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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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屋久島国立公園 屋久島

137件の記事があります。

2018年08月10日巡視中に出会った珍しい生き物たち 【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

巡視中に珍しい生き物たちに出会いました。

▲ヤクシマエゾゼミ(屋久島固有種)

標高の高い山間部にすむ、とても珍しいセミ。夏、山に入るとギーという鳴き声が聞こえますが、普段は高い木の上にいるため、なかなか姿は見せてくれません。屋久島だけにしかいない固有種です。

ちなみに屋久島にはヒグラシやミンミンゼミは分布していません。

撮影地:ヤクスギランド

固有種ヤクシマタゴガエル

▲ヤクシマタゴガエル(屋久島固有種)

山間部に生息する、枯れ葉そっくりのカエル。山を歩いていると、足元から突然大ジャンプすることがあります。幼生の期間が非常に短いようで、まだオタマジャクシを見たことがありません。

撮影地:ウィルソン株付近

絶滅危惧種アシガタシダ

▲アシガタシダ(絶滅危惧ⅠA)

国内では屋久島と沖縄にしか自生しない、個体数が少ないとても珍しいシダ。滅多に出会うことはありません。ふと地面を見たときに見つけました。落ち葉が堆積し、林床植生が豊かな森で育っています。ヒカゲアマクサシダの小さい株とよく似ています。

撮影地:低地の照葉樹林内

絶滅危惧種タイワンアオネカズラ

▲タイワンアオネカズラ(絶滅危惧ⅠB)

国内では屋久島と西表島にしか自生しない珍しいシダ。鑑賞目的で採集されることがあり、個体数減少のおそれがあります。

撮影地;低地の照葉樹林内

絶滅危惧種シシンラン

▲シシンラン(絶滅危惧Ⅱ類)

ランではなく、イワタバコの仲間。古く大きな木に着生しているのを見ることができますが、繁殖力は弱いようで、若い木に着生している個体や子株はほとんどみかけません。

撮影地:照葉樹林内

地衣類ヤスデゴケモドキ

▲ヤスデゴケモドキ

コケと名前に入りますが、蘚苔類ではなく地衣類の仲間。小型で非常に見つけにくい。ヤスデゴケモドキの古い記録は日本各地からあるものの、近年の生育状況はよくわかっていないようです。屋久島では3地点で見ることができました。地衣類は大気汚染に弱いとされており、減少傾向にあるようです。

撮影地:宮之浦岳登山道

屋久島は2万年ほど前まで九州と地続きだったと考えられ、九州や本州と共通した生き物が多い島です。しかし、島の標高差が生み出す独特の環境や、原生的な自然環境も残っているため、固有種や絶滅危惧種など、他ではなかなか見ることができない生き物たちが暮らしています。貴重な自然を残していきたいですね。

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2018年07月27日縄文杉登山道などの熱中症対策 【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

 夏真っ盛りで屋久島もにぎわっています。

屋久島の安房岳付近

    

暑い時期に注意したいのが熱中症ですね。特にトレッキングでは日常生活以上に注意が必要です。山は涼しいものだと思いがちですが、屋久島の人気のトレッキングコースのうち、縄文杉トレッキングをはじめ、いくつか人気のコースは比較的標高が低く、また長距離で長時間の活動のため夏場は特に熱中症に注意が必要です。

 【熱中症になりやすい条件はこちら】

★梅雨時期から9月頃にかけての気温と湿度が高い日。

★レインウェアを着ながら登山道を登るとき。

★標準的なコースタイムよりも早く、急いだ登山。

★カメラ機材や宿泊用装備など重い荷物を持っての登山。

★水分補給やトイレなど休憩を我慢しての行動。

 夏の午後は山間部に雲がかかりやすく、湿度が高い中では汗も乾きづらく体温調整ができにくくなります。  また雨天時はレインウェアを着ての行動となりますが、雨が止んだ時はすぐレインウェアを脱ぐなど、こまかな体温調整がおすすめです。標準的なコースタイムは、体への負荷を軽減するための目安となります。

