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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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出水

16件の記事があります。

2020年03月30日令和元年度 出水ツルフェスタを開催しました 【出水地域】

出水 本多孝成

 出水自然保護官事務所の本多です。

 今回は、2月1日(土)~9日(日)に実施した「パーク&ライド出水ツルフェスタ」(以下、ツルフェスタ)についてお伝え致します。ツルフェスタとは、ツル渡来地をさらに魅力的な場所へと磨き上げていくために、様々な社会実験を通じて地元や観光客の方々にご意見を伺うイベントです。

※過去のアクティブレンジャー日記では、「なぜツルフェスタを行うのか」、「どのようなイベントなのか」についてご紹介しています。是非ご覧ください。

・2019年の記事 http://kyushu.env.go.jp/blog/2019/03/post-562.html

・2018年の記事 http://kyushu.env.go.jp/blog/2018/03/post-425.html

 

▲今年度のツルフェスタのチラシ画像。写真クリック(タップ)で拡大表示できます。

 ツルフェスタは今回で4回目の実施となりました。出水市との共催など、地元のご協力を頂きながら年々ステップアップしてきました。

 今回のツルフェスタの取り組みについて、当日の写真と共に紹介致します。

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<ガイド付きバスツアー>

 ツルフェスタの目玉の一つである、ガイド付きバスツアーを今回も地元のご協力のもと実施しました。

 ツアーでは、「ツルガイド博士」や、ツルや野鳥の生態に詳しい地元の専門家、地元の農家の方にガイドとしてご活躍頂きました。また、今回新たに地元ボランティアの方々が、ツアーの進行役としてそれぞれの経験を活かし、全体の雰囲気を盛り上げて下さいました。

 

▲ツルガイド博士による解説。自作のイラストや、ツルの生態についてびっしり書かれたノートを活用したり、また、持ち前の明るさやまぶしい笑顔、様々な魅力を持つ子どもガイドは大変好評でした。

 ツルの渡来地は、ただツルが沢山集まる場所ではなく、様々な農作物や海苔等、豊かな自然環境に恵まれた地域です。このような魅力を余すことなく発信するため、バスツアーでは①バードウォッチングコースと②出水ご当地産物コースの二つのコースを用意しました。

 バードウォッチングコースではお馴染みのナベヅル・マナヅルや、15年ぶりに飛来したアネハヅル、ヘラサギ等の貴重な野鳥を見ることができました。参加者の方々が、興和光学株式会社の協賛により無償でお借りした双眼鏡を手に、アネハヅル等の「お目当て」を探す真剣なまなざし、そして見つけたときの感動的な雰囲気が印象に残りました。農業コースでは、農業や海苔養殖の現場で農家の方々と合流し、農業・海苔養殖の苦労話や、地元の魅力、幼少期からのツルとのかかわりについてお話を伺いました。現場の空気感等、言葉だけでは伝わらない情報を得ることができ、非常に貴重な体験となりました。

 

▲(左):バスツアーの様子。バスは、高い車高から見下ろすようにして観察できるため、ツルの家族の様子や、カナダヅル、クロヅル等の「(大多数のナベヅルに比べて)見た目が少し白っぽく見える」という感覚を共有しやすい点もメリットだと思いました。

 (右):15年ぶりに飛来が記録されたアネハヅル。写真クリック(タップ)で拡大表示できます。

<PHV車の試乗体験>

 今回新たな取り組みとして、トヨタプリウスPHV(プラグインハイブリッド)車の試乗体験が行われました。これは、出水市が事務局となり、鹿児島トヨタ自動車株式会社の協賛のもとで実現したメニューです。前述のバスツアーよりも移動・ツルの観察に自由が効くことから、同ツアーのデメリットを補う観光体験が可能になり、大変好評だったようです。

 私も試乗させて頂きましたが、ツル等の野鳥を間近で観察できると共に、風の音やにおい、道端の草花の質感等、バスツアーでは味わえないツル渡来地の魅力を満喫することができました。加えてPHV車は動作が非常に静穏であるため、エンジン音などによるツルへの刺激(環境負荷)が最低限に抑えられる点においても、ツル渡来地に非常にマッチした魅力的な観光スタイルであると感じました。

 

▲ツルフェスタで貸出が行われたPHV車。同車およびツアーバスは立入規制エリア内への進入可とし、東干拓を走行する際は運営スタッフが手動でゲートを開閉して対応しました。

<その他>

▲昔の生活様式やツルとのかかわりについて、地元の歴史に詳しい方が解説する特別ブースを、観察センター内に設けました。

 

▲地元の義務教育学校、鶴荘学園の生徒による「ツルラップ」のPV撮影(Youtubeに公開されていますhttps://www.youtube.com/watch?v=3Pc-xQrw3n4)や、「ツル科」の研究発表が行われました。

 

▲クレインパークいずみでは、出水の干潟の野鳥を紹介する企画展や地元の飲食店による出店が行われました。

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 ツルフェスタを通じて、出水は、ツルガイド博士や地元のボランティア等の素晴らしいスキルや才能・熱意を持った人々に加え、ツル以外の貴重な野鳥や農作物・海苔、豊かな自然環境等、大きな可能性を秘めた場所であると改めて気付きました。そうした地域のポテンシャルを、今後もツルフェスタ等の機会を通じて多くの人に知って頂けたらと思いました。

