ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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西表石垣国立公園 石垣

132件の記事があります。

2020年08月14日北部JPR活動第1回・第2回【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 田村彰帆

アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、こんにちは。

石垣自然保護官事務所の田村彰帆です。

石垣島北部地域に住んでいる子ども達を対象に行った、子どもパークレンジャー(略称JPR:Junior Park Ranger)の第1回と第2回の活動を紹介します。

今年度第1回の活動では、野底崎にてコーステアリングを行い、海岸探索による自然・地形観察をしました。

コーステアリングとは、イギリス発祥の新しいスポーツで、普段は行くことができないと思っている海岸線の岩場を、徒歩や遊泳しながら進みます。

ライフジャケットと膝当て、そしてヘルメットを装備して野底崎の完全攻略を目指します。

砂浜から歩いてスタートします。

足のつかない深さの海もどんどん泳いでいきますが、泳いでばかりだと疲れてしまうので、岩場からも進みます。

陸側から探索、海側から探索。

かなり高い場所まで、自らの力で進みます。

飛び込みポイントでは大はしゃぎでした。

第2回の活動では、西表石垣国立公園に指定されている野底林道沿いで、「アコークロー」に生き物調査をしました。

アコークローとは、沖縄の方言で、明るい(あこう)暗い(くろう)を意味し、日が沈んでもまだ明るい夕暮れ時のことを言います。

夜の生き物の鳴き声に耳を傾け、寝ているところを起こさないように注意しながらライトを照らして生き物を見つけます。

見つけた生き物をまじまじと観察している様子。

特定外来生物であるオオヒキガエルも捕獲することができました。

水たまりのそばでハブを発見。やってくるカエルを狙っていたようです。

どの回も無事に活動を終えることができました。

まだまだ北部JPR活動は続きますので、随時お伝えしていきます。

これからも、石垣島の自然環境に触れ、自然体験等を通して環境保全に対する意識を高め、地元の素晴らしい自然に親しみをもって欲しいと思います。

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2020年05月12日国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター20周年【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 大嶽若緒

アクティブレンジャー日記をご覧の皆さん、はじめまして。

今年度新しく石垣自然保護官事務所のアクティブレンジャーとして着任いたしました、田村 彰帆(たむら あきほ)と申します。

八重山諸島の魅力を伝えられるよう精一杯頑張ります。これからどうぞよろしくお願いいたします。

さて本日、2020年5月12日、環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターは、開設20周年を迎えました。近所の子どもたちや地域のみなさんからは、親しみを込めて「サンゴセンター」と呼んでいただくことが多いようです。

記念すべき日記1ページ目は、そんなサンゴセンターについて紹介をしようと思います。

国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター 白い壁と赤瓦屋根が目印です!

▲ 国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター 白い壁と赤瓦屋根が目印です!

サンゴ礁の保全や自然再生を進めていくため、サンゴ礁に関する情報の収集や提供、研究や学校教育への支援も行っています。

例えば、モニタリング調査では、石垣島周辺や石西礁湖を中心に、様々な影響を受け、絶えず変化しているサンゴ礁の現状を継続して把握しています。その結果をもとに、オニヒトデの大発生や大規模白化などいろいろなダメージから復活しようとするサンゴの自然回復力を補助する取組や、関係機関などと協力して行う活動について、どうしたらサンゴ礁をより力強く保全できるのか見直しながら実施しています。

さらに、最新の調査結果や自然再生に関する取組などをわかりやすく発信することもサンゴセンターの重要な役割のひとつです。サンゴセンター内にある石垣自然保護官事務所が事務局を務める石西礁湖自然再生協議会でも、得られた情報が発表されています。

<石西礁湖自然再生協議会ニュースレター>

http://www.sekiseisyouko.com/szn/entry/newsletter.html

また、多様な生物に「食」と「住」を提供し、癒しや観光資源、天然の防波堤など私たち人間の生活にも多くの恵みをもたらしてくれているサンゴ礁の重要性、保全の必要性についてより深く理解していただくため、特別展示などを行うとともに、学校や地域の方の協力を得て実施するサンゴ学習の支援や、「海の自然教室」など西表石垣国立公園をはじめとする各フィールドを利用した普及啓発活動も行っています。

国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターは、地域の方や関係機関、団体など、たくさんの方に支えていただき、20周年を迎えることができました。この場をお借りして感謝いたします。

秋頃に20周年イベントとして楽しめる企画ができたらと考えておりますのでお楽しみに!

