ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

RSS

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇

146件の記事があります。

2017年08月07日大観峰登山道パトロール 

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 ウッド 亜也子

はじめまして。

7月から阿蘇くじゅう国立公園管理事務所のアクティブレンジャーに就任したウッドです。

先日、アクティブレンジャーが定期的に行っているパトロールに、パークボランティアさんと一緒に初めて参加してきました。

大観峰周辺は夕べからの雨で朝は深い霧がかかっていたため、パトロールができるかなぁと思っていましたが、出発までに晴れ間が広がり、風もなく、むしろ少し蒸し暑さを感じながらの登山になりました。

▲車通りの多い212号から階段を登って一歩入ると森の中へ。足下をしっかり見ながら登っていっている最中、ふっとひと呼吸して上を見上げると、木々の間に差してくる太陽の木漏れ日がキラキラ。マイナスイオンを浴びながら森林浴ができます。

▲途中、笹がこんなに伸びていました。

▲足下が見えるよう、草を刈りました

笹が伸びていたので、鎌で切りながらかき分けて登りました。その途中、おっと危ない!その間に可愛い花たちが顔を出していました。

   

▲カキラン (Epipactis. thunburgii)      ▲ヤマホトトギス(Tricyrtis.macropoda)

     

▲アソノコギリソウ(白とピンク色があります) ▲カワラマツバ(あま~い匂いがします)

(Achillea. alpina var.brevidens) (Galium verm var asiaticum f.nikkoense)

      

▲オオバギボウシ(Hosta.montata)        ▲ノバラ( Rosa multiflora)

他にもオカトラノオ、オニユリ、ホタルブクロ、ヤマハッカなどが見られましたよ。

地震や水害で土砂が流れたところもありますが、登山道への被害は少なく、思ったより登りやすくて、森林や草原を抜けて展望所に着いたら、風が気持ちよかったです。

これから、楽しく阿蘇の魅力を発信していきます。どうぞよろしくお願いします。

Patrol for Daikanbo footpath

I am one of the Active Rangers at Aso-Kuju National Park Office. We keep our blogs to share what we do and what goes on in the park. Today's diary is about our regular patrol. This time we went out to Daikanbo footpath with aim to check safety and current condition of the footpath following the Kumamoto earthquake last year and the rainy season which just finished.

Entrance to the footpath is from route 212. There is not a car park nearby and entrance is discreetly marked with a pink ribbon. Once you take steep steps, you will be quickly leave traffic noise and be surrounded by cool woodland with sunshine and breeze through the trees.

Continuing the path, you then walk through narrow path with various native mountain flowers and wild berries including rare species that we are working hard to protect.

One the way, you can enjoy the breathtaking views over the caldera that Mount Aso offers. And when you get to the Daikanbo Observatory, 360 degrees of panorama view and cooling breeze will be waiting for you. Why do not you take some picnic and enjoy the walk?! We assure this will be a memorable experience in Aso for you!!

ページ先頭へ↑

2017年06月14日自然観察会 春と梅雨の野草園だより【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 大津 花

はじめまして!

4月より阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の

アクティブレンジャーとなりました、大津です。

よろしくお願いします!

    

春に引っ越してきたときの山肌は、

むき出しの土の黒や、野焼き後の枯れ草の色をしていました。

5月には下の方からじわーっと緑につつまれ、

今はふさふさとした草原が広がっております。

毎日変わる山の表情の変化を楽しみにしながら働いております!

        

             

さて、阿蘇くじゅう国立公園内には、南阿蘇ビジターセンターという施設があります。

そこに隣接する「野草園」。

ここでは散策路を歩きながら、阿蘇の希少な植物や昆虫を観察できます。

神秘的で穏やかな気持ちになる、とても素敵なところです。

                     

                                               

この野草園で、今年度に入って2回、自然観察会が開催されました。

◎4月29日「阿蘇の野の花を観察しよう」

◎6月11日「ハナシノブの観察とらくだ山散策」

春と梅雨入りの時期では、野草園の様子が全く違っていました!

季節ごとの植物をお知らせしようと思います。

---------------------------------------------------------------------

◎4月29日「阿蘇の野の花を観察しよう」

【ヤマブキソウ】

                       

                              

明るい林の足下に咲いていた、きれいな山吹色をした花です。

日の照っているときに開く花で、夕方にはしぼんでしまいます。

ちなみに、ヤマブキという木に咲く花は、花びらが5枚、

でもこのヤマブキソウは、花びらが4枚ですよ。

【ツクシシャクナゲ】

                           

                               

「ツクシ」は漢字で書くと、九州の地名である「筑紫」です。

白やピンクのフリフリしたお花を咲かせてくれます。

葉っぱの裏はオレンジなんですよ!