 一方で、ツル渡来地は、農地であると共に生活道路として利用される等、地元の方々の日常生活に欠かせない土地です。ツル観光あるいはツル保護のどちらかに偏るのではなく、地元の方々が納得できるようなツル渡来地のあり方について考えたいと思いました。

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2019年12月16日国指定草垣島鳥獣保護区の巡視を実施しました 【出水地域】

出水 本多孝成

 出水自然保護官事務所の本多です。

 皆さんは草垣群島という島をご存知でしょうか。

 草垣群島は、鹿児島県枕崎港から南西へ約90km離れた場所に位置する無人島(群島)です。

上ノ島、中ノ島、下ノ島等の小さな島々で構成されており、カツオドリやオオミズナギドリの重要な

繁殖地として国指定の鳥獣保護区「国指定草垣島鳥獣保護区」(特別保護地区)が上ノ島に

設けられています。

 ※鳥獣保護区指定年月日:昭和48年11月1日、周囲:2.3km、面積:21ha

▲草垣群島の位置図

https://maps.gsi.go.jp/#5/36.104611/140.084556/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1)をもとに作成。

 九州地方環境事務所野生生物課および出水自然保護官事務所では、11月12日(火)において

草垣島鳥獣保護区の現況調査を実施致しました。今回は、この様子についてお伝えいたします。

  • ■串木野港出発~上ノ島到着(A.M.6:00~10:30)

 草垣群島には旅客船や飛行機等の定期便が存在しないため、今回は串木野港から漁船を

チャーターし、上ノ島まで行きました。フィールドスコープやカメラ、調査用紙等の荷物を

船へ搬入した後、午前6時頃に串木野港を出港しました。

 出港してすぐは日の出の時間帯と重なったこともあり、朝焼けに映える桜島等の美しい景色を

楽しみつつ、一日の始まりに期待を膨らませていました。しかしそれも束の間、出港から30~60分が

経過してからは次第に波が荒くなり、船体が大きく揺れ始めました。そこから私はあっという間に

猛烈な船酔いに襲われ、思わずダウン...。

 以後、船の中でずっと横になることしかできませんでした。

■上ノ島到着~島内巡視(A.M.10:30~P.M.13:00)

 出港から約4時間半後、草垣群島(上ノ島)に到着しました。船酔いで朦朧とする意識の中、

這うようにして甲板へ出てみると、目の前にはゴツゴツした岩場がそびえ立ち、上空には

カツオドリが絶え間なく飛び交う幻想的な光景が広がっていました。

 

▲上ノ島の外観と上陸地点

 周囲は険しい岩場・崖に囲まれていますが、島の東側に緩やかな斜面と小さな入り江が

形成された場所があります。この入り江には島内の歩道と連結した突出部分(左下の写真)があり、

ここへ船首から飛び移るようにして上陸しました。

<島内の様子>

 上陸後、少し休憩をとってから巡視を始めました。今回の巡視の主な目的は、鳥獣保護区内に

設置された制札(標識)の確認と、野鳥を含めた野生生物の調査です。巡視中、島内の様子を写真に収めた

ので紹介します。

▲崩落した歩道

 上ノ島の頂上には海上保安部所管の灯台が設置されており、島内には灯台へ続く一本道が残って

います。しかし、この道はかなり老朽化が進んでいるようで、崩落した箇所がいくつかありました。

 

▲一本道の勾配・カーブと斜面の植物

 一本道は急な勾配かつカーブが連なっていたため、進むのに一苦労しました。

斜面はハチジョウススキ等の野草や、成人の高さ程の低木で覆われていました。

▲野鳥の古巣(カツオドリ?)

 歩道沿いには、枯草がお椀状に浅く窪んだポイントがいくつかありました。カツオドリの

古巣かもしれません。周囲には羽毛や野鳥の排せつ物が散らかっていました。

▲野鳥の死骸(オオミズナギドリ?)

 野鳥の死骸がいくつか横たわっていました。これはオオミズナギドリでしょうか。

この現場の上空ではカツオドリが元気いっぱいに飛び交っており、生き物の生と死の

コントラストが印象に残りました。

▲哺乳類の糞便(クマネズミ?)

 野鳥だけでなく、哺乳類のフィールドサインも見つかりました。

▲繁茂した下草によって見えなくなった歩道

 一本道の途中、下草が繁茂し歩道が見えない場所がありました。上ノ島には急な斜面や

崩れた歩道が多く、誤って道を踏み外す危険があるため、安全面を考慮しここで折り返しました。

<上ノ島で確認された野鳥(一部)>

 約2時間の野鳥調査を上ノ島で実施した結果、合計5目26種120羽の野鳥を記録しました。

その一部を紹介します。

 

 

▲カツオドリ

 島内や洋上のいたるところで見ることができました。上二枚の写真のように、古巣を休息の

ために利用する様子が確認できました。

▲ハシブトガラス

 ハシブトガラスは一般的には留鳥であり、渡りをしない野鳥として知られています。

この個体は一体どのようにして草垣群島までやってきたのでしょうか。

 

