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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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屋久島国立公園 屋久島

106件の記事があります。

2011年07月15日淀川登山口~花山登山口縦走巡視2日目【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 田川

皆さんこんにちは。7月4日から5日にかけて、淀川登山口から鹿之沢小屋を経て花山歩道に下りる縦走巡視を行いました。今回は2日目の鹿之沢小屋から花山歩道登山口までの様子を紹介します。

花山歩道には、ハリギリの大木や原生的な林が魅力的な歩道です。下の写真は花山広場の様子です。霧がかかり幻想的な景色が広がっていました。



花山歩道は自然を残した登山道となっており、淀川登山口から宮之浦岳までの登山道に比べると木道などが整備されていません。また、浸食が著しい場所が数カ所あり気をつける必要があります。霧や雨で視界が悪い日は、目印(ピンクテープ)や踏み跡が分かりにくくなるため、慎重なルート選びが必要です。

そして、この歩道はヒルがとても多い歩道です。夏季の利用にあたってはスパッツ(ゲーター)を付けたり、ソックスの中にズボンの裾を入れたりして足下からの侵入を防ぎましょう。

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2011年07月14日淀川登山口~花山登山口縦走巡視1日目【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 田川

皆さんこんにちは。

7月4日から5日にかけて、淀川登山口から鹿之沢小屋を経て花山歩道に下りる縦走巡視を行いました。その時の様子をご紹介します。

2日間とも暴風+霧雨が降る生憎の天気でしたが、晴れの日には見落としがちな登山道の危険箇所を知ることが出来ます。雨の日には滑りやすくなる木道に板を打ち付けるなどの補修を行いました。



焼野三叉路から永田岳、鹿之沢小屋までは下の写真の様に登山道上にササが覆い被さっていたり、人の背丈ほどの土壌浸食が起きたりしている場所が複数見られました。視界が悪い日は慎重に通行してください。



なお景色には恵まれない日でしたが、可憐な花が咲いていました。



左から、コケスミレ、ヒメコナスビ、ヒメウマノアシガタです。
草丈数cmしかないこれらの花は、ゆっくりと歩かないと見つけられません。足下の草花に気を配れるゆとりをもった登山計画を立ててください。

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2011年07月07日新高塚小屋トイレ、携帯トイレブースの供用開始

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 田川

梅雨明けした屋久島ですが、今週はぐずついた天気が続きました。夏らしい青空が待ち遠しいです。

さて、昨年度末から工事を行っていた新高塚小屋トイレの工事が完了しました。完成直前には、ポンプの水が止まらなくなるなど、基礎工事から完成まで何度も足を運ぶ機会がありましたが、当初の予想よりも立派なトイレが完成したなと思います。これから多くの人にできるだけ快適に利用してもらうために、トイレの紹介と使用上の注意についてご報告します。



上の写真にある左の建物は、汲み取り式の既存のトイレです。今回新たに設置されたトイレは、右の建物になります。右の建物の3室のうち奥二つが自己処理型の簡易水洗トイレ、一番手前が携帯トイレブースになっています。



左の写真は簡易水洗トイレ個室内の様子です。右下にある足踏みボタンを押すことで、水が流れるようになっています。右の写真は、携帯トイレブース内の様子です。便座に携帯トイレをかぶせることで使用できます。処理能力を超える利用が続くとトイレの使用を規制する可能性があります。一人でも多くの登山者が利用出来るようにトイレ内にある注意事項を守ってください。

〈使用上の主な注意点〉
・トイレットペーパー以外は流さないでください。
・水を流すのは1回でお願いします。
・山岳保全募金にご協力ください。
詳しくはHPをご確認ください。http://c-kyushu.env.go.jp/pre_2011/0704a.html

現在屋久島の山岳部にあるトイレは下図のとおりです。携帯トイレしか使えない場所もあるため、事前に計画をたて、環境に配慮した登山を行ってください。


今後は、屋久島の多雨多湿という悪条件下で、このトイレの処理機能がしっかりと維持されていくか、継続的に点検・整備を行う必要があります。登山者の快適利用と環境負荷軽減のためにもモニタリングを強化していきたいと思います。

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2011年05月23日淀川小屋トイレ使用禁止のお知らせ[屋久島地域]

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 田川

現在、屋久島の淀川登山口から40分の場所にある淀川小屋トイレが、原因不明の漏水のため使用できなくなっています。使用禁止がいつ解除されるかは、まだ見通しが立っていません。

さて、今年度の5月に淀川小屋に新しい携帯トイレブースが設置されました。下の写真の右側が既存のトイレで、左側が携帯トイレブースになります。



今まではテントを用いたブースだったため手狭でしたが、新しい携帯トイレブースはこのようになっており、荷物を置くスペースがあるなど広々としています。また、底上げした金網の上に便座を置いているため、臭いや湿気がこもりにくく清潔に使うことができます。