触るとなんだか革製品のようでした。

◎6月11日「ハナシノブの観察とらくだ山散策」

【ハナシノブ】

             

                              

                                

梅雨の時期に薄紫色の花を咲かせます。

自生のハナシノブは阿蘇にしか生育していないとも言われています。

4月に初めて見たとき、凜とした葉の姿に一目惚れしました。

そんな魅力のある花です!

【らくだ山】

                                            

                                   

山頂の岩の様子が、らくだの"こぶ"に見えることからこの名前がつきました。

カルデラならではの地形で、ジオサイトにも登録されています。

"こぶ"のような板状の岩は、近くで見るとまた迫力がありました。

ぜひ登って近くで山肌を見てみてください!

---------------------------------------------------------------------

この野草園では、いつでもスタッフやパークボランティアの方に

説明してもらいながらまわることもできます。

できれば事前のお問い合わせをおすすめします。

    

ぜひ南阿蘇ビジターセンターに足を運んで、

阿蘇の生物とふれあい、学んでみてはいかがでしょうか。

   

    

  南阿蘇ビジターセンター 野草園

  http://www.minamiaso-vc.go.jp/

  熊本県阿蘇郡高森町高森3219

  電話番号:0967-62-0911

  開館時間:9:00-17:00

  休館日:水曜日(祝日の際は振替休館)

  ※野草園では、希少な植物や昆虫とその生育環境を保全しています。

   生きものは野草園の中だけで心ゆくまで眺めてあげてくださいね。

ページ先頭へ↑

2017年05月25日阿蘇くじゅう国立公園からの近況報告【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田

こんにちは。阿蘇事務所の藤田です。

阿蘇山一帯にはみどりが芽吹いて、草原には牛の放牧も始まりました。車で走ると風が心地よいですよ。晴天の日は、外に出かけたくなりますね(*^O^*)

 

 

★☆ お知らせその① 事務所名が変わりました。☆★

 本年4月から、(旧)阿蘇自然環境事務所→(新)阿蘇くじゅう国立公園管理事務所

に変わりスタッフも増員されました。満喫プロジェクトで、これから阿蘇の復興と創造を具体化していくための取り組みが始まっていくことに、私たちもワクワクしています。

 

 

 

     

くじゅうのメンバーも駆けつけて、開所式を行いました。

 

★☆ お知らせその② 東京にて阿蘇の魅力を紹介 ☆★

 4月29日(土)に東京での環境省が主催する「2017新宿御苑みどりフェスタ」にてクラフト体験を通して、阿蘇の魅力について紹介してきました。

 

フェスタは、「みどりの月間」(4月15日~5月14日)期間中に新宿御苑において、国民公園としての機能を活用し、自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむことを目的とされており、自然観察会やクラフトなどの体験プログラムや全国の国立公園の紹介、物産の販売など『自然とふれあう』をテーマに様々なイベントが開催され、全国各地から集まりました。

 

 

 

 

 多くの来場者が訪れ、クラフト体験は大人気で行列ができていました。

九州地方環境事務所ブースでは、「ススキのホウキ作り」と「ススキのフクロウ作り」体験を行いました。

 

  

 

 

 

 

 

 材料を多めに用意していましたが、15時頃にはススキなどがなくなり、合計80名の方にクラフト体験を楽しんでいただけました。「九州出身なんです~~。なつかしい~!」とか、「この前、熊本行ってきました~!」、「屋久島にまたいきた~~い!!」など、ご当地話しに花が咲きました。

また、身近なススキでホウキやフクロウが作れることに、みなさんたいへん喜んでいただけました。

みなさんが、九州に足を運んでいただけるきっかけのひとつになれたらう れしいです♪

 

 

★☆ お知らせその③ 阿蘇の草原カレンダー発行 ☆★

 2006年から続けて発行している阿蘇の草原カレンダーも今年で11年目。草原環境学習を推進するためのツールなので、各学校の教室に張ってもらえるように4月始まりです。ここ数年、写真や絵画コンクールの作品等が多かったのですが、今年は初心に戻ってイラストにしました。草原にいるようななんとも言えないほのぼの感が伝えられるといいなと思います。