▲チョウゲンボウ(左)、ノスリ(右)

 上ノ島の野鳥調査では、わずかな範囲内に多くの猛禽類を見ることができました。

写真の二種に加え、ミサゴ、オオタカ(幼鳥)、ツミ、ハヤブサを確認しました。

▲ジョウビタキ(メス)

 お馴染みの冬鳥です。今回の調査では同じヒタキ類のコサメビタキ(夏鳥)も確認しました。

上ノ島は冬鳥、夏鳥の渡りの中継地になっているようです。

 今回、上ノ島の巡視を通じて、草垣島鳥獣保護区の現況や野鳥等の生息状況を知ることができ、

大変貴重な経験になりました。草垣群島は私たちの生活とは距離的にも社会的にもかけ離れた

存在ですが、そこには確かに野鳥を始めとする生き物たちにとって重要な自然環境が広がっていました。

手に届くあるいは目に見える範囲の自然環境だけが重要ではないと気付くきっかけになりました。

<参考URL>

・鳥獣保護区制度の概要(環境省HP)http://www.env.go.jp/nature/choju/area/area1.html

・鳥獣保護区の指定状況(環境省HP)http://www.env.go.jp/nature/choju/area/area2.html

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2019年09月10日市民の森で自然観察!「わんぱくトライアル」・「ファミリーキャンプ」実施報告 【出水地域】

出水 本多孝成

 出水自然保護官事務所の本多です。

 今回は、出水市青年の家主催事業「わんぱくトライアル」(8月8日(木))および

「ファミリーキャンプ」(8月25日(日))のプログラムとして実施した自然観察活動の

様子をお伝えします。

 出水自然保護官事務所では、昨年度より上記の事業において講師として協力させて頂いており、

今年度は、「わんぱくトライアル」ではマウンテンバイクを使った自然観察、「ファミリーキャンプ」

では身近な自然と触れ合う活動のご依頼を頂きました。

※各事業の概要はこちらhttps://www.city.kagoshima-izumi.lg.jp/page/page_50035.html

(出水市HP、青年の家イベント情報ページにジャンプします)

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<わんぱくトライアル>

 「わんぱくトライアル」のマウンテンバイクを使った自然観察活動では、青年の家に隣接する

市民の森の遊歩道(計5.5km)をマウンテンバイクで移動しつつ、途中三か所で自然と触れ合う

アクティビティを行いました。

 

▲マウンテンバイクで移動中...

 子どもたちが上り坂を一生懸命に進む姿が印象的でした。私も一緒にマウンテンバイクで

 移動しましたが、想像以上に過酷な道のりでした。しかしその分、森のにおいや風の心地よさを

 堪能することができました。

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▲各ポイントで実施したアクティビティ。

 (1):周囲の音を、線や記号等、自分なりの表現を用いて地図にするゲーム(サウンドマップ)を

     行いました。鳥の鳴き声や風の音を始めとする、様々な自然由来の音を聞きとることができ

     ました。

 (2):昆虫採集を行いました。昆虫が好きな子も嫌いな子もお互いに協力しながら採集していました。

     時折、大物を捕まえたときの歓声や昆虫が苦手な子どもたちの絶叫がこだまし、終始賑やかな

     時間になりました。

 (3):松かさ(松ぼっくり)を、チームで協力してできるだけ高く積み上げるゲーム

     (松ぼっくりタワー)を行いました。ただ積み重ねるのではなく、2つの松かさの「カサ」の

     部分をプラモデルのようにかみ合わせたり、他のチームの状況を確認する偵察係を設けたり

     する等、チームによって独自の創意工夫が見られました。

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<ファミリーキャンプ>

 「ファミリーキャンプ」では、身近な自然と触れ合う活動として、自然のモノや形をビンゴ形式で

発見するゲーム(ネイチャービンゴ)を実施しました。

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▲(1):当日使用したビンゴカード。当日は雨が降っており、本来であれば野外活動に適さない

     状況でしたが、雨ならではの自然も楽しんで頂きたいと考え、「みずたまり」や

     「ぬれたはっぱ」等の項目を盛り込んだ雨天用のビンゴカードを使用しました。

 (2):ネイチャービンゴの様子。慣れ親しんだ場所である市民の森が、雨によってどこか神々しい

     雰囲気に包まれていました。子どもたちや保護者の方々は、最初は躊躇した様子でしたが、

     ゲームが終わる頃には多少の雨は誰も気にせず、雨ならではの自然観察を楽しんでいました。

 (3):ビンゴゲーム中、特に参加者の方々の視線を集めたのが、この大きなナメクジ(ヤマナメクジ?)

