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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう

179件の記事があります。

2014年11月12日玖珠農業高校卒業記念作業(九州自然歩道)【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆様こんにちは。
くじゅうでは紅葉もほぼ終わり、いよいよ冬の訪れ一歩手前と言ったところです。

さて先日11月7日に、大分県立玖珠農業高等学校3年生の卒業記念作業として、生徒45名とともに登山道の整備を行いました。くじゅうの登山道は登山者が多いこともあり、年々荒廃が進んでいます。登山者に国立公園内の自然を楽しんでいただけるように、様々な方々のご協力により、登山道の整備を行っています。
今回は玖珠農業高校3年生を主体に、環境省、くじゅう地区管理運営協議会、九重の自然を守る会、九重ふるさと自然学校、国有林のグリ-ンサポートスタッフのサポートのもと、長者原から雨ヶ池に向かう九州自然歩道の一部を整備いたしました。5班に分かれ、周囲の自然を傷つけたりケガをしないよう、大人達の指導のもとで、土嚢による段差の底上げや、土留めによる浸食の防止、劣化したロープの張り替え等を行いました。AR田中率いる班では作業箇所が多かったため、午前はまず土嚢の運搬をメインに作業を行いました。


石と土を配合した土嚢―これがまた重いんです…生徒いわく体感は20キロの米俵よりも重かったそうです。もちろん田中も運搬に混じり、皆で休憩を混じえながら仕事のことを話したり進路について話したり、時には夢を語り合い、時には恋の話に華を咲かせたりと、なんだかこの日は高校生に戻れた気がしました。
昼食を取った後は土嚢の敷き詰めや土留めの作成を行いました。


みんなとてもよく働いてくれました。本当に楽しく、良い作業ができたと思います。
実は、玖珠農業高校は来年度から大分県立森高等学校と統合し、大分県立玖珠美山高等学校という新たな高校として生まれ変わるそうです。玖珠農業高校として一緒に作業するのはこれが最後となってしまいますが、高校が新しくなっても、このような形で地元の若い世代と一緒にくじゅうを守り続けていけたら幸いと思います。
玖珠農業高校の皆様、本当にお疲れ様でした!


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2014年10月20日祝!阿蘇くじゅう国立公園指定80周年記念式典&記念登山会開催

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

こんにちは。台風が過ぎ、くじゅうは穏やかな秋の日差しが山を赤く照らします。しかし台風のせいで今年の紅葉は例年と比べて質がだいぶ落ちているそうです。残念です。

さて、くじゅう地域では10月4日に、阿蘇くじゅう国立公園指定80周年記念式典が無事晴天の下行われました。
10時から行われた式典は、式典主催者である阿蘇くじゅう国立公園指定80周年記念事業実行委員会より挨拶を、来賓祝辞では、吉川元衆議院議員、足立信也参議院議員、大分県議会濱田洋議員よりご祝辞をいただきました。
挨拶・来賓紹介に続く形で行われた80周年記念表彰では、くじゅう地域内の自然環境保全に尽力された6団体が表彰されました。表彰者は以下の方々です。
・NPO法人 猪の瀬戸湿原保全の会
→猪の瀬戸湿原の景観や生態系を再生させるとともにその魅力を伝える活動に尽力
・由布岳南山麓景観保全機構
→由布岳南山麓の草原の景観と希少な野生植物を保全する活動に尽力
・九重・飯田高原観光協会
→長者原を中心として九重山と飯田高原の景観を保全する活動に尽力
・NPO法人 久住高原みちくさ案内人倶楽部
→久住高原の草原景観をはじめとしてその自然や文化の魅力を見つめ直す活動に尽力
・有限会社法華院温泉
→くじゅう連山における安全登山の推進と坊ガツル湿原の保全に尽力
・九州電力株式会社 大分支社
→坊ガツル湿原における景観や生態系の保全平治岳の景観保全や登山道管理に尽力
表彰に続く形で行われた自然保護宣言では、くじゅう地域の関係5市町の小学校から代表児童1名ずつが壇上に立ち、未来に向けた自然保護宣言を発表しました。
九重町立飯田小学校から時松彪登くん(6年生)、竹田市立久住小学校から渡邊優斗くん(6年生)、玖珠町立森中央小学校から川﨑悠汰くん(6年生)、由布市立由布院小学校から伊達朝香さん(5年生)、別府市立東山小学校から田中愛梨さん(6年生)―皆さんとても元気よく宣言してくれて、会場では大きな拍手が起きました。
その後、地元九重町のコーラス団体「コールやまなみ」のリードの下、会場全員でくじゅうの山の歌である「坊がつる賛歌」を合唱しました。


