西表石垣国立公園 石垣
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2017年07月07日ギョギョッ!石垣島にさかなクンがやってくる~!
西表石垣国立公園 神保彩葉
こんにちは。
石垣自然保護官事務所の神保です。
早速ですが、イベントの告知です。
夏休み初日の7月22日(土)、石垣市総合体育館メインアリーナにて、
環境省主催によるサンゴのイベントを開催します!
今回のイベントは、特別ゲストとして
ギョギョッで有名なさかなクンと琉球大学名誉教授の土屋先生をお招きしています!
昨年の夏、石西礁湖のサンゴ大規模白化がニュースや新聞などに大きく取り上げられましたが、
「サンゴの白化」を受けて、私たちにできることって何でしょう?
サンゴについて、さかなクン&土屋先生と一緒に、楽しみながら学びましょう!
講演会のほかにも、生き物に触れるタッチプールや
アクアマリンふくしまによる水槽展示、解説など、楽しめる企画が盛りだくさん!
みなさまのご来場、ぜひお待ちしております~♪
詳細はチラシをご覧下さい。
*お問い合わせ先
環境省石垣自然保護官事務所
TEL:0980-82-4768(平日8:30~17:15)
2017年06月20日中学生とオオヒキガエル捕獲【石垣地域】
西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本
最近の石垣地域は梅雨の時期を迎え雨模様の日が多いですが、例年の傾向から、もうすぐ梅雨も明けそうかなと感じている今日この頃です。
今回は、伊原間中学校1年生の生徒たちや保護者、地域の人たちのみなさんと一緒に学校周辺でオオヒキガエルの捕獲を行いましたので、ご紹介したいと思います。
石垣島の北部にある石垣市立伊原間中学校では、環境省の事業として、特定外来生物のオオヒキガエルを教材とした解剖実験や八重山諸島に生息している外来種について学び外来種への理解と関心を高めてもらう目的で地元のエコツアーガイドさんが講師になって環境教育を実施しています。今回の捕獲はその環境教育プログラムの第一回目の活動として行われました。
▲外来種についての基礎学習
まず、はじめに室内で外来種についての基礎学習とオオヒキガエルの捕獲方法の説明を行い、その中で石垣島に生息しているカエル(外来種と在来種)の鳴き声クイズを行いました。生徒たちは難しかった様子でしたが、オオヒキガエルの鳴き声を言い当てた生徒もいて、感心してしまいました。ちなみにオオヒキガエルのオスは「ボボボボボ・・・」と鳴きます。
室内の説明を終え野外に出て、みんなで懐中電灯や捕獲用の虫取り網を片手に、学校周辺と集落周辺に分かれて、約30分間オオヒキガエルを探しました。雨の降りしきる中でしたが、みんな一生懸命に辺りを探していました。
▲学校周辺での捕獲探索
探索した結果、短い時間でしたが、雨も降ったおかげか校内で大きなメスの個体を2個体、近くの公民館の芝生でオス2個体の合計4個体のオオヒキガエルを捕獲することができました。
▲捕獲したオオヒキガエル
最後に捕獲したオオヒキガエルのオスとメスの見分け方の説明があり、生徒らは興味深そうにオスとメスを見比べて観察していました。
▲オオヒキガエルをゲット!!
第一回目の活動を終えた生徒の感想からは、「これからもっと外来種について学んでいき、どうしたら問題を解決できるのかを自分なりに考えていきたい」と頼もしく答えていて、これからの生徒たちの成長に期待です。
2017年06月09日サンゴの大規模白化・・その後は?【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
沖縄地方はただいま「梅雨」ですが、
こちら石垣島(八重山)は前線が過ぎてしまったのかすでに夏模様です。
「夏」といえば昨年の夏、
八重山ではサンゴの大規模白化という事件が起きてしまいました。
大規模白化後、海の中とサンゴたちは一体どうなっているでしょう?
