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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう

145件の記事があります。

2011年09月21日雨の中の登山道巡視 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

台風15号の影響で、大分県内も大雨に見舞われた9月20日(火)。
雨が降る中、くじゅう連山の主要登山口、長者原(ちょうじゃばる)から雨ケ池(あまがいけ)を抜け、坊ガツルまで登山道巡視に行ってきました。

さて、みなさんは雨の中で登山したことがありますか?
雨の日に登山道がどのようになっているか想像できるでしょうか?今日は、雨の日の登山道の様子についてお知らせしたいと思います。



長者原の登山口に着くと、すでにそこは「川」のよう(写真左上)。流れの速さに少々驚きつつ、森の中へ。
たくさんの雨がここ数日降り続いたせいか、森の中も一部で水路のようになっていました。特に森から出て開けた場所の水の量にはびっくり!(写真右上・右下)

そんな時は、雨水の逃げ場所である「水道」を造ります(写真左下)。
雨水の流れが切断されて、「さっきの水没した登山道はなんだったんだ?」と思うくらい、水がなくなるんです。
水道って登山道を保全していくにはとても大切なんですね。



そして、雨が降ると水がたまることから名付けられた「雨ケ池」に到着。
その所以通り、雨ケ池は大きな池になっていました。

これから見ごろを迎える「ヤマラッキョウ」(写真右)も水没。
水中花状態でした。
枯れないのかな~とちょっと心配です。

実は、雨ケ池では、つい先日、山本レンジャーと登山道の補修作業を行ったばかり。この雨でどのような変化を見せているか楽しみにしてました。



結果から、補修した場所とそうでないところでは、如実に差が出るということを目の当たりにしました。

今回の巡視では、晴れている時には気づかない山の表情が見られました。雨の中の現場を歩くことは、山の変化を感じ取り、保全する上ではとても大切ですね。

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2011年09月12日ヒゴタイの盗採について 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

みなさん、「ヒゴタイ」という植物を知っていますか?



トゲトゲしたなんとも不思議な花をつけるキク科の植物で、8~9月に見ごろを迎えます。

九州ではくじゅうや阿蘇など、草原のある場所に生育しています。
まだ日本が韓国や中国と陸続きだった大昔に日本に入り、以後、現在に至るまで生存している、“生きている化石”とも言える植物なんです。

ヒゴタイは、草原環境がなければ生きていくことができません。
くじゅうでは毎春、野焼きを実施して草原を維持しているため、かろうじてヒゴタイの姿を見ることができるのです。
現在、大分県では近い将来絶滅の危険性が高い種として「絶滅危惧IB類」に指定されています。

そして9月11日(日)、九重の自然を守る会のみなさんと、泉水山麓の車道沿いにあるヒゴタイの保護活動に行ってきました。
後日行われる予定の草刈時に誤って刈ってしまわないよう、あらかじめヒゴタイの周りの草を刈っておく作業です。



さっそく、ヒゴタイのニョキッと突き出た「トゲトゲボール」を探そう!

と思いきや、ない! トゲトゲボールがない!

「おかしいな。それじゃあ、葉っぱを探そう…」
と思ってヒゴタイの葉っぱを見つけたところ、



花が付くはずの茎には刃物で切り取った跡があり、花はありませんでした。
残念ながら“盗採”です。
車道沿いを確認した結果、ヒゴタイの花の6~7割が盗採されており、その被害は想像を絶するものでした。

花は、植物にとって種子を作る重要な繁殖器官です。それを採ってしまうことは、植物のその年の繁殖の機会を奪うことになり、個体数の減少や絶滅を招くことになります。

採ってしまう人のモラルには驚きましたが、まずはここが国立公園であり、そして、ヒゴタイが希少な植物であるという事実を改めて啓発していく必要があると、九重の自然を守る会のみなさんと再認識した活動となりました。

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2011年09月08日大学生とオオハンゴンソウ駆除 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

大学生と活動することが多いここ数週間。

飯田高原を舞台に自然体験などを行う集中講座の一環で、大分大学の学生45名が、タデ原湿原のオオハンゴンソウの駆除に協力してくれました。

駆除を行ったのは、8月22日(8月24日更新日記をご参照)に駆除しきれなかったタデ原湿原の西端部。
引き抜き作業では数がありすぎて追いつかないため、当日は種子による繁殖を食い止めようと、種子部分の摘み取りをしました。



