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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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屋久島国立公園 屋久島

163件の記事があります。

2014年06月11日天空のお花畑!【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 菊地

こんにちは!
屋久島は今月2日に梅雨入りとなり、天気が不安定な日が多くなりそうです。
そんな少し気分が落ち込んでしまう梅雨前に、綺麗に咲く花があります。
先月のアクティブレンジャー日記でも少しご紹介したヤクシマシャクナゲです。

シャクナゲは地域によって変種が多く、ヤクシマシャクナゲは屋久島の固有変種です。
屋久島の標高約1200m以上に生育するツツジ科の常緑低木で、葉の裏にはビロード状の毛がついています。
新しい葉では表面にも毛が生えていますが、表面の毛はやがて脱落するようです。
また、標高が高いところのシャクナゲほど毛が厚くなり、葉の大きさは小さくなる傾向があります。
花は枝先におよそ5~12個、房状に咲くのですが、数年周期で咲く為、シャクナゲの開花状況は毎年異なります。
そして、今年はなんと!20年に1度の当たり年と言われています。
これは見に行かなければ!と思い、梅雨入り前の最後の晴れ間と思われる5月31日にヤクシマシャクナゲを見に行ってきました。



↑ヤクシマシャクナゲ

淀川登山口を出発後、標高が上がるにつれ登山道脇に咲いているシャクナゲも徐々に多くなり、期待も膨らみます。
足を止めて写真を撮り、ゆっくりと眺めている登山者をよく見かけました。
そして、標高1680mの投石平に着いた時、皆さん感嘆の声を上げており、私も思わず叫んでしまいました。
これほどたくさんのシャクナゲは初めて見ました!
遠くから見ると、シャクナゲの花で山がピンクや白に染まっています。
近くで見ても、ブーケのようでとても綺麗です。



↑登山者とシャクナゲ

投石平からさらに進んだ先も、シャクナゲだらけでした。
これまで何度も歩いた登山道のはずなのに、全く別の道のように感じます。
感動して疲れも吹き飛んだ為か、宮之浦岳山頂まであっという間だった気がします。
今回はその先の永田岳にも登りましたが、シャクナゲの数は永田岳の周辺が1番多いように見えました。
登山中、写真を撮りながら「凄い」と「綺麗」という言葉しか出てきませんでした。
しかし、どれだけ写真を撮っても、自分の目で見なければ伝わらない景色が山にはたくさんあります。
だからこそ、多くの方が自分の足で山に登るのだと改めて感じました。



↑永田岳とシャクナゲ

今年のシャクナゲは評判通りでした!
たくさんのシャクナゲが咲き、島外の方のみならず、地元の方もシャクナゲの短い季節を楽しまれたようです。

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2014年05月21日ウミガメシーズン到来!【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。

5月も気付けば残り一週間となり、
屋久島は空気がじめじめ、雨がしとしと降る日が多くなってきました。
いよいよ梅雨入り間近といった感じです。

さて、5月8日に海岸巡視に行ってきました。
月に一度の海岸巡視では、国立公園区域の海岸など8箇所を巡視します。
登山道の巡視と同様に、公園区域の見回りや看板の修理・清掃、モニタリング撮影などを行います。
この日の巡視では、春らしく色んな花が海岸に咲いていました。



①浜のモニタリング撮影②クサスギカズラ③ハマボッス④テッポウユリ
テッポウユリは全国、世界で栽培されますが、原産地は九州南部なんですよ。

そして、この時期はウミガメがやってくる季節でもあります!
この日の海岸巡視では、8箇所中5箇所の海岸でウミガメの上陸跡を確認しました。



アカウミガメの足跡。
アカウミガメは左右の足を交互に動かすので、尾の跡が赤線のようなS字になります。

ウミガメが浜に上陸するのは、もちろん産卵のためです。
4月下旬から8月上旬の産卵期には、屋久島のいたる浜で、
ウミガメの足跡や産卵のために掘った穴を見ることができます。



このぽっかり開いた穴はウミガメが産卵のために掘った穴です。
しかし、ここに卵が埋まっているかといえば、そうではありません。
実はこれ、穴掘りに失敗した跡なんです。

ウミガメは卵を産むために60㎝程の穴を掘りますが、
天気が良く砂がサラサラしていたりすると、上手く穴を掘ることができず、
産卵しないで海に帰ることがあります。
上手く穴を掘って産卵した場合、母ガメは後肢で器用に砂をすくって穴を埋め、最後にカモフラージュをするので、どこに産んだのか分からなくなります。