     です。縮んだ状態でも体長10cmはありそうな、一般的なナメクジ観(?)を覆すスケール

     でした。保護者の方々が苦笑いで眺める中、子どもたちは興味津々の様子でした。

 ゲーム終了後、マスの一つである「雨ならではの○○」について、何が見つかったかを子どもたちに

尋ねたところ、「雨水が地面を流れていて、小川のように見えた」や、「雨粒が木に生えたコケ類をつたう

光景が美しかった」との、素敵な発見を教えてくれました。

 一般的に雨の日は、ネガティブなものとして捉えられがちですが、一方で雨の日にしか見ることが

できない自然の光景や魅力があるように思います。

 市民の森においては、これまでにも野鳥観察会等の自然観察活動を実施してきましたが、その度に新しい

発見があり、いつもわくわくさせてくれる場所です。今後も沢山の方々に市民の森を好きになってもらえる

ような活動ができればと考えています。

 今回このような機会を下さった出水市青年の家の皆さま、そして参加者の皆さま、ありがとうございました。

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2019年06月07日瀬早川の生き物を調べよう!大軣(だいごう)小学校の出前授業 【出水地域】

出水 本多孝成

こんにちは!出水自然保護官事務所の本多です。

今回は、5月23日(木)に、鹿児島県の薩摩川内市立 大軣(だいごう)小学校にて実施した、

瀬早川の生き物調べの出前授業についてお伝えします。

この授業は大軣小学校のふるさと教育の一環として、学校の近くを流れる瀬早川が

どのような川であるかを、生き物調べを通じて学ぶことを目的としています。(四年生対象)

出水自然保護官事務所では、生き物の捕まえ方および調べ方のサポート役として

二年前よりこの授業に協力させて頂いており、今年で三回目の参加となりました。

<生き物採集の様子>

 
▲タモ網を使って魚を追い込んだり、石の裏をひっくり返したりして生き物を捕まえました。

大軣小学校の子どもたちは普段から川遊びや生き物に親しんでいるそうで、

トンボやカニ等の生き物も積極的に素手で捕まえて感触を確かめていました。

 

▲何とこの日のためにゴーグルを持参し、ダイナミックに水中を観察する子もいました。

「何が見られた?」と聞くと、「魚が泳いでたよ!」とまぶしい(ずぶ濡れの)笑顔で

答えてくれました。彼のアイディアと実行力には驚かされました。

<調べ学習の様子>

捕まえた生き物たちをいったん教室に持ち帰り、種名や生態を図鑑で調べました。

 

▲グループに分かれて、調べ学習スタート。

子どもたちは、最初は図鑑をどのように使えばよいか戸惑っていた様子でしたが、

目次や索引等の読み方についてアドバイスし、また捕まえた生き物の特徴を一緒に

考えてみたところ、徐々に自主的に調べられるようになりました。

調べ学習の結果、「メダカ」だと思っていた小魚はカワムツだということ、

また瀬早川にはヨシノボリ、サワガニなどの魚介類、ニホンカワトンボや

ミヤマカワトンボ等の昆虫が生息していることが分かりました。

他にもカワニナやカワゲラの幼虫など、きれいな水を好む生き物が多数生息していることから、

瀬早川はきれいな川であることが分かりました。

▲最後に、採集した生き物にお礼を言い、元の場所へ返しました。

自分の手で捕まえた生き物を、自分で調べて学ぶことは、単に生き物の知識を

増やすだけでなく、その土地の自然環境や生態系に関心を持つきっかけとして非常に

大切なことだと思います。この授業を通じて、ふるさとの自然に少しでも関心を持ち、

その魅力を発掘してもらえたらと思います。

私も子どもたちに図鑑の使い方や観察のしかたを

分かりやすく伝えるにはどうすれば良いかを考えるきっかけができました。

大軣小学校の皆さん、ありがとうございました。

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2019年03月28日ツルとの共生のあり方を探る!出水ツルフェスタ開催 【出水地域】

出水 本多孝成

出水自然保護官事務所の本多です。

1月19・20日及び2月2・3日(土・日)の合計4日間、出水のツル渡来地において、ツルとの共生を考える社会実験「パーク&ライド出水ツルフェスタ」を開催しました。今年で3年目となる取組ですが、皆様のご協力のおかげで今回も無事に終えることができました。

さて、例年イベント当日は九州地方環境事務所の職員が運営を手伝ってくれています。出水は初めてという、鳥越アクティブ・レンジャーの質問に答える形でツルフェスタの紹介をしていきたいと思います。

 

 

 ↑ツルフェスタの広報チラシ。クリック(タップ)で拡大画像が表示されます。

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■鳥越:そもそも、どうしてこの社会実験を行うことになったのですか?

●本多:近年、出水のツル渡来地にはナベヅルが世界の全個体数の9割、マナヅルが4~5割飛来しているとされ、合計1万5千羽程のツルが越冬のために飛来します。こうした一極集中の状態は、仮に出水で災害あるいは鳥インフルエンザ等の野鳥の感染症が発生した場合、ツルが大量死するリスクをはらんでいます。また、地元ではツルの食害対策として始まった人工給餌に誘引されたカモ・カラス類による食害や、一部の来訪者による危険運転・路上駐車等の迷惑行為が問題になっています。

 

 ↑路上駐車のカメラマン(左)/農地を徒歩移動するバードウォッチャー(右)

 ※現在、ツル渡来地は人や車両が自由に出入りできる場所になっていますが、ビジターによる

  路上駐車やわき見運転等が地元の農作業の妨げになっています。加えて、不用意な徒歩移動は、

  野鳥の感染症のウイルスが靴底等に付着し、他の地域へ持ち込まれるリスクを高めると

  考えられています。

以上のような地元の課題やリスクを解決する一手段として、ツル渡来地におけるマイカー規制の社会実験が3年前から始まりました。

■鳥越:今年で3年目ということですが、変化を実感することはありますか?