現在のオオハンゴンソウは、花弁が落ち、大量の種子を蓄えている状態です。
イチゴのような形で、ポツポツした中に種子が詰まっています。



1つひとつ慎重にカマで茎を切り落とし、ごみ袋に入れていきます。
「去年も来て全部引き抜いたのに、なんで…」
作業中、一人の学生がつぶやきました。

そう、ここは去年も大分大学の学生達で駆除(引き抜き)を行った場所です。
しかし、ふたを開けてみると今年は去年以上の群落が形成されており…

眼前に広がる光景を目の当たりにし、来年ここがどうなるのか、そして、タデ原湿原の中心部へと広がっていかないか、ということを考えてしまうと、頭が痛いです。

当日の活動で、視界で確認できる種子部分は減りました。
しかし、これは一時的な応急処置に過ぎません。
今後も様々な方と協力体制を維持して、前向きに根絶を目指して取り組んでいこうと思います。

学生のみなさん、おつかれさまでした!

※オオハンゴンソウは、外来生物法で「特定外来生物」に指定され、運搬・栽培・販売などが禁止されています。詳しくは、環境省ホームページ http://www.env.go.jp/nature/intro/ をご覧ください。

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2011年09月02日福岡大・学生たちの底力! 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

以前ご紹介した(8月17日更新分)、福岡大学の協力で行われている登山道補修作業も2日(金)で最終回を迎えました。

お盆明けから4回にわたり、合計約400名の学生が参加。
今年はなかなかお天気に恵まれなかったので、「最後くらい晴れてくれよ~」と思っていたら、あいにくの台風の接近で、一番雨に降られました。
でも、学生の皆さんは、雨にも風にも負けなかった!

当日の補修場所は、1回目の作業(16日)に一石運動を行った、坊ガツルから大戸越に向かう途中の「赤池(あかいけ)」と呼ばれる湿地帯。昔は鉄泉があり、水が赤かったそうです。
ここの登山道は、雨降り後は靴が埋まるほど歩きづらく、長年登山者を悩ませていました。また、登山道の複線化による湿地性植物への影響もありました。
そこで今回、登山道の状態を改善させるため、学生の協力で補修を行いました。



服が汚れることも気にせず、ガツガツ剣先スコップを使って、土嚢に土を詰め、水道を掘る掘る掘る!!



雨水を逃がす深さ50cmほどの水道が完成。
石と土を詰めて安定性を増した土嚢袋を飛び石状に並べます。



そして、湿原を横断する長さ約50mの登山道補修が終了。

皆さんのおかげで、植生回復が促され、また登山者も快適に歩くことができるようになるでしょう。

登山でこの場所を通る際には、雨が降る中、一生懸命作業に取り組んでくれた学生の姿を思い浮かべてもらえたら幸いです。

福岡大学の学生・教職員の皆さん、4回にわたり補修活動に協力していただき、ありがとうございました!
また、来年度もぜひよろしくお願いします。

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2011年08月29日坊ガツルの輪地切り 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

ススキの穂が実り、秋の気配漂う坊ガツル湿原で、27日(土)に来春の野焼きの前準備である「輪地切り(わちぎり)」を行いました。

輪地切りとは、野焼きの際の延焼を防ぐためにつくられる防火帯のことです。坊ガツル湿原では、九州電力大分支社の支援のもとに組織された「坊ガツル野焼き実行委員会」により、平成12年に32年間途絶えていた野焼きが復活し、その後は今回の輪地切りをはじめとする一連の野焼き活動が継続されています。



今年は昨年より参加者が増えて、143名が参加しました。



防火帯づくりは、草刈り機や鎌を使って草を刈っていきます。
幅約10m、総延長約4kmと湿原を輪で囲むように造らなければならなりません。

私は輪地切りは今年が初挑戦!
先輩方に続いて、慣れない草刈り機を駆使して草を刈っていきます。
湿原には山から流れてきた石が多く転がっていて、時折石をガリガリッと削ってしまったりもしました。
が、無事に終えることができました。



輪地切りが終わると、今度は「輪地焼き」です。
今回刈った草が枯れるのを待って、周囲の他の草がまだ青いうちに火を入れます。すると、枯れた草だけ燃えて防火帯が完成します。

