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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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西表石垣国立公園 石垣

84件の記事があります。

2013年06月03日交通事故多発・カンムリワシ放鳥【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本

 沖縄は梅雨に入り、ジメジメした天気が続いています。私は数時間の外出ですぐに日焼けしてしまいました。これからの季節、外出時には皆さん日焼け対策や熱中症対策をしっかりしてお出かけください。
 さて現在、石垣島ではコウライキジ、インドクジャクなどによる農作物の被害が問題となっています。農家さんは農作物を守るために防鳥用のテグスを水田に設置して対策を行っていますが、残念なことに水田のカエル等を捕食するために降りたカンムリワシがテグスに絡まる事故が今年に入って石垣島で2件発生しました。幸い2件とも早急な発見と救護のおかげで、無事に放鳥することができましたので報告します。このような事故が再び起きないよう農家の皆さんは防鳥用ネットに蛍光テープやリボンを付けるなど、鳥がネットに近づかないような対策のご協力をお願いします。


今年1件目に水田のテグスに絡まったカンムリワシの放鳥時の様子

 先月、救護されたカンムリワシの放鳥に立ち会いました。今年1件目のカンムリワシは、今年3月下旬にテグスに絡まって動けなくなっているところを救護された幼鳥です。救護時は片翼を痛めていたため、県の事業で行っている「野生生物ドクター」によって治療を行い、野生復帰までの期間「保護飼養ボランティア」のご協力のもと、保護ゲージで様子を見ていました。その後、リハビリを受け元気になったことから5月13日(月)に救護場所近くの小学校グランドで児童が見守る中、放鳥しました。
 放鳥時、児童たちは間近で見るカンムリワシに「かわいい」と嬉しそうに興味津々で飛び立つまで見守っていました。雨が降る天候でしたが、カンムリワシは元気いっぱいに羽を広げて森へ飛び立っていきました。


今年2件目に水田のテグスに絡まった事故時のカンムリワシ

 今年2件目のカンムリワシは、4月17日(水)に救護され、目立った外傷もなく元気であったため、4月23日(火)には放鳥されました。

 また、今年はカンムリワシの交通事故も多発しています。石垣島での平成24年の交通事故件数は7件でしたが、平成25年に入ってから5月現在で交通事故件数は6件となっており、前年の1年間の件数に並ぶ勢いです。これから石垣島は夏本番を迎え、生き物の活動も活発になるほか、観光で訪れる方も多くなります。特に夜間や早朝に自動車やバイクを運転する際は、野生動物が道路上に急に飛び出してくることもありますので、カンムリワシをはじめ、野生動物に気を付けて安全運転を努めてもらいたいと思います。


カンムリワシ交通事故防止のため設置した看板(石垣市富野)


<カンムリワシの救護連絡先>
〇石垣島
環境省石垣自然保護官事務所 0980-82-4768
石垣市教育委員会文化課   0980-83-7269
〇西表島
西表野生生物保護センター  0980-85-5582

カンムリワシの救護情報はカンムリワシリサーチHPをご覧ください。
http://kanmuriwasi.web.fc2.com/



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2013年03月04日「世界湿地の日」名蔵アンパル自然観察会【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本

毎年2月2日はラムサール条約が締結された日として「世界湿地の日(World Wetlands Day)」とされています。この時期は世界各地のラムサール条約湿地で催し物などのイベントや活動が実施されています。ラムサール条約湿地に登録されている名蔵アンパル(石垣市)では、この日を記念して石垣自然保護官事務所主催の『「世界湿地の日」名蔵アンパル自然観察会』を日本野鳥の会石垣島支部、西表石垣国立公園パークボランティアの方々の協力を得て実施しましたので、その内容をお知らせします。


西表石垣国立公園パークボランティアさんの解説

名蔵アンパルは、石垣西部に位置する名蔵川と海をつなぐマングローブ林が広がる河口干潟で、国指定鳥獣保護区及び国立公園にも指定されており、平成18年11月にラムサール条約湿地として157haが登録されました。干潟にはカニやエビ、貝、小魚などの多様な生き物が生息し、八重山地域を代表するカンムリワシや世界各地から渡ってくる珍しい水鳥たちがやってきて休憩場所や絶好のエサ場(サンクチュアリ)として利用しています。ほかにも亜熱帯地域を代表する数種類のマングローブ林を見ることができる貴重な場所となっています。