式典の後は、安全登山をテーマとした1泊2日の記念登山会を行いました。参加者・ガイドあわせ総勢70人で長者原を出発して雨ヶ池、坊ガツルを越え、鉾立峠から久住高原へと九州自然歩道を歩きました。1日目の夜には、法華院温泉山荘にてくじゅうの歴史をテーマとした座談会が催され、ゲスト講師として法華院温泉山荘―弘藏岳久社長、山渓―伊東志郎社長、第8代国立公園管理員―名執芳博氏、九重の自然を守る会―船津武士、高橋裕次郎両副会長よりお話しをいただきました。あそBE隊によるギター演奏など、思い出に残る楽しいひとときを過ごしました。参加者の中には法華院に泊まることが夢だった方や、50周年の時もくじゅうに足を運んでくれた方など、くじゅうに思い入れが多い方が大勢いました。
2日目はあいにくの雨でしたが、無事下山し、閉会式で参加者の皆様から暖かい拍手をいただいたときには達成感で胸がいっぱいになりました。


また式典同日に行われたくじゅうフェスin長者原も大盛況だったようです!ステージイベントではゆるキャラたちが子供たちのハートをがっちりつかんでいたように見えました。テントブースは多くの人の関心を引くような体験コーナーや展示が行われていました。

今回、式典・登山会にご協力いただいた関係者、スタッフ・ガイド、地元の方々ならびに参加者の方々―みんなのくじゅうを思う気持ちが今回の80周年を大成功へと導いたのだと思います。本当にありがとうございました。
次の節目は100周年!今度は企画サイドでなく、いち参加者として見に来たいと思います。

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2014年10月02日阿蘇くじゅう国立公園指定80周年【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆様、お久しぶりです。ススキが揺らめく季節になりました。
突然ですが、
阿蘇くじゅう国立公園は、昭和9年(1934年)の12月4日、阿寒、大雪山、日光及び中部山岳国立公園とともに指定された日本で最も古い国立公園のひとつです。当時は阿蘇国立公園として誕生しましたが、昭和28年に鶴見岳周辺と高崎山まで区間拡張、昭和31年に高崎山付近を瀬戸内海国立公園への編入を経て、昭和61年に現在の名称である『阿蘇くじゅう国立公園』に改称されました。
今年2014年は、阿蘇くじゅう国立公園の指定80周年を迎える記念すべき年になります。バンザイ!
そこで10月4日、くじゅう連山のふもと・長者原にて阿蘇くじゅう国立公園指定80周年記念式典を開催いたします。 阿蘇くじゅう国立公園に携わる県市町村や自治体等が1つになり、国立公園の大切さやありがたみを再認識する機会になってほしいと思います。

また、10時からの式典終了後にあわせて、地元協議会による記念プレイベント『くじゅうフェスin長者原』が開催されます。
このイベントでは、くじゅうの80年の歴史をふり返るとともに、次の100周年へ向けて、さまざまな自然ふれあいイベントを開催いたします。
ステージでは、地元のアコースティックギターデュオの演奏や、次代を担う高校生たちによる活動紹介、豪華景品ありの○×クイズやもちつきなどを実施。体験ブースでは、自然関係団体による木工体験や登山・ノルディックウォーク体験、クラフトづくりなどが楽しめます。また、手づくりのお菓子や軽食、オーガニック商品などの店舗も多数出店予定!九重町のゆるキャラ・ミヤちゃんにも会えるかも・・・!
みんなでくじゅうの自然を盛り上げ、だれでも参加できるイベントとなっております。
詳細は、長者原ビジターセンターホームページをご覧ください。