作業は9月中旬。
今度は火消し部隊としてしっかり役目を果たしたいものです。

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2011年08月24日オオハンゴンソウの駆除活動を行いました 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

今や、全国の湿原などで勢力を拡大中の外来植物・オオハンゴンソウ。
他の植物を駆逐し、生態系に与える影響が大きいため、外来生物法で「特定外来生物」に指定されており、駆除活動が盛んに行われています。


オオハンゴンソウの花。すらっとした立ち姿と大きめな黄色の花が特徴。

そして現在、くじゅうのタデ原湿原・長者原地区もオオハンゴンソウの脅威にさらされています。
8月22日(月)、九重の自然を守る会と地元の九重・飯田高原観光協会の主催で、玖珠農業高校のみなさんにも協力していただき、総勢33名でタデ原・長者原周辺において、オオハンゴンソウを中心に外来植物の引き抜き作業を行いました。


タデ原湿原に形成された群落。手前に花がありますが、奥の低木林にかけては花が落ち、種子を蓄えたものがびっしりと群生しています。(写真:ビジターセンター種村氏提供)


オオハンゴンソウの駆除活動は、数年前から毎年行っていますが、なかなか数が減りません。それは、種子と地下茎で増殖することと、強靭な生命力にあります。
なんと、根の破片が数グラム地中に残っているだけで、そこから再生してしまうのです。実にやっかいです。
したがって、参加者のみなさんもスコップやショベルで根を切らないように、丁寧に抜き取り作業を行っていました。
ただ引き抜くだけならまだしも、このように1株1株地道に引き抜いていくのは、時間もかかるし、根気もいります。
当日の作業では、すべてのオオハンゴンソウを駆除することはできませんでした。


今回引き抜いたものは量も多かったため、ビニールで包み込み、蒸し殺しの処理をしました。(写真:ビジターセンター種村氏提供)

活動を終えて…

オオハンゴンソウと初めて向き合った今年。想定外の生命力を肌で感じた活動になりました。来年はもう少し早く、また、他の方法を考えながら対策を練って取り組む必要があると感じました。


※特定外来生物については、外来生物法で栽培、運搬等の規制があります。詳しくは、環境省ホームページ「外来生物法」をご覧ください。http://www.env.go.jp/nature/intro/

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2011年08月17日大学生と登山道補修作業を行いました 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

登山道の浸食が激しい、「坊ガツル~大戸越(うとんごし)間」において、福岡大学の協力の下、約100人の学生と一緒に登山道補修作業を行いました。

福岡大学は2年前から、登山道の補修作業や外来種駆除作業を行っており、今年で3回目の取り組みになります。



16日(火)に作業を行った坊ガツル~大戸越間の登山道は、大雨が降ると土石流が起きやすく、登山道も複線化したりと、全体的に浸食スピードが速いルートです。

当日はまず、湿原を横切るズブズブの登山道に石を投じる「一石運動」を行いました。ここは、雨の後、登山靴の半分が埋まるくらいひどい状況です。



学生パワーのおかげで、歩きやすくなりました。

その後は、森の中の登山道をグループに分かれて補修しました。
時折雨の降るあいにくのお天気でしたが、水道(水切り)を造ったり、土嚢や集めてきた石を組み合わせて浸食箇所の植生回復を促したり、鉄杭と木板でツルツルの斜面に階段を造ったりと、1時間半、一生懸命、補修活動に取り組んでいただきました。



作業後は他のグループの補修場所を見て、「すごい!道ができてる」とか、「歩きやすくなったね~」など、学生たち自身も達成感を感じていたようです。

当日の作業に引き続き、福岡大学は今夏だけでも4回に渡り、登山道の補修作業等に協力いただくことになっています。

合計約400名の学生さんのパワー、期待しています。

よろしくお願いします!

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2011年08月15日坊ガツルにて、外来種駆除活動を行いました【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

8月9日(火)、ラムサール条約湿地に登録されている坊ガツル湿原にて、九州電力大分支社の方やOBの方々など総勢23名で、外来植物の駆除を行いました。

今回の駆除対象植物は、
・ヒメジョオン
・セイタカアワダチソウ
・アメリカセンダングサ
の3つです。



初めに私、指原が、外来種についてや坊ガツルに侵入している対象植物を手に取りながら、同定ポイントなどについて説明しました。

その後、グループに分かれて作業開始!

