屋久島国立公園
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2018年03月23日大学生にお仕事紹介!【屋久島地域】
屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川
みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。
3月13日、屋久島世界遺産センターのお隣の施設、(公財)屋久島環境文化研修センターで行われた大学生向けのイベントでお話しする機会を頂きました。
このイベントは、環境に関わる職業を知り、全国の仲間とネットワークを作り、未来の自分をデザインすることなどを目的とした全国の環境系学部の大学生の集いです。
実は昨年9月に第一回目があり今回は二回目。
そのイベントに各回とも呼んで頂き、レンジャーとアクティブレンジャーの職業紹介や、私の学生時代のことを中心に話をさせて頂きました。
▲講話の様子。
残念なことに環境省のレンジャーやアクティブレンジャーを知っていた学生はほとんどいませんでした。
その分、話し終えると様々な質問が飛んできました。
仕事内容、やりがい、パークボランティアのこと、採用方法、任期、給料...。
一回目と二回目の参加メンバーは違いましたが、どちらの回も皆さんそれぞれ将来や進路に迷いや不安を抱えながらも真剣に向き合う姿が印象的でした。
私からの話が学生さんにとって参考になったかは分かりませんが、自然環境に携わる職業の一つとしてレンジャーやアクティブレンジャーがあることを知ってもらえたことは良かったと思います。
お話しする機会をくださった研修センターの皆さん、聞いてくれた学生の皆さん、どうもありがとうございました!
レンジャー、アクティブレンジャーの仕事について知りたい方はコチラをご覧ください↓↓
【レンジャーの仕事(環境省HP)】
https://www.env.go.jp/park/workers/ranger.html
【全国のアクティブレンジャー日記(環境省HP)】
2018年03月12日屋久島国立公園パークボランティア活動報告!【屋久島地域】
屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川
みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。
3月10日(土)、屋久島国立公園パークボランティアのみなさんと、屋久島南西部の栗生塚崎海岸で外来種アメリカハマグルマの駆除を実施しました。
▲活動の様子。
この場所は年に1回パークボランティアのみなさんと駆除を続けている場所で、今年で3年目となりました。
【2016年の活動の様子はコチラ!】
http://kyushu.env.go.jp/blog/2015/12/post-130.html
【2017年の活動の様子はコチラ!】
http://kyushu.env.go.jp/blog/2017/03/post-291.html
3年目ということもあり、地面を這いつくばるように探してもなかなか見つけられないほど、アメリカハマグルマの勢力は衰えていました。
▲アメリカハマグルマを探す様子。
1年目の駆除作業ではゴミ袋(大)8袋分もとれたアメリカハマグルマでしたが、昨年は2袋、今年は1袋弱しかとれませんでした!抜き取りだけでも効果はあったようです。
▲駆除したアメリカハマグルマ。ゴミ袋の半分ほどしかありませんでした。
また、同じ場所に在来種のオオキダチハマグルマが生えていて、幸いこの植物の成長が早く、アメリカハマグルマの繁茂を抑えてくれているようです。
3年目にしてようやくこの地域の根絶が見えてきました。
ただし、強靭な繁殖力を持つアメリカハマグルマは地中に少しでも根が残っているとまた生えてくるので、今後も監視を続ける必要があります。
一度地域に侵入してしまった外来種を根絶することは膨大な時間と労力と費用がかかります。
初期の発見と迅速な防除が定着の予防に重要であることを、ここでの駆除活動を通して改めて実感しました。
ぜひみなさんも暮らしの中で外来種について関心を寄せてみてください。
見慣れない植物(外来種)を見つけたら、屋久島自然保護官事務所までご連絡ください。
屋久島自然保護官事務所TEL:0997-46-2992
もちろん、「入れない、捨てない、広げない」は一人一人が守らなければならない外来種対策の基本!
【環境省HP:日本の外来種対策】
https://www.env.go.jp/nature/intro/index.html
さて、この日はアメリカハマグルマの駆除以外に、海岸にある環境省の看板も補修しました。
▲看板補修の様子。
潮風に当たって柱が傷んできていたので、防腐塗料を塗り直しました。
平成29年度のパークボランティアの活動はこれで終了です!
今年度は予定していた全ての活動を実施することができました。
口永良部島での清掃活動を2回実施し、会としては8年ぶりに救命講習も受講して、充実した1年だったのではないでしょうか。
会員のみなさん、大変お疲れ様でした。
4月からまたよろしくお願いします(^^)
▲最後にみんなで、はい、チーズ!