先日、石垣島名蔵湾へ現地調査に行ってきましたのでご報告です。
名蔵湾冨崎北の海中景観
遠目で見ると、サンゴがたくさん残っているように見えますが・・。
近づいてみるとサンゴに藻が生えているのが分かります。
未だに白化しているイソギンチャク&威嚇するハマクマノミ
しかし、すべてのサンゴが死んでしまった訳ではありません。
懸命に生きるミドリイシ属
これからが期待の稚サンゴ
海に暮らす生き物や、私たち人間にとって、
サンゴから受けている恩恵は大きなものです。
今年も夏がやってきますが、海に入る際にはぜひサンゴの様子も気にとめてみて下さい。
【本日の一枚】
~名蔵湾の巨大コモンシコロサンゴ~
2017年05月23日カンムリワシの『悠々』放鳥【石垣地域】
西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本
先週の5月13日(土)に沖縄・奄美地方が梅雨入りしました。梅雨の時期は、急な落雷や局地的に激しい雨が降ることもありますので、お出かけ時には十分お気を付けください。
さて今回は、5月18日(木)に約1年ぶりとなるカンムリワシの幼鳥を放鳥しましたのでご紹介したいと思います。放鳥したカンムリワシは、民家の敷地にある農水用のため池で衰弱してプカプカと浮かんでいたところを民家の方が保護してくださいました。保護した際は、体温も低く、痩せていて助かるかどうかわからない状況でしたが、迅速な救護対応と獣医師さんの治療、カンムリワシ・リサーチ(民間団体)のリハビリケアのおかげで、無事に放鳥の日を迎えることができました。
▲カンムリワシが救護された農水用のため池
愛称は『悠々』と決まり、「嵩田の大自然で『悠々』と大空を羽ばたいてほしい」と願いを込めて、救護されたご家族の春花さん(高校生)が命名書を書いてくださり、放鳥日は力強く元気いっぱいに大空へ羽ばたいていきました。
▲命名書『悠々』
今年は交通事故による死亡事故が多発し、昨年から交通事故にあった個体の野生復帰まで至らないケースが増えている状況です。重傷個体が多い背景には、スピードの出し過ぎが考えられます。今年に入って石垣島での救護件数は7件で、その内交通事故による救護が5件、衰弱が2件となっています。これから石垣島は夏本番を迎え、生き物の活動も活発になるほか、観光で訪れる方も多くなります。特に夜間や早朝に自動車やバイクを運転する際は、野生動物が道路上に急に飛び出してくることもありますので、カンムリワシをはじめ、野生動物に気を付けて安全運転を心がけていきましょう!
▲放鳥したカンムリワシの幼鳥『悠々』
放鳥した『悠々』には、右足に緑カラーでMと刻印した足環を装着しています。足環のある個体の撮影に成功した場合は、カンムリワシ・リサーチまでご連絡ください。撮影画像を添付の上、撮影場所、日時をお知らせください。 重要な生存確認情報として記録させていただきます。
連絡先 カンムリワシ・リサーチ
<カンムリワシの救護連絡先>
○石垣島
環境省石垣自然保護官事務所 0980-82-4768
石垣市教育委員会文化課 0980-83-7269
○西表島
西表野生生物保護センター 0980-85-5581
カンムリワシの救護情報はカンムリワシ・リサーチHPをご覧ください。
2017年05月08日一緒に探そう。イノーのいきもの調査体験会【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
4月29日(土)、石垣自然保護官事務所とWWFしらほサンゴ村と共催で
「イノーのいきもの調査体験会」と題した観察会を開催しました。
当日は天気も良く、まさに観察日和!