 雨上がりや曇天時、雨が降っていない状態でレインウェアを着て登山をする方を見かけたときは一言声をかけて熱中症にならないよう注意を呼び掛けています。

 水分補給は最重要ポイントです。トイレに行くのを我慢するために水分補給を控えるのは危険ですのでやめましょう。縄文杉トレッキングルートは水が汲める場所がいくつもあり、またバイオトイレや携帯トイレブースなど、屋久島の他の登山道よりトイレ環境は整備されていますので、水分補給とトイレは我慢しないでください。水場やトイレの場所は地図で事前に確認しておきましょう。夏場の登山では休憩をこまめにとるのが理想です。

 熱中症になると正常な判断や、体の運動機能が弱まり、転倒や道迷いのリスクも上がります。休憩をしっかりととり、体をケアしながら無理のない登山を楽しみましょう。

【熱中症の主な症状】

★軽症:めまい、失神、足の筋肉のけいれんなど

★重症:頭痛、嘔吐、全身けいれん、高体温、意識障害

 少しでも意識がおかしい場合は、病院への搬送が必要です。

環境省熱中症予防情報サイト

http://www.wbgt.env.go.jp/doc_prevention.php

▼宮之浦岳登山道の水場の看板を修正しました。

宮之浦岳登山道の水場

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2018年07月19日出前授業を実施しました! 【屋久島地域】

屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

 

6月と7月に屋久島町立八幡小学校で出前授業を実施しました。

 

八幡小学校では平成20年から毎年4年生を対象に授業を実施していますが、一昨年3、4年生が複式学級で3年生も授業を受けたため、その子ども達が4年生になった昨年は授業がありませんでした。

そのため2年ぶりの授業でした。

 

1回目と2回目は教室で国立公園や世界遺産、レンジャーの仕事や屋久島が抱えている問題などをお話ししました。

○×クイズや中身当てゲームをしたり、ヤクスギやウミガメの標本を見てもらうなどして、楽しみながら学んでもらいました。

 

教室で授業する様子

▲教室授業の様子。

お話し好きな子が多く、授業の途中でも「あれ知ってるよ!」「これは○○なんだよ!」と児童自ら話し始めてしまうことが多々あり進行に苦労しましたが、全員参加型の授業ということで私も楽しみました♪

 

3回目は屋久島国立公園でもある栗生塚崎海岸に出かけて、海の生き物探しやレンジャーの仕事体験をしてもらいました。

この日は梅雨明けが発表された日でカンカン照りの猛暑でしたが、皆元気にザブザブ海に入って夢中で生き物を探しました。

 

タイドプールで生き物採集をする様子

▲タイドプール(潮だまり)で生き物探しをする様子。ズボンが濡れても気にしない!

 

ビンゴゲームをしながら生き物探しをする様子

▲生き物探しはビンゴゲーム形式で、ビンゴシートに書かれた生き物を班で探してもらいました。

魚、ヒトデ、ナマコ、貝、カメノテ、オカヤドカリ、カニなど、沢山の生き物を見つけることができました。

 

ウミガメ産卵シーズンということで、上陸、産卵跡も見てもらうことができました。

 

ウミガメが掘った穴を観察する様子

▲ウミガメが卵を産むために掘った穴を見学する様子。大きな穴に皆びっくりしていました。

浜のどんな所に卵を産んでいるか児童に問いかけると、波打ち際から一番遠い場所を選んで産んでいることに気付きました。

どうしてこんな場所に産むのかな?

ここでふ化した子ガメは海に帰る時どんな試練があるだろう?

