西表石垣国立公園 石垣
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2016年01月25日開催案内ー「世界湿地の日」名蔵アンパル自然観察会ー【石垣地域】
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本
こんにちは。最近の石垣島は雨模様で、野外での活動が中止なるなど困ったものです。今年も名蔵アンパルでの自然観察会を実施しますので、当日は、晴れることを祈りながら、開催案内をします。
2月2日は、ラムサール条約が締結された日にちなみ「世界湿地の日(World Wetlands Day)」に指定され、毎年この時期は、世界各国で催し物やイベントが開催されています。この日を記念し、石垣島でもラムサール条約湿地に登録されている名蔵アンパルの干潟で自然観察会を2月6日(土)に開催します。
自然解説時の様子
ラムサール条約には、「保全・再生」・「ワイズユース(賢明な利用)」・「交流・学習」の3つの基盤となる考え方があります。「ワイズユース」は聞き慣れない言葉ですが、将来にわたって湿地を保全していくためにとても重要な考え方です。観察会に参加することで、名蔵アンパルと私たちの暮らしとのつながりについて理解し、楽しく自然とふれあっていきましょう。
生き物探しの様子
今回の観察会は、石垣島エコツーリズム協会会長の谷崎樹生氏を講師にお招きして、名蔵アンパルのマングローブの紹介や名蔵アンパルの環境変化など、いろいろな方面から名蔵アンパルについて解説していただきます。ぜひ、この機会に名蔵アンパルの自然を楽しんでください。ご参加お待ちしています。
なお、参加をご希望の方は環境省石垣自然保護官事務所まで電話かFAXでお申し込み下さい。比較的水深の浅い場所で観察会を行いますが、川を渡る場所もありますので、お子さんの長靴だと浸水してしまいます。マリンブーツ等濡れてもよい靴を必ずご持参ください。
ヤエヤマヒルギの樹上に住むタマキビ(葉の表面の汚れを食べてくれるお掃除屋さん)
【とき】平成28年2月6日(土)10時00分から12時30分ごろ(9時30分受付開始)
【集合場所】 名蔵小橋北側へ約200m海側駐車スペース
【参加料】100円(保険料)
【定員】20名(定員になり次第締め切り)
【対象】小学生以上(小学生の参加は保護者同伴)
【服装】防寒着、帽子、濡れても良い服装とマリンブーツ等濡れてもよい靴
【持ち物】着替え、飲み物、タオル、履き替え用の靴、手洗用の水(ペットボトル等)
【荒天時】荒天の場合は、当日朝8時00分までに判断し、参加者に連絡します(延期日:2月7日)
【申込締切】2月3日(水)17時00分
【申込先】環境省石垣自然保護官事務所(担当:仲本)
電話 0980-82-4768 (平日9:00から17:00)
干潟について興味のある方や身近な自然について理解したい方など、どしどしお申し込みください。なお、定員になり次第締め切りとさせていただきますので、ご了承ください。みなさんのご参加をお待ちしています。
2015年12月03日平成27年度 石垣島北部子どもパークレンジャー最終回!【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
石垣島北部子どもパークレンジャーは今回で今年度第6回目となり、いよいよ最終回です。
最終回は「野底マーペー登山」!
▲野底マーペーとマングローブ林
今回はあえて海岸からスタートし、標高0m~山頂282mまで登りました。
山頂までの間には、いくつかクイズポイントがあり、子どもたちはクイズシートとコンパスを手に、問題を解きながら山頂を目指して歩きました。
この日はあいにく不安定なお天気で、山の中は足場が良くありませんでした。
しかし、さすがは島の子どもたち。
こんな環境下でも、元気にかけ登っていく姿にただ感心させられました。
海岸から出発し、約2時間かけて山頂に到着しました。
山頂では、昼食のおにぎりタイム。
途中何度か降っていた雨も、奇跡的にこの時間はやみました。
「今まで行った場所はあそこだね」「あそこでは〇〇だったね」等、
石垣島北部の景色を見渡しながら振り返りをしていると、なんとうっすら虹がでてきました!