 

 

 

 早速、教室に掲示していただきました。

画像は、九州地方環境事務所の阿蘇草原再生のホームページからダウンロードできます。

http://www.aso-sougen.com/teaching/index.html

 次は、新しいアクティブ・レンジャーの大津さんより、活動報告よろしくお願いします♪

ページ先頭へ↑

2017年03月31日九州特産物リレー3月 ~あか牛料理~【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田

=== 地元高校生が提案する阿蘇ブランドの料理! ===

こんにちは、阿蘇事務所の藤田です。1年間リレー形式で取り組んできた『九州特産物リレー』も最終回となりました。各地の特産物は、「ご当地に行って味わってみたい~!」と思うものばかりでした。食も文化も風景も、五感を豊かにしてくれる九州ってサイコーですね!

さて、阿蘇からは『肥後のあか牛』についてご紹介したいと思います。

 

 

 幾度となく繰り返されてきた巨大噴火により、九州の真ん中にできた大きなカルデラ地帯には、阿蘇五岳と称される中央火口丘群が連なり、その周辺には約22,000haもの広大な草原が広がっています。

 現在の日本の国土で草原の占める割合は約1%、そのほとんどが阿蘇にあると言われています。

全国の草原を見てみると、人工的に作られた草地である改良草地が3/4を占めているのに対し、阿蘇では、野草地が全体の3/4を占めているのが特徴です。

 

 火山の恵みのひとつ、豊富な水資源を利用して農耕文化が栄えてきました。約千年前に作成された平安時代の法律書『延喜式』の中に阿蘇の草原の記述が見られます。これには、「肥後の国の二重牧の馬は、他の群より優れた馬があれば都に献上し、他は太宰府の兵馬及び肥後国その他の国の駅馬として常備するように(意訳)」と記されています。このことから、当時阿蘇では優れた馬を生産する牧があり、その名が中央政権まで知られていたことが読み取れます。

 (ちなみに、この牧と思われる草原を管理している地域で刈り干し切りや野焼きなどの手伝いに出ることもありました)

 

 阿蘇の草原は、人が生活や農畜産業のために「放牧・採草・野焼き」など手を入れることにより、日本最大の規模を誇る野草を主体とした草原景観と、多様な動植物が生息・生育する豊かな草原環境が維持されてきました。そこには、牛馬を利用した農業生産と草資源の循環という、地域の文化が育まれてきました。

また、阿蘇での農業は火山灰土壌、高冷地という厳しい条件の下で、耕作の労働力であった牛馬の放牧や飼料用の草を得るための場、緑肥や堆肥・きゅう肥の生産の場として利用され、水田耕作や畑作とも密接に結びついてきました。現在でも、阿蘇は九州でも有数の肉用牛の生産地であり、草原は農畜産業を支える基盤となっています。

 

 芸術的な!?牛が草を食べながら歩いてできた牛道

 

 広大な草原に牛がのんびりと草を食む姿は、観光に訪れる人々を魅了する阿蘇ならではの風景です。みどりの草原に栄えるあか牛は、明治44年から阿蘇市にある熊本県立阿蘇中央高校(旧県立阿蘇農業高等学校)にて「スイス原産のシンメンタール種」と在来種を交配し、改良を重ねた固有種で、現在の「赤毛和種」として流通するようになりました。性格が穏やかで粗食に耐え、寒さに強く放牧に適するという育てやすい特徴があるものの、牛肉は筋肉質で固く、食用には向かないとされ、当時は役牛として用いられていました。

 近年、食生活の変化により肉用牛としてブランド化が進められています。

 (環境省阿蘇の草原ハンドブック、阿蘇草原再生全体構想第2期より一部抜粋)

 

【あか牛肉の特徴】

 ・広々とした草原で自由に動き回り、ストレスが少ない。

 ・主食は、繊維質たっぷりの野草

 ・脂肪分が少なく、旨みが多い、赤身主体の肉質。

 ・赤身肉には、タンパク質と鉄分(ヘム鉄)が多く含まれている。 

 ・ヘルシーで、ダイエットにも有効。お腹にもたれにくい。

  

 

 

草原にいるのは、主に母牛と子牛

 

 

 そこで、阿蘇の草原の利活用とあか牛の消費を増やすことを目的に、県立阿蘇中央高校農業食品科2年生がアイディアを出し合い、あか牛や地元食材を使った創作料理を提案し、地元の観光関係者や生産者を対象に試食会を実施されています。