最後に告知いたします。
くじゅう地域で「アクティブ・レンジャー写真展」を開催します。
阿蘇や屋久島など、九州でアクティブ・レンジャーが配属されている6地域をめぐる巡回展です。屋久島→えびの→雲仙に続き4番目の地域です。
○期間 10月8日(水)~10月22日(月)
○場所 長者原ビジターセンター館内
○時間 9:00~17:30(入場は16:30まで)
詳細はこちら→ http://c-kyushu.env.go.jp/pre_2014/0701a.html

皆様のご来場お待ちしております。

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2014年08月08日子どもパークレンジャー【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

 梅雨明けのはずのくじゅうですが台風の影響で雨風が絶えない日々です。
7月28日~7月29まで、久住(くじゅう)高原の沢水(そうみ)キャンプ場にて、「子どもパークレンジャー」事業として1泊2日のキャンプを実施しました。子どもパークレンジャーとは、小学生を対象に、国立公園の保護や管理、調査などをしている環境省の「レンジャー」の仕事を体験してもらい、自然保護や環境保全の大切さを伝える環境教育活動です。
 今年は、20名の子どもパークレンジャーと一緒に、増水時にしか現れない幻の本山滝までハイキングをしたり、キャンプ場内にある大野川の源流部で生きもの探索をしたりと、2日にわたって様々な活動を通して自然と親しみました。
1日目は幻の滝までハイキング。みんなぜえぜえ言いながら何とか到着しましたが、滝壺付近はとても涼しく、疲れ切った子どもたちの顔に笑みが戻りました。キャンプ場に戻ってからは草原で昆虫採集。野焼きによって保たれている草原の昆虫を夢中になって追いかけていました。(もちろん私も)


 夜は自分たちでご飯を作りますが、今回はそのための「火起こし」から挑戦しました。これがなかなか難しく、子どもたちみんな苦戦しました。レンジャーも苦戦していました。

 2日目は大野川の源流部で生きもの探し。タモ網を持って石の下などをすくってみるとカワゲラ、ヘビトンボの幼虫やサワガニ、プラナリアなど、きれいな水に棲む生きものがたくさん採れました。川の生きものを通じて様々な新しい発見とたくさんの学びを得ることができました。

 沢水キャンプ場は草原と森林と源流に囲まれた所ですので、環境も生きものも多種多様です。
そんな大自然に囲まれて過ごした2日間は子どもたちに多くの知識、経験、そして一夏のかけがえのない思い出を残したことと思います。こういう活動を経て、少しでも自然の大切さやたのしさを感じてもらえたら嬉しいですね。
2日間ありがとうございました。

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2014年06月03日くじゅう山開き

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

こんにちは、くじゅうARの田中です。
6月1日(日)、晴天のもと大船山の山頂には立錐の余地もないほど多くの登山客が集結しました。


この日は皆様、待ちに待ったくじゅうの山開きでした。聞く話によるとくじゅうの山開きはここ何年かは天候に恵まれず、雨か曇りが多かったようです。自分にとっての初めての山開きは文句なしの快晴で良かったです。千人以上もの人々が見守る中、山頂で安全祈願祭を行い、バンザイ三唱で山頂祭を終えました。バンザイをする誰もかれもが満面の笑みをしていて、みんな心の底からくじゅうを愛してるんだなぁとじんわり感動しました。
みんなの気持ちがひとつになった気がしました。
着任して初のくじゅう山開きは自分にとって一生思い出に残る最高の山開きでした!くじゅうバンザイ!

※そしてミヤマキリシマの開花情報です。


(左)6/1 大船山頂上・・咲き始め
(中)6/1 北大船山頂上・・3~4部咲き
(右)6/2 平治岳頂上・・6~7部咲き

今週から来週にかけてがミヤマキリシマのきれいな時期です!お越しの際にはぜひくじゅうのミヤマキリシマを目に焼き付けて行ってください!