産卵環境を実際に見ることで、色々な考察ができました。

 

またレンジャーの仕事体験として、海岸の入口にある環境省の看板を清掃してもらいました。

 

看板清掃をする様子

▲看板清掃の様子。雑巾でゴシゴシ磨いてもらいました。

「レンジャーはこんな仕事もするんだね!」と驚いていました。

 

教室に戻ってから、浜で採集した貝殻の標本作りをしました。

 

教室で貝の標本作りをする様子

▲標本の作り方を説明する様子。

 

最後は海岸で見つけた生き物や海岸の魅力をマップにしてもらいました。

 

海岸マップをつくる様子

▲海岸マップ作りの様子。

マップ作りを通して活動をふりかえることで、栗生塚崎海岸は沢山の生き物が暮らす自然のままの美しい海岸であることに気付きました。

そして、もし砂浜がコンクリートで固められたら...、タイドプールが埋め立てられたら...、今日見つけた生き物達はどうなってしまうだろう?オカヤドカリやスナガニは生きていけるかな?ウミガメは卵を産めるかな?サンゴは?カメノテは?

と、考えを発展させることもできました。

 

最後に一人ずつ子どもレンジャー認定証を授与しました。

今後は子どもレンジャーとしてもっともっと屋久島の自然について知り、自然を守るために何ができるか考えて、行動に移してもらいたいと思います。

 

次回は秋、最終授業です。

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2018年06月20日森の掃除屋さんヤクシマルリセンチコガネ【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

 林道を歩いていた時に、地面にきれいな虫がいることに気づきました。

 ヤクシマルリセンチコガネのようです。名前に瑠璃(るり)という色が入っている通り、体の表面は青緑色で美しい金属光沢があります。

 実はこの虫、シカやサルのふんを食べる、ふん虫です。汚れ一つないピカピカの体からは想像できませんね。(画像はサルのふんを食べているところです)

 植物質を多く食べるシカやサルのふんには、未消化の植物片とともに、様々な微生物が含まれており、ふん虫にとって大事な栄養源となります。

 森の中では動物のふんもしっかりと再利用されます。動物のふんは、ふん虫に食べられることによってさらに分解され、無駄なく土へ還ります。

 自然界からはゴミが出ません。

 人間社会も見習いたいですね。なるべくゴミを出さない生活を目指しましょう。

 ちなみに、ふん虫というと海外の「フンコロガシ」が有名ですがヤクシマルリセンチコガネはふんを転がしません。

 じっと見ていたら、ふんを自分の体と同じくらいの大きさにちぎって、それをひきずってそのままどこかへ移動していきました。

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2018年06月11日屋久島国立公園パークボランティア外来種駆除!【屋久島地域】

屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

 

先月実施した屋久島国立公園パークボランティアの外来種(アメリカハマグルマ)駆除活動in春田浜が、あいにく雨天の為途中で中止となったことから、再度駆除作業にご協力頂けるパークボランティアの方を募り、6月2日(土)に駆除を実施しました。

 

先月の駆除活動の様子はコチラ↓

【アクティブレンジャー日記】

http://kyushu.env.go.jp/blog/2018/05/post-459.html

 

梅雨真っ只中ですが、この日は良く晴れていました。

ボランティアさんと職員合わせて10名で駆除を実施しました。

春田浜の2箇所に群生しているため、二手に分かれて作業しました。

 

川沿いのアメリカハマグルマを駆除する様子

▲川沿いのアメリカハマグルマを駆除するボランティアのみなさん。

 

駆除の様子

▲草の上部を草刈機で刈り取り、引き抜きやすくしてから根から抜き取りました。

在来の植物はアメリカハマグルマの繁茂を抑制してくれるため、できるだけ残しながら作業をしました。

 

作業後アメリカハマグルマが無くなった川沿い

▲作業後。ぽっかりと土が露出している箇所がアメリカハマグルマが群生していたところ。

 

海岸奥のアメリカハマグルマを駆除する様子

▲海岸奥のアメリカハマグルマを駆除するボランティアのみなさん。

 