●本多:1年目は九州地方環境事務所と業務請負者である日本生態系協会が主体となり実施しましたが、2年目以降、徐々に地元の関係機関との連携が強まっていると実感しています。特に今回は、出水市・出水市教育委員会の共催に加え地元企業等の協賛を頂き、ツル観光の視点から出水市全体を盛り上げるためのイベント「ツルフェスタ」として実施することができました。

 

■鳥越:準備をする中で1番大変だったことは何ですか?

●本多:私が担当した中で最も大変だったことは、立入規制を行うエリア(道路)及び周知用の看板の設置に関わる許認可申請です。ツルの渡来地付近は農道・市道・県道・国道が混在するため、各担当窓口へ社会実験の趣旨説明に伺ったり、それぞれに応じた資料を作成したりすることが大変でした。

■鳥越:ツルフェスタ当日は、ガイドバスでコーディネーターを務めていましたが、参加者の皆さんはどのような様子でしたか?

●本多:ツルフェスタではツル渡来地の一部エリアにおける立入規制を実施し、代わりの観光手段としてガイド付きのツアーバスを運行しました。私は、「コーディネーター」としてこのツアーバスの進行役を担当しました。ツアーバスは三つのコース(バードウォッチングコース、歴史不思議発見コース、出水ご当地産物(海苔・農業)コース)に分かれ、ツルガイド博士(出水市主催のツルの検定試験に合格した子どもたち)と、各コースに応じた大人の専門ガイドが案内役を務めました。

 

 ↑大人ガイド(海苔コース)とツルガイド博士

 

 ↑バス車内の様子

ツアーバスにご乗車頂いたほとんどの方が満足されたご様子でした。特に、子どもガイドは自作の資料を使って説明したり、「ツルクイズ」を出題したりしてツアー全体を盛り上げてくれました。他にも、「出水ご当地産物(海苔)コース」において実際の生産現場を見学した際は、地元の方から「出水で海苔の生産が行われているとは知らなかった」との声を頂くことができました。

ツルを含む出水の様々な魅力を、現場の最前線に立つ子どもたちや大人の専門ガイドの方に発信して頂いたことは、「ツルを見て終わり」ではない今後のツル観光を考えるうえでも重要な試みになったと思います。

■鳥越:コーディネーターとして楽しかったこと、苦労したことはありますか?

●本多:苦労したことの方が多いです。ツアーバスの主役はあくまで子どもガイドや大人ガイドであるため、コーディネーターは「黒子役」として臨機応変な対応が求められました。具体的には子どもガイドが言葉に詰まったときにアドバイスしたり、ツアー時間がオーバーしないよう運転手の方にルート変更をお願いしたりする等、常に周囲に気を配っていました。また、子どもガイドの中には初対面の児童・生徒もいたため、バス発車前にガイド内容やルートを一緒に確認したり、お話をしたりして少しでも緊張がほぐれるように努めました。

一方で楽しかったこと(嬉しかったこと)は、子どもガイドや大人ガイドとの連携がうまく取れた時や、乗車して下さった方々に「ありがとう!たのしかったよ!」、「勉強になったよ!」とコメントを頂けたことです。

■鳥越:今回のイベントでいちばん印象に残っていることは何ですか?

●本多:ツルフェスタ当日、来訪者の方より「なぜ、ツルから我々を引き離すようなことをするのか詳しく説明して欲しい」と声をかけて頂いたことです。その時は私からツルフェスタの趣旨や出水の現状について説明し、ご理解を頂けましたが、後で振り返った時に「ツルを自由に観察・撮影したい方にとって立入規制はある意味、迷惑なことなのかもしれない...」と気付かされました。農業、観光、産業(特に養鶏)、ツルの保護等、様々な立場の人々が納得できる「ツルと人とのより良い距離感って何だろう?」と、自分自身に問うきっかけになりました。

■鳥越:出水のアクティブ・レンジャーとして普段から人とツルの関わりを身近で見ていると思いますが、本多さんから見て良いところ、悪いところは何ですか?

●本多:「ツルと人との距離が近い」ことが良いところでもあり、悪いところでもあると思います。良いところは、これだけ多くのナベヅル・マナヅルが飛来する地域は世界的にもほかにはなく、ここだけでしか見られない景観や、羽数調査等、独自の保護活動があることです。悪いところは、ツル渡来地に自由に出入りできることから野鳥の感染症の拡散リスクが高まったり、一部のビジターによる迷惑行為(わき見運転、路上駐車、徒歩移動)が地元の負担になったりすることです。

■鳥越:最後になりますが、本多さんが好きな野鳥は何ですか?