2018年02月27日屋久島国立公園パークボランティア 普通救命講習受講
屋久島国立公園 池田 裕二
屋久島自然保護官事務所の池田です。
屋久島国立公園パークボランティアの会員の皆様と普通救命講習を受講いたしました。
パークボランティアは山間部や海岸部での活動を行うため、安全管理のうえで普通救命講習の定期的受講は大事なことです。
心肺蘇生法は繰り返し練習をしないと動作の一連を忘れてしまいがちですので、ひとりひとり、1から順に実技講習を受けました。
特に人工呼吸は息の吹込みが難しく、苦手な人はなかなかうまくいきません。練習用人形を相手にコツを覚えるまでしっかり練習しました。
会員の皆さんは熱心に受講されており、さまざまな場面での対応処置について、消防隊の講師の方々に質問をしていました。AED(自動体外式除細動器)の使用法や、屋久島島内での設置場所の確認など細かなところまで指導を受けました。屋久島は携帯電話から119番通報すると、一度種子島の中継所につながるため一刻を争う場面では時間ロスとなります。北と南の消防分遣所の直通の電話番号を携帯電話に入れておくように、という重要なアドバイスもいただきました。
▲練習人形を使って心肺蘇生の一連の動作を習得します
私たちアクティブレンジャーにとっても救命法は登山道や海岸巡視などでの、いざというときのために必要な技術です。習得した技術は忘れないように、普段からの復習、確認を心がけて活動してまいります。
2018年02月27日特定外来種オオフサモ防除作業【屋久島地域】
屋久島国立公園 池田 裕二
外来生物法により特定外来生物に指定されているオオフサモの防除作業を実施しました。
オオフサモは湿地に生える南米原産の外来植物で、水草の一種といえばイメージがわくでしょうか。
南米原産とはいえ低温に強く繁殖力も高いため、国内のあちこちで増殖し、水路を塞いだり、在来植物を追いやったりと生態系に被害を与えている植物です。
特定外来生物は栽培や移動などが法律により禁止されておりますが、分布拡大防止のためにも早めに防除する必要があります。
屋久島の一部でオオフサモが生息している個所が見つかり、経過観察しながら防除作業を進めています。
島の低地は冬でも比較的温暖な気候のためか、オオフサモは冬の間ずっと葉をつけたままで、2月から成長を早める様子が確認されました。放置すると春から急成長してしまう恐れがあります。
★オオフサモの解説★
【和名】オオフサモ 【学名】Myriophyllum aquaticum
【分類】アリノトウグサ科フサモ属
【別名】パロットフェザー
【原産地と侵入地】南アメリカ原産、北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニアに分布する。
日本では全国に分布し、特に九州の筑後川水系に多い。
【形態的特徴】
茎:水中を枝分かれしながら、長さ1m以上にもなって横に伸びるのは、根茎と呼ばれる部分で、直径4~5mm、やや赤紫色を帯びる。根茎の各節から数本の根を出すとともに、長さ~30cmの緑色の茎を水上に出す。
葉:鳥の羽のような形の葉(羽状葉)が、茎の節に5~6(時に3~7)枚づつ、車輪状につく。空気中に広がった葉(水上用)は、1~3cm間隔につき、粉っぽい白色を帯びた緑青色で、長さ1.5cm~5cm。羽状葉は、10~15(時に20)対の細長い羽片から構成されていて、一つ一つの羽片は長さ3~5mm、幅約1mmで、先はとがっていない。水中に広がった葉は茶緑色で、長さ6cmに達し、羽片はひげのように細かく裂ける。
屋久島では近縁の似た植物が分布していない。
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見た目はとてもきれいな植物なのですが、持って帰ったり育てたりしてはいけません。
外来種対策で、まずあなたにできることは、今以上に外来種を増やさないようにする事です。
例えば、ペットや植物を野外に逃がしたり、捨てたりしないで最後まで育てること。
ひとりひとりの心がけが、自然と人間との共存できる世界を作っていきます。
外来種被害予防三原則 "入れない" "捨てない" "拡げない" の3つを心がけてみてください。
オオフサモをはじめとする特定外来生物を見つけたら、まずはその場所の管理者や行政機関にご相談ください。
外来生物については環境省のホームページに詳しい資料が掲載されております。
(環境省HP外来種問題についてhttps://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/)
(パンフレットhttps://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/05_rist_zentai_c.pdf)