駆除したアメリカハマグルマ

▲2箇所で合計33袋のアメリカハマグルマを駆除しました。

アメリカハマグルマはつる状に伸びて地面を覆い尽くします。

途切れないように抜くと、人の背丈以上の長さに伸び、節から次々と茎を出していました。

 

引き抜いたアメリカハマグルマを持って人の背丈と比べる様子

▲人の背丈以上に伸びるアメリカハマグルマ。いくつも枝分かれして四方に伸びていました。驚異の繁殖力です。

 

時間内に全てを取り切ることはできませんでしたが、今後も地道に駆除を続けて数を減らし、最終的にはこのエリアのアメリカハマグルマを根絶できるよう頑張ります。

 

回収したアメリカハマグルマは枯死させるため天日干しすることに。

梅雨の屋久島なので太陽の出る時間が少なく枯らすのにも一苦労です。

 

天日干し中のアメリカハマグルマ

▲センター裏で天日干し中のアメリカハマグルマ。

 

集合写真

▲最後にみんなで、はい、チーズ!ご協力ありがとうございました!

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2018年06月11日雨の恵みと脅威 【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

 梅雨真っただ中の屋久島です。

 雨はすべての生き物に恵みをもたらします。この時期に草木はぐんぐんと成長し、新芽や木の実をシカやサル、昆虫たちが食べます。サルは子育て中、シカも出産シーズンを迎えています。

 そんな恵みの雨も、時に脅威をもたらします。雨が多いことで有名な屋久島では、山間部の雨雲が発生しやすい場所で、年間降水量が10,000mmに達するとも言われます。1日に降る量も、大雨の時は数百mmに達することさえあります。

 大雨が降ると登山道が川のようになり、道の柔らかい部分を浸食してしまいます。場所によっては1回の大雨で数十cmも浸食されることがあり、登山道の整備が必要になります。放っておくとますます浸食が進み、登山道が周りの植生もろとも大きく崩壊してしまう恐れがあります。そのため環境保全の観点からも早めに手を打たなければならない場所も発生します。

▲水による浸食で1m以上も深く掘れてしまった登山道

▲登山道が沢のようになり、浸食が進む

現在、屋久島の宮之浦岳、永田岳周辺の登山道のうち、整備が必要な個所を調査しています。登山道の状態によって土砂流出を防ぐ工法を選定し、設計を行っています。

 ▲登山者に人気の永田岳。今後登山道整備を行う予定です。

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2018年06月11日特定外来生物ボタンウキクサ防除作業【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

 屋久島では、外来生物法で特定外来生物に指定されているボタンウキクサの防除作業を実施しています。ボタンウキクサは池や沼の水面に浮遊する水草の一種です。

 かつては金魚やメダカの飼育用や、ビオトープなどに利用され、安価な価格で市場流通していた外来植物です。別名ウォーターレタスで親しまれ、ペットショップやホームセンターの店先等で販売されていたので、どこかでご覧になったことがあるかもしれません。

 特定外来生物に指定された2006年以降はボタンウキクサの栽培や生きたままの運搬などが法律により規制されています。野外で増殖が確認された場合、分布拡大防止のためにも早めに防除する必要があります。

 昨年、屋久島の一部でボタンウキクサが生育している個所が見つかり、防除作業を進めています。ボタンウキクサをはじめ特定外来生物に指定されている植物は爆発的な繁殖力をもつ種類が多いため、除去には細心の注意を払い、隅々まで取り残しの無いようにします。通常は無性生殖で殖えるようで、小指の爪より小さな子株を出して殖えるので、見逃すと増殖が再開し大変なことになります。気温や水温が高くなり、越冬後の再発生を観察していますが、屋久島の生育地のうち1か所では再発生が確認されておらず、地域根絶できたようです。今後も再発生の無いよう経過観察を続けていきます。

 ボタンウキクサは水上に浮く草ですので、手で取るか網ですくうかして除去します。その後水分を切ってビニールのゴミ袋に入れてしっかり縛り、中で腐らせてから各自治体の処理法に従って処分します。大増殖してしまうと、回収するだけでも大変な重量となってしまうため、人力では難しい作業となります。早めの防除と、継続的な処分が必須です。