しかも、山頂から希少種"カンムリワシ"が飛んでいる姿も観察できて、
最終回にふさわしい絶好の景色を見ることが出来ました。
今まで頑張った子どもたちへのご褒美でしょうか(^^)
今年度からはじまった石垣島北部子どもパークレンジャー。
1回の参加だけでなく、何度も参加してくれる子や皆勤賞の子も2名いて、
下山後は表彰式を行いました。
▲皆勤賞の子の表彰式
子どもたちが将来大きくなって島を離れても、今まで体験したことや学んできたことを思いだし、
生まれ育ったこの島の自然を大切に思えるような、そんな大人になって欲しいと思います。
2015年12月03日自然観察会バスツアーin与那国島【石垣地域】
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本
今年の石垣島は、11月中旬まで暖かい日が続いていましたが、最近はちょっとだけ涼しくなりました。
11月に与那国島の生き物を紹介した企画展、ヨナグニマルバネクワガタなどに関する講演会、自然観察会バスツアーと盛りだくさんの催しが与那国島で行われました。
(請負:九州大学 共催:与那国町教育委員会、与那国いとなみネットワーク、環境省那覇自然環境事務所 協賛:株式会社 資生堂)
自然観察会バスツアーでは、与那国島の身近な生き物にふれ、どんな生き物が与那国島に生息しているのかを与那国の子供たちや地域のみんなに知ってもらおうと昆虫に詳しい九州大学の荒谷教授が案内役となって、与那国島の自然を巡る楽しい観察会が行なわれました。
観察会では、まずヨナグニマルバネクワガタの生息環境を観察しました。地域の方でもなかなか林の中に入る人も少なく、こんな環境があったのかと驚かれていました。
▲ヨナグニマルバネクワガタの生息地を観察
与那国島の久部良岳(標高:191m)に登りました。大人たちは少しバテ気味の中、子供たちは久部良岳の山頂に続く急な坂道を元気よく走って登っていました。やはり子供は元気です。散策中、触っても刺されないアカタテハの幼虫を発見した子供たちは、刺さない毛虫に興味津々といった感じで、アカタテハの幼虫の感触や生態をじっくり観察していました。
▲アカタテハの幼虫を観察する子供たち
▲アカタテハの幼虫
与那国島には外来植物のアメリカハマグルマが繁茂し、他の植物の生息環境を奪っています。そこで、現状を知ってもらうため参加したみんなにアメリカハマグルマの茎の長さを競いながら駆除体験が行われました。地面を覆うように成長するアメリカハマグルマの根を切らないように3m以上の茎をみんなが上手に駆除し、夢中になっていました。
▲アメリカハマグルマの茎の長さを競う子供たち
与那国島には高校がなく、島の子供たちは高校生になると、島を出て行かなくてはならないため、小学生や中学生のうちにたくさん与那国島の身近な自然にふれあってほしいです。今回参加してくれた子供たちが高校生になり、県内外のみんなに与那国島の自然をしっかり伝える人になってくれたら、うれしいなと思った一日となりました。
2015年11月17日カンムリワシ2羽を11月に放鳥【石垣地域】
西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本
こんにちは。石垣島では8月ごろからカンムリワシのヒナは巣立ちをはじめ、自立したお腹の部分が真っ白でとても綺麗な幼鳥を目にすることができます。
最近は自動車によるカンムリワシの交通事故が増えています。今回、交通事故に遭った2羽のカンムリワシを動物病院で治療したのち、鳥獣飼養ボランティア施設でリハビリを行い、元気に回復したので、11月6日と10日の2日間に分けて放鳥を行いました。
11月6日に放鳥したカンムリワシは、若鳥で右脚に青のHと刻印した足輪が付いていたことから、去年の1月に衰弱して保護された愛称「ヘラ」であることがわかりました。放鳥場所は救護された付近の田んぼで行いました。2回も救護されてしまったので、3回目は救護されないように祈りながら、元気よく、田んぼ近くの林の中へ飛び立っていきました。
愛称「ヘラ」放鳥の様子
11月10日に放鳥したカンムリワシは、成鳥で愛称「レッド」と名付けられました。交通事故に遭った際、翼に出血がみられ、骨折していないか心配されましたが、レントゲン検査の結果、骨に異常はありませんでした。「レッド」は11月10日に、救護された付近の牧草地にて放鳥を行いました。放鳥時は風が強く、風にあおられながら飛び立っていったため、少し心配になりましたが、きっと今頃は元気に過ごしていると思います。
愛称「レッド」放鳥の様子
放鳥する個体には、放鳥したカンムリワシであることが識別できるように足輪を装着しています。愛称「レッド」には右脚に赤のRと刻印した足輪を装着しています。今後、足輪の付いたカンムリワシを見かけた際には、撮影画像を添付の上、撮影場所、日時をカンムリワシ・リサーチのメールアドレスkresearch526@yahoo.co.jpまでご連絡ください。重要な生存確認の情報として記録させていただきますので、ご協力をお願いします。
「レッド」の足輪(右脚赤R)
12月・1月・2月の期間は、カンムリワシの子育て期間になり、カンムリワシの行動が活発的になります。この時期は親鳥がヒナ鳥のために道路上のエサを捕ることも増えてくるため、交通事故の発生件数も多くなります。法定速度を守ったドライブ運転を行えば、急に飛び出してくる野生動物の交通事故を防ぐことができますので、ご協力をよろしくお願いします!!