・今年の世界湿地の日のテーマは「湿地は水を育む」です。

今回の観察会は、マングローブ林の植物や生き物を観察しながら湿地の大切さを知っていただくことを目的に、マングローブ林の落葉などを食べるキバウミニナと呼ばれる日本最大のウミニナ(貝)の採食実験やアナジャコの巣穴を観察したほかに、なかなか日頃入ることの出来ないサンクチュアリでの野鳥観察などを通して、多くの生きものを育む湿地の生物多様性を体感していただけたと思います。


キバウミニナ採食実験の様子

今回は、幸運なことに絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)に指定されているクロツラヘラサギを確認することができました。クロツラヘラサギは、ヘラ状のくちばしを左右に振って、砂底に生息するカニやエビなどの底生生物を採食します。推定生息個体数は約2000羽と世界的にもとても希少な鳥です。10月下旬頃から3月下旬頃まで越冬地として沖縄などで過ごし、4月初旬から繁殖地である中国大陸や朝鮮半島へ渡っていきます。


2羽のクロツラヘラサギと手前に小さく見えるのはイソシギです。

湿地は、様々な生き物が利用していますが、釣り・潮干狩り・ハイキング・バードウォッチングなど私たち人間も楽しめる場所です。いろんなレクレーションができるほかにも、海への土砂流失を防いだり、防災の役割をはたすなど、農業・漁業・観光といった資源を生み出している私たちにとってもなくてはならない大切な場所となっています。しかし、身近にある分、さまざまな開発や私たちの生活のために湿地が失われ、汚されてしまっているのが現状です。そこで、世界の国々が協力し合い、大切な湿地を保全し、恵みを賢明に利用することを目的に「ラムサール条約」が結ばれており、日本には46カ所の条約湿地があります。これからの貴重な湿地を未来にずっと残していけるように、私たちみんなで湿地について理解し、守っていきたいと思います。

今後もこのような観察会を実施して、数多くの方にすばらしい名蔵アンパルの自然を楽しみながら大切さを知っていただけたらと考えています。きっと、毎回新しい発見に出会えるはずですよ。当主催の観察会以外にも暖かい夏場や一年を通して名蔵アンパルで催しものが開催されていますので家族や友人を誘って、ぜひご参加して下さい。


【ラムサール条約と条約湿地についての詳細は以下のリンクから】
http://www.env.go.jp/nature/ramsar/conv/

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2013年01月11日「環境学習交流発表会」が行われました【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 春口

みなさんこんにちは。
今回は、前回のアクティブレンジャー日記の最後に少しだけ紹介した「環境学習交流発表会」についてお伝えしようと思います。

石垣島には、今年度の子どもパークレンジャーでサンゴ学習を実施した八島小学校、明石小学校や以前の子どもパークレンジャーをきっかけに継続してサンゴ学習に取り組んでいる小学校、また様々な機関と協力して環境学習に取り組んでいる小学校が多くあります。
しかし、それぞれの小学校がどのような環境学習を実施しているのか、小学校間、児童間で知る機会はなかなかありません。
そこで、各小学校の取り組みを一堂に会して発表することにより、サンゴ礁の海に関する環境学習についての関心や理解を深めようと先生方や学習に関わっているメンバーが企画し、11月30日(金)に石垣市内6つの小学校から総勢118名の児童が集まり、「環境学習交流発表会」が八島小学校の体育館で行われました。

一言で「サンゴ礁の海の環境学習」といっても、学校によって取り組んでいる活動のテーマは様々です。継続的にコーラルウォッチを実施している小学校もあれば、珍しい海草や地元民にとってはおなじみのシャコ貝など、海の生きものに焦点をあてている小学校もあります。また、発表方法も壁新聞やプロジェクターを使い、その中でもクイズの出題や劇を取り入れるなど、学校独自の工夫がたくさん見られました。