ボタンウキクサ防除について3つのポイント

★分布拡大前の早めの防除。

★夏前の防除。夏は爆発的に繁殖します。

★継続的な防除。できれば1か月以上間を空けずに経過観察してこまめな除去を。

特定外来生物に関して詳しい情報はこちらから

http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html

屋久島における特定外来生物オオフサモについての記事はこちら

http://c-kyushu.env.go.jp/blog/2018/02/post-416.html

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2018年05月31日シダがわかれば森はもっと楽しくなる。【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

 雨の多い屋久島は湿潤な環境が多く、湿気を好むシダ植物がたくさん自生しています。正確な種数はわかりませんが、300種以上は確認されているようです。環境省の指定する絶滅危惧種も多く分布しており、屋久島の固有種もあります。

 絶滅危惧種のシダは、特に環境変化やシカによる食圧のために個体数を減らしていることが考えられます。中には生育地が限られ保護柵が必要なほどの絶滅危惧種もあります。屋久島国立公園内には、希少なシダの保護柵が数か所設置されています。

 巡視の中でも絶滅危惧種の情報収集を行います。そのために現場でシダを見分けるスキルを地道に鍛えています。シダの同定(見分け方)にはいくつかポイントがあるのですが、これがなかなか難しく、実践で慣れていくしか方法はありません。

 形態はもちろん、どういう場所に生えているかという生育環境を知ることも大事です。

▼同定が難しいイヌワラビの仲間たちです。イヌワラビの仲間には絶滅危惧種も多いです。


▼似たような種類が数種類あり、また雑種もあるとか。こちらはホウライイヌワラビかも?

▼成長途中の株はさらに見分けが難しい。

 数十年もの間シダを調べられている大ベテランのシダ専門家に伺ったところ、「シダは一生楽しめる」とおっしゃっていました。生き物の世界は、少しずつわかっていくと、どんどんわからないことが増えてきてさらに面白くなるものです。少しでもシダがわかれば、森のことが今よりもっと面白く思えるはず。先は長いですが地道に調べていきたいと思います。

 シダはよく見るとデザインが美しいものが多く、控えめながらも存在感があります。コケの緑のマットの上に生える涼しげなシダの佇まいは、いかにも日本的です。普段シダの存在を忘れている方も、屋久島の森の中で出会うシダに、心が動かされるかもしれません。屋久島の森を歩きながら、シダにも注目してみてはいかがでしょうか。

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2018年05月28日屋久島国立公園パークボランティア清掃活動!【屋久島地域】

屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

 

5月25日(金)、屋久島国立公園パークボランティアのみなさんと、宮之浦岳ルートである淀川登山口から投石平(なげしだいら)までの登山道の看板清掃を行いました。

 

現在ヤクシマシャクナゲの開花がピークを迎えています。

この日は幸運なことに晴れ。

貴重な晴れ間を狙って、シャクナゲを見に来られた登山者も沢山いました。

ボランティアのみなさんもシャクナゲを楽しみに活動を開始しました。

 

道標清掃の様子

▲道標の清掃。たわしや歯ブラシでコケを落としました。

 

看板補修の様子

▲塗り直し。まず全体に防腐塗料を塗って、次に白ペンキで文字を塗りました。

 

看板の文字を塗る様子

▲この長文も一文字ずつ白ペンキで塗り直しました。はみ出さないように集中!

 

みんなで看板を補修している様子

▲みんなで集中!

 

道標補修の様子

 

道標補修の様子

▲防腐塗料と文字が薄くなっていた道標も、見違えるほど綺麗になりました。

 

携帯トイレ回収ボックスの清掃作業前と後の様子

▲登山口の携帯トイレ回収ボックスも綺麗になりました。

 

肝心のシャクナゲはというと...