どんな生き物がいるか、みんなで探します。
~見つけた生き物たちのご紹介~
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1.フトユビシャコ
フトユビシャコは一番前の太くなった脚で、パンチを繰り出し、
そのパンチを使い、貝を割って食べています。
干潮時、じっと耳を澄ましてみると、
シャコ達の「パチン、パチン」と貝を叩く音が聞こえてきますよ。
観察するととても面白い生き物ですが、捕まえ方を間違えると、
手をパンチされて怪我をする恐れがあるので、素手では触らないようにしましょう。
2.ソデカラッパ
広がったハサミで顔を覆い隠しているこのカニは、ソデカラッパです。
巻貝やヤドカリを主に食べていて、カギ状のハサミを缶切りのように使い、
貝を割って食べています。
愛嬌があってとても可愛らしいカニです。
3.シカクナマコ
Before
このシカクナマコ、ものすごい技を持っているんです。
After
はい、溶けました!【黄色矢印先】
外敵から身を守るために、刺激を与えると溶けて内臓を出します。
そして敵が内臓を食べている間に逃げる・・という作戦です。
(ちなみに10日程で元の状態に戻るそうです。)
生きる為には色々と工夫が必要なんですね。
こんな風に、サンゴ礁には魅力的な生き物たちがたくさん棲んでいます。
みなさんも是非、干潮の海へ、足をのばしてみてください。
記念撮影
2017年05月01日グリーンイグアナのテレメトリー調査を終えて【石垣地域】
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本
こんにちは。沖縄の県花となっている真っ赤なデイゴの花が開花して、石垣島は春の賑わいを見せている今日この頃です。
▲デイゴの花
さて、今回は2016年春から2017年春まで行ったグリーンイグアナのテレメトリー調査をひとまず終えたのでご報告したいと思います。調査地は、石垣島北部にある美しい景観が広がり、真っ白な砂浜とコバルトブルーの海を一望できる場所にあります。
▲美しい景観が広がるイグアナテレメトリー調査地点
グリーンイグアナは、環境省で重点対策外来種に選定され、対策の必要な種になっています。今回のテレメトリー調査は、海岸沿いを歩き、発信器の付いたグリーンイグアナをアンテナで探知して、どこにいるのかを特定してGPSでポイントに落としました。定期的にテレメトリー調査を行うことで、グリーンイグアナの行動範囲や好む環境を知る基礎的な情報を得ることができます。
▲テレメトリー調査時の様子
気温30度を超える真夏日の中を探索したり、トゲトゲしたアダンやツル状の植物に行く手を阻まれたりしながら、なんとか約一年間に及ぶ調査を終えることができました。
苦戦した調査ではありましたが、日々調査で出会う生き物や咲かせる花など、何気なく調査で通る砂浜も日々変化していることに気付かされ、改めて、自然のすばらしさや大切さを実感することができた約一年間の調査でした。
▲調査時に見つけたハマボッスの花(4月上旬)
4月上旬に砂浜を調査していると、白い花が海岸沿いに咲いており、白い花の植物について図鑑を広げて探してみると、「ハマボッス」と呼ばれる植物でした。全国の海岸沿いに分布している植物ですが、せっかくなので簡単にハマボッスについてご紹介したいと思います。
【ハマボッス】・・・北海道から沖縄までの広範囲の海岸の岩場や砂地に生える海浜植物です。茎は円柱形で直立して、高さ10から40cmになります。漢字では「浜払子」と書き、花の咲く様子が払子(ほっす:獣の毛などを束ねて柄をつけた仏具)に似ていることに由来しているそうです。
夏場に開花する植物なので、ぜひ、石垣島の砂浜を散策した際は見つけてくださいね。
2017年04月11日アメリカザリガニの防除対策【石垣地域】
西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本
以前、AR日記で投稿しました「石垣島でアメリカザリガニを初確認」についての続報をご報告したいと思います。
(前回のAR日記はこちら→http://kyushu.env.go.jp/blog/2016/08/post-229.html)
最近は、さまざまな人間活動が自然環境に影響を与えていますが、特に問題となっているのが外来生物の問題です。2016年の夏に、石垣島の某所の池で、石垣島には本来生息していないはずのアメリカザリガニが確認されてしまいました。アメリカザリガニは、「生態系被害防止外来種リスト」の緊急対策外来種に選定され、積極的な防除を呼びかけています。
アメリカザリガニを確認して以降、人力での定期的な捕獲作業に加え、施設を管理している石垣市と調整しながら、池に流れ込む水をせき止めて、汲み上げ式ポンプで水を枯渇させる等して、アメリカザリガニの根絶に向けて取り組んでいたところでした。
▲汲み上げ式ポンプで水を拭く作業時の様子
取り組み直後は、アメリカザリガニの小さな幼体も確認され、今後どんどん拡散してしまうことが懸念されていましたが、定期的な捕獲と防除対策のおかげで、現在、生息していた池で、ひとまずはアメリカザリガニを確認することはできないまでに至っています。
▲池で捕獲したアメリカザリガニの幼体(体長:約2cm)
生息池では、約300個体を捕獲し、池のみでかなりの数のアメリカザリガニが生息していたことから、池で繁殖して増えてしまっていたと考えられます。池には、アメリカザリガニの他にも、外来生物のオオヒキガエルやそのオタマジャクシ、浮き草のホテイアオイ、外来魚のティラピアやグッピーなど、外来生物が多く生息していた池でした。
▲水抜き前の池
▲完全に枯渇した池
ひとまず池でのアメリカザリガニの繁殖は抑えられたものの、また見知らぬ場所で再び確認されることが懸念されますので、石垣島でアメリカザリガニの目撃情報などがありましたら、石垣自然保護官事務所(TEL:0980-82-4768)までご連絡ください。
外来生物が入ってしまったら、できるだけ早くみつけだして、拡がってしまう前に防除することがとても大事なことなので、ご協力をよろしくお願いいたします。
2017年03月03日出前授業に行ってきました!【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
突然ですがみなさん、日本最大のサンゴ礁はどこにあるか知っていますか?