屋久島には、日本に上陸するアカウミガメのおよそ半分が上陸するとされていますが、そのうちの約9割は、北太平洋で最も高密度にアカウミガメが産卵に訪れる浜としてラムサール条約湿地に登録されている「屋久島永田浜」に上陸します。

屋久島が世界自然遺産に登録されてから、永田浜を訪れる人も増えました。
観光客の増加は必ずしも悪いことではありませんが、
永田浜では、無意識に行われるライトを多用した夜間観察や砂浜の踏み固めが、産卵や子ガメのふ化、産卵巣からの子ガメの脱出などに与える影響が懸念されるようになりました。

そこで永田浜では、
できるだけ多くの方に、ウミガメへの影響を最小限にしながら、その生態を観察して頂くために、「永田浜ウミガメ観察ルール」を地域の自主ルールとして定めています。

5月1日~8月31日はウミガメ観察ルール対象期間ですので、
永田浜に訪れる際は、永田浜ウミガメ観察ルールへのご理解とご協力をよろしくお願いします!!

永田浜ウミガメ観察ルール(屋久島世界遺産センターHP)
http://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/np/kansatu.htm
ウミガメ観察会予約(永田ウミガメ連絡協議会HP)
http://umigame.refire.jp/

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2014年05月20日清掃活動&ヤクシマシャクナゲ開花報告【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 菊地

5月17日、パークボランティアの清掃活動を行いました。
今年は5月24日から6月1日までの期間で、地元観光協会が主催する第33回シャクナゲ登山が開催されます。
パークボランティアでは、毎年シャクナゲ登山前に登山道や看板の清掃を行っており、今回は淀川登山口から投石平までを清掃しました。

風雨にさらされる看板の多くは1年のうちにだいぶ傷んでしまいます。
剥がれた防腐塗料を塗り直し、ペンキで文字を書き直します。
初めての作業でしたが、集中力が必要で想像以上に時間がかかりました。
それに比べ、慣れているパークボランティア会員の方は、作業が丁寧で早い!
高い技術と意識を持った方が、無償で利用施設の美化清掃をして下さることに感謝です。




さて、肝心のシャクナゲですが…もう咲いていました!
シャクナゲは咲く直前は濃いピンクですが、咲き出すと白くなっていきます。
投石平までには白く咲いたものが少し、蕾や開きかけが多く見られました。
ちょうどシャクナゲ登山期間中には濃いピンクから白まで、いろんな段階のシャクナゲが見られると思います。




山を飾るのはシャクナゲだけではありません。
今回はアセビ、コケスミレ、シキミ、ハイノキ、ヒカゲツツジ、ミツバツツジが咲いているのを確認できました。
一斉に咲いて存在感のある花、色鮮やかな花、形が可愛らしい花、どの花も個性的です。
花を見ると元気になる方もいると思うので、登山中苦しくなったら花を眺めて休むのもいいかもしれません。




看板の清掃以外にも、階段や木道の滑りやすい箇所に滑り止めを取り付けたり、山小屋のごみや不要物を持って降りたりと時間はいくらあっても足りません。
今年は例年より参加者が少なかったこともあり、完了できなかった作業もありました。
会員の平均年齢も高く、無理をするのも難しくなっています。
常時会員募集中ですので、興味のある方はぜひ!屋久島自然保護官事務所までご連絡下さい。

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2014年05月20日リニューアルオープン記念式典【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 菊地

みなさん、こんにちは!
屋久島アクティブレンジャーの菊地です。




5月1日、屋久島世界遺産センターのリニューアルオープン記念式典を行いました。
当日お越しいただいた屋久島町長をはじめとする多くの来賓の皆様、誠にありがとうございました。
リニューアルオープンの内容は、ニュース、新聞でも紹介して頂きました。
心配していた天気も問題なく、式は無事終了、その後館内の展示を見て頂きました。




世界遺産センターは開館から18年が経ち、展示内容は“今”の国立公園、世界自然遺産とは異なる部分が多く、施設の老朽化も進んでいました。
今回の改修では、展示内容の一新、LED照明や断熱材による省エネルギー化、壁と屋根材の変更による老朽化対策を行いました。
特に展示内容は、改修前とは全く異なるものになっています。
以前に比べて訪れる方の滞在時間が長くなり、ゆっくり展示を楽しんで頂けるようになったのかなと思います。
雨の多い屋久島では、登山を中止せざるをえない日もあります。
そんな日はぜひ、世界遺産センターでゆっくり展示をご覧になって下さい。