 

ヤクシマシャクナゲの写真

▲とても綺麗に咲いていました。樹林帯のシャクナゲが例年より沢山咲いている印象でした。

遠くまで登らなくても花之江河までの樹林帯で楽しめます。

同時にサクラツツジ、ハイノキも満開で、登山道は賑やかで華やかでした。

 

シャクナゲはまだ小さなつぼみも沢山あるので、1、2週間は楽しめると思います。

 

下山後登山口で集合写真

▲最後にみんなで、はい、チーズ!

パークボランティアのみなさん、清掃にご協力頂きありがとうございました。

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2018年05月21日野鳥のヒナを拾わないで!【屋久島地域】

屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

先日、友人から「巣から落ちていたヒナを保護したから飼育の仕方を教えてほしい。」と電話がかかってきました。

 

落ちていた野鳥のヒナ

▲落ちていたヒナ。

 

私はすぐに元の場所に戻すよう伝えました。

野生鳥獣を無断で捕獲・飼育することは鳥獣法で禁止されています。

ただ、元に戻すよう伝えたのは他にも理由があります。

 

春から初夏、まさに今の時期は、野鳥の子育てシーズンです。

この時期、巣立ち直後のヒナが地面に落ちていることがあります。

まだうまく飛べず、じっとしているので、巣から落ちてしまったのか、親鳥とはぐれたのかと心配になる方がいるかもしれませんね。

でも、「元気になるまで家で育ててあげよう!」と、家に連れて帰ってはいけません。

 

実は、野鳥のヒナは、ある程度大きくなると、巣から出て兄弟や親鳥と飛んだり餌をとる練習をします。

もちろんまだ上手に飛べないので、地面に落ちてしまうこともあります。

でも大丈夫。必ず親鳥が近くにいます。

親鳥は一緒にいる時間を徐々に減らして自立を促すので、ヒナが一羽でいることも多いですが、ヒナの元にちゃんとエサも運んできます。

仮に人の手で育てたら、そのヒナはどうなるでしょうか?

野生動物を育てるのは想像をはるかに超えて難しいです。

1日に何度も何度も餌を与えなければなりません。

人間よりも体温が高い動物は温める必要があるかもしれません。

また野生動物にとって人間に捕まえられることは大きなストレスです。保護されて嬉しいと感じることはありません。

 

また、人に育てられた生き物は、野生に復帰できるでしょうか?

人は、餌のとり方、飛び方、天敵を教えてあげることができません。

その子は厳しい自然界で生き延びる術を備えることなく育ちます。

人に慣れてしまった生き物は、人間との適度な距離が保てず、問題を引き起こしたり、トラブルに巻き込まれることもあります。

最終的に、その生き物にとって不幸なことになることもあるのです。

 

野生動物は自然の中で生きるのが原則です。

厳しい自然界では失われる命もたくさんあります。

ケガや病気をした野生動物を人が助けたいと思う気持ちもよく分かりますが、失われる命は食物連鎖によって他の命の助けになることもきちんと理解しましょう。

 

これからの時期、野鳥のヒナを見かけることがあるかもしれませんが、大人になるための大切な訓練期間なので、そっと見守ってください。

 

もし羽が生えていない生まれたばかりのヒナが巣の下に落ちていたら、巣に戻してあげてもいいでしょう。

人の臭いがついても親鳥がヒナを見捨てることはないと言われていますが、安全面や衛生面から手袋は必ずはめましょう。

 

保護対象になっている希少種が傷ついていたり、人間のイタズラや虐待など事件性が疑われる傷病鳥獣を発見した場合は、各都道府県に相談してみましょう。

 

日本野鳥の会HPに詳しい情報が掲載されています。

【日本野鳥の会HPhttps://www.birdfan.net/about/faq/find_hina.html

 

友人がヒナを元の場所に戻しに行くと、ヒナが大きな声で鳴き、親鳥がすぐに駆け付けたそうです。

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