豊かで美しい八重山の、日本の、世界のサンゴ礁をずっとずっと守っていけるよう、これからも多くの方とともに一歩一歩進んで行けたらと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

コロナが収束したら是非遊びに来てくださいね!

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、現在臨時休館しています。

再開時期につきましては、地域での状況等を踏まえ、沖縄奄美自然環境事務所ウェブサイトで改めてお知らせします。

<環境省沖縄奄美自然環境事務所ウェブサイト>

http://kyushu.env.go.jp/okinawa/index.html

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2020年04月30日<遊べる!学べる!サンゴブックのご紹介> 【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 山本 以智人

こんにちは!

石垣自然保護官事務所の神保です。

大型連休に入りますが、今年は新型コロナウイルスの影響で外出は自粛。

ほかの事務所からも、自宅で楽しめるアイテムが続々と挙げられていますが、

国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターからも、ひとつ紹介させてください。

その名も「サンゴブック for kids」!

対象は、主に小学生向けとなっていますが、小学生以下の小さなお子さまや、

大人の方も楽しく一緒に学ぶことができます。

内容は、サンゴやサンゴ礁の生きもののぬりえやクイズ、すごろく、工作など、

20項目がギュッと詰まった一冊です。

ちょっと中をのぞいてみましょう...!

ぬりえ・サンゴの海

どんな生きものがいるかな?サンゴの海を探けんしよう!

すごろくゲーム サンゴのだいぼうけん

サンゴになった気持ちで、遊んでみよう!

つくってみよう マンタひこうき

八重山の海のにんきもの、「マンタ」を思いっきり空にとばしてみよう!

などなど、他にもたくさんのコンテンツがありますので、

海の生き物が好きな方、サンゴに興味のある方はもちろん、

八重山地域の方々には、この機会に地域の自然を学ぶきっかけに、

また、今回旅行を自粛していただいているみなさまには、

このワークブックを通して、八重山の自然に想いを馳せていただければと思います。

以下をダウンロードしてご活用ください。

(3部に分けて掲載しています。)

newサンゴブック1.pdf

newサンゴブック2.pdf

newサンゴブック3.pdf

おうち時間を少しでも有意義なものにしましょう!

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2020年02月20日カンムリワシ交通事故防止の注意喚起活動【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本

カンムリワシは、冬から春先にかけて繁殖期を迎えるため、求愛や巣作りで行動が活発的になります。例年この時期はカンムリワシの交通事故が多発しています。

カンムリワシの交通事故を防ごうと、新たな取り組みとして近年交通事故が発生している地点付近の交差点で、通行するドライバーさんに注意喚起する活動を216日(日)に実施しましたので、お伝えします。

▲横断幕やのぼりを持ってカンムリワシの交通事故防止をPR

今回は、石垣自然保護官事務所とカンムリワシの自然保護活動を行っているカンムリワシ・リサーチが主催して、警察署、市教育委員会、西表石垣国立公園パークボランティア、地元の小学校の児童や先生、保護者のみなさんにご協力いただき実施しました。

子どもたちは、「カンムリワシをひかないで」「カンムリワシのエサをひかないで」と思い思いに作成したメッセージボードを掲げて、ドライバーさんに注意を呼びかけました。

▲児童が作成したメッセージボード

今年は、元旦にカンムリワシの交通事故が発生し、事故のダメージが大きく、残念ながら数日後に死亡が確認されました。現在、「カンムリワシ運転注意マップ」を作成し、市や関係団体等の協力を得て、交通事故の注意喚起を呼びかけています。

▲カンムリワシ運転注意マップ

カンムリワシは、森の近くの水田など見晴らしのよい樹木や道路脇の電柱によく止まり、エサとなる小動物が出てくるのをじっと待ち伏せしています。

エサを求めて、車に轢かれた小動物を食べに道路上に度々出現することや低空飛行で道路を横断することもあるため、車を運転されるドライバーのみなさんは法定速度を守ってスピードを控えていただき、野生動物の急な飛び出しがあっても安全に事故を避けることができるよう、余裕をもった運転にご協力お願いします。

これからも地域のみなさんに石垣島の生き物の現状を知ってもらうため、普及啓発に取り組んでいきたいと思います。

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2020年01月20日おやこグラスボート観察会@白保

西表石垣国立公園 神保彩葉

あっという間に1月も中旬。

遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。

さて、12月の話ですが、

石垣島の白保沖でグラスボートの観察会を行いましたので、当日の様子をご紹介します。

白保の海は国立公園!

