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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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屋久島国立公園

68件の記事があります。

2019年07月19日特定外来生物オオフサモ防除作業のお知らせ【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

 外来生物法によって、飼育や栽培などが禁止されている特定外来生物オオフサモの生育が確認された場所において、以下の通り除草作業を実施しますので、告知いたします。

活動内容:特定外来生物オオフサモの防除

日時:2019年8月5日(月) 8時30分~9時30分  

予備日8月6日(火) 同時間帯

場所:鹿児島県熊毛郡屋久島町 椨川(たぶがわ)港内

実施者:屋久島自然保護官事務所

    屋久島国立公園パークボランティア有志会員

 特定外来生物オオフサモ(別名パロットフェザー、学名Myriophyllum aquaticum)と、侵略的外来種の水草を抜き取ります。防除した植物体は、指定ゴミ袋に入れ密閉したうえで屋久島町クリーンサポートセンターに持ち込みます。

オオフサモの水上葉▲オオフサモの水上葉。クチクラ層が発達し丈夫で撥水性が高く、淡い緑色の葉を展開する。

オオフサモの沈水葉▲オオフサモの沈水葉。クチクラ層は発達せず、赤みを帯びた葉を展開する。

参考:特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の規則にかかる運用(植物の運搬及び保管)により、外来生物法の「運搬」及び「保管」に該当しない例(規則の対象外)

○例1

 ボランティア団体が参加者を募り、ある日時にある地域の特定外来生物オオキンケイギクの防除を行うことを企画し、ホームページへの掲載等(その他広報、チラシ等)により告知した。当日、オオキンケイギクの抜き取りを行い、抜き取ったオオキンケイギクを軽トラックの荷台に積み、ビニールシートで被覆したうえで、ごみ焼却施設まで持ち込んだ。

 

○例2

 自治会の主催により、地域住民に呼びかけ、ある日時に町内のオオキンケイギク防除を行うことを企画し、地域の掲示板への提出等により告知した。当日、オオキンケイギクの抜き取りを行い、抜き取ったオオキンケイギクを袋に詰めて口を縛ったうえで、自治会員の自宅倉庫まで運搬し、直近の燃えるごみの収集日まで保管した。会員は直近の燃えるごみの収集日に定められたごみ収集所に出した。

 なお、枯死したものは特定外来生物には該当しなくなるため、規制の対象外となります。したがって防除現場において枯死させ、その後収集して運搬をすることが可能です。

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2019年07月18日『お知らせ』アクティブ・レンジャー写真展~美しき九州の自然と多様な生き物の世界~

屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川

 九州地方環境事務所では「2019環境省アクティブ・レンジャー写真展~美しき九州の自然と多様な生き物の世界~」を開催します。

 九州には、国立公園をはじめ、世界自然遺産やラムサール条約湿地、希少な野生動植物など、世界に誇る多くの自然環境が広がっています。

 写真展では、現場の最前線で働くアクティブ・レンジャーが撮影した写真を通して、九州の自然環境の魅力をご紹介します。

 

7月20日~1217日の期間、対馬・佐世保・雲仙・熊本・阿蘇・くじゅう・出水・えびの・霧島・鹿児島・屋久島の会場を巡回して開催します。

 どの会場も入場無料です。

 

お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください♪

 

【会場:会期】 

~長崎県~

対馬野生生物保護センター:7/207/30

対馬市交流センター:8/98/15

九十九島ビジターセンター:8/279/24

雲仙お山の情報館:10/1210/27

がまだすドーム(雲仙岳災害記念館):11/2~11/17

 

~熊本県~

熊本地方合同庁舎A1階:7/318/1

南阿蘇ビジターセンター:7/207/26

阿蘇山上ビジターセンター:8/99/16

 

~大分県~

長者原ビジターセンター:9/2011/20

 

~宮崎県~

えびの歴史民俗資料館:12/312/17

 

