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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう

179件の記事があります。

2013年10月15日おめでとう姫島!日本ジオパーク認定!【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

9月24日(火)、瀬戸内海国立公園に指定されている姫島村と、豊後大野市が大分県で初めて日本ジオパークに登録されました!

「ジオパーク(GEOPARK)」とは、地球活動の遺産を主な見所とする「大地の公園」。
貴重な地形や地質を保全しながら、素材として観光や教育活動等に活用し、地域を活性化していく取り組みとして、いま注目されています。
今回の登録を含め、現在、日本国内に32か所のジオパークが認定されていて、そのうち6か所が世界ジオパークです。
九州では、他に阿蘇・雲仙(世界ジオパーク)・天草・霧島があり、いずれも国立公園がある場所なんですよ。
国立公園とジオパークは、まさに血のかよった兄弟のようです。

ところで、今回認定を受けた姫島は、瀬戸内海国立公園に含まれ、大分県の国東半島の北東6kmに浮かぶ島です。


姫島は、約30万年前に起きた火山活動で形成され、7つもの火口跡が残っています。
研究者もまだまだ分からないことが多い、地質学的にも謎とポテンシャルを秘めた場所です。
以前、公園パトロールに行った際にも、その貴重な地質遺産を確認することができました。
今回は、その一部をご紹介します。
(くじゅう自然保護官事務所は、大分県内の瀬戸内海国立公園も管轄しています)



左上:
丸石鼻のアケボノゾウ(約250〜100万年前に生息していたといわれる)の足跡化石。
近くには、樹木の化石もたくさん発見しました!!

右上:
火山=温泉のイメージがありますが、姫島にももちろんあります!
その名も「拍子水温泉」。
濃度の濃い炭酸泉で、飲用も可。
(>_<)←こんな味がします。

下:
風光明媚な景勝地・観音崎。弧を描いている中心部が火口跡です(観音崎火口)。
ここは黒曜石の産地でもあり、全国的に珍しい乳白色タイプ。
国の天然記念物に指定されていて、120mに渡って黒曜石の断崖が続きます。

また、姫島には、「海はひろい~な、大きいな~♪」と、展望を楽しめる山もありますよ。



その名も矢筈岳(やはずだけ)。標高266m。
粘り気の強いマグマが、そのまま冷え固まって鐘状の溶岩ドームとなった山です。
登山道は、段々畑の石垣跡など昔の遺構を横目に進みます。
亜熱帯の森を探検しているようで、ワクワク心たっぷりです!
登山口から約30分で山頂に到着。
そこから、国東半島を望むパノラマが広がりますよ!!

他にも、姫島にはさまざまな地形・地質を楽しめるスポット「ジオサイト」があります。
見どころだけじゃなく、車えびをはじめとする海鮮グルメも味(み)どころなので、ぜひ一度足を運んでみてください。

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2013年09月05日タデ原湿原木道 一部閉鎖のお知らせ【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

9月になってから朝晩グッと冷え込みが強くなってきました。
この前まで「暑い暑いっ」と言っていたのが嘘のようで、タデ原湿原も秋の花々が咲き始めました。

さて、タデ原湿原では木道を新たに取替える工事のため、12月中旬まで一部区間を閉鎖しています。


▲閉鎖区間についてはこちら(画像クリックで拡大)

選べる3つの散策コースについては、Aコースのみ通常通り利用できます。
B及びCコースについては、閉鎖区間が通行できませんので、ご注意ください。
お色直しの期間中、ご利用のみなさまにはご迷惑をおかけしますが、ご了承のほどよろしくお願いします。

ところで、今日は、長雨が続いた後、久々に晴れ間がのぞきました。
秋の七草のススキ(イネ科)に穂がつきはじめ、ヤマハギ(マメ科)も生き生きとピンクの花を咲かせています。



秋が日に日に深まっていくのを肌で感じる、くじゅうです。



一足先に、標高1,000mの高原で秋を感じてみませんか?
半袖は寒いですので、上着を一枚お忘れなく。

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2013年08月28日子どもパークレンジャー in 久住高原・沢水②【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

今年の子どもパークレンジャー。
午前の草原の生きもの探しの後は、森の中を流れる小川の生きもの調べです。
くじゅう連山は、大分県の大河川である「大野川」の源流部に当たり、沢水(そうみ)地域もその一つです。
森の中の小川は源流部の湧水が集まってできていて、水温が低く、とてもひんやり。水の中に足を浸けると、鳥肌が立つほどの冷たさです。
そんな環境に生きものがいるのでしょうか?