●本多:国内の野鳥は総じて好きですが、特にゴイサギという鳥が好きです。(ツルとは関係ありませんが...笑)。出水では繁殖期に多く、春~初夏は特に観察しやすくなります。とても可愛らしい野鳥なので是非見て頂きたいです。

  

 ↑ゴイサギ

これに関連して、出水にはツル以外にも多くの野鳥が飛来し、4~10月上旬(ツルがいない時期)にも様々な野鳥を観察することができます。田園地帯、湖沼、干潟、河川、岩礁、ヨシ原、里山、山林等フィールドも多様です。「野鳥観察」は出水の大きな見どころだと思います。

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さて、今回はツルフェスタについて、質問に答える形で紹介いたしました。次回は私から、鳥越アクティブ・レンジャーへ出水の印象やツルフェスタの感想を伺ってみたいと思います。

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2018年11月02日身近な野鳥の観察会を実施しました!【出水地域】

出水 本多孝成

出水自然保護官事務所の本多です。

出水では各地でジョウビタキが見られるようになり、一足早い冬の便りが届きました。

また、ツル・カモ類の飛来が本格化し、野鳥観察にぴったりの季節になりました。

今回は、出水自然保護官事務所の普及啓発活動として、9月22日(土)に出水市教育委員会との

共催のもと実施したクレインパーク周辺の身近な野鳥観察会の様子をお伝えします。

【当日の様子】

今回の観察会では、7名の地元住民の方にご参加頂き、また鶴荘学園(旧荘小学校・荘中学校)の

8年生3名に運営ボランティアとしてご協力頂きました。

野鳥観察会の様子

▲左上:観察を始める前にボランティアの皆さんより、双眼鏡の使い方の説明がありました。

▲右上:双眼鏡やスコープを使ってサギ類の識別に挑戦。

▲左下:鳴き声をたよりに野鳥の姿を確認。

▲右下:周辺の水辺でコガタノゲンゴロウやコマツモムシ等の水生昆虫を観察しました。

【当日観察できた野鳥】

確認できた野鳥 カワセミ、ミサゴ、キセキレイ、セイタカシギ

▲左上:カワセミ/右上:ミサゴ/左下:キセキレイ/右下:セイタカシギ

およそ90分の観察時間で、合計21種の野鳥を記録しました。

また、今回新たな試みとして、クレインパーク周辺の多様な環境や野鳥の生息状況をより深く知って

頂くために、観察会の記録結果を反映した野鳥マップを作製しました。

野鳥マップ

▲クレインパーク周辺の野鳥マップ。

野鳥のイラストは、おもに鶴荘学園のボランティア3名に手書きで制作して頂きました。

クレインパーク周辺は、河川(米ノ津川)、小規模な森林・池、ヨシ原、田園地帯などの多様な環境が

コンパクトにまとまっており、各環境を好む様々な野鳥を観察することができます。

出水ではこれまでにツルをはじめとする様々な野鳥の飛来が確認されており、「野鳥の宝庫」として

市内外から知られるようになりました。

こうした出水ならではの自然の魅力を、これからも観察会等を通じて積極的に発信していきたいと思います。

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2018年11月01日出水のツルシーズンが始まりました 【出水地域】

出水 本多孝成

出水自然保護官事務所の本多です。

10月18日(木)、ナベヅル2羽が今季初飛来し、出水のツルシーズンが始まりました。

18日の朝、ツル初飛来の連絡を受け早速ツルの飛来地へ向かったところ、

東干拓の保護区内にて2羽のナベヅル成鳥を確認しました。

ナベヅル初渡来、成鳥2羽

▲10月18日、飛来したばかりのナベヅル成鳥2羽。8:30ごろ撮影。

上の写真は若干ぼやけていますが、これはかなり離れた場所からカメラの望遠機能を使って

撮影したためです。

越冬初期のツルは4~8月の繁殖期において人がいないシベリア半島等の湿地で過ごしていたため

特に警戒心が強く、11月中旬ごろまでは目隠し網で遮られた保護区の奥で行動する傾向にあります。

12月ごろになると、飛来数の増加に伴い二番穂などの餌が少なくなり、また人の存在にも慣れるため、

保護区の目隠し網の近くや、餌を求めて市内各地へ行動範囲を拡げます。

ツルの行動範囲変化の様子

▲ツルの行動範囲の変化。

越冬初期は保護区の奥にいるため、肉眼ではほとんど見えません。

飛来数が増加すると右側の写真のように道路に出てくる等、近くでも観察できるようになります。

早期米刈り取りと二番穂の生育

▲干拓地の早期米と二番穂。

早期米は8月中旬頃に収穫されます。刈り取り後の株からひこばえが生育し、

穂を実らせたものが二番穂です。ちょうどツルの飛来が始まる10月頃に成熟します。

本来であれば二番穂も加工米として収穫されますが、出水では地元農家の方が

ツルのために収穫せずそのまま残してくださっています。

10月29日現在ツルの飛来数は300羽程ですが、これから続々とツルが飛来し、11月下旬には

飛来数がピークに達します。これから1月上旬頃までは特に観察しやすい時期になりますので、

みなさんも是非、ツルを見に出水までお越しください。

==ツル観察・観光の際に役立つサイト=======================

クレインパークいずみ:https://www.city.kagoshima-izumi.lg.jp/cranepark/

ツル観察センター(11月1日オープン予定):http://www.izumi-navi.jp/spots/detail/1

出水市観光協会:http://www.kanko-izumi.com/

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2018年08月01日鶴荘学園の生徒たちに出前授業を行いました 【出水地域】