~鹿児島県~

出水市ツル博物館クレインパークいずみ:10月中旬

霧島市役所市民ギャラリー:11/1711/30

かごしま環境未来館:9/69/29

屋久島町役場新庁舎:7/268/6

屋久島世界遺産センター:8/88/25

 

【チラシ】

写真展チラシ

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2019年07月02日希少植物の山採り(違法採取、盗掘) 【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 池田 裕二

 屋久島在住の方から、国立公園内での希少植物の山採り(違法採取、盗掘)について通報を受けました。

 今から40年ほど前の山野草ブームの頃には県外から山採り業者がやってきて、ランの花などを大量に盗掘していったそうですが、現在でも、島内外の愛好家による盗掘が細々と続いているようです。

 自然公園法では、自然公園(国立公園、国定公園等)の特別地域内におけるランや高山植物などを含む指定植物の採取、損傷を禁止しています。特別保護地区では植物の採取等は一切禁止です。また鹿児島県の条例でも指定種があり、それらの採取や損傷等は禁止しています。

 園芸品種を珍重する山野草業界では、花色や葉の模様などの特別な変異の無い野生種の金銭的価値は低く、かつて高価だった品種も栽培増殖品が安価で十分量が出回っている中、なぜ盗掘が無くならないのか不思議です。

 自生地には金銭には代えられない価値がありますし、一度減ってしまった植物たちの回復には長い年月を要するか、あるいは元に戻らないこともあり得ます。実際に、数十年前は屋久島でたくさん見られたという野生ランの多くは、今ではほぼ見られなくなってしまったので、環境省の選定する絶滅危惧種にされているのです。森林開発や山崩れ等の自生地消失もありますが、盗掘による個体数減少も大きな問題です。

 屋久島では、数十年前から現在まで、特にカンラン(寒蘭)、フウラン(風蘭)、ナゴラン(名護蘭)、エビネの仲間、カンアオイの仲間が盗掘で狙われています。

 これらの個体数は激減して、今では滅多に見ることができません。

 もし盗掘が無くなり、自生地が良い状態で保たれていれば、今から100年後、200年後にはかつて見られたような希少植物の花咲く森が復活しているかもしれません。

 期待を込めて、今ある自生地を大切に守っていきたいですね。

▼細々と生きているカンアオイの仲間を見つけました。個体数はとても少ないです。

オニカンアオイ

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2019年06月25日屋久島の珍味、カメノテ 【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

カメノテ

▲カメノテの群集

 カメノテを食べたことはありますか?

 文字通りカメの手のような姿をした海の生き物で、屋久島では人気の高い海産物です。近年、テレビ番組でも食用として紹介されたこともあり、知名度が上がっています。

 硬い殻と、鱗のようなものに覆われており、初めて見る方は本物のカメの手かと思ってしまうかもしれません。

 また、殻に覆われて貝のようにも見えるので、貝の1種と思ってしまう方も多くいらっしゃるようです。

 しかし実際には爬虫類のカメの手でも貝でもなく、エビやカニなどを含む甲殻類※のグループで、フジツボに近い仲間です。意外でしたか?

 波のかかる岩場の隙間をよくみると、集まってくっついている様子を見ることができます。

 屋久島にはコンクリートで整備された海岸はとても少なく、自然の海岸が残っています。カメノテの生育環境はあちこちで見られます。

 カメノテは北海道から沖縄まで広く分布しますが、食べる習慣がある地域は比較的少ないです。塩ゆでしたり、味噌汁に入れたりすると、おいしくいただくことができます。

 身を食べる際にはコツが要ります。鱗のような皮の部分を取って中身のピンク色の身を食べます。エビと貝を足したような、濃厚な風味です。

※甲殻類アレルギーの方は要注意です!