まずはフィールドへ行く前に、水生生物の専門家・斉藤先生のお話。
水生生物が好む生息環境についての話に続き、冷たくてきれいな水にいるという1cm程度の扁形動物「プラナリア」の驚きの生態に興味津々の子どもたち。
作為的に数か所切り込みを入れると、その数だけ分裂してなんと増殖するそうです。おそろしや~

お話の後、水辺の生きもの探しのコツを聞いて、いざ現場へ。



冷たい水をもろともせず、上流の方へ歩く子どもたち。
網でゴソゴソしたり、石をめくったりして注意深く観察すると、様々な小さな生きものたちを発見しました。

採集後は、斉藤先生と一緒にみんなで確認作業。
当日は、ヨコエビやサワガニ、アメンボ、カワゲラ、トビケラ、ヘビトンボの幼虫、そしてプラナリアの計7種類を確認しました。

水辺の生きものは、水がキレイか汚れているかの環境によって種類が変わることや、巣を持つトビケラの生態、虫を食べる長野県信州地方の食文化についてなど、水生生物にまつわる話を聞いて学んだ子どもたち。
自分の地域の水辺にどんなものがいて、水質がどうなのか考えるよい機会になったのではないかと思います。


さて、沢水地域は、生態系の変化を長期的な調査で捉える環境省の「モニタリングサイト1000」のコアサイトに指定されており、毎月、植物や鳥類、哺乳類などの動植物や水の調査が行われています。



水辺の生きもの調べの後、毎月調査に携わっている調査員の小田さんから、沢水の自然が豊かであり、生きものがたくさんいることを教えてもらいました。そして、地球の気温が高くなっていることが、自然や生きものにどのような影響を与えているか調べるために調査を行っていることについて説明を受けました。

今回の子どもパークレンジャーでは、草原と源流部の水辺の生きものに焦点を当てて調べましたが、その活動の意味について子どもたちへのメッセージとなればいいなと思いました。

この中から、将来、故郷の自然を守る人材が育つことを期待しています!


※調査後、捕まえた生きものは放しました。
国立公園では、動植物の採集は禁じられています。
今回は、自然体験学習として実施したものです。

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2013年08月28日子どもパークレンジャー in 久住高原・沢水①【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

くじゅうはここ数日で一気に涼しくなり、今日はすがすがしい爽やかな風が吹いています。
ツクツクボウシも鳴き始め、日に日に秋の訪れを感じるようになりました。

そんな夏休みも終盤の8月20日(火)、子どもたちが環境省のレンジャー(自然保護官)の仕事を体験する「子どもパークレンジャー」を実施しました。
舞台は、草原や森が広がり、湧水が流れる自然いっぱいの久住高原・沢水(そうみ)キャンプ場周辺です。

今回は小学生10人が参加し、国立公園内でもある沢水地域にどんな生きものがいるかの調査を行いました。
現場がどのような環境で、そこにどんな生きものがいるかを知るのは、国立公園の自然を守るレンジャーにとって大切な仕事です。

午前中はさっそく野焼きによって維持されている草原の生きもの調べをしました。



次々に網を持って、草原に駆け出す子どもたち。
すると、次々にトンボやバッタを捕まえた!という歓声が。
中には木陰で休んでいたカナヘビをゲットした子どももいました。



みんなで捕まえた生きものを同定中。
体の色や形などの特徴を目でしっかり確認して、名前を調べます。

わずか30分程度の時間でしたが、
・トノサマバッタ
・クサキリ
・エンマコオロギ などのバッタ類

・アキアカネ
・ミヤマアカネ
・シオカラトンボ などのトンボ類

・ニホンカナヘビ などのは虫類
そして、
・オオヤマカワゲラ
・スジグロチャバネセセリ などのチョウ類

計12種類の生きものが確認できました。

わずかな時間でしたが、子どもたちが夢中に生きものを追う姿や捕まえた虫をそっと手に取り喜ぶ姿を見ることができました。
直接生きものとふれあう体験は、子どもたちの目をキラキラさせるほど魅力的なものですね。



昆虫採集前、元気いっぱいの「子どもパークレンジャー」たち。
午後は、森の中の湧水の集まった小川にいる水辺の生きもの調べに取り組みます!!