 この取り組みは、県の阿蘇世界文化遺産登録推進教育モデル校事業として今年で5年目となり、これまでに7品が商品化され「道の駅阿蘇」などで販売されています。

 

 

 

 

 

写真提供:阿蘇中央高校

 

今年も、地元食材とあか牛をつかった料理7品が紹介されました。 

◆パプリカとブロッコリーで溶岩と草原を表現した「阿蘇火乃山あか牛丼」

◆あか牛ひき肉のシュウマイ

◆あか牛ひき肉と高菜を混ぜたご飯を油揚げに詰めた「阿蘇のあか牛田舎揚げ」

◆阿蘇産トマトソースのスコッチエッグ

◆阿蘇の米を使ったライスバーガー

◆きびご飯のビビンバ

 

 

  

 

◆あか牛ひき肉と波野産のそば粉を利用した「阿蘇ガレット」

  

  

 

昨年のあか牛料理

  

 どれも食べてみたいメニューですね!

 (注)お昼前に見るとお腹がグ~グ~鳴ります(^_^;)

 

 

  

 

 そば粉ガレットを考案したお二人から、「肉が苦手な人にも食べられるような料理を作りました。」

「おいしく食べてもらえたらうれしいです。」

  

 

 担当の後藤先生は、阿蘇の食材を阿蘇で消費できる環境づくりを目指すことで、新しい景観づくりや畜産や米・野菜など就農する生徒を増やしていくことで、阿蘇の担い手育成に繋げていけたら・・・と熱く夢を語ってくださいました。

 

 参加者のアンケートからも「がっつりあか牛を食べている感じがした」「食材のバランス、味、見栄えが大変よかった」「店頭で並べられていたら気になるメニュー」など、高い評価が得られています。

 また、多くの方が「地元の高校生が地域の名産品を使った料理を考え、地元のすばらしさを伝えることがなにより効果的!!」「若いアイディアが新鮮!」との声があげられていました。

この中から、店舗、ホテル、旅館等でメニュー化されるかもしれませんよ!

 

 私たちが取り組んでいる草原環境学習を、小中学校で学んだ子どもたちが地元の活性化や草原再生に取り組んでくれるかも!?と夢を膨らませつつ、阿蘇の未来を語っていきたいと思いました。

 

 阿蘇では、あか牛丼やあか牛ハンバーグ、焼き肉などのメニューを取り扱う店舗が増えています。阿蘇に来られたときは、ぜひ立ち寄られてくださいね♪

 

 

 

 

 

 

ページ先頭へ↑

2017年03月31日阿蘇くじゅう国立公園での楽しみ方~ASO編~【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 山口佳子

みなさん、こんにちは~!

現在の阿蘇は野焼き後の山が黒々としています。

まだまだ寒い日が続いており、阿蘇の春の訪れはもう少し先になりそうです。

黒い山肌に目を引く可憐なキスミレ。咲いた姿をみるのが待ち遠しい~~~。

   

さて、阿蘇くじゅう国立公園阿蘇地域は、1934年にカルデラ全体が国立公園に指定されました。

雄大なカルデラ、噴煙を上げる阿蘇山、カルデラ一帯に広がる草原など様々な魅力があり

世界ジオパークにも認定されています。

大きなカルデラの中には7つの市町村があり、

田園風景やあか牛の放牧など、草原とくらす人々の営みは世界農業遺産に認定されています。

海外から来られる方も多く、まさに世界の☆ASO☆なのです。

  

野焼き後の山の姿     カルデラ(阿蘇ジオパーク)

 

阿蘇くじゅう国立公園の楽しみ方をいくつかご紹介いたします。

やはり登山やハイキングがおすすめです。

地震や豪雨、噴火などの影響で立入り規制されていた烏帽子岳と杵島岳の登山道が

2017年2月17日より一部通れるようになりました。

杵島岳山頂からは、地球の息吹を感じる阿蘇山中岳中央火口がみえます。

季節ごとの風景、植物や昆虫たちとの出逢いも楽しみのひとつです。

 

昨年秋、杵島岳を巡視中に、ハンミョウという色鮮やかな昆虫に出逢いました。

「ミチオシエ」という別名の通り、登山道の出口までわたしたちが進む早さに合わせて、

飛んでは止まりを繰り返し道案内をしてくれているようでした。

ハンミョウの習性なのだと思いますが、心が通い合ったようでうれしかったです。

出口に到着するとそれ以上前を飛ぶことはなく、『ありがとう~』とお別れしたのも思い出です。

  

    杵島岳山頂からみる中岳火口            草千里からみる烏帽子岳

 

次の阿蘇の楽しみ方は?