 その正体も食べ方もあまり知られていない珍味カメノテ、島内のお宿や飲食店でぜひ挑戦してみてください。

 今回、屋久島世界遺産センターの貝コーナーの一角にも、カメノテの解説パネルを設置いたしました。ご来館の際には是非ご覧ください。

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2019年05月29日永田岳の登山道を整備しています② 【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

▲永田岳から九州最高峰宮之浦岳を望む     ▲永田岳とヤクシマシャクナゲ

 登山道整備を実施している永田歩道の様子です。

 ヘリで運搬した資材を人肩運搬で各現場に運び、設計に従って道の洗掘防止の工事を行っています。

 (工事区間:焼野三叉路~永田岳~鹿之沢小屋)

 20195月1819日の大雨災害を受け、屋久島の山間部ではがけ崩れが多数発生いたしましたが、永田歩道は幸いにも影響は受けずに済みました。


▲施工例:木製の骨組みと、石詰めによる洗掘防止

 今回の整備では、洗掘防止工を主として、雨水が川のように流れることを防止するための水切り工、植生保護のための木製橋の設置なども行っています。

 引き続き登山をされる皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

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2019年05月28日ヤクシマザルの仔ザルに出会いました 【屋久島地域】  

屋久島国立公園 池田 裕二

 5月13日、山へ向かう林道の途中で、胸のあたりに仔ザルを抱えたメスに出会いました。

 ヤクシマザルの出産シーズンは3月頃から5月頃、普通1回に1頭の仔を産みます。木々の新緑や、昆虫の活動期と重なるため、子育てには良い時期なのでしょう。

 この時期の母ザルは神経質になっているので、観察をする際はできるだけ距離を置き、刺激を与えないようにしましょう。

 カメラは望遠機能を使い、サルとの距離を十分とって撮影を行いました。

ヤクシマザル

▲仔を抱えるメス。

 屋久島ではサルに対し餌付けを禁止しています。そのおかげもあり、サルは人をあまり気にせず自然なふるまいを見せてくれます。餌付けをしてしまうと、人の持っている食べ物を奪うようになってしまうおそれがあります。

 人とサルとの良好な関係を崩さないためにも、マナーを守って動物観察をしましょう。

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2019年04月25日永田岳の登山道を整備しています 【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 池田 裕二

九州最高峰宮之浦岳に次いで2番目に高い山「永田岳」。(標高1,886m)

独特の荒々しい地形から人気の高い山です。

永田岳屋久島永田岳のローソク岩

▲晴れた日の永田岳             ▲永田歩道のフォトスポット「ローソク岩」

近年、永田岳周辺の登山道の荒廃が目立ってきているため、現在整備を行っています。

作業は6月14日まで予定しています。

登山をされる皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

まずはヘリで荷揚げした場所の現場確認を実施しました。

屋久島の山間部は上昇気流が起きやすく、ヘリでの作業が難しいようです。無事に終わりますように。

ヘリで荷揚げした資材

▲ヘリで荷揚げをして、仮置き場に保管します。

洗掘した登山道

▲雨水で崩れた登山道。こうした場所に洗掘防止として石を詰めたカゴなどを設置します。

下山時に、ジネズミ(ヤクシマジネズミ)に出会いました。

ネズミではなくモグラに近い仲間です。よく見るとモグラ顔。

ジネズミ全体像

ジネズミ頭部アップ

▲ジネズミの眼はとても小さい。

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2019年03月12日屋久島パークボランティアでアメリカハマグルマ駆除 【屋久島地域】

屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

3月9日(土)に、屋久島国立公園パークボランティアの会の平成30年度最後の活動となる、外来種アメリカハマグルマ駆除in栗生塚崎海岸を実施しました。

 

2015年にこの場所の駆除を開始して、今回で5回目となりました。

最初の活動(2015年)の様子はコチラ↓

http://kyushu.env.go.jp/blog/2015/12/post-130.html

 

駆除を開始した2015年の様子

▲駆除を開始した2015年の駆除活動の様子。

 

駆除を始めた頃は一面に繁茂しており軽トラックの荷台いっぱいにとれたアメリカハマグルマですが、数年にわたって駆除を続けたことで減少し、今回の活動ではゴミ袋1袋にも満たない量しかとれませんでした。

 