使用方法や設置場所は次の様になっています。携帯トイレブースは2011年5月現在、主要縦走路沿いに8箇所設置しています(テントの携帯トイレブースを含む)。縦走を行う方や淀川小屋に宿泊を考えている方は、屋久島の環境や淀川小屋周囲の環境を汚さないためにも、携帯トイレの持参にご協力ください。よろしくお願いいたします。


詳しくは、屋久島世界遺産センターHPを参考にしてください。http://www.env.go.jp/park/kirishima/ywhcc/np/keitait.htm

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2011年02月09日九州いきものリレー ~屋久島の生物多様性(21) ヒシクイ~

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 田川

今回屋久島から紹介するいきものは、ヒシクイです。


【和名】ヒシクイ,オオヒシクイ【科名】カモ科
【撮影日】1月29日 【撮影場所】屋久島町安房 春田浜
【備考】上の写真にはヒシクイが2匹、オオヒシクイ1匹写っています。
ヒシクイとオオヒシクイは、見分けが付きにくいですが顔と嘴がスっと通っているのがオオヒシクイ、嘴が太く顔と嘴の境がボコッとしているのがヒシクイです。



ヒシクイは冬鳥で、ロシア東部シベリアから渡来します。
越冬地として有名なのが宮城県の化女沼で、ほとんどの場合、琵琶湖以北で越冬するそうです。今年、屋久島まで来たのは、記録的な寒波から逃れるためにやってきたのかもしれませんね。

ヒシクイは絶滅危惧Ⅱ類、オオヒシクイは準絶滅危惧に指定されている希少な鳥です。もし見かけた際は、脅かさないようにそっと遠くから観察してください。

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2011年01月14日九州いきものリレー ~屋久島の生物多様性(20)ヒレンジャク~

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 田川

冬の屋久島には色々な鳥が、渡り鳥としてやってきます。今日紹介するいきものは、はるばるシベリアから屋久島に渡ってきたヒレンジャクです。



【和名】ヒレンジャク【科名】レンジャク科
【撮影日】1月7日 【撮影場所】屋久島町 小瀬田集落付近
【備考】繁殖期は昆虫食、非繁殖期は果実食になります。日本には冬鳥として渡来します。

ヒレンジャクは、後頭部の冠羽がピンと立っているところや、尾羽の緋色が特徴的な鳥です。



上の写真は、ヘクソカズラの実を食べているヒレンジャクです。咥えた実を、頭を振ってちぎっている様子が観察できました。



【撮影日】1月1日 【撮影場所】福岡県 久留米市
ヒレンジャクは群れで行動することが多く、街中では上の写真のように群れで電線に止まっている姿が観察できます。冬から春にかけてしか見ることができないヒレンジャク、みなさんも是非探してみてください。

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2010年12月27日太忠岳登山道巡視 【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 田川

南の島、屋久島にも本格的な冬が訪れ、山間部では雪が積もり始めました。全国的に荒れ模様となった25日と26日は、屋久島も強風が吹き、雨や雹が降るなど荒れた天気となりました。
27日に、登山道の積雪状況や冬季の危険箇所を確認する目的で、太忠岳に巡視に行ってきましたのでご報告いたします。
太忠岳山頂は標高1497mあり、天柱石と呼ばれる巨石が鎮座しています。下の写真の巨石が、天柱石です。正確な大きさは分かりませんが、40~50mほどの大きさがあるように見えます。山頂からは、荒川登山口近くの尾立ダムや屋久島の安房集落を見ることができます。



さて、太忠岳登山道の積雪状況は下の写真のようになっていました。太忠岳登山道途中にある天文の森を過ぎ、標高1300mを超えると20cm近い積雪がありました。どこに雪に隠れた窪みや浮き石などがあるか分からないため、慎重に進まなければなりません。積雪した登山道は、全ての場所で注意深く歩く必要があることが分かりました。


白い雪化粧をまとった、屋久杉の森は厳かな雰囲気が漂っていました。雪山は、寒かったり、滑ったりするなどあまり良くない先入観がありましたが、この雰囲気を味わって雪山に対する気持ちが180°変わりました。



以上のように雨の島と呼ばれている屋久島は、冬季は雪の島になります。冬季に登山される方は、南の島だと侮らずにしっかりとした冬山の装備をご準備ください。

なお屋久島登山道の積雪情報は、屋久島観光協会のHPに記載があります。登山を検討されている方は、是非一度ごらんになってください(http://www1.ocn.ne.jp/~yakukan/index.htm)。

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2010年08月31日九州いきものリレー ~屋久島の生物多様性(17)ヤクシマシオガマ

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 田川

屋久島の稜線部では、秋の花が咲き始めています。
今回ご紹介するいきものは、屋久島固有種のヤクシマシオガマです。



【和名】ヤクシマシオガマ
【科名】ゴマノハグサ科
【撮影日】2010年8月22日
【撮影場所】標高1700m付近の明るい場所
【備考】絶滅危惧Ⅱ類 (鹿児島県 2003)
下の方から次々と開花するため、花期は長めです。



