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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

森林と緑の大切さを学ぶ「森林(もり)のつどい」

2016年09月28日
五島 竹下洋子

 こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。9月17日(土曜)、五島椿園で開催された「森林(もり)のつどい」にスタッフとして参加しました。この日は朝から大きな雨雲が鬼岳上空にあり、時折強い風が吹く中でのスタートです。開会式の後、五島市各地区の緑の少年団やこども園の代表者による五島市の花木でもある椿の記念植樹を行いました。ショベルやスコップで苗木の根元に土を寄せ、大きく育つよう願いを込めたっぷりの水をあげました。

  

左:鬼岳中腹の五島椿園で行われた開会式

右:シャベルで椿の苗木に土を寄せる参加者

  

 この後、参加者約60名が6グループに分かれて森林クイズラリーと森林学習講座を行いました。まだ風は強いものの空を見上げると少し晴れ間も見え、スタッフの表情も少し和らいでいました。森林クイズラリーは、子供には難しい問題もあるため、保護者も一緒に挑戦です。問題用紙は木にぶら下がっていたり木陰に隠れていたりと、どこに隠れているのか探すだけでも探検気分になれます。

 森林学習講座では、日本の森林は日本全体の62%の広さがありますが、五島市の森林率は60%、そのうちヒノキはスギの3倍以上あると学びました。人が植樹した森林を何もしないで放っておくと元気に生育ができないなど、身近にある自然とどう触れ合えばよいか、気付くきっかけになれたのではないでしょうか。

  

保護者に相談しながら問題を解く子供たち

  

 次は、椿の実から採れる椿油絞り体験です。炒った椿の実を臼と杵を使って細かく粉砕したものを沸騰したお湯に入れ、浮き上がった油分を熱で水と油に分離させ完成させます。日頃使うことのない臼と杵による作業は子供たちにとっては大変でしたが、細かく粉砕しようと頑張りました。

  

 

左:重い杵で少しずつ丁寧に椿の実を粉砕

右:お湯の上に油分が浮き上がる工程を真剣に見入る参加者

  

 椿油が完成する合間、子どもたちは、森林組合の方などが事前に用意した自然の素材を使って工作を行いました。木材の土台にそれぞれの感性で椿の枝や実、貝殻等を手に取り、世界に一つだけのオリジナル作品を目指して、大人も子供も作業に夢中になっていました。

  

左:初めて使う電気ペンを片手に奮闘

右:フォトフレームに貝殻や木の枝など貼り付け

  

 お昼は五島牛を使った肉うどんとおにぎりが用意され、心もお腹も満たされました。食事を終えた子供たちは、段ボールを持って、芝生の斜面を草スキーの要領で何度も滑っては駆け上っていました。雨が降る前に片付けまで終えたのも、子供たちの晴れてほしいと願う気持ちが雨雲が来る時間を遅らせたのかもしれません。

  

 冬から春にかけて咲く椿。今は開花時期ではない為、どの木かわからない子供もいました。今回は天候の都合で椿の実の収穫体験ができませんでしたが、実際に植わっている木々とふれあう時間があったらいいなと感じました。毎年恒例となった「森林(もり)のつどい」、来年は皆さんも参加してみませんか?

  

参加者全員で記念撮影