で走るヤンバルクイナの姿を見たときに思いついたものだそうです。たくましく生きるヤンバルクイナの姿は、人のインスピレーションを刺激してくれるのかもしれません。

先輩ゆるキャラのクイちゃん、キョンキョンとの共演で、大きく注目を引くデビューを果たしたくーやん。今後の活躍からも目を離せません。最近では伊是名小学校にも訪れ、子供達と仲良く遊んでいたそうです。

......でも僕としては、クイちゃん(*写真の向かって一番右の環境省キャラクター)が一番かわいいかな?

それでは、やんばるより藤田でした。

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2015年09月24日沖縄県の県鳥、ノグチゲラ

やんばる 藤田雄

みなさん、はいさい(こんにちは)。

やんばる野生生物保護センターより、アクティブレンジャーの藤田です。

皆さんは沖縄県の県鳥をご存じですか? それは先に紹介したクイちゃんたちヤンバルクイナ......では、実はありません。

沖縄県の県鳥、それはノグチゲラです。

放鳥され、林の木に飛び移ったノグチゲラ(2015年8月21日撮影)

ノグチゲラはキツツキの一種で、オスと幼鳥は頭が赤いのが特徴です。まるで赤い帽子を被っているようですね。キツツキですので、当然木を突っついて巣穴を掘ります。また、やんばるの森で耳を澄ますと、彼らが木を叩く、ココココココココ......という音が聞こえてきます。これはドラミングです。キツツキは、縄張りを主張したり、求愛のためにこのドラミングをします。木を楽器にしてラブソングを奏でるわけです。

先月、そんなノグチゲラが民家の窓にぶつかってしまいました。住民の方が、そのノグチゲラが飛べない様子を見てやんばる野生生物保護センターまで搬送して下さり、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄で治療を行っていただきました。その結果何とか命を助けることが出来ました。上の写真はその個体を放鳥した時のものです。

退院して放鳥現場に運ぶときはもうすっかり元気になっていましたが、むしろ元気があり余っているといわんばかりで、搬送用の段ボールが突かれて穴だらけにされていました。

同様の事故は今年6月にも発生しています。窓ガラスは透明ですから、鳥たちは風景が映り込んでいると、窓ガラスがそこにある、ということが分からなくなってしまい、ぶつかってしまうと考えられています。

これを防ぐには窓ガラスに鳥を描いたシール(バードセーバー)などを張っておくことが有効です(ポスターなどでも効果があります)。もし事故などが起こりましたらやんばる野生生物保護センターへのご連絡をお願い致します。

それでは、やんばるより藤田でした。

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