2015年11月09日平野~明石凸凹道サイクリング【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
石垣島北部地域、子どもパークレンジャー第5回目!
今回は石垣島最北端の平野という場所からスタートし、
平久保半島東海岸沿いの舗装されていない道をサイクリングしてきました。
運良く天候にも恵まれ、青い空と海と自然に囲まれながら元気いっぱい走り出しました。
途中砂利や轍(わだち)にタイヤを取られたり、
道を牛が横切ったり?!とハプニングもありましたが、
めげずに自転車を漕ぎ、およそ8㎞の道のりを2時間半かけて、
無事全員完走することができました(^^)
また、平久保半島東海岸近くには、明治45年(1912)に廃村となった
"安良村跡"があり、未だに昔の人の生活の跡を見ることが出来ます。
▲安良村跡地:家の石垣跡
▲トイレ跡
現在では考えられないトイレを目にして、
興味深そうに観察している子どもパークレンジャーのみんなでした!
自然だけでなく、島の歴史も肌で感じられる良い機会になったと思います。
石垣島北部ではこんな美しい景色を当たり前に見ることが出来ます。
この景色や残されている自然を大切に守っていきたいですね。
次回で今年度の北部地域子どもパークレンジャーは最終回です!
最終回もアクティブレンジャー日記にて公開しようと思いますので、
みなさまお楽しみに~!
2015年10月28日西表島鹿ノ川ビーチクリーン【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
みなさまこんにちは。
こちら石垣島もすっかり秋めいてきましたが、まだまだ日中は暑く半袖で過ごせる程度です。
さて先日10月12日(月)、八重山環境ネットワークによる、西表島鹿ノ川のビーチクリーンに
石垣自然保護官事務所は事務局として参加しました!
鹿ノ川海岸は、通常人が上陸できない場所にあります。
石垣島~鹿ノ川海岸の手前までは、海上保安庁の巡視船「あだん」で移動し、
島に上陸するために海上で小型船に乗り継ぎ、鹿ノ川海岸へ上陸しました。
▲鹿ノ川海岸
▲打ち上げられた漂着ゴミ
参加者で力を合わせて、いざ清掃開始です!
▲ビーチクリーンの様子
ゴミの収集はもちろん、分別も全て手作業で行われます。
ゴミは色々な物があり、国内外のペットボトル、日用品、
波によって小さくなったプラスチック、船のブイやロープ、医療用の注射器まで打ち上がっていました。
今回、あまりの大量のゴミに時間内に全て拾うまでは出来ませんでしたが、
1日でこんなにも多くのゴミを回収することが出来ました。
みなさんお疲れ様でした!
▲記念写真
回収後、鹿ノ川海岸を散策していると、岩場に張り付いている
イソギンポ科の魚"ヨダレカケ"を発見しました。
▲ヨダレカケ:琉球列島以南~台湾、インドネシアに生息
また、帰りの船では、船が通過した後、驚いて跳びはねる魚を食べにきている
"カツオドリ"の姿も観察することが出来ました。
▲船についてくるカツオドリ
ところで鹿ノ川という場所は急深の岩礁性内湾で、
"ジュセイラ"という貝の絶好の生息地だということをご存知ですか?
日本でジュセイラは、鹿ノ川によく見られるので、別名:カノカワガイと呼ばれています。
そして"ジュセイラ""ショウジョウラ""バンザイラ"の三種は
「三大美螺」と呼ばれており、とても美しい貝です。
▲左:ショウジョウラ 右:ジュセイラの欠片
豊かな自然環境と生き物たちの生命力に驚かされ、その一方で海に漂着していた大量のゴミを思うと、
一人一人が出来ることをやらなければと痛感した一日となりました。
2015年10月02日子どもパークレンジャー!平久保サガリバナ群落ボランティア作業【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
みなさまこんにちは!石垣自然保護官事務所の神保です。
石垣島北部地域子どもパークレンジャー事業第4回目として、9月26日(土)に平久保サガリバナ群落のボランティア作業を行ってきました!