身近な生き物の中にも、農業や生態系、生活環境に被害を及ぼすおそれのあるものも存在するかもしれません。日本の美しい自然生態系を後世に残すためにも、今私たちが取り組むべき課題の一つとして、外来生物の対策を実施していくことが重要です。
2018年02月27日バードセイバーで野鳥にやさしい環境づくり【屋久島地域】
屋久島国立公園 池田 裕二
屋久島自然保護官事務所の池田です。
事務所がある屋久島世界遺産センターの周りの森には、ヤマガラやジョウビタキなど様々な野鳥が訪れます。中にはさえずりの美しいサンコウチョウや、尺八のようなさえずりで緑色の羽毛をもつズアカアオバト、そして天然記念物のカラスバトなど珍しい野鳥も確認されています。
本日は、屋久島世界遺産センターの大型ガラス面に張り付けてあるバードセイバーのステッカーを新調しました。
空や景色が写りこむガラス面に、猛禽類など大きめの鳥の影を模したバードセイバーを貼ることで、鳥たちが誤ってぶつからないようにする仕掛けです。
少しでも衝突事故を減らせるよう、野鳥にもやさしい環境づくりに取り組んでいます。
2017年12月15日アメリカハマグルマの駆除をしました!【屋久島地域】
屋久島国立公園 屋久島 池田 裕二
こんにちは。屋久島自然保護官事務所の池田です。
12月9日(土)、パークボランティアのみなさんとアメリカハマグルマの駆除を行いました。
アメリカハマグルマは艶やかな葉と端正な黄色い花姿の美しい花です。しかしながら繁殖力の強さで在来植物の生育に大きな影響を与えており、特に緊急性が高く積極的な防除が急がれる種として生態系被害防止外来種リストの緊急対策外来種に指定されています。
先日のアクティブレンジャー日記ではやんばる地域の上開地アクティブレンジャーがアメリカハマグルマの駆除活動の様子を投稿されています。
https://kyushu.env.go.jp/blog/2017/12/04/
▲アメリカハマグルマの花と葉。花付き良く、きれいです。
屋久島の海岸や集落内でも繁茂しているのを確認されており、個体数が限定的で根絶できそうな地域や、国立公園内に生育しているものを優先して駆除を継続しています。
ただ刈り取っただけでは茎や根から容易に再生してしまう繁殖力を持ったアメリカハマグルマは大変手ごわい植物です。
完全な除去のためには、地中に張り巡らされた根を途中で切らないよう掘り起こして取る、という作業を継続的に行っていくほかありません。根の張りがとても強く、大変な重労働です。
今回の活動では総勢11名、汗だくになりながらも屋久島町指定のゴミ袋に43袋、軽トラック2台分計310kgのアメリカハマグルマを除去できました。
パークボランティアの皆様、ありがとうございました!
▲日当たりの良い場所に生えたアメリカハマグルマを皆で協力して除去しました。
アメリカハマグルマは見た目が美しいことから住宅地でも植栽していることがあります。
分布域の拡大を防ぐためにもきれいだからと言って安易に持ち帰って植えないようにしましょう。
これは他の生態系被害防止外来種すべてに当てはまることです。
外来種の詳しい情報については、環境省のホームページ「日本の外来種対策」をご覧ください。
2017年11月20日屋久島の紅葉
屋久島国立公園 池田 裕二
屋久島の山間部でも巡視中に紅葉をよくみかけるようになってまいりました。
秋の山というと、やはり紅葉を思い浮かべる方が多いと思います。
一般的に紅葉というと、モミジ、カエデの仲間が赤や橙に色づくというイメージですね。
山が真っ赤に染まる姿は、感動的なものです。
モミジ、カエデなどの葉が広めで秋に紅葉し、冬に葉を落とす樹木を落葉広葉樹と呼んでいます。
これらは屋久島にも自生していますが、森を構成する樹種の割合からすると少ないグループです。
屋久島の森は一年中青々とした葉を茂らせる常緑樹といわれるものを中心に構成されています。
低地ではシイ、カシ、ツバキの仲間などの常緑樹が大半を占め、標高が高い場所ではそれらに加えてスギ、モミ、ツガなど常緑の針葉樹が混在します。
常緑樹が多い屋久島の森では秋に一斉に紅葉する、ということをしないため、屋久島では山一面が赤く染まった景色には出会えません。
その代わり、森の中にぽつりぽつり点在する落葉樹などが赤く色づく姿を見かけることができます。
縄文杉へ向かうまでのトロッコ道ではヤマザクラやヤクシマオナガカエデ、ハリギリなど、黄や赤みがかった落ち葉が足元を彩ります。
▲林床を彩る落ち葉
屋久島の「着生植物」には秋に紅葉する落葉樹も多く、屋久杉のような大木をふと見上げると、そこに色づいた紅葉を見ることもできます。ヤマシグレやナナカマドといった樹種が見られます。着生植物が多い屋久島ならではの光景です。
▲屋久杉に着生して紅葉する木々。
薄暗い屋久島の森の中で、ぽつりぽつりと点在する紅葉はとてもよく目立ちます。
そんな紅葉を見つけると珍しい花を見つけたような嬉しい気持ちになります。
