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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

自然観察会バスツアーin与那国島【石垣地域】

2015年12月03日
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本

今年の石垣島は、11月中旬まで暖かい日が続いていましたが、最近はちょっとだけ涼しくなりました。

  

11月に与那国島の生き物を紹介した企画展、ヨナグニマルバネクワガタなどに関する講演会、自然観察会バスツアーと盛りだくさんの催しが与那国島で行われました。

(請負:九州大学 共催:与那国町教育委員会、与那国いとなみネットワーク、環境省那覇自然環境事務所 協賛:株式会社 資生堂)

  

自然観察会バスツアーでは、与那国島の身近な生き物にふれ、どんな生き物が与那国島に生息しているのかを与那国の子供たちや地域のみんなに知ってもらおうと昆虫に詳しい九州大学の荒谷教授が案内役となって、与那国島の自然を巡る楽しい観察会が行なわれました。

  

観察会では、まずヨナグニマルバネクワガタの生息環境を観察しました。地域の方でもなかなか林の中に入る人も少なく、こんな環境があったのかと驚かれていました。

▲ヨナグニマルバネクワガタの生息地を観察

  

与那国島の久部良岳(標高:191m)に登りました。大人たちは少しバテ気味の中、子供たちは久部良岳の山頂に続く急な坂道を元気よく走って登っていました。やはり子供は元気です。散策中、触っても刺されないアカタテハの幼虫を発見した子供たちは、刺さない毛虫に興味津々といった感じで、アカタテハの幼虫の感触や生態をじっくり観察していました。

▲アカタテハの幼虫を観察する子供たち

▲アカタテハの幼虫

  

与那国島には外来植物のアメリカハマグルマが繁茂し、他の植物の生息環境を奪っています。そこで、現状を知ってもらうため参加したみんなにアメリカハマグルマの茎の長さを競いながら駆除体験が行われました。地面を覆うように成長するアメリカハマグルマの根を切らないように3m以上の茎をみんなが上手に駆除し、夢中になっていました。

▲アメリカハマグルマの茎の長さを競う子供たち

  

与那国島には高校がなく、島の子供たちは高校生になると、島を出て行かなくてはならないため、小学生や中学生のうちにたくさん与那国島の身近な自然にふれあってほしいです。今回参加してくれた子供たちが高校生になり、県内外のみんなに与那国島の自然をしっかり伝える人になってくれたら、うれしいなと思った一日となりました。