 

早朝に体験してきたのは、青空に浮かぶカラフルな熱気球です!

大気の穏やかな朝5:30くらいから7:30くらいまでが、阿蘇では気球に適した時間だそうです。

約30mの高さまであがると、気球でしか見ることのできない景色が広がっていきます。

阿蘇五岳から輝く太陽が昇る清々しい朝の体験でした。

 

   

                    阿蘇ネイチャーランド http://www.aso.ne.jp/~natureland/

   

次に、お天気が悪くても楽しめる草原や自然を楽しく学べるセンターをご紹介致します。

草原学習館と南阿蘇ビジターセンターです。

南阿蘇ビジターセンターには屋外展示場である野草園が併設されていて

季節折々の阿蘇の自然を体感できます。

 

草原学習館(阿蘇草原保全活動センター) http://aso-sougencenter.jp/

草原の成り立ちや恵みを知り、学ぶことができます。

  

  

南阿蘇ビジターセンター&野草園  http://www.minamiaso-vc.go.jp/

阿蘇の自然とふれあいながら楽しめます。

  

  

いろいろなおすすめをご紹介しましたが、

最後に、国立公園をみなさまに楽しんでいただく上でのお願いです。

食べたもの、飲んだものなど使ったゴミは持ち帰っていただくようお願い致します。

自然の中に捨てないでくださいね。

もし美しいと感じる植物や昆虫を見つけても、また次の年もその場所で出逢えるよう

植物や昆虫は採集しないでください。

 

さて、ここでいきなりクイズです。  

持って帰らないものは?   植物や昆虫!

持って帰るものは?     ゴミと阿蘇の思い出!

   

はい、みなさん正解です○

   

未来のこどもたちも豊かな自然で遊べるようみんなでつなげていきたいですね!

火山や火振り神事、火文字焼きなどにみられる火の文化と、豊かな名水が湧く水の文化。

そして風になびく四季折々の草原の風景。

美しい阿蘇くじゅう国立公園でみなさまのお越しをお待ちしています☆

  

◆国立公園の情報は環境省公式インスタグラムでもご覧いただけます◆

アクティブレンジャー日記とあわせてお楽しみください。

日本の国立公園公式アカウント

https://www.instagram.com/nationalpark_japan/ 

 

◆登山情報◆

阿蘇山登山ルート情報

http://www.pref.kumamoto.jp/kenhoku/kiji_10328.html

 

◆登山道情報

阿蘇登山道路情報(県道阿蘇吉田線)

http://www.city.aso.kumamoto.jp/kumamoto_eq/traffic/asotozandoro

 

◆道路情報◆ 

アクセスルートマップ

http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/tecforce/pdf/asoaccess

ページ先頭へ↑

2017年03月14日『烏帽子岳・杵島岳ルート』点検と登山道状況①

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田

阿蘇山遭難防止対策協議会が取り組んでいる毎年恒例の登山ルート『烏帽子岳・杵島岳ルート』の点検に参加しました。

どちらも、熊本地震やその後の水害により亀裂や崩落等が発生しており、通行不可となっていたルートです。3班に分かれて行いました。


【烏帽子岳ルート】

     西側ルートには亀裂多数         50cm程の段差があるところも

 

 

   数年前に整備した階段が左側に崩落している。右側も急斜面

 

    

   烏帽子岳山頂 標柱が傾き、周辺は崩落している

 

 

         山頂東側が崩落している

 

    

 地面が緩くなっているため、山頂は霧が発生するとより危険であるため、阿蘇山遭難防止対策協議会にて注意喚起の看板とロープを設置しました。

 

    

       西側、垂玉ルート合流地点

 

  

烏帽子岳登山については、東側ルートの往復コースが利用できます。

現在、立入禁止となっている西側ルートは、今後、補修工事を行っていく予定です。

 

 

      2015年5月の烏帽子岳

 

  

      2016年5月地震後の烏帽子岳南側崩落の様子

 

 

      2016年12月の烏帽子岳南側の様子

 今後も、崩落状況が広がったりしないか、定期的に監視を続けていきます。

ページ先頭へ↑

2017年02月23日阿蘇中岳噴火警戒レベル1へ引き下げについて【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田