世界最大級のアオサンゴ群集などが観察できるとても貴重な場所です。

そんな魅力溢れる白保の海をたくさんの人に知ってもらいたい!という

地元の方の想いから生まれたこのイベント。

まずは参加者の方へ、国立公園のこと、サンゴのこと、白保の海のことを

レンジャー&講師からのレクチャーで、知ってもらいました。

▲講師からのレクチャー              

▲たまたま前日に捕獲した生きたオニヒトデも観察!

レクチャーを終えたら、船着き場へ移動し、いよいよ観察スタートです。

▲いざ乗船!

▲間近に見えるサンゴに釘付け!

 

▲もう一隻の船では、水中スタッフが生き物を探します。

 

▲私も生き物探しに加わりました。

 

▲オオイカリナマコを発見!

▲ナマコやヒトデ、クモガイなど、海の生き物に夢中な子どもたち!

良い天気で無事に終了!小さな子どもから大人まで、大盛り上がりでした。

白保の海の魅力、楽しさをみんなで共有できたことと思います。

▲集合写真。楽しかったね。

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2019年10月28日台風とサンゴ

西表石垣国立公園 神保彩葉

みなさん、こんにちは。

石垣自然保護官事務所の神保です。

今年は台風が多いですね。

台風被害に遭われた方、心よりお見舞い申し上げます。

さて、今回は9月末に石垣島に接近した台風18号とサンゴのお話です。

舞台は米原海岸。

米原海岸は、石垣島内で手軽に美しいサンゴ礁が観察できる場所として、

人気のスノーケリングスポットであり、国立公園に指定されています。

10月上旬、そんな米原海岸礁池内において、サンゴの白化現象が確認されました。

白化前 (9月17日撮影)

  

白化中

(10月2日撮影)  JELLY FISH 提供

 

(10月5日撮影)

 

今回の白化は、

○台風18号の影響で大雨が続いたこと

○大潮の干潮と重なったこと

によって、礁池内が一時的に淡水にさらされてしまったことが要因のひとつではと考えています。

地元関係者の人たちと、米原海岸の現地確認をしたところ、

今回白化した範囲は、以下のように、河口域に集中していることが分かりました。

また、別件の調査で米原海岸を泳いでいた地元関係者の方が、

白化直前、こんなものを撮影したそうです。

9月28日夕方撮影  提供:エコツアーふくみみ 大堀健司氏

この日、水面には、上の写真のような大量のぬるぬるとしたものが浮いていたそうです。

サンゴはストレスを受けると、自分の身を守るために、粘液を出すことがあります。

水面をただよっていたものは、サンゴたちが出した粘液ではないかと推測しています。

「台風は、海水をかき混ぜる効果があり、水温が下がってサンゴにとって良いこと」

という印象を持っている方も多いと思いますが、

サンゴの棲んでいる環境によっては、一概にそうとは言えないようです。

また、よく勘違いされがちですが、サンゴの白化=死亡ではありません。

今後の海の環境次第で、サンゴの体内に残った褐虫藻が復活し、健全な状態に戻ることもあります。

無事に元気な姿に復活しますように・・・。

今後も地元の人たちと協力しながら、サンゴたちの様子を随時、観察していきたいと思います。

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2019年10月23日与那国島の希少な動植物たち

西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本

これから全国各地では、葉が色づき始め、紅葉シーズンが到来しますね。沖縄は年間を通して温暖な気候が続くため、紅葉を楽しむことはできないですが、ちょっとした秋の訪れを感じられる絶滅危惧種のイソマツの開花が与那国島の鳥獣保護区で観察することができました。

▲イソマツの開花〈環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類(VU)