現地に到着するなり、元気いっぱい木に登って遊んでいる子どもたち。
さすが自然に囲まれて育っているだけありますね~(^^)
▲木に登る子どもたち
当日の作業は、平久保サガリバナ保存会のみなさまの説明やサポートを頂きながら、みんなで古くなったり、虫に食べられたりしている葉の剪定を行いました。作業が始まるとみんな夢中になり、葉を落とす「パチッ、パチッ」という音が響いていました。
▲葉の剪定作業中のようす
作業の後は軽食タイムです。
この日の軽食は・・石垣島のソウルフード「からそば」。
※からそばとは、八重山そばとサバの缶詰等を混ぜ合わせたものです。
ただし!この日のからそばは特別仕様で、大皿はバショウの葉、取り皿はゲットウの葉、お箸はススキの茎を切り、自分たちで作成しました。
全て自然のものなので、ゴミが出ず環境に優しい&自然が豊かな場所ならではのアイディアですよね。屋外でみんなと一緒に食べるご飯は格別なようで、大盛りだったからそばを、おなかいっぱいになるまで食べていました。
▲MY箸作成中
▲オリジナル「からそば」出来上がり
▲食事のようす
食事の後はサガリバナの観賞を行いました。
サガリバナの花は夜に咲くため、日没前と日没後とではまた違った姿を見せてくれます。
さっきまでつぼみだった花が、日が暮れるにつれて開いていく様子をみんなで観賞しました。
▲日没前のサガリバナ
▲日没後のサガリバナ
あたりが暗くなると、昼間にはなかなか見られない生き物たちも出てきてくれます。
この日はなんとヤシガニも姿を見せてくれました。
▲見つけたヤシガニ
きれいな月夜の中、サガリバナの観賞と格別な軽食、そしてサガリバナ群落内を冒険するなど、盛りだくさんでとても贅沢な一日でした。
当日ご協力いただいた平久保サガリバナ保存会のみなさま、本当にありがとうございました!
子どもたちに自分の生まれ育った北部地域を好きになってもらい、将来は自然を守る発信者となってくれたら・・と願っております。
2015年10月02日台風13、15、21号の被害【石垣地域】
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本
こんにちは。石垣自然保護官事務所の仲本です。最近の石垣島は良い天気が続いています。少し夜も涼しくなり、もう真夏の時期も終わりかなと感じる今日この頃です。
今年の石垣島は台風の当たり年で、数回台風が接近しました。中でも台風13号と15号は大型で被害が大きく、甚大な被害を与え過ぎ去っていきました。
8月7日の台風13号では、石垣島の観光名所になっている御神崎の、事務所が設置した案内標識も被害にあってしまいました。被害状況は以下の写真のとおりです。案内標識の赤瓦が強風で、はがれ落ちていました。台風で瓦屋根がはがれてしまった家も多く、石垣島の瓦屋は台風後、瓦の修理に追われ、忙しくしていました。現在は、案内標識の赤瓦を修繕し、元通りになっています。
赤瓦がはがれ落ちた案内標識
台風15号は8月23日に石垣島を直撃し、最大瞬間風速71mと過去の記録を更新しました。私が台風15号で目にした被害は、船の転覆、暴風による自動車の横転、自動車の窓ガラスが割れている、電柱が折れているといった被害です。被害を目にし、最接近時は相当な暴風が吹き荒れていたんだと実感しました。最接近時は私もこれまで経験したことのない暴風で家が揺れ、家の中に居てもこわいほどでした。
また、台風15号の被害は市街地だけはなく、石垣島北部にある米原ヤエヤマヤシ群落(国指定の天然記念物)の環境省で整備している展望台デッキや遊歩道でも起こりました。遊歩道にはかかり木となり、倒木したヤシの木が数本倒れていました。強風のため根が浮き、ヤシの幹には亀裂が入り、いつ倒れてもおかしくない状況のヤシの木を確認しました。
9月28日の台風21号では、倒木の可能性のあったヤシの木が台風の強風で倒れ、展望デッキを直撃し、デッキ板が破損してしまいました。現在、復旧作業を行っているため、展望デッキの立ち入りを禁止し、歩道の途中まで通行止めの立ち入り制限を行っています。
台風15号で幹に亀裂が入っていたヤシの木(倒木前)
台風21号で展望台デッキに倒木したヤシの木(倒木後)
今年の石垣島は台風の直撃が数回あり、これから秋にかけても台風が襲来するおそれがあるので、今後も台風による被害が心配です。現在も近年ないペースで台風が発生しているため、皆さんも引き続き気象情報に注意しながら、お過ごしください。
2015年09月15日海の自然教室 part2 ~in米原~【石垣地域】
西表石垣国立公園 石垣 神保彩葉
環境省主催のスノーケルを使った観察会、第二弾!!