出水 本多孝成

 こんにちは!出水自然保護官事務所の本多です。

 今回は出水市の義務教育学校である鶴荘(かくしょう)学園の依頼により実施した職場体験学習(出前授業)の様子をお伝えします。

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鶴荘学園は、2017年4月に以前の荘小学校と以前の荘中学校が統合して発足した

小中一貫の「義務教育学校」です。学校独自の科目である「ツル科」や、

ツル羽数調査など、ツルに特化した学習・活動に取り組んでいます。

※羽数調査は出水市立高尾野中学校と合同で行っています。

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 今回の出前授業は、ツルとの関りが深く豊富な知識をもつ鶴荘学園の生徒たちが対象であることから、出水自然保護官事務所の専門的な業務である高病原性鳥インフルエンザ対策を中心に紹介することにしました。また、生徒の皆さんに実際の現場を見てもらいたいと考え、出水の鳥インフルエンザ対策の拠点であるツル保護センターで行いました。

<授業の様子>

鳥インフルエンザに関わる対応やその他環境省の業務を紹介  高病原性鳥インフルエンザに関わる対応やその他環境省の業務を紹介 

▲高病原性鳥インフルエンザに関わる対応やその他環境省の業務を紹介

 授業では、「そもそも鳥インフルエンザってなに?」「環境省や出水自然保護官事務所ではどんなことをしているの?」という観点から、まず、鳥インフルエンザウイルスとは何か?や社会に与える影響、環境省で行っている野鳥の高病原性鳥インフルエンザ対策、鳥インフルエンザが発生した時に現場で実施する死亡野鳥パトロールについて解説しました。また、業務の話題以外にも、レンジャー/アクティブレンジャーのお仕事のやりがいや大変なところ等を紹介しました。

鳥インフルエンザ簡易検査の手順を紹介 ナベヅルのぬいぐるみ

▲鳥インフルエンザ簡易検査の手順を解説(左)/ナベヅルのぬいぐるみ(右)

 次に、保護センター内の各施設を見学しました。

 ツルの治療等を行う処置室では、鳥インフルエンザ簡易検査の方法・手順を検査キットやナベヅルのぬいぐるみを用いてデモンストレーションしました。

飼育ゲージの見学翼が折れて飛べなくなったマナヅル

▲飼育ゲージの見学(左)/現在保護飼育されているマナヅル。翼が折れて飛べなくなった個体です。(右)

 他にも、翼が折れて飛べなくなったツルを保護する飼育ケージや、簡易検査で高病原性鳥インフルエンザ陽性と診断されたツルを隔離する隔離室、死亡野鳥パトロールで回収した死亡野鳥を簡易検査まで一時保存する冷蔵庫等を紹介しました。

 鶴荘学園の生徒の皆さんからは「鳥インフルエンザが1件でも発生すれば、野鳥パトロール等の多くの対応に追われると知り、大変なお仕事だと思った」、「レンジャーの方の『(一般の方々に対して発する)一言の責任が重い仕事』という言葉に共感した」、「検査の方法など初めて知ることがとても多く、今後のツル学習に活かしたい」等の感想を頂きました。

 出水では地元の方をはじめ、様々な関係者がツルの保護や鳥インフルエンザ対策のため尽力してくださっています。この出前授業をきっかけにツル保護に携わる人々、レンジャー/アクティブレンジャーのお仕事に関心を持ってもらえればと思います。

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2018年06月08日身近な野鳥を観察!バードウォッチングin市民の森 【出水地域】

出水 本多孝成

 こんにちは!出水自然保護官事務所のアクティブ・レンジャー、本多です。

 今回は、6月2日(土)に小原山市民の森で実施した野鳥観察会(出水市共催)の様子をお伝えします。

 出水自然保護官事務所では、これまでに身近な野鳥や出水のツル類に焦点をあてた観察会を実施してきました。今回の観察会では、夏の渡り鳥(夏鳥)の季節であること、また多くの野鳥が繁殖期を迎えていることから、「夏鳥」と「鳴き声(さえずり・地鳴き)」を主なテーマとしました。

 観察会では、まず野鳥の渡りの区分(留鳥・夏鳥・冬鳥)と鳴き声(さえずりと地鳴きの違い)について紹介・解説し、次に市民の森を実際に散策しながら野鳥を観察しました。

<観察会の様子>

 市民の森にて野鳥観察

▲双眼鏡を使って野鳥観察!