▲海岸一面に開花したイソマツ

与那国島は、ヨナグニカラスバトやキンバトなどの希少な鳥類や動植物が生息し、野生動植物が生息しやすい環境を保全するため、国指定鳥獣保護区に指定されています。今回は、与那国鳥獣保護区を巡視し、また、国内希少野生動植物種(種の保存法)の自生地を確認してきましたので、与那国島の希少な動植物についてご紹介をしたいと思います。

まずは、ウスイロホウビシダと呼ばれるシダ植物。国内希少野生動植物種に指定され、採集や譲渡などは法律で禁止されています。国内で与那国島のみに分布し、石灰岩の岩上などに生えます。葉の平らな部分を葉身(ようしん)と呼び、ウスイロホウビシダの葉身は鳥の翼のような形なのが特徴的です。

▲ウスイロホウビシダ〈国内希少野生動植物種:平成29年指定〉

ヨナクニトキホコリは多年草で、与那国島と石垣島のみに分布し、国内希少野生動植物種に指定されています。うす暗い湿った環境を好みますが、近年の台風によって、林内が明るくなり、環境の悪化によって、生育する環境もかぎられ、絶滅が心配されています。

▲ヨナクニトキホコリ〈国内希少野生動植物種:平成29年指定〉

鳥獣保護区内にある東崎灯台付近からの景色は雄大です。岬は断崖絶壁で風が強く、度々大きな白波が岸壁を打ち付け迫力があります。岬は放牧地となっているため、子を連れた馬や牛がのんびりと草をむしゃむしゃと食べている姿は癒やされ、すてきな風景が広がっていました。

▲東崎灯台付近からの眺め

今回は、国内希少野生動植物種に指定されているヨナグニマルバネクワガタの密猟防止合同パトロールも実施しました。ヨナグニマルバネクワガタは、法律で禁止する以前は、乱獲によって数が減少しましたが、最近では、度重なる台風の接近によって、立派に成長して大きくなった生息木が倒れるなどして、林内が明るくなり、林内の乾燥化が進み、生息環境の悪化が心配されています。

▲ヨナグニマルバネクワガタ(メス)

また、保護区内の小川には国内では与那国島のみに分布しているアオナガイトトンボを観察できました。春から秋にかけて観察することができます。オスは鮮やかなコバルトブルーの体色が特徴的です。メスの体色は、薄オレンジ色です。

▲アオナガイトトンボ〈環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類(VU)

与那国島は面積28.95㎢と大きな島ではないですが、世界にここだけの生き物がたくさん生息している自然豊かな島です。自然環境をおびやかす要因はさまざまですが、たくましく生息している希少な動植物を確認することができ、改めて与那国島の生物多様性の高さを感じ、これからも私たちみんなで生息地に目を向けて大切に守っていかなければならないと感じました。

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2019年09月09日今年のサンゴのモニタリング調査

西表石垣国立公園 神保彩葉

こんにちは。石垣自然保護官事務所の神保です。

6月~8月が一瞬で過ぎていきました。

もう9月という事実が信じがたいですが、石垣の夏はまだまだ続きそうです・・・。

さて、今年もサンゴのモニタリング調査を行っております。

コドラート内のサンゴを調べる調査員

今年は、どの地点も調査は長期戦。

なぜなら新しい小さなサンゴがたくさん加入しているからです。

とても嬉しいことですね。

ただ、1つのポイントを平均2時間以上、水中でじっとしていると、

さすがの夏場でも、体が冷えるようです。

ところで、サンゴも病気にかかるということを知っていますか?

近年、石西礁湖ではサンゴの病気が増えています。

病気にも様々なものがあり、詳しい原因は、未だ分かっていないのですが、

地球規模の環境悪化、それに伴うサンゴの免疫力の低下、

そして、私たち人間の活動とも無縁ではないと言われています。

(サンゴの病気:例)

  