写真:学習発表の様子。他の小学校の児童が注目する中、堂々と発表していました。

全学年で発表を行った明石小学校の児童は、これまでの学習で学んだ内容と、学んでいくうちに浮かんだ疑問を児童たちが自ら調べ、劇やクイズにして全員で発表しました。また、参加した6校のうち唯一の大規模校である八島小学校の5年生たちは学習内容の発表だけでなく、サンゴ礁や身近な自然を守る大切さを伝える詩を全員で発表しました。この詩は、サンゴ学習を通して感じたことを児童一人一人が書き出し、児童の言葉を先生が繋げて作ったものです。印象に残ったので、この詩の一部を紹介します。

 海。美しく、青く光る海。はるか昔から、人々の生命を支えてきた私たちの宝。
私達の住む沖縄の島々の周りには、サンゴ礁が広がっている。サンゴ礁があることで、私達に大きな恩恵を与えてくれている。
そんなサンゴ礁を私たちは大事に扱ってきただろうか。様々な原因により、今、沖縄の海は姿を変えつつある。
人間の豊かな生活のためにうばわれていく自然。このままでいいのだろうか。私たちの子孫は、そして、地球に住む生き物たちは、これまでと変わらぬ生活ができるだろうか。
私たちは今、直面する問題に真剣に向き合わなければならないと思う。
そして人々に伝えよう。私たちの未来のために、共に考えようと。

この発表で、八島小の児童たちは大規模校ならではのまとまりとエネルギーを見せてくれました。



写真上:八島小5年生による詩の発表。児童たちの力強い発表は迫力がありました。
写真下:明石小学校は赤土が海へ流れ出る様子を自分達で作った道具で再現し、注目を集めていました。

各学校の発表の後はみんなで給食を食べて交流し、環境学習交流発表会のプログラムは終了しました。後日、子どもパークレンジャーで関わった先生方に発表会のお話を聞いたところ、「他の小学校の学習内容や発表内容に驚かされた。」と同時に「自分達の学習を発表し、他校の児童の目を引くことで児童たちの自信に繋がった。」との感想をいただくことができました。
また、今後の取り組みとして八島小学校では全体での詩の発表を、明石小学校では今年度のサンゴ学習のまとめを、それぞれ学校の発表会で地域や保護者へ発表する予定とのことです。

 子どもパークレンジャーや小学校の環境学習は、児童たちに地域の自然に目を向けてもらうきっかけ作りです。今回の環境学習交流発表会では、学校の取り組みを共有し、児童たちが関心を高める良い機会となりました。更に、この学習で学んだことを児童たちが発信することで、自然を大切にする心が地域全体へ浸透していくことでしょう。
地域で自然を守るための地盤を作り、更に環境学習の輪が広がるよう、今後もサンゴ礁の海の学習に協力していきたいと思います。

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2013年01月09日第3回子どもパークレンジャー【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 春口

あけましておめでとうございます。今年は昨年以上に私たちの活動を発信していこうと思います。今年もよろしくお願いします。

環境省で実施している「子どもパークレンジャー事業」も第3回を終え、今年度の事業が終了しました。11月2日(金)に実施した八島小学校、そして11月9日(金)に実施した明石小学校での活動の様子をお伝えします。

第3回となる八島小の学習では、「サンゴのテリトリーウォーズ」というアクティビティーを行いました。このアクティビティーは、限られたフィールドの中で成長速度や好みの場所など、特徴が異なる4種類のサンゴを成長させていくものです。「成長カード」の他、オニヒトデや白化などの「減少カード」も含まれている25枚のトピックカードをランダムに引き、それに併せてマス目シート上のサンゴが増減を繰り返します。児童達はグループに分かれ、サンゴの担当やカード係など役割を決めます。カード係がトピックカードを引き、最後にサンゴがどれだけ残っているのかグループ毎で確認しました。
(ルール詳細はこちらから< http://c-kyushu.env.go.jp/naha/coral_reef_study/>)



写真:サンゴのテリトリーウォーズの様子。サンゴでいっぱいになるグループもあれば、サンゴが少ない班もあります。なぜでしょう?