さて、話は変わりますが、GWの5月4日に縄文杉デッキで登山者指導をしてきました。
連休中日で天気も良く、この日は約1000人の方が縄文杉を訪れ、10時30分から12時30分頃まで長蛇の列ができました。
山小屋に泊まる方も非常に多く、14時頃には小屋内は満員、テント場も空いていない状態。
ピーク時における山中での宿泊問題は、今後の課題の1つだと痛感しました。
山小屋、テント場には限りがありますので、連休での登山は日帰りをオススメします。
今年はお盆と7月、9月の3連休の中日に登山者が集中すると思われます。
屋久島世界遺産センターのホームページには、縄文杉快適登山日カレンダーを掲載しておりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
https://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/tozan/kaitekic.htm
↑縄文杉快適登山日カレンダー

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2014年04月25日世界遺産センターの展示紹介【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

引き続き屋久島から、
4月からアクティブレンジャー2年目に突入した水川です。
よりいっそう頑張っていきますので、
これからもどうぞよろしくお願いします!

展示を改修した屋久島世界遺産センターですが、
前回に引き続き新しくなった館内をまた少しだけ紹介します。
今回ご紹介するのはこちらです!



世界自然遺産に登録されるためには、
「自然美」「地形・地質」「生態系」「生物多様性」の
4つの評価基準のいずれかを満たす必要があります。
屋久島は「自然美」と「生態系」の2つの基準を満たしていると
認められています。
世界自然遺産として認められた屋久島の「自然美」とは、
巨大なヤクスギなどが生育する原生的な天然林と
顕著な標高差が造り出す自然景観です。
その類いまれな「自然美」を80インチの大きなスクリーンでご覧頂けます。
解説の音声も流れますので、森だけでなく、
それを支えている川、山、苔などについても知ることができます。

次に、「生態系」についてご紹介します。
屋久島は日本の南に位置しながら、標高2000m級の山々があるため、
標高に応じて亜熱帯、暖温帯、冷温帯の気候が存在し、
それにあわせて生育する植物も変化していきます。
世界自然遺産に認められた屋久島の「生態系」とは、
海岸付近には亜熱帯性植物、低地には照葉樹林、
高地には針広混交林などの異なる植生が垂直に分布し、
それが残存していることです。
その植生の垂直分布を再現しているのがこちらの模型です!



実際に生育している植物の模型を標高ごとに並べてあります。
これを見れば、植性の垂直分布が一目瞭然です。
細かいところまで作り込んでありますので、
訪れた際はじっくり眺めてみてください。

なお、予定よりも1ヶ月遅くなってしまいましたが、
5月1日に正式にリニューアルオープンすることとなりました!
皆様の来館を心よりお待ちしております。

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2014年04月25日宮之浦岳巡視【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 菊地

みなさん、こんにちは!
屋久島アクティブレンジャーになって、もうすぐ1ヶ月の菊地です。

4月10日に九州最高峰の宮之浦岳を日帰りで巡視してきました!
まだ涼しい朝6時から巡視開始です。
この時間で淀川登山口の駐車場はほぼ満車状態。
登山口から宮之浦岳山頂まで往復約10時間、日帰りする方の多くはもう出発しています。

1時間30分ほど登ると、登山口左側に高盤岳展望台があります。
高盤岳は山頂にトーフを切って並べたような岩(通称:トーフ岩)があり、とても個性的な山です。
天気のいい日は展望台からトーフ岩が綺麗に見えます。
途中、モニタリングを行ったり、手すりを直したりと作業をしながら小花之江河、花之江河を通過していきます。
登山開始から3時間ほどで投石平に到着です。
ここは見晴らしが良く、とても気持ちのいい場所。
この日は白い花がたくさん咲いていました。
一つ一つは小さくて可愛らしいアセビの花です。
また、ヤクシマシャクナゲの蕾もたくさん確認できました。
5月下旬から6月上旬にはシャクナゲが綺麗に咲いてくれることでしょう。




投石平からは見晴らしの良い稜線上を歩きます。
晴れた日は青い空と白い雲、そして植物の緑がとても綺麗で、空を近くに感じられます。
ただし、日差しを遮るものがないので、帽子や日焼け止めを準備しておかないと、日焼けしてしまいます。
宮之浦岳山頂には11時40分到着。
山頂の天気もバッチリで、屋久島で2番目に高い永田岳、お隣の口之永良部島もはっきりと見えました。
屋久島で一番高い山はもちろん宮之浦岳、日本百名山の100番目でもあります。




この日はもう少し先の平石岩屋まで巡視して折り返しです。
結果、淀川登山口に帰り着いたのは17時45分でした。
時間はかかりましたが、充実した巡視ができました。




途中、登山道以外に人が通っている痕跡があったので、入らないよう注意喚起をしました。
登山道以外を歩くと、遭難や怪我につながり危険です。
また、多くの人が通行するようになると、周辺の自然環境に影響を与える恐れがあります。
登山する際は、登山道以外は歩かないようにお願いします。
ではまた!