 次回につづく⇒⇒⇒


※調査後、捕まえた生きものは放しました。
国立公園では、動植物の採集は禁じられています。
今回は、自然体験学習として実施したものです。

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2013年08月14日国立公園をみんなでキレイに~自然公園クリーンデー~【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

8月6日(火)、くじゅう地域の九重町・飯田高原で、美化清掃活動が行われました。
「自然公園クリーンデー」は、国立公園などの自然公園の美化思想をより広く普及させることを目的として、毎年、8月の第1日曜日を中心に行われています。
全国の自然公園で利用者の集中する地区を中心に、ゴミ持ち帰りを呼びかけるとともに関係機関の協力を得て、大規模な美化清掃活動を展開しています。


▲開会式の様子
くじゅうでも、大分県や九重町、林野庁をはじめとする行政機関の他に、民間企業、市民団体、婦人会、観光協会など21団体、総勢196名が参加し、飯田高原一帯でゴミ拾いなどを行いました。



(上)婦人会の皆さんは、牧ノ戸峠駐車場で利用者にマナーアップを呼びかけながらゴミ袋を配布。
(下)九重町建設協会の皆さんは、長者原~飯田中学校まで約5kmかけて清掃にご協力いただきました。(写真提供:九重町)

その結果…



年によって差は出るものの、今年も約180kgという膨大な量のゴミが集まりました。
(ちなみに、平成24年度は約110kg、平成23年度はなんと400kgでした。)

ゴミのポイ捨ては、かつてより持ち帰り運動をすすめてきたこともあって、減少傾向です。
くじゅう連山の登山道でも、ゴミが目立つことはそれほどありません。
しかし、1年間でこれほどのゴミが捨てられていることは、とても残念です。

捨てられたゴミを拾うのは結局、地元に住む方々です。
そして、この豊かな自然に誇りを持っているのも地元の方々です。
自然の恩恵を受けに来た人たちが、ポイ捨てのような行為をするのは、地元の方々に迷惑をかけることになり、落胆させてします。

マナーを守り、利用者の皆さんと気持ちのよい公園にしていきたいですね!

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2013年07月31日祝☆長者原ビジターセンター入館者80万人達成!! 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

夏休みに入り、保護官事務所のある長者原周辺では子どもたちの姿が目立ち始めました。
くじゅうに来て3回目の夏は、今までで一番暑いっ!!
35℃はさすがに記録しませんが、避暑地のくじゅうといえど30℃近くまで気温が上がる日もあり、事務所内でヒーヒー言っています。
たまに頭痛と吐き気に襲われるので、軽い熱中症にかかっているようです。
注意が必要です(汗)
登山される方は、こまめな水分と塩分補給をお忘れなく!
特に、水分は2リットル持ち歩くのをおすすめします。


ところで、くじゅう地域の自然情報の発信源であり、自然とのふれあいの拠点でもある「長者原ビジターセンター」の累計入館者が、7月26日(金)、ついに80万人を突破しました。
見事に80万人目に選ばれたのは、福岡県久留米市からご来館いただいた、村川麗樹さん(7歳)!
当日はあいにくの雨で予定していた登山を中止して、保育園時代の友達とその家族、先生の14名でビジターセンターを訪れたとのこと。
村川さんらグループのみなさんと一緒に80万人達成をお祝いしました。


▲センターを管理運営している「くじゅう地区管理運営協議会」会長の坂本九重町長と一緒にクス玉割り(写真提供:九重町)

村川さんのグループには、記念品として、九重町や竹田市久住町の特産品や宿泊券、図鑑や地図などが贈られました。
また、クス玉は地域の方の手作り、花束はくじゅうの温泉熱を利用して栽培したバラ、そして九重町のゆるキャラ「ミヤちゃん」も登場し、地域色あふれるアットホームな受賞式となりました。


▲職員やビジターセンターを支える地域の方々と一緒にパチリ!(写真提供:長者原ビジターセンター)

受賞式では、村川さんをはじめ、子どもたちの笑顔がいっぱい!
登山は残念でしたが、思いも寄らない受賞に、夏休みの嬉しい思い出になったのではないでしょうか。おめでとうございました!!


さて、長者原ビジターセンターでは、子どもから年配の方までが楽しめる施設づくりを目指しています。
夏休み期間は、子どもたちの自由研究課題にぴったりのイベントも予定していますよ~。
それは…小学生対象の「タデ原湿原オリジナルポケット図鑑」作りです。


▲(上)このような図鑑を作ります! (下)サワギキョウの蜜を吸うマルハナバチ

夏のタデ原では、咲き乱れる花々やそれに集うチョウやハチなどの昆虫たちを見ることができます。
環境省のレンジャーと一緒に生きものたちの夏をじっくり観察して、自分だけの手書きオリジナルポケット図鑑を作りませんか?
8月10日(土)に開催しますので、参加ご希望の方は、8月5日(月)までにお申し込みください。
涼しいくじゅう長者原でお待ちしています!