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2014年05月29日高崎山

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆さんこんにちは!くじゅうもだんだんと春の陽気から夏の陽気に移り変わっている今日この頃です。
さて今日は阿蘇くじゅう国立公園を離れて隣の瀬戸内海国立公園のお話をします。
皆さまは「高崎山」をご存知でしょうか?また、「高崎山」と聞いて何を思い浮かべますか?

高崎山は、大分県大分市と別府市との境にある標高628mの小さな山で、瀬戸内海国立公園内に位置しています。また、大分県から瀬戸内海を望むことのできる展望地になっています。
そして何と言っても高崎山はニホンザルで有名です。ここには古くから野生のニホンザルがたくさん住んでいました。そのため昭和の初期頃には、近隣での農作物被害が深刻となり、一度ニホンザルの駆除が試みられたそうです。しかしそれを耳にした当時の大分市長が、駆除に代えて餌付けをし、観光資源としての利用を図りました。そのころから「高崎山」といえば「ニホンザル」として全国的にも認知され、現在では「高崎山のサル生息地」が国の天然記念物に指定されるほどになりました。
また高崎山の登山道は、森林浴効果があると科学的に実証された「森林セラピーロード」として、認定れています。現在大分市はセラピーロードを生かした健康づくりや観光振興を進めており、サルだけでなく高崎山全体を観光資源として活用し、多くの人に高崎山を楽しんでほしいという素晴らしい取り組みが成されています。
そんな高崎山で先日5月18日瀬戸内海国立公園を記念して、「第一回高崎山山開き」が行われました!


記念式典の様子です。式典後は皆さん続々と登山口から山へ入り、山頂を目指しました。

もちろんサルも見れましたよ!


ちなみに高崎山は当初、阿蘇国立公園(現在の阿蘇くじゅう国立公園)に含まれていたのですが1956年(昭和31年)には阿蘇国立公園から分離し、瀬戸内海国立公園に編入されました。実は昔、阿蘇くじゅう国立公園の一部だったんですね。
高崎山の登山道は片道約2キロ、急な登りもなく、とても歩きやすい山です。あなたも野生のニホンザルを間近で見ながら、緑に囲まれてゆったり森林浴しながら心も体も満たされてみませんか?

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2014年04月25日皆様初めまして。

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆様はじめまして。4月からくじゅうのアクティブ・レンジャーに着任した田中です。
ここでは阿蘇くじゅう国立公園くじゅう地域の様々な情報を皆様にお伝えしていきたいと思います。また、この日記を見る方の中にはくじゅうを知らない方、普段自然が身近でない方ももちろんいると思うのでそういった方にもわかりやすい内容で更新していきたいと思うので、どうぞよろしくお願いします。

さて、九州のど真ん中に位置する阿蘇くじゅう国立公園。阿蘇もくじゅうも草原の壮大な風景が大きな特徴の一つに挙げられます。活発な火山地形のくじゅう地域にはラムサール条約に登録されている坊ガツル、タデ原の2つの湿原があります。ここでは毎年3月に草原に火を放って枯草を焼く「野焼き」が行われます。

野焼きはその草原の景観維持においてとても重要な役割を果てたしています。野原を放置すると木が生い茂り草原はなくなってしまうとのことです。ですので、これを定期的に焼くことで野原の美しさが保たれます。

先日はその野焼きに参加してきました。今年はあいにくの天候で延期が続き、4月の実施となりました。
数班に分かれ、ベテランの一~二人が野に火を入れ、枯草などに炎が広がります。その火が広がるのを抑えるために、写真のような水の入ったジェットシューターを背負って、外側から十数人で火をコントロールします。




↓タデ原(4月12日)

今は一面真っ黒ですが、このゼロに戻った湿原や草原で日を追うごとに草花が芽吹き、壮大な草原風景へと生まれ変わります。
火を扱うので一歩間違えれば危険な行為ですが、地域の人々の結束によって長年紡がれてきた知識、経験、歴史があってこそ成り立っている素晴らしい伝統だと感じました。

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2014年02月14日白く気高いくじゅうの山々【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