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2014年04月18日白谷雲水峡巡視【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 菊地

みなさん、こんにちは!
屋久島アクティブレンジャーの菊地です。
4月8日、着任して初めての巡視に行ってきました!
今回は観光客の方にも人気のある白谷雲水峡です。

まずは、白谷小屋と携帯トイレブースの確認です。
扉の鍵がかからなくなっていたので、金具を付け替えました。
ここの携帯トイレブースは木材でできており、ちょっと場所が分かりづらく、案内板が必要かなと思いました。




白谷小屋からおよそ30分登ると、人気スポットの「苔むす森」です。
ここで引き返せば往復3時間ほど、綺麗なコケを見たい方にはオススメです。
最近晴れの日が続いていたので、この日は残念ながらコケが乾いてしまっていました。




そして、白谷雲水峡のメインともいえる太鼓岩に到着したのは10時頃。
まだこの時間は人が少なく、天気もよくて、とても気持ちがよかったです!
まだヤマザクラが咲いており、新緑とあわせて山々がピンク、黄緑、茶色とカラフルに色づいて綺麗でした。
この景色が見られるのは、3月下旬から4月上旬だけです。
ヤマザクラを見るために、太鼓岩までやってくる地元の方も多くいらっしゃいました。
観光客が少し減る春先は、地元の方にとって山の自然を楽しみやすい時期なのかもしれません。




登山者が多いコースなのですが、ゴミはほとんど無く訪れる方のマナー意識の高さがうかがえました。
しかし、途中すれ違った登山者の中にはカメラしか持たず、短パン、スニーカーの方もいました。
山は何が起こるか分からない場所です。
安全で楽しい登山をするために、装備はしっかりして登りましょう。

初の巡視でしたが、普段登るときには気づかないこと、意識していないことを見落とさないよう、鋭い目で見る必要があると感じました。
これからもしっかりと巡視していきたいと思います。
それではまた。

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2014年04月02日御挨拶【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 菊地

みなさん、初めまして!
4月1日から屋久島自然保護官事務所のアクティブレンジャーになりました菊地です。
屋久島に来て2年になりますが、大好きな屋久島に関わる仕事がしたいと思いアクティブレンジャーに応募しました。
屋久島には山にも海にも素敵な自然がたくさんあります!
屋久島に興味のある方はもちろん、そうでない方にも屋久島の魅力や現状が伝わるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

今回は改修工事中の世界遺産センターの内部をちょっとだけご紹介します。
こちらがリニューアル目前の館内の様子です。




入ってすぐに屋久島と口之永良部島の大きな模型がドカーンと現れます!
その右側には屋久島を代表する山、左側には植物の垂直分布が標高ごとに分かりやすく並べてあります。
この中にはあの有名な縄文杉もちゃんとあるんです。
4月第2週目にはオープンを予定していますので、屋久島に訪れた際はぜひリニューアルした遺産センターにも足を運んでみてください。




ちなみに、屋久島で縄文杉と呼んでいる杉は1本だけです。
屋久島で1000年以上生きている杉を全部ひっくるめて屋久杉と呼んでいて、数ある屋久杉の中でも1番長生きなのが縄文杉と言われています。

リニューアルした世界遺産センターでは、他にも新しい展示物がたくさんありますので、今後も少しずつ紹介していきたいと思います。

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2014年02月21日子どもパークレンジャー!【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。

今回は、2月1日~2日の1泊2日で開催した
「子どもパークレンジャー」の報告です!