今回の駆除の様子

▲今回駆除したアメリカハマグルマ。数か所に少量ずつ点在する程度に勢力が衰えていました。

 

前回駆除した場所にはすでに在来植物が繁茂しており、再生しているアメリカハマグルマを探し出すのに苦労しました。

アメリカハマグルマは日当たりのよい場所を好みますが、在来植物がたくさん生えていれば、日陰となってアメリカハマグルマの成長を抑えてくれます。

大変ですが、できるだけ在来植物を残しながらアメリカハマグルマを根っこから抜き取るという作業を行いました。

 

駆除の様子

 

駆除の様子

▲アメリカハマグルマを探す様子。

 

抜き取ったアメリカハマグルマ

▲根から抜き取ったアメリカハマグルマ。

たくさん枝分かれしたり茎を長く伸ばして成長し、他の植物の生育場所を奪います。

 

集合写真

▲最終的に見つかったアメリカハマグルマはたったこれだけでした!根絶間近です。

 

引き続きモニタリングを継続し、再生したら抜きとりを行い、根絶を目指します。

 

平成30年度の屋久島国立公園パークボランティアの会の活動はこれで終了しました。

パークボランティアの皆さん、大変お疲れさまでした!

 

最後に...

この日活動に向かう途中、なんとツルを発見しました!(私は屋久島で初めて見ました。)

北帰行(出水→シベリア方面への渡り)のシーズンなので、逆方向の屋久島にいて大変驚きました。

 

屋久島の町営牧場に飛来したナベヅル

 

出水自然保護官事務所の本多アクティブ・レンジャーに聞いたところ、ナベヅルの成鳥でした。

屋久島への飛来はあまり無いそうで、もしかすると強風にあおられる等して群れからはぐれた個体が、たまたま屋久島へ飛来したのかもしれないとのことでした。

見たところ外傷は見当たらず、問題なく飛べるのではとのことだったので安心しました。

無事に群れに戻ってシベリアまで飛んでいけますように!

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2019年03月11日希少な野生植物アオイガワラビを追え!【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

 「種の保存法」で国内希少野生動植物種※に指定されているシダ植物、アオイガワラビの自生地調査を行いました。巨木の残る照葉樹林内で、イスノキやスダジイなどが多く生えています。

アオイガワラビ

▲アオイガワラビ

 アオイガワラビ(青毬蕨)は、環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠA類に指定されている大変貴重な植物で、国内では屋久島にしか自生していません。絶滅危惧ⅠA類というランクは、イリオモテヤマネコやツシマヤマネコと同ランクで、希少な生物に当てはめられます。近年、アオイガワラビの減少率は著しく、100年後の絶滅可能性は100%とされています。

 ワラビと名がありますが山菜として食べることもできるワラビと近い仲間ではなく、容姿が似ていることからそう名付けられたのでしょう。イガという名の通り、葉柄には棘状の鱗片がついているのが特徴です。

 ヤクシカやヤクシマザルなどから身を守るためか、屋久島にはトゲのある植物が多く自生しています。アオイガワラビのトゲは野生動物たちが嫌うほどには鋭く発達していないため、防衛効果のほどはあまりないのかもしれません。

 また、屋久島の林床に生える植物には野生動物が嫌う化学成分を含む植物が多く、苦みや辛み、毒などで動物に食べられないよう身を守っています。屋久島で多くみられるナチシダやコバノシイカグマ、ホソバカナワラビなどはシカが食べることなく、きれいに育っています。よほど不味いのでしょう。植物の生存戦略は面白いですね。アオイガワラビは個体数が減少傾向とのことで、動物が嫌う化学成分が比較的少ないのかもしれませんね。

 通常の巡視では出会うことは稀なアオイガワラビ、今回の調査でその特徴を詳しく観察することができました。シダの同定(種を判別すること)は経験がものをいうので、図鑑を見ただけではわからないことが多いのです。アオイガワラビにはオニヒカゲワラビとの交雑種「ウスゲアオイガワラビ」が存在するそうです。絶滅危惧種を現場でパッと見分けることのできることも、レンジャーやアクティブレンジャーにとって大事なスキルです。