2月13日(木)の午後から降り出した雪は、あれよあれよという間に積雪40cmにもなりました。
降り積もった雪が時折青白く光り、なんともキレイです。
しかしながら、こんなに雪が降ると、さすがに生活に支障が出てきます。通路を確保し、車を出すだけでも一苦労です。
昨年、青森県の八甲田山系の酸ヶ湯(すかゆ)で566cmの積雪が記録されましたが、これに比べればくじゅうの積雪はまだ序の口。
ここはグっと我慢して、自然と相対しながら冬の恵みを感じましょう。

そんな冬のくじゅうの山々を彩るものといえば、「雪」と「霧氷」です。
実は大雪の前日である2月12日(水)は、快晴!
澄み切った青空と、白く雪をかぶった三俣山、硫黄山、星生山にかけてのやまなみが、一段と美しかったです。


▲長者原・泉水橋から撮影。霧氷だけの時よりも、積雪で白色が一段と濃く、少し青みがかって見えます。

このように、冬のくじゅうの山々を登山道から、山頂から、道路からそれぞれ眺めて楽しむのも、今ならではの乙な自然観察ではないでしょうか。
気温、天候とともに、時と共に姿を変えていく冬山のすがた。
その時にしか見られない、格別な冬景色を少しだけご紹介します。



▲写真上:久住山頂付近から双耳峰のように見える、九州本土最高峰1,791mの中岳(右)と天狗ヶ城(左)。山岳信仰として崇められた山だけに、神々しさを感じます。
 写真下:飯田高原・大将軍地区から望む涌蓋山(わいたさん)。通称、玖珠富士と呼ばれる美しいシルエットを俯瞰するように、傘雲が浮かんでいました。


▲写真上:九州自然歩道(雨ケ池~坊ガツル)の展望台から望む坊ガツル湿原と大船山。線を引くように、霧氷が山頂にかけて白く染めています。
 写真下:同じく雨ケ池の木道から、雨ケ池越からひょっこり顔を出した平治岳。霧氷で浮き立つような白さが印象的でした。

こうして冬のくじゅうの山々を見てみると、その美しさたるや、なんとも気高いですね。
芽吹き時の色とりどりの緑、初夏のミヤマキリシマのピンク、斜面を赤や黄色に染める秋の紅葉と、季節に応じて様々な姿を楽しませてくれるくじゅう連山。
ぜひ、みなさんも楽しんで見て下さい。

*TOPICS*
くじゅうの冬山登山については、長者原ビジターセンター発行の「長者原だより2014.冬号」で紹介しています。
冬山初心者の方に向けたアイゼンの使い方やおすすめコースを掲載しているので、参考にしてください。

下記のアドレスから、PDFでご覧いただけます。
http://c-kyushu.env.go.jp/nature/tyojyabaru/news/pdf/140123aa.pdf

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2013年11月30日国東半島峯道ロングトレイル開通【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

くじゅうでは今シーズン2回目の積雪で、保護官事務所の周りもまっ白です。
今年は秋が足早に去り、一気に冬を迎えました。
事務所は室内にも関わらず、平気で氷点下になるので、水道の凍結対策など冬は神経を使います。

ところで先日、くじゅう連山から北東60kmの場所にある国東半島へ巡視に行ってきました。
国東半島は、一部が瀬戸内海国立公園に含まれ、当事務所の管轄でもあります。また、その周囲や海岸部は国東半島県立自然公園に指定されています。
この場所は、奇岩絶鋒の特異な山容を代表する地形をはじめ、山々から望む瀬戸内海の眺望、常緑照葉樹と落葉広葉樹が入り混じった植生などの優れた自然景観を有しています。
その上に、神道と仏教が共有する「神仏習合」の独自の寺院集団と信仰が形成された、自然・文化的にも特徴的な地域です。
また、今年5月には、姫島とともに半島一帯が世界農業遺産にも登録され、さらには今回ご紹介する「国東半島峯道ロングトレイル」が11月30日に一部開通と、まさに今、注目の場所です。