海の自然教室in米原を9月6日(日)に行いました。
石垣市施設管理課の方々と共催で行った今回の観察会。
嬉しいことに申込が殺到し、募集をかけてすぐに定員いっぱいとなりました。
当日は、大人9名、小学生10名、中学生2名の計21名の参加でした。
開会式では、八重山警察署の方から水難事故防止運動とのことで、注意喚起をしていただきました。スペシャルゲストで沖縄県警のマスコットキャラクター、シーサー君も登場し、みなさんカメラを構え、和やかな雰囲気の開会式となりました(^^)
▲八重山警察署から注意喚起のようす
開会式のあとは、海へ入る前の事前学習を行いました。
クイズを交えながら、「サンゴってなんだろう?」「海には毒を持っている生き物もいる」ということをみなさんに知ってもらいました。
▲事前学習のようす
スノーケルの観察会は、班ごとに分かれパークボランティアの方々がリーダーとなり、案内役となります。
参加者のみなさん、リーダーの解説に夢中で聞き入っておりました。
▲リーダー解説中
▲観察中のようす
観察会終了後、参加者のみなさんにアンケートに答えてもらいました。
~アンケート結果(18名)~
〇あなたの出身地は?
1位 石垣市 10名
2位 県外 8名
〇海の自然教室へ参加するのは初めてですか?
はじめて:14人 過去に参加経験あり:4人
〇今回の行事に参加した理由は?(複数回答あり)
*トップ3*
1位 生き物の名前や生態が知りたかった 12名
2位 スノーケリングをする機会がない 7名
3位 子どもに体験させたかった 6名
このアンケートから、これまでは県外からの参加者が多数だったにも関わらず、
今回はなんと石垣島出身の参加者が上回ったことが分かりました。
現在、沖縄県民の海離れが懸念されています。
そして今、多くの方や団体が海や自然環境の普及啓発活動を行っています。
多くの方々の努力が、こうして少しずつ結果として出てきているのだととても嬉しく思いました!
八重山の美しい海を守るためにも、今後も普及啓発活動には力を入れていきたいと思います。
▲米原の海のようす
1月24日~25日は、全国的に大寒波が到来し、
雪かきなど、みなさま急遽対応されたのではないでしょうか。
亜熱帯性気候の石垣島にも大寒波、やってまいりました。
雪は降らなかったものの、冬でも晴れると夏日になってしまう石垣島が、
24日~25日は最低気温が10度を下回り、観測史上最低気温となりました。
めったに着ない冬物のコートを引っ張り出し、珍しく着込んだ2日間。
人間も急な対応が必要ですが、生き物たちはどうでしょう?
石垣島北部の海岸線には、魚、カニ、ナマコ、ケヤリムシ等、
様々な海の生き物が打ち上がっていました。
温かい海で住む生き物にとって、急激な水温低下には耐えられなかったようです。
▲打ち上げられた生き物たち
また、低海水温によるサンゴの白化がないか、米原海域公園地区の巡視もしてきました。
造礁性のサンゴが適している水温は、18度~30度ほどと言われており、
水温が高すぎても低すぎても生きていくことができません。
今回の寒波の日は、ちょうど大潮だったため、余計にサンゴの白化が心配されました。
地元で長くガイドをされている方のお話では、2009年にも同じような寒波が訪れ、
今回と同じように大潮と重なり、表層付近のサンゴの白化が確認されたそうです。
条件としてはかなり心配な状況でしたが、
結果として米原のサンゴは白化していませんでした。
一安心です。
ガイドの方が2009年に白化したサンゴを案内してくれました。
まるでベルトのように一直線に死んでしまっているサンゴの上から、
また新たなサンゴが成長しています。
▲2009年に白化したサンゴ
海中を泳いでいると、多くのサンゴが根元から折れていました。
また、海岸には大きな丸太が漂着し、かなりの強い波だった事が分かります。
しかし、逆に考えると、この強い波のお陰で海水が上手に混ざり、低海水温から免れたのかも知れません。
▲根元から折れたサンゴ
地形や風向き等によって、状況は変わってくるとは思いますが、
ひとまず石垣島北部の海岸線及び米原海岸における報告でした。
人間も大寒波で大変でしたが、生き物や自然にも目を向けてみると、新たな発見があるかも知れませんね。