各グループの残ったサンゴとトピックカードの引いた順番を比べてみると、終わりの方に成長カードが続いたグループはサンゴ面積の割合が高く、連続で減少カードが出てしまった班の割合は低くなっていることがわかりました。児童達はこの活動を通して、減少する要因が連続するとサンゴは耐えられずに減っていくことを学習しました。

次に、トピックカード1枚を1年と考えて25年前から現在までの八重山のサンゴをとりまく歴史に当てはめて実施してみたところ、フィールド上のサンゴはほとんど残りませんでした。これは児童たちにとって相当な衝撃があったようです(これは事前に練習した私たちにも衝撃でした)。
今までの活動でサンゴが衰退する原因を学習している児童たちですが、今回は自分の班のサンゴが減っていく様子を地元の海で実際に起こった出来事として捉え、今まで以上に真剣に考えてもらうことができました。



写真:トピックカードの配列を八重山の海の25年の歴史に当てはめたシート。半分以上が赤色の「減少カード」となり、サンゴがどんどん減っていきました。


もうひとつの実施校、明石小学校では3つのアクティビティーを行いました。そのうちのひとつはサンゴの強さに着目したものです。サンゴはストレスに弱い生き物ですが、海が健全なら回復できる強さを持っています。それを踏まえて児童みんなにサンゴになってもらい、長い時間をかけて増減を繰り返していることを知ってもらいます。
アクティビティー中に変化していくサンゴの数を毎回記録し、最後にグラフにして確認します。すると、白化などの減少イベントが発生するとサンゴの数が激減することがわかります。特に、2つの要因が一度にでてしまうと多くのサンゴが減ってしまいました。一方、減る原因がなければサンゴは順調に増えていくこともグラフから見てとることができました。



写真左:アクティビティーの様子。サンゴになるには、向かい側で同じカードを持っている児童とペアになります。
写真右:サンゴになった人数の変化を確認。グラフの変化を真剣に見つめていました。


この2つのアクティビティーに共通するメッセージは、「環境負荷がなければ健全な自然環境が保たれる」ということです。これ以上サンゴを減らさないためではなく、これからサンゴが増えていくためにはどうしたらいいのか、児童達は今までとは違う角度から考えることができたと思います。
ぜひ一度、「自然を守るために生活を見直す」ではなく、「生活を見直したら、自然が元気になっていく」と考えてみてください。そうすると、ちょっとした行動も環境保全に役立っているように感じられます。少し考え方を変えてみると、環境に配慮した生活が楽しくなってくるのではないでしょうか。


これで今年度の子どもパークレンジャーは終了ですが、11月30日にサンゴの海の学習をしている学校の児童達が集まり、学んだことを発表し合う「環境学習交流発表会」が行われ、八島小と明石小も参加しました。この「環境学習交流学習発表会」の様子は、次回のアクティブレンジャー日記でお伝えしようと思います。

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2012年11月21日石西礁湖サンゴ礁基金【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 春口

11月も終盤となり石垣もずいぶんと涼しくなってきました。朝夕は冷えるようになってきたので、体調管理にも注意が必要ですね。

さて、今回はサンゴの海を守るために寄付を集める「石西礁湖サンゴ礁基金」を紹介します。
石西礁湖サンゴ礁基金とは自然再生推進法に基づき設置された「石西礁湖自然再生協議会」のための基金で、サンゴ礁保全のために寄付金を募っています。これまでに300万円以上の寄付をいただき、いただいた寄付金はオニヒトデ対策や赤土対策などに活用しています(平成24年9月末日現在)。

石西礁湖サンゴ礁基金では、ホームページにて随時皆様からの寄付を募っています。オンライン寄付サイト「Give One」により自宅からでも寄付していただくことができます。特に11月27日から12月26日までの1ヶ月間は、「E-ファンドレイジング・チャレンジ」という取り組みにて赤土対策に焦点を当てて寄付を募りますので、ぜひサンゴ礁基金のホームページをご覧ください。
「海を守るために何か行動を起こしたい。でも何ができるのかわからない」という方もいらっしゃるのではないかと思います。私自身、過去にそう思っていたことがあります。寄付という方法は、現場に出ることができない方でも協力できる一つの方法です。一人ひとりの力が集まることでできることがありますので、海の回復のためにぜひ皆さんの力を貸してください。どうぞご協力よろしくお願いします。

また、7月には地域のお祭りにも参加して大勢の方からの寄付をいただきましたので、ここで紹介させていただきます。
地域のお祭りは多くの人と出会うチャンスです。サンゴ礁基金ではサンゴの保全に関するパネルの設置やサンゴについてのクイズ等で来場者の関心を高め、ブースの正面に募金箱を設置しました。その結果、地元の方や観光でいらした方、また様々な年代の方に寄付していただき、2日間で11万円以上も集まりました。大勢の方がサンゴの海に関心や問題意識を持ってくれたことと感じています。