このポイントではリュウキュウサンショウクイ、エナガ、シジュウカラ等が現れました。動きまわる野鳥を双眼鏡の視界におさめることは想像以上に難しいことですが、その分うまく観察できた時の感動も大きく、参加者の方々からは「いたいた!」と感嘆の声が起こっていました。

 市民の森の上谷池にて野鳥観察

▲市民の森の上谷池にて。

コゲラやメジロ、コジュケイのさえずりが聞こえました。冬にはオシドリをはじめとするカモ類も観察できます。

<観察会で確認できた野鳥>

 リュウキュウサンショウクイ

▲リュウキュウサンショウクイ

リュウキュウサンショウクイはサンショウクイの亜種で、出水では一年中、観察することができます。今回の観察会ではこのリュウキュウサンショウクイが多くみられ、「ヒリリリ、ヒリリリ」というさえずりがよく響いていました。

 ヤマガラ

▲ヤマガラ

身近な山林で見られるスズメ大の小鳥です。山の雀(スズメ)と書いて山雀(ヤマガラ)です。「ツーツーピーン、ツーツーピーン」等とゆったりした声でさえずっていました。

 ホオジロ

▲ホオジロ

こちらも身近な環境で見られる野鳥です。目の下(頬)の白い模様が名前の由来になっています。さえずりは「一筆啓上つかまつり候」等と聞きなされます。

 

 

▲野鳥の他にもサワガニ(左の写真)やニホントカゲの日光浴、さらには鮮やかな紺色が目を惹くシーボルトミミズ(右の写真)を観察することができました。

 2時間ほどの観察で合計18種の野鳥を記録し、そのうち夏鳥はツバメとホトトギスの2種でした。残念ながらこの日はアカショウビン、キビタキ、サンコウチョウ等の代表的な夏鳥を観察することができませんでしたが、代わりに多くのさえずりや地鳴きを聞くことができました。参加者の皆さまからは「想像以上に様々な野鳥がいて驚いた」、「野鳥のかわいい声がきけて良かった」、「ヒヨドリが思ったより大きいことに気付いた」との感想を頂くことができました。

 初夏を迎えてから、夏鳥の渡りやさえずりを確認する機会が多くなっています。皆さまも双眼鏡を片手に身近なフィールドへ出かけたり、あるいはベランダから野鳥の声に耳をかたむけたりしてみてはいかがでしょうか。この季節ならではの野鳥の意外な一面を発見できるかもしれません。

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2018年03月07日ツルと人との共生のあり方を探る!ツル越冬地マイカー規制の社会実験【出水地域】

出水 本多孝成

出水自然保護官事務所のアクティブレンジャー、本多です。

今回は、ツル越冬地のマイカー規制の社会実験についてお伝えします。

 

出水は地元による長年の保護活動のおかげもあり、毎年1万羽以上のツルが飛来する国内最大のツル越冬地として知られるようになりました。しかし一方で高病原性鳥インフルエンザのリスク、一部の来訪者の迷惑駐車・農地への侵入など、現場では様々な問題が生じています。

出水のツル越冬地社会実験 チラシ

このような問題解決の一手段として、環境省ではツル越冬地のマイカー規制の社会実験を地元のボランティアや関係機関の協力のもと実施しました。越冬地の一部へのマイカー乗り入れを制限し、来訪者の方々にクレインパークいずみ(ツル博物館)への駐車をお願いしました。クレインパークいずみからは、ツル観察センター行のガイド付きシャトルバスを往復で運行し、普段とは異なるスタイルのツル観光・観察を体験して頂きました。合計33人の運営ボランティア、41人のツルガイド博士(後述)にご協力頂き、また567人の方々にシャトルバスにご乗車頂きました。ご協力・ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

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<社会実験当日の様子>

出水のツル越冬地社会実験 交通誘導ポイント

▲越冬地の数か所に交通誘導ポイントを設け、来訪者の方々にクレインパークいずみへの移動とシャトルバスの利用をお願いしました。多くの方が快く協力してくださいました。

出水のツル越冬地社会実験 シャトルバス消毒

▲シャトルバス乗降時には消毒マット(写真:緑色のマット)を踏んで頂き、鳥インフルエンザの防疫にご協力いただきました。

出水のツル越冬地社会実験 シャトルバスガイド

▲ツル観察センターへ向かうシャトルバスの車内では、地元の専門家とツルガイド博士(※)の子供たちによるツルの生態や越冬地の解説を行いました。子供たちの中には手作りの資料やマナヅルの可愛い被り物(!)を持ってきてくださった方もいました。オリジナリティーに溢れたガイドは乗客の皆さんからも好評でした。

出水のツル越冬地社会実験 出店

▲クレインパークいずみでは地元の特産品・ハンドメイド雑貨の出店や高校生たちが独自で開発したスイーツの販売が行われ、館内では押し花カレンダー作りの体験イベントが催されました。お土産を買う方、軽食を楽しむ方、家族で押し花カレンダー作りに参加される方など、多くの人で賑わっていました。

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ツルと人とのより良い共生は非常に難しい問題です。この実現のためには様々な人の意見や提案が欠かせません。今後も越冬地のマイカー規制の社会実験等を通じて皆さんの声に耳を傾けていきたいと考えています。

また今回の社会実験では様々な方にご協力頂きました。特に運営ボランティアの皆さま、ツル博士ガイドの子供たち、出水市および関係者の皆さま、そしてシャトルバス利用にご協力いただいた来訪者の皆さま、本当にありがとうございました。

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(※)ツルガイド博士は、出水市内の小・中学生で構成され、主に冬休み期間中に来訪者の方々へツルの解説を行うボランティア組織です。現在、合計153名がツルガイド博士に登録されているそうです。

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