ちなみにロングトレイルとは、登山道や林道、里道などをつなぎ合わせた距離の長い自然歩道のこと。
国東半島峯道ロングトレイル(以下、峯道トレイル)は、「国東半島で古くから行われてきた、六郷満山(天台宗寺院の総称)峯入行のコースをベースとし、それにトレッキングやウォーキングの醍醐味を味わうことのできる登山道や遊歩道を追加するなどの工夫を加え、楽しく、そして心地よく歩けるトレイルとして再構成したもの」です。

今回開通するコースは、国東市と豊後高田市にまたがる全10区間(全長134km)のうち2区間。自然と歴史文化を肌で感じられるポイントをつなぎ、コースを考案したトレイル事務局(正式名称:国東半島峯道トレイルクラブ)もイチオシのコースです。
その中から抜粋したスポットをご紹介します。



▲大不動窟(だいふどうくつ)[国東市]
岩壁に穿たれた岩屋から奇岩絶峰を望む、すぐれた景観が広がります。神秘的で神々しい雰囲気に圧倒されます。



▲中山仙境(なかやませんきょう)[豊後高田市]
修験者の峯入行のコースでもあり、断崖絶壁の峰と峰をつなぐ石橋の「無明橋」など、道は険しくスリリングな尾根歩きが楽しめます。

「ロングトレイルブームが来る!」と世間でも話題になった2012年。
今年もあと1か月余りになり、坦々と時は過ぎていくなぁと感じるところですが、ロングトレイルのよいところは、それぞれのペースで完歩ができること。
ロングトレイルを安全に楽しむには、まずは情報収集をしっかり行うことが肝心です。
国東半島峯道ロングトレイルについては、下記のホームページをご覧ください。
コースMAP、ルール&マナー等について閲覧できます。
http://www.kunisakihantou-trail.com

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2013年11月11日阿蘇くじゅう国立公園80周年記念プレイベント開催 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

週末の雨と風で、赤や黄色に色づいていた木々の葉もだいぶ散ってしまいました。
これで、冬まっしぐらという感じです。
そして、今日はなんと、今シーズン初の霧氷がつきました。去年よりも10日遅かったですね。
夕方17時時点で、気温0℃。寒いです…

さて、今回はイベントのご紹介です。
実は、阿蘇くじゅう国立公園は、来年の2014年12月4日に誕生80周年を迎えます。
その記念プレイベントとして、長者原ビジターセンターの主催行事が11月17日(日)に行われます。
今回は、世界で最初の国立公園であるアメリカのイエローストーン国立公園で、主に野生生物に関する環境教育を実践しているスティーブ・ブラウン氏をお招きして、子ども向けの自然体験プログラムと、一般向けの講演会を午前・午後で行います。

<午前>
「フクロウから見える森の生きもの」【対象:小学4年生~中学生】
内容:生き物のフィールドサイン(足跡やフンなどの痕跡)をスティーブさんと一緒に長者原の森で探した後、フクロウのペレット(消化できずに吐き出したもの)の分解に挑戦!フクロウがどんな生き物を食べていたか観察することで、森の営みを学ぶイベントです。
※小学3年生以下は保護者同伴で参加OK。



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<午後>
「『これからの国立公園の新しいカタチ「自然保護と地域経済とのかかわり」~アメリカ・イエローストーン国立公園の事例から~』【対象:一般】

内容:国立公園の自然保護と地域の経済活動は、果たして両立するのか?アメリカのイエローストーン国立公園において、絶滅したオオカミを再導入し、かつての生態系を取り戻す活動を実践してきたスティーブ氏が、そのテーマに迫ります。阿蘇くじゅう国立公園80周年を目の前にして、未来の当公園のカタチについて考える2時間!



▲詳細は画像をクリック

どちらも日本・くじゅうにいながら、イエローストーン国立公園のことや世界の環境教育プログラムが体験できる、とても貴重な機会です。
まだまだ空きがありますので、麓の紅葉を楽しみつつ、くじゅうで国立公園や自然について考えてみませんか?
申し込み締め切りは、どちらも11月15日(金)です。
ご参加お待ちしています!

【お問合わせ】
長者原ビジターセンター TEL:0973-79-2154
http://c-kyushu.env.go.jp/nature/tyojyabaru/

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