 アオイガワラビはその希少性から、自生地の一部では柵を設置して保護しています。

 絶滅危惧種、希少生物を保護することは生物多様性※の観点から、とても重要なことです。屋久島で見られるような独自の生態系や、今ある自然環境を大切に守っていくことが私たちの未来にとっても必要なことなのです。

アオイガワラビの葉の裏

▲アオイガワラビの羽片の裏側、ソーラスもシダの同定には重要ポイント。

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※昨年9月に国内希少野生動植物種ヤクシマソウについての記事を掲載しました。

こちらもどうぞご覧ください。

【参考:希少な野生植物ヤクシマソウを追え!】

http://c-kyushu.env.go.jp/blog/2018/09/05/

※生物多様性については屋久島国立公園だよりにも掲載しています。

詳しくはこちらをどうぞご覧ください。

https://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/np/np_tayori1807.pdf

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2018年12月04日今年度の出前授業が終わりました 【屋久島地域】

屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは。

屋久島自然保護官事務所の水川です。

 

先日、今年度最後の出前授業が終了しました。

今年は屋久島町立八幡小学校4年生に全5回、小瀬田小学校5年生に全3回、神山小学校4年生に全6回の授業を実施しました。

八幡小学校3回までの授業については下記バックナンバーをご覧ください。

http://kyushu.env.go.jp/blog/2018/07/post-492.html

 

最初に授業が終了したのは小瀬田小学校でした。

毎年小瀬田小は屋久島東部の田代海岸で授業を行っています。

 

田代海岸は屋久島国立公園になっており、屋久島町指定天然記念物の枕状溶岩やウバメガシなどの海岸林が見られ、ウミガメが産卵に訪れるなど、美しい自然海岸が残っています。

 

田代海岸での授業は1012日。

ビンゴゲームをしながら生き物を探したり、海の水の水質調査をしたり、貝殻採集をして自然と触れ合いました。

 

田代海岸で貝殻採集をする様子

▲貝殻採集の様子。

 

教室で貝の種判別をする様子

▲教室に戻って、拾った貝の種判別と標本作成。

図鑑や標本とにらめっこして採集した貝の名前を調べています。

 

田代海岸の生き物地図を作成する様子

▲最後は田代海岸の生き物地図を作成しました。

 

翌週の1019日は、八幡小の最終授業で西部地域に行ってきました。

世界自然遺産エリアである西部地域は、世界遺産になった理由の一つ、植生の垂直分布を見ることができます。

また、西部地域は屋久島で最もサルやシカが多く生息する場所で、観察に適した場所です。

一方で、シカが増えすぎていることから植生に影響が出ている場所でもあります。

 

西部地域で植生の垂直分布を観察する様子

▲まずは植生の垂直分布を見学。

海岸付近の亜熱帯性植物、目線の高さの山肌には照葉樹が広がり、標高が上がるにつれてスギやマツなどの針葉樹が現れ、山頂は厳しい気候条件から背の高い木は育たず、風衝低木林やササに置き換わります。

このように、標高に応じて異なる植生が分布することを植生の垂直分布と呼び、これが海岸から山頂まで途切れることなく残っている屋久島の生態系は、顕著な普遍的価値として世界に認めらています。

 

シカを観察する児童

▲シカを観察する児童。

 

シカを間近で観察する児童

▲シカが児童に大接近!そして突然児童の目の前で「フィーヨーッ!!」と大きな声で鳴きました。

これには皆驚き唖然...。

発情期真っ只中のオスジカが縄張りを主張したのでしょう。貴重な体験でした。

 

シカの糞を採集する児童

▲シカ糞とサル糞も採集。

 

沢で糞を洗う様子

▲沢で糞を洗って...