写真:参加したお祭りブースの様子。特にサンゴクイズは大人も子どもも大好評でした。

サンゴ礁基金ではより大勢の方にメッセージを届け、サンゴ礁基金を知っていただくため、発信力のある著名な方に「サンゴサポーター」となっていただいています。現在は歌手の加藤登紀子さん、地元で大人気のバンド「きいやま商店」、石垣島出身のアーティスト「RYOEI」の2名と1組がサンゴサポーターです。
7月に参加したお祭りでは、サンゴサポーターとなった「きいやま商店」と「RYOEI」の任命式やライブも行われました。今回のイベントでは、サンゴの海を守るためのメッセージソングとして、八島小学校と明石小学校が子どもパークレンジャーで実施したサンゴ学習の感想文を元に「RYIEI」が作詞作曲した「夢色のさんご」をつくっていただき、イベントの最後にはこの曲を「きいやま商店」と「RYOEI」のコラボレーションで歌ってくれました。このお祭りで、ブースでの周知だけでなく、音楽を通してサンゴの海を守ることの大切さを伝えていただきました。


写真:祭りに合わせて実施したサンゴサポーター任命式。サンゴの海を守るため、これから大勢の方に八重山の海とサンゴ礁基金について伝えていただきます。
 
サンゴ礁基金では今後も地域行事に参加し、大勢の方に基金の取り組みを知っていただけるように発信していきます。ぜひ皆様のご協力をお願いします。



※石西礁湖サンゴ礁基金ホームページ
<http://www.strata.jp/sangokikin/>
※石西礁湖自然再生協議会ホームページ
<http://www.sekiseisyouko.com/szn/>
※夢色のさんご(YouTubeより)
<http://www.youtube.com/watch?v=lhAHEXqS29A>

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2012年11月19日グリーンイグアナがやってきた。【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本

センターに約1.5mのグリーンイグアナのオスがやってきました。10月上旬に石垣市街地で発見され、通報を受けた警察署でいったん引き取られましたが、飼い主が現れなかったことから、センター内の中庭で試験飼育と普及啓発のために飼う事になりました。

グリーンイグアナは、ペットの放棄などによって、17年程前から石垣島の北部地域を中心に繁殖が確認されている要注意外来生物です。今回、捕獲されたグリーンイグアナは、ペットが逃げ出したものなのか、野生化したものなのか分かっていません。しかし、爪が整っていることからペットであった可能性が高いようです。

手作りの止まり木で休む飼育中のグリーンイグアナ

試験飼育をして1ヶ月になりましたが、警戒心が強く近寄るとアゴの下にあるひだ状の突起を広げて威嚇し、後ずさりしながら逃げてしまいます。日中は、バスキング(日光浴)をして活発的に動き回っていますが、日没が近づくと手製の隠れ家に戻りおとなしくています。エサは、小松菜やチンゲン菜などの緑黄色野菜を与えています。

中庭に植えたカボチャの新芽を食べた様子

この大きなグリーンイグアナが来る以前から、4匹のグリーンイグアナの幼体(体長25cm程)を普及啓発のために飼育しています。この幼体は、今年の夏、石垣島北部にある小学校から連絡を受けて、捕獲した1匹と、小学校内で、すでに捕獲されていた3匹を譲り受けた個体です。捕獲場所は、海岸に面した小学校の体育館倉庫で、その幼体は、俊敏に逃げ回り、捕獲するのが大変でした。ましてや野外の捕獲になれば、発見されたとしても捕獲まで非常に困難になるだろうと作業を通して感じました。この4匹の幼体の捕獲によって、確実に多くの野生化した個体が繁殖し続けていることを実感しました。

グリーンイグアナの幼体は比較的安価であり、鳴き声を出さず、性格が温厚なことからトカゲ類の中では比較的、流通量が多い種です。しかし、成長するスピードが速く、最大で2m程になることから広い飼育スペースが必要になります。また、発情期になるとオスは攻撃的になり、木に登るために発達した爪や尻尾などで危害を与える恐れがあります。そのため、飼育途中で捨てられることも多いようです。