申込先:長者原ビジターセンター TEL:0973-79-2154
実施概要は、ビジターセンターホームページをご覧ください。
http://c-kyushu.env.go.jp/nature/tyojyabaru/news/index.html#130718b

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2013年07月04日シカ増加とその影響 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

みなさんシカは好きですか?
シカと言えば、古くから神の使いとも言われ、奈良公園のものが有名ですね。
日本にいるシカは、ニホンジカですが、地域によって体の大きさなどに違いがあり、大きく7つの亜種に分類されています。
九州本土にいるものはキュウシュウジカ、ちょっと離れた屋久島のシカはヤクシカ、本州産はホンシュウジカ、北海道産はエゾシカというようなものです。
このシカがいま全国的に増えており、くじゅう地域もその例外ではありません。
ここで一枚の写真を見てください。



6月初旬に別府市の鶴見岳で撮ったものです。
森の中の様子について、何か違和感を感じませんか?

①森の地面に草がほとんどない
②同じ高さで樹木の葉がなく、先まで見通せる
③樹木の皮がはがれている

これはすべてシカが葉や樹木の皮を食べる「食害」によるものです。
シカは一定の範囲で数が増えすぎると、一気にその場所の植物を食べ尽くします。その結果、表土が露出、雨で土が流されて土石流の発生を誘引し、山が壊れていきます。
森が先まで見通せるのは、シカが頭を伸ばせる高さで樹木の葉を食い尽くしたからです。
森は結果的にシカの嫌いな植物だけが残ってしまい、生きものの多様性が失われます。



その例が、写真のマツカゼソウ(ミカン科)です。
匂いが強いせいかシカは苦手とし、辺りに群落が確認できました。
ただ、嫌いな植物だけが残ってしまうと、ついにシカはそれをも食べ始めるそうです。この適応力の高さには驚きです。

鶴見岳では5年ほど前からシカがよく目撃されるようになりました。
そして、わずか数年で自然環境は変質しました。
昨年の夏の豪雨では、鶴見岳は土石流に見舞われました。
下草がなくなり、森の保水力が低くなると、災害も発生しやすくなります。
シカによる食害は、自然だけではなく、私たちの生活にも影響を及ぼしかねないものです。

ところで、くじゅう連山でも近年シカが増えているという話をよく耳にします。


先日、長者原~坊ガツルルートの途中にある雨ヶ池周辺で、シカの食害を発見しました。ノリウツギ(ユキノシタ科)という低木の葉が食べられており、近くにはフンもありました。

シカが増えた理由は、ハンターの減少や植林による餌場の拡大など、諸説あります。くじゅうでは現在、食害は鶴見岳ほどひどくないですが、短期間で進むことから大きな脅威です。
くじゅう地域のシカ対策については、今年度から関係機関と連携して進めていく予定です。登山道の巡視などでも注意深く情報収集する必要があります。

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2013年06月07日山では絶対所持!レインウエア 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

例年より早く梅雨入りしましたが、このところ天気が安定していますね。
熱中症に注意ともニュースで言われているので、山へ行かれる時は、水分は余裕をもって持参してください。

しかしながら、先日のくじゅう山開きは、気温10度以下、時折吹く風と降り続ける雨で体感温度5℃以下という秋~冬並みの寒さでした。

雨とガスで大多数の方がレインウエアを着用していましたが、中にはずぶ濡れになって下山している登山者の方(写真中央)がいました。



見るからに寒さにこごえていました。
この装備は大変キケンです。
安易な軽装登山は、絶対にやめてください。

山で体を冷やすことは、夏山であっても命とりになったり、体温の低下や疲労で動けなくなったりと、遭難の可能性も高くなります。
汗をかくほど暑くても、休憩中に無防備に風に当たり続けると、濡れた体は一気に冷えてしまいます。
ただ、こんな時もレインウエアを一枚はおれば、風よけにもなるので、晴れていても活躍しますよ。

たとえ、天気予報が晴れであっても、山の天気に絶対はありません。
必ずレインウエアはザックに詰めることをお忘れなく。
汗を大量にかくのも想定して、着替えもあるとなおベターです。

装備については、長者原ビジターセンターでも展示案内しています。
「よく分からないな…。」「不安だな…。」という方は、ぜひお問い合わせください。

*長者原ビジターセンター
TEL0973-79-2154
http://c-kyushu.env.go.jp/nature/tyojyabaru/

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2013年06月05日雨のくじゅう山開き 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

6月2日(日)、くじゅう山開きが行われました。
今年の神事は久住山山頂でとり行われ、あいにくの雨の中でしたが、数百人の登山者の方と61回目の山開きを祝いました。



みんなで万歳三唱!!