病気①ホワイトシンドローム 

病気②腫瘍

病気③ブラックバンド

上の3つ以外にも、サンゴの病気はいくつかあり、いずれもまだまだ解明されていないことばかりです。

さて、調査中に真っ白な赤ちゃんサンゴを発見。

調査員に肩を叩かれ、指を指した岩場の裏をのぞいてみると、

真っ白サンゴのすぐ近くに、サンゴの天敵、オニヒトデを発見しました。

白かったのは、オニヒトデが食べた跡でした。

見つけたオニヒトデ

こんなに小さなサンゴも食べてしまうとは、恐れ入りました。

今年は台風も定期的にきているためか、海水温はさほど上がらず、

大規模な白化現象は起きていませんが、サンゴを脅かすものは、

単に白化現象だけではないようです。

八重山周辺の気になるサンゴの情報等がありましたら、

下記センターまで、是非お寄せ下さい。よろしくお願いします。

【国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター】

住所:沖縄県石垣市八島町2-27
TEL:0980-82-4902 FAX:0980-82-0279

Mail:coremoc@sirius.ocn.ne.jp

HP:http://kyushu.env.go.jp/naha/coremoc/index.html

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2019年08月05日中学生のお仕事体験【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本

最近の石垣地域は、晴れ間が続き、真夏の到来といった感じでさわやかな青空が広がっています。子どもたちは、夏休みに突入。今回は、地元中学校の生徒がお仕事体験にやってきたので、その様子をご紹介したいと思います。

2016年の夏にアメリカザリガニが石垣島の某所の池で確認され、駆除対策などを実施し、最近まで確認されることはなかったのですが、再び同じ池でアメリカザリガニが確認されるようになり、現在、池の水を抜くなどして駆除対策を実施しています。

以前、アメリカザリガニが初確認された際に投稿したAR日記はこちら↓

http://kyushu.env.go.jp/blog/2016/08/post-229.html


今回も池の水を抜き、池の水は枯渇しましたが、池の流出口の沈殿槽に水がまだ溜まっており、そこで残存個体のアメリカザリガニを発見!!お仕事体験の中学生と捕獲作業を行い、中学生に1個体のアメリカザリガニを捕獲して頂きました。


▲中学校生の捕獲作業の様子


▲池内で捕獲したアメリカザリガニ

再び池で確認された経緯はわかりませんが、また誰かが逃がした可能性も考えられるため、アメリカザリガニが確認された池の入口付近などに野外にアメリカザリガニを逃がさないように呼びかける注意看板を作成して設置しています。


▲アメリカザリガニの注意看板

また、その池の下流には、ダムがあります。そこには生態系被害防止外来種リストの総合対策外来種に選定されているマダラロリカリア(呼称:プレコ)が生息しているという情報があり、ザリガニの捕獲作業後に、その現場を確認してきました。橋の上からダムの放流口を確認すると、全長40cm程の大型のプレコが数匹悠々と泳いでいました。

マダラロリカリアとは・・・

日本では、1989年に沖縄本島の牧港川で増えているのが初確認され、現在では沖縄本島の各地の川で増えてしまっている外来種。ペットとして飼われていた個体が放流されて野生化して増えたと考えられています。汚れた川でも生息できることや鎧(よろい)のような堅い鱗(うろこ)があり、天敵となる生き物がいないことなど、繁殖力が強いため、在来種の魚類と争ったりして生態系へ悪影響を与える恐れがあると懸念されています。

▲ダムの放流口に生息しているマダラロリカリア

ペットとして持ち込まれた生き物が野外で増えて、侵略的外来種となることがあります。興味本位でペットを飼うのではなく、ペットを飼う前には、しっかりとその生き物のことをよく知り考え、ペットは最後まで責任を持って飼う心構えがとても大切です。

西表石垣国立公園の第3種特別地域になっている屋良部岳(標高:216m)の巡視に中学生と行ってきました。屋良部岳は西表石垣国立公園の主要な展望地になっています。林道から入れる登山道を利用すれば、片道約15分で頂上に着き、八重山のすばらしい景観を一望できる人気スポットです。


▲八重山の景観を眺める中学生

▲屋良部岳頂上の眺め

屋良部岳の頂上には、突き出た岩があり、そこからの眺めは最高です!石垣島を訪れた際には、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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2019年07月25日【石垣地域】石垣島北部地域子どもパークレンジャー第1回~第3回

西表石垣国立公園 山田 駿

アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、こんにちは。

今回は石垣島北部地域子どもパークレンジャー活動の第1回~第3回の様子をお伝えしていきます!

地元ガイドさんと共に行っているこの事業は、石垣島北部に住んでいる子ども達を対象に、国立公園の自然の中で親しむ機会をつくり、自然を守っていく大切さを伝えようと行われています。

今年度第1回の活動の舞台は、石垣島野底地域に位置する「吹通川(ふきどおがわ)」です!