山の朝夕は寒くなってまいりました。暖かい上着を準備してトレッキングをお楽しみください。
2017年09月19日よくある質問Q&A【Q.山に携帯トイレを持って行った方が良いですか?】
屋久島国立公園 屋久島 池田 裕二
A.年間を通じてよくいただく質問です。
屋久島では携帯トイレ使用のご協力をお願いいたしております。
山にし尿を残さないこと、山岳部トイレの維持管理で人力でのし尿搬出作業の軽減となること、山岳部トイレの待ち時間が軽減されること、などの観点から携帯トイレの利用推進を行っております。
携帯トイレの認知度は年々増えてきており、ガイドブックにも掲載されるようになったほか、お問い合わせ件数も増えてきたことを実感します。
登山の当日は出発前に宿泊所にてトイレを済ませていただくことはもちろんですが、携帯トイレを登山の「お守り」として携行することをおすすめいたします。
もしそのお守りを使わなくても、数年間の品質保持期限をもつ携帯トイレはそのまま防災グッズになります。ご自宅や勤務先などで保管してください。
★携帯トイレの携行を特におすすめする人気のトレッキングコース
・縄文杉トレッキング
最短往復コースでも約22kmと長いコース。トロッコ道と言われる森林軌道沿いには既存のトイレが2か所ございますが、未舗装で本格的な登山道が始まる大株歩道入り口から縄文杉までの時間にして往復約4時間はトイレがございません。途中の3か所の休憩スペース、翁杉、大王杉下水場、大王杉上の3点に携帯トイレブースが設置されています。どちらもお昼休憩をとる方が多い休憩スペースから少しだけ離れたところにございます。
・宮之浦岳、黒味岳など。
宮之浦岳は往復18km、登山口と登山口近くの淀川小屋にはトイレがございますが、往復の間の約16km、時間にして7、8時間の区間についてはトイレが無く、携帯トイレブースが2か所のみございます。
特に山頂近くでお昼休憩をとったあと、帰りにトイレに行きたくなるケースがございます。そのようなときは翁岳(1基)または花之江河携帯トイレブース(2基)をご利用いただけます。
距離も長く、標準コースタイムも往復で10時間以上と長いので、携帯トイレがあると心強いですね。
・太忠岳、ヤクスギランド1周150分コース
ヤクスギランドの一番長い150分コースのちょうど半分に当たる蛇紋杉の手前に携帯トイレブースがございます。空高く巨岩がそびえる山頂が魅力の太忠岳は、ヤクスギランドの携帯トイレブースから奥の登山道を歩きますが、ここから往復約5kmの道のり、時間にして約4時間はトイレがございません。
・白谷雲水峡
苔むす森や太鼓岩で人気の白谷雲水峡は登山口から1時間半ほど歩いたところの山小屋内に既存のトイレがございます。小屋の近くには携帯トイレブースもございます。しかしながら既存トイレの利用者数の多さから、人力でのし尿搬出量が多い場所です。維持管理の負荷軽減のためにもぜひ携帯トイレのご利用にご協力ください。
各登山口には使用済み携帯トイレ専用の回収箱が設置されております。
よくある質問Q&A【Q.携帯トイレはどこで買えますか?】
A.屋久島の中では、ホテルの売店や主要なお土産店、登山用品レンタル店などで携帯トイレを購入できます。トレッキングの前日までにはそろえておきたいですね。
また、お住まいのエリアのお近くの登山用品専門店や通販サイトで購入することができます。
メーカーや入り数により異なりますが、お値段は500円から1000円ほど。重さも100gを切るものからございます。
登山のお守りに1人1個、ご用意ください。
※注意※
登山中にトイレにいくことを我慢して、行動中の水分補給を控えた場合、脱水症状が起こる可能性があります。足がつる症状や、頭痛や意識がもうろうとするなど、場合によっては自力下山ができないほどの状態になる危険がございます。
下山するまで便意を我慢して、トイレのことしか考えず山の景色を楽しめない、というのも悲しいですね。
安全面や、楽しいご旅行のためにも決して水分補給やトイレに行くことは我慢しないでください。
また、利尿作用の高いコーヒーや緑茶の飲みすぎはトイレに行きたくなる元となりますので過度な摂取はおすすめできません。山で飲むコーヒーは美味しいですが、適度に飲むのがスマートです。ホテルの朝食バイキングなどでもコーヒーや紅茶をお代わりしてしまいたくなりますが、山に登る前なら控えましょう。
中には朝の体調がよくないと感じつつも無理して登山してしまう方もいらっしゃるようです。健康状態によっては登山を中止する、またはコースを短めに変更するなど、無理のないご計画を。
★★★山のトイレのポイントまとめ★★★
●携帯トイレをしっかりと準備する
●出発前にトイレは済ませておく
●適度な水分補給をする
●トイレに行きたいときは我慢をしない
●体調不良時には無理をしない
携帯トイレをスマートに利用し、快適な登山を楽しみましょう!