駆除の仕方は、外来種を1本1本抜いた後、ゴミ袋に入れて封をし、蒸し殺しに。
ヒメジョオンが花期を迎えており、結実する恐れがあるためです。
(蒸し殺した後は、野焼き前の準備作業である、9月中旬の“輪地焼き”の際に焼く予定です。)

約1時間後、90リットルのゴミ袋14袋分もの量が積み上がりました。
その重さ約140kg!


(九州電力大分支社提供)

人が集まると、短時間でこんなにも成果が出ます。
坊ガツル湿原では、ここ5~6年、継続的な外来種駆除の活動をしており、アメリカセンダングサについては、数と範囲も減少しているのではないかということです。

来年、今回の活動場所がどうなっているかしっかり確認して、どうしていけばよいのか考えていく必要があると思いました。


*おまけ*

坊ガツルに咲いていた、コウライトモエソウ(絶滅危惧IB類[大分県])です。


(長者原VC種村氏提供)

黄色く光る大きな花びらが、とても華麗です。

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2011年08月05日飛び出せ!子どもパークレンジャー!!【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

8月3日(水)、竹田市久住町周辺で、子どもパークレンジャー事業「学んで知って水遊び」を実施しました。
大分県民の飲み水を供給するくじゅう山系の源流域や湧水地を巡って水について理解を深め、川遊びの中で自然や生き物とふれあうことが目的です。

今年は様々な小学校から、1年生から6年生まで、総勢35名の子どもたちが参加しました。
子どもたちは、朝から元気いっぱい!
開会式では、国立公園のレンジャーの仕事を紹介した後、代表者に子どもパークレンジャー任命証が授与されました。


ちょっと緊張したかな。

この日は、朝から厚い雲に覆われ、小雨の降るあいにくのお天気。
山に登って源流部を見る予定を取りやめ、3つの湧水地を巡りました。

まず1つめ。
炭酸水が湧く白水(しらみず)鉱泉では、あまり飲み慣れない炭酸水の味に子どもたちもしかめっ面。でも、湧く場所によって異なる炭酸の濃度の違いを感じたり、「石の色が白っぽいのはなぜ?」など、自然の不思議さを感じているようでした。

続いて、500年前のお殿様も愛した納池(のいけ)公園で湧水探し。
湧水場所に生えていたクレソンの葉っぱをかじったり、湧水を飲んだりと、現場をきっちり確認!



最後は老野(おいの)湧水へ。
水の冷たさに子どもたちから歓声が!
ここから湧きだした水は、すぐ下の大川という川につながっているので、湧水などが集まって川ができていることが分かります。ちゃんと理解できたかなぁ?



そして、午後。
天気も晴れて、大川へGO!
子どもたちが待ちに待った魚取りや水遊びの時間です。

●竹で作った特製の網と協力プレイで、見事アブラメ(別名タカハヤ)をゲット!
●水の流れに体をまかせて滝すべり!
などなど、子どもパークレンジャーたちは大自然の中で思う存分、水遊びを楽しんでいました。

最近は、私が子どもだったころとは違い、自然の中で自由に子どもたちが遊ぶのが難しい状況です。
この体験を機に、自然や生き物をもっと好きになって、将来、この中からレンジャーを目指す子どもが現れるといいな、と感じました。

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2011年07月25日高原から離島&仏の里へ[国東半島・両子寺編] 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

姫島・国東半島の巡視シリーズも今回が最終回になります。

前回お伝えした、中山仙境の巡視後、両子山の中腹にある「両子寺(ふたごじ)」を訪問しました。




有名な仁王像

こちらは国東半島中心部にあって、新緑や紅葉の時季を中心に多くの参拝者が訪れる、瀬戸内海国立公園内の人気スポットです。
現在では、同寺の寺田さんが、両子の森・農プロジェクトを立ち上げて、森の保全活動や食農教育に取り組んでいらっしゃいます。

私達のくじゅうでの取り組みを紹介したり、寺田さんの今後の構想をお聞きしたりと、情報交換を行いました。
この出会いを機に、活動に参加し、協力していきたいですね。

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