体温調節やビタミンを得るため、昼間は光を浴びてジーっとしています。

石垣島の気候は、日本の他の地方とは異なり、亜熱帯に属しています。冬でも暖かい日の気温は、25℃程まで上がり、寒い日でも16℃以下になることはあまりありません。本州では生きられない生き物も石垣島では生きることができる環境があります。

最近は、繁殖個体かどうかははっきりしていませんが、市街地でもいくつか目撃情報が寄せられています。今後、石垣島全域までグリーンイグアナの繁殖域を拡大し、このまま増え続けると在来の植物や他の両生は虫類などの生態系へ悪影響を及ぼすことや、農作物への被害などさまざまな危険性が心配されています。海外の例では、フロリダ半島やハワイでも、グリーンイグアナが繁殖し、個体数が年々増えていることが問題になっているそうです。

他の生き物もそうですが、ペットはその飼育方法や将来のサイズ、周りの環境などもよく考えた上で購入し、責任を持って最後まで飼育していただきたいと思います。

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2012年10月11日石垣島オオヒキガエル捕獲大作戦【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本

最近は、日没時間が早くなり、季節も秋に近づきはじめていますが、日中はまだまだ日差しの強い日が続いています。

前回、西表石垣国立公園パークボランティアのみなさんと石垣島の人工島でオオヒキガエルの捕獲を行っている活動を紹介しました。

今回は地元の方々にご協力を得て石垣島全域で実施したオオヒキガエル捕獲活動の紹介です。石垣島に繁殖しているオオヒキガエルの生息数の減少や離島への拡散防止を図るとともに、この活動を通じて石垣島の生態系の保全について考えるきっかけにして頂くことを目的に、7月23日~8月16日までの期間限定で「石垣島オオヒキガエル捕獲大作戦」というイベントを実施しました。

石垣島は、他の離島に運ばれる資材や荷物が運搬される中継地点となっています。現在は、石垣島以外の離島でオオヒキガエルの繁殖は確認されていませんが、過去に西表島、与那国島や波照間島で資材に紛れて移動したと思われる生きた個体が発見されています。他の離島で繁殖してしまう危険があるため、侵入を食い止めるために、地道に捕獲を続けて行かなくてはいけません。


石垣港の背景

期間中は、夜間の作業にかかわらず、地元の参加者の皆さまには、ボランティア作業でオオヒキガエルを捕獲していただきました。本当にご協力ありがとうございました。捕獲された個体の中には、見た目の迫力に20センチ以上はあろうかと思うほどの個体(実際は約18センチ)が数々捕獲されました。こんなに大きなカエルが石垣島にはたくさん生息しているため、石垣島に在来しているカエルや生き物たちが心配になります。


ビックサイズのオオヒキガエル・メス(体長:約18㎝)

期間中に捕獲された個体の総数は3,530個体でした。多く捕獲をされた方や体重が重い個体を捕獲された方など5つの賞を用意し、表彰式を行いました。夏休み期間中だったので高校生の参加もあり、八重山の自然を大切にしようと関心を持ってくれる若い人たちがこれからどんどん増えてくれればと思います。
なお、捕獲された個体は安楽死処分の後、希望する中・高校に配布され教材として利用されました。


オオヒキガエル捕獲大作戦の表彰式の様子

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2012年09月18日「海の自然教室」を実施しました【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 春口

9月8日(土)、前回のAR日記で紹介した「海の自然教室」を無事に開催することができました。当初は8月27日(月)に開催する予定でしたが、台風の影響により延期しました。会場は予定通り米原海岸で、地域との連携を深めるため、石垣市観光交流推進課との共催行事として実施し、市の職員の方にも機材の運搬や安全管理に協力していただきました。夏休み明けの最初の土曜日ということもありどれだけの方に参加いただけるか不安でしたが、定員いっぱいの20名を枝サンゴ群落が広がる米原の海へ案内することができました。

まずは千田上席自然保護官の挨拶と国立公園の紹介です。米原海岸は海域公園地区に指定されているため、「保護と利用を考え、ぜひ自然を傷つけずに楽しむ方法を覚えてください。」と皆さんにお伝えしました。その後パークボランティアさんにスノーケルの使い方を説明していただき、最後に私が危険生物とフィン(足ヒレ)を使うにあたっての注意を皆さんにお伝えしました。フィンを装着するとリーチが長くなり、意図せずサンゴを傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。余談ですが、この危険生物とフィンの使い方のシートは、石垣自然保護官事務所で研修をしたインターンの学生さんが作成してくれたものです。私は絵を描くことが苦手なので彼らにはとても助けてもらいました。


 写真上:シートを使って危険生物・フィン使用時の注意事項を説明します。
   下:インターンの学生さんが作成してくれたシートはこれからも活用していきます。ありがとう!

