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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

清掃活動でストップ!ロードキル

2013年10月30日
やんばる
 みなさん、はいさーい!(こんにちは!) 
 去年の9月からやんばる野生生物保護センターで主に交通事故対策やヤンバルクイナの保全事業を担当しています、比嘉瑞希です。ご挨拶が遅くなりましたが、ゆたしくうにげーさびら!!(よろしくお願いします!!)



 さて早速ですが、やんばるでは希少な生き物たちが交通事故にあっていることをご存じですか?昨年(2012年)のヤンバルクイナの交通事故確認件数は過去最悪の47件を記録してしまい、今年はすでに34件の事故が確認されています。



重点区間に設置している交通事故看板





 そこで、やんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議では『ストップ!ロードキル運動』を実施しており、その活動の一つとして、餌(ミミズやカタツムリなど)を食べに道路上に出没するヤンバルクイナを減らすために、餌の発生源である側溝や路肩の腐葉土などの堆積物の除去と、ドライバーの視界確保を目的とした、道路周辺の清掃活動を行っております。この清掃は年に6回程度、連絡会議のメンバー(自然保全や道路の管理、利用に関連する行政機関と関係機関で構成)と地元の協力者などで、ヤンバルクイナの交通事故の多発地域(重点区間)において実施しています。


 今回は、10月17日に実施した清掃活動の様子をお伝えしたいと思います。この日も20名の協力の下、2時間みっちり清掃し、約1kmの範囲を清掃しました。台風後であったため側溝内には枝や枯葉などが堆積しており、それらの除去を中心に清掃しました。



写真上:草刈りと側溝内の堆積物除去作業
写真下:作業で出た草や堆積物をトラックへ積む作業





最近だいぶ涼しくなってきましたが、2時間作業をすると汗がびっちょり!






当日参加し、いっぱい作業を手伝ってくれたN君(重い堆積物を片手で持って、得意気です。)





 作業後、道路周辺は綺麗になり、職員が帰る頃ヤンバルクイナが一鳴き。「キョキョキョキョキョー」何かを伝えているような鳴き方でした。


 ストップ!ロードキル運動では清掃活動だけでなく、ゴールデンウィーク前に普及啓発用のチラシ配りや、夏休みの*安全運転宣言キャンペーンなどを実施し、野生生物の交通事故対策に努めています。







 やんばるにはヤンバルクイナだけでなく、ここだけにしかいない希少な生き物が多く生息しています。とくに夜間活動する、ケナガネズミも今年13件の事故を確認し、これから活動が活発になる冬から春にかけ、さらなる注意が必要です。夜間は昼間より視界が悪くなるため、運転する際は気をつけて走行して下さい。









やんばる路はよんな~よんな~(ゆっくり)安全運転で走って下さいね。



 それでは、やんばるから比嘉でした。









*安全運転宣言キャンペーン
 ストップ!ロードキル運動の一つとして、毎年交通量が増える夏休み時期にドライブで訪れる方に向けて普及啓発するため、キャンペーンを実施しています。内容としては、やんばる野生生物保護センターの連絡先の登録と安全運転宣言をすると、当センターあるいは国頭村の楚洲共同売店にてオリジナルマグネットがもらえる、というキャンペーンになっています。9月いっぱいまでの予定でしたが、ヤンバルクイナとケナガネズミ共に事故が確認されており期間を延長し、12月まで実施予定ですので、まだ手に入れていない方は早めにお越し下さい。(ケナガネズミのマグネットは残りわずかとなっていますので、無くなり次第終了とさせていただきます。)