日本最大のサンゴ礁は、西表島と石垣島の間にあります。
その名も"石西礁湖(せきせいしょうこ)"と呼ばれており、
世界的にもとても貴重な場所と言われています。
※ちなみに日本は世界のサンゴ礁の北限にあたります。
そんな石西礁湖ですが、昨年の夏、大規模なサンゴの白化現象が起き、
環境省の調査の結果、石西礁湖内の約7割のサンゴが死亡してしまいました。
この事は、沖縄県内だけでなく、
全国のニュースや新聞等で大きく取り上げられました。
そんなニュースや新聞を見て、石垣島内にある、とある小学校より、
「サンゴやサンゴの白化現象について知りたい」「自分たちに何かできることはないか」との声が多数あがったということで、出前授業の依頼をいただき、先日、子どもたちの前でお話させてもらいました。
授業の中で、まずはサンゴについてどれだけ知っているか、
テストとしてサンゴクイズを行いました。
クイズは大盛り上がり!
~どれくらい知っていますか?~
【クイズ一覧】
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サンゴは石?いきもの?
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サンゴは動物?植物?
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サンゴは浅いところに住んでいる?深いところに住んでいる?
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サンゴは温かい海が好き?冷たい海が好き?
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サンゴはクラゲの仲間?ウニの仲間?
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サンゴは卵で増える?分裂で増える?それとも両方?
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サンゴは動き回る?岩にくっついて動かない?それとも両方?
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サンゴ礁とは?サンゴがたくさんある場所のこと?それとも地形のこと?
※ここでのサンゴは「造礁サンゴ」を指します。
【答え】
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いきもの
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動物
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浅いところ
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温かい海
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クラゲ
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両方
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両方
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地形
クイズの後は、サンゴの白化現象のお話。
今年度環境省で行った、サンゴの白化調査の結果をお話しました。
少し難しいかな・・と思いきや、真剣にメモを取り、熱心に聞く子どもたち。
子どもたちの想いになんだか心打たれました。
出前授業の様子
昨年、石西礁湖のサンゴの7割は死亡してしまいました。
しかし、裏を返せばまだ3割は生き残っています。
生き残った3割を左右するのは私たちです。
みなさん、"島の宝"を残してくために、まずは節電(地球温暖化防止)、節水(生活排水抑制)など、身近にできることへのご協力をお願いします。
そして、何より大切なことは、
サンゴについて知ること、興味を持つことだと思います。
私たちもこれまで以上に連携し合い、
サンゴを守る方法や対策を考えていきたいと思います。
石垣島内で出前授業をご希望の学校は、
国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター(環境省石垣自然保護官事務所)までご連絡下さい。
TEL 0980-82-4768 (平日8:30~17:15)