事前説明も終わり、今回も4つのグループに分けてパークボランティアの方々と一緒にいきもの観察を行います。安全対策としてまずはスノーケルの練習から始めました。正しい使い方を覚え、ウェットスーツの浮力にも慣れてきたら沖へと向かいます。


 写真上:まずは浅瀬でスノーケルの使い方を練習。命にも関わるのでしっかり行います。
   下:練習の後は実践です。目的地のサンゴ群落までおよそ300m。けっこうな距離でした。

今回の観察ルートは比較的浅く、スノーケルが初めての方でも安心して沖へと進むことができたようです。サンゴを観察する地点も立つことができる場所でしたが、サンゴ保全のために休憩する時にはサンゴのない場所で休んでいただきました。


 写真:枝サンゴ群落に到着。事前説明でお伝えしたとおり、休憩時にはサンゴのない砂地に着地していただけました。

今回の「海の自然教室」で、今年度のスノーケリングを使った観察会は終了です。1年に2回の実施ですが、真栄里海岸と米原海岸、どちらも参加してくれた方もいました。その中でも前回の観察会では海水に顔をつけることも怖がっていた子どもが次第に水になれていき、今回の観察会では楽しそうにお母さんと水中のいきものを観察している姿を見た時は感動しました。一度に多くの方をご案内できない「海の自然教室」ですが、少しずつ、確実に成果の芽を出していると感じられました。
来年度も石垣自然保護官事務所では「海の自然教室」を開催する予定です。また、石垣だけでなく西表自然保護官事務所主催の行事では、海だけでなく湿地の観察会などを予定していますので、ぜひご参加ください。知識豊富なパークボランティアや私たちと一緒に、自然との優しい付き合い方を覚えていただけたらと思います。

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2012年08月16日海の自然教室を開催します【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 春口

以前のAR日記で7月1日(日)に実施した「海の自然教室」についてお伝えしましたが、今年度第2回目となる海の自然教室を8月27日(月)に開催します。
 
2回目の実施場所は海域公園地区に指定されている米原海岸です。石垣島で一番知名度のある海岸ではないでしょうか。この時期は特に地元の家族連れや観光客で賑わっています。

既に数回の下見をして不思議なものや正体がわからないものも見つけました。当日も見つけることができるでしょうか?



写真:フウライチョウチョウウオ。よく見かけるチョウチョウウオの一種です。



写真:米原海岸で見つかったテーブルサンゴ。当日もぜひ見つけてほしいですね。



写真:こちらを気にして正面を向いたネズスズメダイ。横から見るととてもきれいです。

ここで、海の自然教室のようなふれあい行事はもちろん、様々な活動にスタッフとして参加していただくパークボランティアの活動をご紹介します。
西表石垣地区パークボランティア連絡会の会員は現在51名。石垣島や西表島を中心に、観察会や清掃活動、外来種の防除活動など幅広く活動しています。前回の海の自然教室や仲本ARが紹介している「人工島オオヒキガエル捕獲」、西表地区の浅利ARの作成した「ボタンウキクサの駆除作業」もパークボランティアの皆さんと一緒に活動しています。
海の自然教室以外にも皆さんに自然と親しんでもらうための活動を予定していますので、ぜひご参加ください。

それでは、「海の自然教室(米原)」の詳細をお伝えします。参加を希望される方は、石垣自然保護官事務所、春口までお電話、FAX、もしくは電子メールにてお申し込みください。質問等がある方もご連絡をお待ちしています。

