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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

五島の夏休み企画パートⅠ:鐙瀬溶岩海岸の生きものさがし

2017年08月10日
五島 竹下洋子

 こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。7月23日(日曜)は早朝からクリーン五島に参加し、約60名のボランティアの方々とともに鐙瀬溶岩海岸の漂着ゴミを回収しました。波が押し寄せる入江の岩場近くにはペットボトルや漁具などの漂流物が溜まっていました。

 今回のふれあい事業は干潮の時間帯に実施するため、同日昼頃からの開催です。初めて参加する人が大半を占め、島外から転勤で五島市に来たばかりという家族連れもいました。鐙瀬ビジターセンターで溶岩海岸の成り立ちや注意事項を説明し、綺麗になったタイドプール(潮だまり)へいざ出発です。

左)溶岩海岸の漂着ゴミ回収

右)ビジターセンターから網を片手に出発

 まず初めに、スタッフからタイドプールにいる生きものの見つけ方のコツを教わります。いきなり海水の中に入ってしまうと生きものが驚いて逃げてしまう可能性があるため、まずはじっと観察します。暫くすると、目が慣れてきて魚が泳いでいたり、カニが動いていたりするのが見えてきます。次第にコツを掴んだのかエビやカニ、大きなニセクロナマコなどを網ですくえるようになりました。

左)生きものの動きをじっと観察

右) 大ものゲット!   

 初めて見る生きものは子供たちにとって少し怖いようでスタッフが手に持って見せても近づこうとしませんが、誰か1人が触ると次々と集まってきました。今日の一番人気は、ニセクロナマコのです。触ると「気持ち悪い」と言いつつも、次の瞬間「ぷにぷにしている!」「なんか白いものを出した!」といってはしゃいでいました。

左)ウニの感触を確かめる

右) 大人も生きものさがしに夢中

 採集した生きものを水槽に入れ、ビジターセンター内でスタッフから名前や特徴を説明しました。子供たちは水槽に入れた生きものを見ながらスケッチしたり、直接触ったりしていました。

左)スタッフから見つけた生きものたちの説明

右) 水槽の生きものをスケッチ

溶岩海岸で記念撮影

 初めは、生きものたちに近づけなかった参加者も、手で触ることで感触の違いが確認でき、どこに暮らしているか、貝の中に隠れていたやどかりも動いた瞬間に気づけるようになっていました。また、これまで海の生きものとふれあうことのなかったという家族連れも、子供と一緒にタイドプールに入り楽しい体験ができたと喜んでいました。

 タイドプールを日々観察しているスタッフの話によると、その日の天候や気温、潮の満ち引きにより生息している生きものがその都度変わるようで、アメフラシが連結して動いている様子を観察できた日もあったそうです!鐙瀬溶岩海岸のように自然豊かな環境では、いろんな生きものと出会える機会もたくさんあるようです。

 次はどんな生きものに出会えるのでしょうか? 皆さんも溶岩海岸の生きものたちを探しにきませんか!