今回の子どもパークレンジャーは、
「野生動物が生きる森の姿を知ろう~サルの食卓~」と題して
屋久島西部地域のサルやシカを観察しました。

西部地域はヤクシマザルが多く生息する地域ですが、
群れに出会えるかどうかは運次第。
サルの観察ができなかったらどうしよう‥
と内心ハラハラして現地に向かいましたが、
この日は歩き始めてすぐにサルの群れとシカに出会うことができました。

サル、シカを見つけるやいなや、
双眼鏡をのぞき込んで食い入るように観察する子ども達。
講師を務めて頂いた屋久島生物多様性保全協議会の手塚氏の指導のもと、
あまり近寄らず、声をひそめてそっと観察しました。

サルやシカの糞を採集し、水で洗ってみると、
色んな種類の葉や種子が出てきました。
植物を食べる動物と、種子を遠くへ運んでもらう植物という
生きもの同士の関係を学びました。



左下の写真は、沢の水で糞を洗う様子。茶こしに糞を入れ、割り箸でかき混ぜると、内容物が出てきます。
右下の写真は、糞の内容物を観察している様子。体の大きさや個体ごとに好き嫌いが違うのか、大きな種子ばかりの糞、小さな種子ばかりの糞など、糞によって内容物が違っていました。シカとサルでも内容物が異なり、木に登って実を食べることができないシカの糞からは、種子ではなくコケや葉を細かくしたようなものが出てきました。

西部地域から活動場所を屋久島環境文化研修センターに移して、
シカ糞で和紙作りにも挑戦しました!
シカの糞はもともと臭いがあまりしませんが、
和紙作りに使用した糞は入念に洗って乾燥させたので無臭です。
最初は糞に抵抗を示す子もいましたが、作業を始めればもう大丈夫。
全プログラムの中で一番楽しかったと話す子もいるほど、
楽しんでもらえました。

2日目は絵日記を作成し、1人ずつ発表しました。



左は和紙作りの様子。はがきサイズの紙すき道具は、屋久島環境文化財団さんの手作り!
右は絵日記発表会の様子。描いた絵はプロジェクターに映し出しました。



もちろん、環境省の仕事紹介も忘れずやりました。国立公園やパークレンジャーのことを紹介しました。

今回は、林道から海岸部までの急な山道を下って登ってと
子ども達には少々ハードなプログラムでしたが、
誰ひとりリタイアすることなくやりきってくれました。
みんなどうもありがとう!

また発表会では、
「この先もずっとこの自然を残したい」と発表してくれる子が
たくさんいました。

屋久島に住む子ども達にとって、
屋久島の自然は身近で当たり前のものかもしれません。
しかし、屋久島がどれほど貴重で特別な場所かを自然の中で“体験”することで、身近な自然がとても大切なものだということに改めて気付いてくれたのかもしれません。

活動にご協力頂いた手塚さん、公益財団法人屋久島環境文化財団のみなさん、
どうもありがとうございました。

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2013年12月26日冬山についてと屋久島世界遺産センター閉館のお知らせ【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。

8月から更新が途絶えていたアクティブレンジャー日記‥。
久々の更新です!!

みなさんは、九州の高い山ベスト10を知っていますか?
1位から8位までの山は、なんと全て屋久島にあるんです!

1位‥宮之浦岳(1936m)
2位‥永田岳(1886m)
3位‥栗生岳(1867m)
4位‥翁岳(1860m)
5位‥安房岳(1847m)
6位‥黒味岳(1831m)
7位‥投石岳(1830m)
8位‥ネマチ(1814m)
9位‥中岳(くじゅう連山)(1791m)
10位‥久住山(1787m)



宮之浦岳

高い山々がそびえる屋久島は、
九州最高峰の宮之浦岳山頂と里の温度差が約12度あり、
日本の南に位置しながら、山では雪が降り積もります。

12月19日に縄文杉に登った際は、積雪はなかったものの、
縄文杉に向かう途中からひょうが降り出し、
歩くうちにみるみる辺りが白くなっていきました。




12月22日には、縄文杉付近は10~15㎝ほどの積雪があったそうです。

屋久島の冬山を登られる際は、
積雪や凍結で登山道が滑りやすくなっていますので、
軽アイゼンなど、必ず十分な冬山の装備を準備してください。

さて、話は変わりますが、
屋久島世界遺産センターは、改修工事のため
【2014年1月~3月末日(予定)】の期間閉館します。

改修に伴って、展示物等も一新されますので、
来年度からはバージョンアップした新しい屋久島世界遺産センターを
みなさんに楽しんでいただけると思います!

利用者のみなさまには、ご不便をお掛けしますが、
より良い施設を目指し、職員一丸となって取り組んで参りますので、
ご理解のほど、よろしくお願いします。



屋久島世界遺産センター
http://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/center/center.htm

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