【開 催 日】平成24年8月27日(月) 14:00~17:00(13:45集合)
【集合場所】米原海岸東側(米原公民館奥の入口突き当たり右奥)
【参 加 料】200円(保険料・飲料代として。集合場所までの交通費は自己負担)
【定  員】20名(先着順。定員になり次第締め切ります)
【対  象】小学生4年生以上(小学生の参加は保護者同伴)
【持 ち 物】飲み物(氷水等)、タオル、着替え、水着、帽子、メッシュバック等、日焼け止め、常備薬(酔い止め等)、ウェットスーツ、スノーケル・マスク・フィン・ブーツなどのスノーケルセット(ウェットスーツ、スノーケルセットをお持ちでない方には貸し出します。)
【締 切 り】8月23日(木)17:00まで
【申 込 先】環境省石垣自然保護官事務所(担当:春口)
TEL:0980-82-4768(午前9時から午後5時)
FAX:0980-82-0279(24時間受付)
アドレス:okironc@coremoc.go.jp(メールの場合は件名に「海の自然教室参加申込み」とご記入ください。)

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2012年08月07日コーラルウォッチ&イノーの観察会【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 春口

 7月7日(土)、私立海星幼稚園の園児たちとコーラルウォッチとイノーの観察会を実施しました。幼稚園のお泊まり保育の活動の一環として地域の自然について学ぶために、海のいきものを観察しながらサンゴの健康チェックであるコーラルウォッチを行います。海星幼稚園は私の通っていた幼稚園でもあり、お泊まり保育の懐かしさを感じつつ多田浜海岸で観察会を行いました。



写真:多田浜海岸に集まった海星幼稚園の園児たち。

今回参加した園児たちは約30名。みんな元気いっぱいで挨拶してくれました。今回は園児ひとりひとりがコーラルウォッチ用のカードを準備しています。子ども達は自分のアイテムに喜んでいる様子。水中メガネと水槽の二つの役目を果たすペットボトルも持って海へ向かいます。
観察会の時間はちょうど干潮、大人なら膝もつからずにどんどん歩いて行ける深さなので、幼稚園児もおぼれる心配はありません。

園児たちはグループに分かれて観察を行います。役員の保護者さんたちが園児のグループを引率し、私たちは所定の位置で園児たちの到着を待ちます。園児たちは海に入るや魚を探して追いかけだす・・・と思いきやまっすぐにこちらへ向かってきました。
「あまり海やいきものに関心がないのかも・・・」と少し戸惑っているうちに園児たちが到着しました。まずはいきもの観察です。私の心境を悟られないようにナマコやヒトデを見せてあげると園児たちのテンションは一気に上がりました。ナマコを手にとって観察したり、触るのは怖くてもじっと見つめていたり。最初に遊びださなかったのは先生の注意をしっかりと守っていたからだったんですね。
園児たちの一番人気はカクレクマノミ。干潮とはいえ水深20cm程度の場所で出会えるのはとても貴重です。



写真:カクレクマノミを観察。園児たちはしばらくここから離れませんでした。



写真:観察していたカクレクマノミ。写真からも浅さがわかるでしょうか?

しばらく海のいきものとふれあったら、次はコーラルウォッチです。持っているカードを使って小さなサンゴの健康を一生懸命調べてくれました。
園児たちはびしょ濡れになりながらもケガなどはなく、無事にコーラルウォッチと観察会を終えることができました。

後日幼稚園の先生から話を伺ったところ、園児たちはとても満足し、とても貴重な活動になったとの声をいただくことができました。お泊まり保育の翌日にカードを持って親子で海にいった園児がいたほどだったそうです。また、園児のお姉ちゃんが学校の自由研究で使うというご家族もいました。園児たちだけではなくご家族にも広がったことで、今回の行事もより多くの役割を果たすことができました。

天候や潮位に注意しておけば小さなお子さんと一緒に海辺の観察が楽しめます。しっかり探せばカクレクマノミのような素敵ないきものにも出会えるかもしれません。ただし、見つけた場合はその場でじっくり観察するだけにして、持って帰ったりほかの場所へ連れて行かないようにお願いします。
また、石垣自然保護官事務所ではもっともっと家族で自然に親しむ機会が増えるよう、ふれあい行事を実施していきます。普段の生活では出会えないいきものを見ると、大人も子どもも笑顔になったり感心したりと表情が豊かになります。ぜひご家族での参加、お待ちしています。

※コーラルウォッチについては5月15日作成のAR日記「子どもパークレンジャー開催!(石垣市立八島小・第1回)【石垣地域】 」をご覧ください。

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