名前の分からないハエの仲間が訪花していました。

花序上部の先端に雌しべがあります。昆虫が花に潜り込むときに、頭やお腹についた花粉がひっつく構造の様です。
屋久島の稜線部には、矮小化した種が多く生育しています。その中で、ヤクシマシオガマの花はとても大きく、とても綺麗なピンク色をした花でよく目立ちます。宮之浦岳や永田岳に登られた際は、是非探してみてください。

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2010年08月27日【日本のいのち、つないでいこう! COP10まで50日前】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 田川

九州いきものリレー ~屋久島の生物多様性(16)屋久島の高山植物~

みなさん、こんにちは。今回は、COP10まであと50日ということで、『日本のいのち、つないでみよう!』と『九州いきものリレー』を共同開催します。
さて、今回紹介するいきものは屋久島の高山植物です。屋久島の高標高域では、今が花の見頃です。


【和名】ツクシゼリ
【科名】セリ科
【撮影日】2010年8月26日
【撮影場所】屋久島の標高1700m付近
【備考】屋久島分布南限 絶滅危惧Ⅱ類 (鹿児島県2003)
登山道沿いの岩の割れ目に生えていました。白い花弁と黒い雄しべが、特徴的な花です。


【和名】イッスンキンカ
【科名】キク科
【撮影日】2010年8月26日
【撮影場所】標高1700m付近
【備考】屋久島固有変種 絶滅危惧Ⅰ類(鹿児島県 2003)
森林限界を超え、明るい環境の湿った場所に生えていました。一寸ほど(約3cm)の草丈に似合わない、大きな花をつけていました。


【和名】ヒメコナスビ
【科名】サクラソウ科
【撮影日】2010年8月26日
【撮影場所】標高1700m付近
【備考】屋久島固有変種 絶滅危惧Ⅱ類(鹿児島県2003)
登山道沿いの崩れた斜面に匍うようにして生えていました。

今回紹介した植物は、矮小植物といわれています。矮小化とは、気温、風、栄養・水分条件などの要因で、小型化することをいいます。矮小化するきっかけは分かっていないことが多いく、これからの研究で解明されていくと思います。

屋久島のツクシゼリは高さ3cmほどで、屋久島以外のツクシゼリはなんと高さ20cmを超えるそうです。研究が進むと、屋久島のツクシゼリは、ヤクシマツクシゼリに分類が分かれるかもしれません。
イッスンキンカはアキノキリンソウが、ヒメコナスビは、コナスビが矮小化した種であると言われています。確かに、花の雰囲気はそれぞれの種によく似ています。また、背丈や葉の大きさはかなり小さくなっていますが、なぜ花の大きさが小型化しないのかとても不思議に思います。なお、屋久島環境文化村センターで京都大学の篠原渉先生が「屋久島の高山で進化したミニチュア植物」という演題で講演されます。
詳しくはこちら、http://yakushima.or.jp/htdocs/index.php?action=pages_view_main&page_id=48

屋久島の高標高域では、屋久島固有の種、分布南限の種が数多く生育しています。つまり、屋久島の高標高域は生物多様性のホットスポットと言うことができます。しかし、温暖化による寒暖の差の増加、降水、降雪量や利用者による踏み付けと登山道崩壊によって、生育環境が悪化しつつあります。この素晴らしい生物多様性の宝庫を次の世代に残せるように、自分のできることをしっかりとやっていきたいと思います。

【参考文献】
南方新社 屋久島高地の植物

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2010年08月24日枯れ枝除去 【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 田川

みなさん、こんにちは。屋久島稜線部では、秋の花が咲き始めており、季節の移ろいが感じられます。
今回、屋久島森林環境保全センターと一緒に、淀川登山口近くの登山道上の枯れた枝を除去してきました。枝と言っても1mを超えるような大きな枝です。
まずたこ糸を付けたボールを落としたい枝にうまく引っかかるように投げます。
次に、たこ糸をロープに結びつけ、枝にロープを引っかけます。


そして、頭上に注意しながら力一杯引っ張ります。

大きな枝が落ちたときは、なかなかの達成感があります。

この写真の左にある枝は、1.5mほどの長さがあり、かなりの重量がありました。今回は、大小合わせて6本の枯れ枝を処理しました。

屋久島の登山道は、いろいろな関係機関が連携をしながら登山者の安全を確保できるように管理・整備を行っています。
屋久島には、大きな台風がここ2-3年やってきていないため、枯れ枝や落枝が樹上にたくさん残っています。注意を呼びかける看板がある場所では立ち止まらず、また休憩する際も頭上に注意を払って休んでください。

参考:http://c-kyushu.env.go.jp/blog/2010/07/621.html

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