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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

屋久島山岳部の問題⑤「山岳部のゴミ問題」

2010年06月25日
屋久島
近年、屋久島の山岳部には10万人を越える人が入山しています「H21 登山者数データ」。街中にある遊園地やテーマパークとは異なり、山の中に10万人を超す登山者が入山すると様々な問題が生じます。屋久島山岳部の問題①~④を参考にしてください。今回は数ある問題の中でも、登山者のマナー意識を変えるだけで解決する問題です。
屋久島には、高塚小屋、新高塚小屋、鹿之沢小屋、石塚小屋、淀川小屋、白谷小屋の計6つの避難小屋があります。避難小屋は管理人のいない山小屋のため、宿泊者のマナー・心がけできれいに保たれています。屋久島にある避難小屋のなかでも新高塚小屋は、縄文杉と宮之浦岳をの両方を通る荒川登山口と淀川登山口間の縦走ルートの途中にあるため、もっとも多くの縦走者が宿泊する避難小屋です。先日巡視を行った際に新高塚小屋の様子を確認したところ、小屋の周囲で食べ物の容器や空き缶が、小屋の中で登山靴を乾かせるために使用した丸めた新聞紙などが多数見つかりました。





少なくとも自分で出したゴミは必ず里まで持ち帰るようにしてください。そして、次の利用者が嫌な思いをしないように、少しでもきれいに避難小屋を利用しましょう。
また、避難小屋以外にも登山道沿いで目を疑うようなものが放置されていることがあります。


上の写真は、今年の4月に宮之浦岳歩道を巡視しているときに見つけた放置テントです。中を確認したところ、数日前の雨で濡れていることが確認できたため、放置テントと判断しました。自分の体力が限界に近くなったために放置したのでしょうか。
屋久島の幻想的な雰囲気を味わう時にゴミが視界に入ったら誰でも興ざめすると思います。自分が、そして次に登る人がそうならないためにも、山に残すのは思い出と足跡だけにしてください。