2017年05月25日アカウミガメの産卵上陸が始まっています
屋久島国立公園 池田 裕二
今年もウミガメの産卵のシーズンがやってまいりました。屋久島の永田浜は世界でも有数のアカウミガメ産卵地です。ウミガメそのものが世界的にも希少な動物ですので、産卵地という貴重な環境があるというのは素晴らしいことですね。
普段海の中で行動するウミガメにとって産卵は特別なイベントです。上陸するのは成熟したメス個体のみ。オスや未成熟の若い個体は上陸しません。
屋久島での産卵ピークは5月から6月。海岸の砂地に後脚で産卵のための穴を器用に掘ります。その穴に多いときは100個を超す卵を産み落とし、丁寧に穴を埋めていきます。ウミガメの親は産卵巣を守ることなく、産卵を終えるとすぐに海に帰っていきます。やがて約2か月経過すると卵は孵化し、仔ガメが産卵巣から砂をかき分けて這い出し、誰に教わることなく海を目指してゆきます。自然の神秘ですね。
ウミガメは野生の爬虫類で、とても臆病で神経質な生き物です。産卵も孵化も、できるだけそっとしておいてあげるのが原則です。永田浜では、産卵時期になるべくウミガメにストレスを与えないような形のルールを設けて予約制の観察会を行っております。ご予約や観察ルールにつきましては下記のサイトをご参照ください。
ウミガメ観察会の予約はコチラ↓
【永田ウミガメ連絡協議会HP】
ウミガメ観察ルールはコチラ↓
【屋久島世界遺産センターHP】
https://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/np/kansatu.htm
また海中で、ウミガメの普段の暮らしをご覧になりたい方は屋久島町公認ガイドのスキューバダイビングやスノーケリングなどのアクティビティにチャレンジしてみてください。ウミガメに出会えるかは運次第ですが、島の沿岸に居ついているアオウミガメでしたら、年間を通して高い確率で出会うことができます。海中を優雅に泳ぐウミガメの姿は、つい見とれてしまうほど美しいものです。ウミガメが平和に暮らしていける素敵な海を、大切に守っていきたいですね。
みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。
きれいな海ですね~。屋久島の永田いなか浜です。
...ん??何かに気付きましたか?
キャタピラーが通ったような跡!
そうです!!
アカウミガメの足跡です(^0^)
4月19日海岸巡視中、今シーズン初上陸のウミガメの足跡を発見しました。
永田浜ではこの足跡だけでした。前の晩に上陸したそうです。
ぐるぐると浜を歩き回って産卵場所を探した跡がしっかり残っていました。
無事産卵もできたようです。
ウミガメシーズン到来ですね!
翌日4月20日に、永田ウミガメ保全協議会や関係団体でウミガメ保護柵を設置しました。
人が砂浜を歩きふ化した子ガメを踏んでしまうことを防いだり、砂が踏み固められて砂の中から子ガメが出られなくなるのを防ぐ目的で、ウミガメシーズン中永田のいなか浜と前浜に設置しています。
▲ウミガメ保護柵設置作業の様子。
ウミガメシーズンが終わるまで、柵の中に入らないようご協力をお願いします。
▲いなか浜のウミガメ保護柵。
また、5月1日から永田浜ウミガメ観察ルール対象期間となります。
静かな産卵環境を守るため、夜間(19:30~翌5:00)の永田浜への立ち入りはご遠慮ください。
夜ウミガメを観察する場合は、ウミガメ観察会に参加しましょう。
↓詳しい永田浜ウミガメ観察ルールはコチラ↓
【屋久島世界遺産センターHP】https://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/np/kansatu.htm
↓ウミガメ観察会の予約はコチラ↓
【永田ウミガメ連絡協議会HP】http://nagata-umigame.com/
保護柵設置作業のあとは永田四ツ瀬浜の清掃をしました。
気持ちよく卵を産んでくれるといいですね!