 

洗った糞の内容物を観察する様子

▲内容物を観察。

 

サル糞とシカ糞の内容物

▲サル糞(左)からは消化できていない葉や実の種子や皮が出てきました。

シカ糞(右)からは消化されて細かくなった葉の繊維が出てきました。

 

糞について考察する児童

▲なぜサルとシカの糞がこんなに違うのだろう?植物と動物の関係は?など、糞から様々な考察ができました。 

 

翌週の1026日には神山小の野外授業の第一回目があり、栗生塚崎海岸に行ってきました。

 

栗生塚崎海岸でビンゴゲームをする様子

▲ビンゴゲームをしながら生き物探し。

 

浜にあった生き物の足跡

▲浜には様々な生き物の足跡がありました。

 

海岸清掃の様子

▲レンジャーのお仕事体験として、海岸清掃をしてもらいました。

台風後ということもあって、浜にはたくさんのゴミが漂着していました。

わずか5分間で大量のゴミが集まりました(右)。

 

児童が作成した海岸の地図

▲教室に帰って海岸の生き物地図を作りました。どの班も個性的で、特に「すなはまっプ」はナイスなネーミングセンスで思わず笑ってしまいました!

 

さらに翌週の11月6日は神山小のふるさと先生授業でした。

ふるさと先生授業とは、地域が育む「かごしまの教育」県民週間中における学校自由参観日の授業の一つで、地域で活動している人を講師に招き、各学年特色ある授業を展開する神山小独自のものです。

毎年4年生のふるさと先生授業に呼んで頂いており、生き物どうしのつながりについて授業をしています。

 

ふるさと先生授業の様子

▲前回の授業で作成した栗生塚崎海岸の地図を使って、地図内の生き物とそのエサとなる生き物を糸でつなげるゲームをしました。つなげていくと、糸がとても複雑に絡み合っていきました。

児童は「ゴチャゴチャになっちゃったよ~。」「訳が分からない!」と嘆きましたが、これでいいのです!

これこそが生き物どうしのつながり。

全く関係ないと思う生き物も、実は複雑につながり関わり合っているのです。

 

最後は、ある生き物が地球からいなくなったと仮定してその生き物の糸を外してみました。

 

ふるさと先生授業の様子

▲糸を外す様子。

 

すると、糸は全部の生き物につながっており、全部の生き物がいなくなってしまいました。

「人間だけで生きていくことはできない。」「たくさんの生き物に支えられている。」「生き物はつながっているからどの生き物もいなくなってはいけない。」と学びました。

 

翌週の1113日には、神山小で西部地域の事前学習を行いました。

今年度から、西部地域の授業の前に、ヤクシカやヤクシマザルの生態、観察の仕方などの事前学習を取り入れることにしました。

 

教室でエゾシカとヤクシカの頭骨を見比べる様子

▲エゾシカとヤクシカの頭骨を持参して児童に見てもらいました。

並べると大きさの違いが歴然でみんな驚いていました!

 

サルとシカへの興味が沸々と湧いたところで、いよいよ最終授業!

1127日に西部地域に出かけました。

 

西部地域にいたサル

▲西部地域に入ってすぐにサルの群れに遭遇!

 

植生保護柵の見学

▲植生保護柵の中と外の林床植生の違いを観察していると...

 

柵の外から中をじっと見つめるシカ

▲柵内に入れる私たちが羨ましかったのか、シカ達が柵のまわりに集まってきて、じーっとこちらを見ていました。

 

そして教室に戻って班ごとに巨大な調査報告書を作成して発表しました。

  

発表の様子

▲発表の様子。

 

わずか1時間でどの班もしっかりまとめました。

児童のみなさんのまとめる力、表現力には大変驚かされました。

 

児童が作成した調査報告書

児童が作成した調査報告書

児童が作成した調査報告書

児童が作成した調査報告書

▲4つの班の調査報告書。

 

こうして今年度の出前授業は全て無事終了しました。

屋久島ならではの貴重な体験ができたと先生方にもおっしゃっていただきました。

こうした機会は屋久島の子ども達にとって重要だと改めて感じました。

来年度はどんな子ども達に会えるかな~

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