2017年02月27日案内標識の塗装【石垣地域】
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本
今回は、西表石垣国立公園内に設置している案内標識の塗装を行ったので、ご報告します。
石垣島の最西端に位置する屋良部半島には、御神崎と呼ばれる岬があります。岬からは、小浜島と遙か西に西表島を望め、岩肌むき出しとなった断崖と青く透き通った海を眺めることができ、観光スポットとしても人気のある風光明媚な景勝の地です。沖合にはダイビングスポットが点在しナンヨウマンタが見られることで有名です。
▲屋良部岳頂上から眺めた御神崎(最奥)
御神崎の名からわかるように、かつて神女(ツカサ)たちが航海安全の祈願を行う聖地として崇敬を集めていたとされています。岬の北側約20mの海中に屹立する岩島の頂部には「ブナリヌツブルイシ(姉の頭石)」と呼ぶ岩があり、大酒飲みの弟を諌めようとした姉が逆に切り付けられ、その頭が動かぬ岩と化したとの民話があります。かなりショッキングな民話にびっくりしますが、ぜひお越しの際は岩島をご覧ください。
▲ブナリヌツブルイシ(姉の頭石)
▲御神崎灯台から眺める景観
今回は、その御神崎に設置してある案内標識を再塗装しました。2年前にも同じように塗装作業を行いましたが、木材で建てられた案内標識は、塩水や雨風によって塗っていた塗料が剥がれていた状況でした。
▲塗装作業中の様子
▲塗装前
▲塗装後
塗装後は、すっかり印象も変わり、綺麗に仕上げることができました。今後も定期的に巡視や点検を行い、国立公園を利用する方に利用しやすい環境を提供できるよう取り組んでいきたいと思います。
7月に入ってようやくクマゼミが盛大に鳴きはじめ、真夏のシーズンがやってきたなと感じる季節になりました。気象台の観測記録によると、今年は平年値に比べて石垣島のクマゼミの初鳴きが17日も遅れたそうです。
さて、今回は「セミ羽化自然観察会 ー 親子で羽化の神秘を感じよう ー 」と題して、石垣市中央運動公園内を散策して、セミの羽化や身近なセミについて学び、自然に親しんでもらおうと観察会を実施しました。
はじめに公園内の木にあるクマゼミの抜け殻探しをみんなで行い、下見の際は、なかなか見つけることができませんでしたが、観察会ではあちらこちらでクマゼミの抜け殻を発見することができました。子供たちも夢中になって採っていました。
▲抜け殻さがしの様子
室内で、みんなで採ったクマゼミの抜け殻のオスとメスの判別調査を行いました。みんなは、採ったクマゼミの抜け殻の手に取り、虫眼鏡を使ってしっかり判別し、オスの抜け殻が多い結果となりました。ちなみに、セミのオスとメスを判別する方法は、抜け殻のおしりの先にある2本の縦線が入っていればメス、入っていないものがオスになります。
▲抜け殻のオスメスを分けている子供たち
今回、なぜオスの抜け殻が多かったのでしょうか?それは、セミの羽化する時期がオスとメスにはズレがあるからです。なぜズレがあるかというと、オスは、メスをアピールするために鳴きますが、羽化をして数日間は鳴くことができないようです。そのため、オスが先に羽化をすることで、オスはアピールする準備期間ができ、メスと出会える機会が増えるからだと考えられています。なので、今回は初鳴きが記録されて間もない時期であったことも関係して、オスが多かったのかと推測されます。
▲セミの成虫を観察(メス)
今年はクマゼミの発生が遅かったこともあり、なかなかクマゼミの幼虫を見つけることができませんでしたが、1個体だけ地中から出てきて樹木を登っている幼虫を発見することができました。羽化するまで少し時間がかかってしまうこともあり、残念ながら、羽化する様子まで観察することはできませんでしたが、子供たちは「頑張れー」と応援しながら、セミの幼虫をじっくり観察していました。
▲セミの幼虫が樹木を登っている様子を観察する子供たち
身近な昆虫でありながら、意外に知られていないクマゼミの世界をみなさんで観察し、身近に暮らしている場所にも一生懸命に生きている生き物の神秘を感じて頂きました。また、石垣島のヤエヤマヤシ群落にのみ生息しているもっとも絶滅するおそれの高いイシガキニイニイというセミの紹介を行うと、身近にこんなセミがいたんだと驚いていた子供たちが印象的でした。
参加したみなさんから「セミについて知っているようで知らないことばかりで、身近な自然、昆虫から発見することが多かったです。子供たちと共に学ぶことができて、いい経験となりました。」と感想を頂き、自然の大切に思う気持ちを育んで頂いた観察会となりました。