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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

五島探鳥会 福江島に飛来した冬鳥に会いに行こう!

2018年02月06日
五島 竹下洋子

 こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。1月21日(日曜)、福江島の繁敷(しげじき)ダムと福江ダムで開催した五島探鳥会「かわいい野鳥に会いに行こう」にスタッフとして参加しました。五島では、300種以上の野鳥が確認されていますが、そのうち年間を通じて島に生息している留鳥は30種類弱で、多くは季節的に見られる渡り鳥です。渡り方の違いで分類される冬鳥は、秋になると日本に飛来して冬を過ごし、春になると子育てのために中国やロシア方面に渡っていきます。五島探鳥会は、冬鳥が見られる時期にふれあい事業として毎年開催しているイベントです。

 集合場所の福江みなと公園から貸切バスでいざ出発です。バスの中で参加者に冊子を配って観察マナーや野鳥の種類などを説明し、車窓から見る景色と鳥を観察しながら最初の観察ポイントである繁敷ダムに向かいます。

 繁敷ダムでは、マガモ、ヨシガモ、コガモ、オシドリなど7種類の野鳥を確認することができましたが、人が近づくとさぁーっと遠ざかっていくためなかなかじっくり観察することができません。バスでダムの反対側へ移動し、長崎県の県民鳥でもあるオシドリが木陰に隠れている様子を望遠鏡で確認できましたが、残念ながらかなり遠くにいたため写真に収めることはできませんでした。

左:繁敷ダムで観察する参加者

右:人に気づいて一斉に移動する野鳥たち

 移動先の福江ダムは、周りに家屋が立ち並ぶ市内中心部に近い場所にありますが、ダムが小さいことから、比較的至近距離で鳥の生態観察ができます。当日は寒気の合間の穏やかな昼前の時間帯で、カワウ、カワセミ、珍しいアメリカコガモなど多くの鳥を確認することができました。福江ダムで参加者を一番喜ばせたのがカワセミの捕食シーンです。冬空に鮮やかなコバルトブルーの体と長いくちばしが特徴のカワセミが木の枝にとまり水中の獲物を探していました。次の瞬間、水中に飛び込み一瞬で長いくちばしを使って捕え、またもとの枝にもどり食事する一瞬の早業を参加者と一緒に見物することができました。

左:オレンジ色の浮に立つカワウ3羽(右端は生まれて約1年の幼鳥)

右:木の枝にとまり、じっと水面を眺め獲物を探すカワセミ(写真中央)

繁敷ダムでの記念撮影

 今回の参加者へのアンケートでは、「今まで気づかなかった野鳥の見方を教えてもらい楽しみが増えた」「たくさんのカモ類や珍しい鳥を見ることができて良かった」などの感想をいただきました。

 望遠鏡で野鳥の姿を確認した瞬間、その美しさや動作に感動して寒さも忘れて見入ってしまうかもしれません。みなさんも野鳥たちがダムや港でどんな暮らしをしているのか、自分の住んでいる町に飛来した冬鳥に会いに出かけませんか!