ここには広大なマングローブ林が広がり、西表石垣国立公園に指定されているだけでなく、天然記念物として石垣市の文化財に指定されている場所です。

第1回の活動のタイトルは「吹通川たんけん隊」。

カヌーで川を上り、途中から歩いてゴールである滝を目指します。

カヌーを漕ぐこと自体初めての子も多いので、まずはガイドさんからカヌーの漕ぎ方のレクチャーを受けます。

マングローブ林が広がる川を、二人で息を合わせて進んでいきます。

最初はうまく進めない子ども達も、段々と慣れてきて乗りこなせるようになりました。

浅くなってきた奥地のマングローブ林でカヌーから降りて、この場所のマングローブ林の特徴や、立ち枯れの原因、それに伴い植樹をしたことなどの説明を受けます。

ここからは更に上流を目指して歩いていきます。

歩いている途中から少し川の雰囲気が変わり、岩場となります。

約2㎞という短い間にも川の環境が変わっていくのが、吹通川の特徴でもあります。

そしてようやく滝に到着!

歩いてほてった身体を冷やすようにみんな滝に打たれていました。

滝の下にてみんなで記念撮影!

無事に全員でケガなく到着できて良かったです。

さて、第2回の活動の舞台は、これまた野底地域にある野底林道が舞台です。

第2回の活動のタイトルは「アコークローの生き物調査」です。

アコークローとは、沖縄の方言で「明るい暗い」の意を指し、夕暮れ時の時間帯の事を言うそうです。

その夕暮れ時は昼行性の生き物の活動が収まっていき、夜行性の生き物が活動をし始める時間帯で、様々な生き物の様子を観察することができます。               ↑活動開始前国立公園看板にて記念写真

そこで2班に分かれて、見えた生き物や聞こえた生き物の声を記録していき、時間による生き物の移り変わりを実感してもらいます。

           ↑シートに見えたり聞こえたりした生き物を記録していきます。

普段、夜に出歩く事はなかなか少ないので、子ども達は少し興奮気味にどんどん先へと進んでいってしまいます。そこでときおり見かける夜の生き物に注意を向けてもらい、昼間との活動の違いや、夜にしか見られない生きものの姿などを観察して貰いました。

              ↑リュウキュウコノハズクを観察している様子

              ↑リュウキュウクマゼミの羽化の様子を観察

カエルだけでも5種確認するなど、多くの生き物を観察することができ、貴重な経験になったことと思います。

第3回の舞台は石垣島北部平久保半島の西側に位置する久宇良の海です。

タイトルは「サバニに乗って、サンゴ礁スノーケリング」。

沖縄の伝統的な小型船であるサバニに乗ってポイントまで行き、スノーケリングをしてサンゴ礁に生息する生き物を観察して貰おうというものです。

活動日の近日に台風が通過しており、実施できるか心配していましたが、風も波も強くなく、無事に活動を実行できる運びとなりました。

当日は大小3艇の船に分かれて乗船しました。

いざ行かん!サンゴ礁ポイントへ!と帆をあげると一気にテンションが高まります。

風の力を受けぐいぐい進み、漕ぐ力をほとんど必要にしてないようにも思える程でした。

15分ほど船を走らせ、サンゴ礁のポイントにつきました。

そこには、とても生き生きとしたサンゴたちが広がっていました。その様子を、スノーケルを用いて観察して貰います。

時にはクマノミも観察することができました。            ↑カクレクマノミ(他にもハマクマノミが確認できました)

1時間ほどスノーケリングをして、また船に乗り、浜へと戻ります。

反対方向となりましたが、うまく風の力を利用して行きよりもスピードが出ているように思えました。

時には海賊船のように向かいあってふざけあったり(笑)

伝統的なサバニの文化を実体験してもらい、身近な海の中のサンゴの広がりを観察することができ、夏休みに入ったばかりの日曜日にとても良い夏のスタートがきれたのではないかと思います。

どの活動もケガ無く、それぞれ全く違った北部地域の自然を楽しんで貰う事ができました!

これからも地元の自然を知り、普段から国立公園の素晴らしい自然に親しみを持って貰いたいと思います。

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