色とりどりのレインウエアを着て登山道を行き交う登山者の方とお話しすると、宮崎や遠くは大阪から来たという方もいらっしゃいました。
大阪の方は、なんと今回でくじゅう登山12回目とのこと。
春夏秋冬それぞれ違った魅力を発し、どんな人も受け入れてくれるくじゅうは本当に愛されてますね。
みんなのくじゅうではありますが、勝手にうれしく思ってしまいました。

登山道をパトロールしながら下山していると、雨の日ならではの光景がありました。



目の前にあるふたつの道。中央の登山道と右の脇道を歩く人がいます。
なぜ、脇道をあるくのでしょうか?
それは、中央にある本来の登山道が雨でぬかるんでいるからです。
そこを避けようと、脇道に自然と入ってしまう傾向が雨の日にはよく見られます。
ササ原にできた一本の細い道も、一人歩き、二人歩けば次第に広くなって、登山道との間にあるササの壁は崩れ、登山道はさらに広くなっていきます。
するとまだササが残っている場所に新たな踏み跡ができ…の繰り返しで登山道はどんどん拡幅されていきます。
そして、植物もなくなってしまいます。

写真の脇道は快適に歩けるので、自然とその道を選んでしまうのかもしれません。
でも、ここはアスファルトではなく、山の天然の道。
繊細で弱いものを踏みながら歩いているという意識を持ち、それが自然にどのように影響するか考えることも山登りする時には必要だと思います。

一方で、「ロープを張って侵入させなければいい」という考え方もあります。
しかし、ずっとロープ柵で囲まれた中を歩きたいかと言われれば、それは多数の方がNOと感じるのでないでしょうか。
ロープ柵のない登山道になれば、それはくじゅうにとっても、登山者にとっても素晴らしいことです。

くじゅうを楽しむ利用者の方のマナーが向上するように、「なぜ?ダメなのか?」を理解できる啓発が大切だと実感した山開きでした。



くじゅうのミヤマキリシマもピークを迎えていますよ!
(写真は、牧ノ戸峠~久住山登山道沿い)

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2013年05月10日チューモク!!長者原ビジターセンター②【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

今春から始まった長者原ビジターセンターの新イベント、「サロン・de・くじゅう」の第1回が、4月28日(日)に開催されました。
これは、毎月1回くじゅうで活動する様々なジャンルのゲストをお呼びして、くじゅうの魅力などについて語ってもらう公開講演です。



その記念すべき第1回目は、わたくし指原が「レンジャーから見たくじゅうの魅力」と題して、若輩ながらお話しさせていただきました。



内容は、国立公園のこと、レンジャーの仕事、くじゅうの火山活動や草原景観と生物多様性について、ミヤマキリシマや紅葉、山野の花々、岩や池の面白さ、そして保護活動の歴史や現在進行中のミヤマキリシマの保護など、伝えたいことを目一杯話しました(汗)

聴衆の方々のハートに伝わったかどうか心配でしたが、最後の質問コーナーでは、「子どもたちにもっとくじゅうの自然のことを教える機会が必要。頑張って!」と応援もいただき、元気をもらいました。

アクティブ・レンジャーになってまだ2年という短い時間。
仕事を通じて感じた私なりのくじゅうの魅力や、自然を保護していく上での課題などがお話しでき、とても貴重な経験となりました。
利用者の方々や地元住民の方など、多くの方のご参加をいただき、ありがとうございました。


サロンdeくじゅうは、平成26年3月まで毎月1回開催の予定です。
5月は、26日(日)13:30から、九重ふるさと自然学校のリーダー川野智美さんが「タデ原湿原の外来植物とその対策方法」について語ってくださいます。
9月までの予定は下記をご覧ください。



「サロン・de・くじゅう」
日時:基本的に毎月第4日曜日 13:30~15:30
場所:長者原ビジターセンター1階オープンスペース
基本的に事前申込み不要・参加費無料。
※日時や場所については、主催者の都合で、変更することがありますので、あらかじめご了承下さい。

<お問い合わせ>
長者原ビジターセンター TEL:0973-79-2154

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