 201727日、阿蘇中岳の噴火警戒レベルが2年半ぶりにレベル1に引き下げになりました。それに伴い、環境省や関係市町村がつくる阿蘇火山防災会議協議会は中岳火口周辺の調査に向かいましたが、

火口広場や駐車場には大量の火山灰や大小の噴石が堆積しており、噴火の威力を伺い知ることができます。

 

  

【現状の様子】

 

ロープウェイ山上駅舎は噴石により天井に穴が開き、窓ガラスも割れ、駐車場には50cm程の火山灰が積もっている。

   

以下、噴火以前の写真と比較して掲載します。

 

        今回噴火後                    以前の様子                                            

 火の国橋は、元の姿も分からないほどになっている。

  

 

        今回の噴火後                   以前の様子

 火口縁の仮設安全柵、支柱だけが残る   

 

       今回の噴火後                  以前の様子

 退避壕とガス検知器 噴石で天板がへこみ、パトライトも潰れている

 

 

これまでの経緯として、2014年8月30日に約20年ぶりに噴火し、福岡管区気象台が噴火警戒レベル2の火口周辺1km圏内の立ち入り規制を発令。その後、2016年10月8日の爆発的噴火では、噴火警戒レベル3の火口周辺3km圏内の立ち入り規制が発令されました。この時の噴出物の総量は60~65万トンと推定され、海抜11,000mまで噴煙が上がり、阿蘇山の北東側約5km内では降灰の量が3,800g/㎡に達する甚大な被害が発生しました。

 

昨年10月の噴火以降、新たな噴火はなく今年の2月時点では火山性微動の振り幅も小さな状態で経過しており、湯だまり量も中岳火口底の約8割を確認、色も灰白色から緑色に戻っており、火口底への熱や火山ガスの供給が弱まってきていると推測されます。

 

昨年12月20日、気象庁より新たな噴火警戒レベルの判断基準の公表に伴い、阿蘇山中岳の状況を照らし合わせ、今回噴火レベル1への引き下げに至りました。

 

しかし、活火山であることから、火口内では土砂や火山灰を噴出や火山ガスの発生の可能性もあるため、阿蘇火山防災会議協議会では山上一帯の安全確認を行うとともに、観光客等の安全が確保されるまでは車や登山者の入山について、これまでの自主規制と監視体制を継続していく方針です。

 

※気象庁では、火山観測データをホームページに掲載し、随時更新されています。

 《各火山の活動状況》

   http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/volcano.html

 《阿蘇山火山観測データ》

   http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/open-data/open-data.php?id=503

 

これから安全対策を図りつつも、大量の火山灰の搬出や安全柵、火山ガス検知器、電源ケーブル、避難シェルター(退避壕)の整備など、関係機関とともに早急な復旧を進めて参ります。

 

阿蘇山上広場・ロープウェイ駅前までは通行可能です。噴火後の阿蘇中岳の息づく様子が見られますよ!

ページ先頭へ↑

2017年01月25日自然がつくりだす氷の芸術 古閑の滝【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさんこんにちは~!阿蘇自然環境事務所の山口です!

阿蘇は本格的な冬の季節となり、室内で過ごすことも多くなりましたが、

実は冬にしか見ることができない、阿蘇の美しい景色が色々あるんですよ~

今回ご紹介するのは、阿蘇市坂梨地区の古閑(こが)の滝です。

駐車場から少し坂を登って林を抜けると、突如大きな岩山と凍った滝がみえてきます。

近くで見ると迫力があります!

(▲ダイナッミックな氷の芸術 古閑の滝) 

古閑の滝は阿蘇カルデラの東部外輪山に位置します。絶壁はカルデラが形成された約27万年~9万年前の火山活動以前の地層がむき出しの姿となっています。滝の上流の大地は火砕流などが蓄積して平らになっており、あまり水があつまりません。そのため水量が少なく、氷の柱が100mもの高さになることもあります。

見上げるとふたつの滝が流れており、左側が雄滝(おだき)80m、右側が雌滝(めだき)100mです。

先阿蘇火山の溶岩崖を流れ落ちるままの凍滝(いてたき)は、寒さがもっと厳しくなると、

氷瀑の姿になることもあります。

地球温暖化が進んでいくと古閑の滝に流れる水量が多くなり、氷の柱がみれなくなってしまうことも

危惧されています。

太古に形成された表情豊かな岩、そして氷にあたる陽の光の輝き。

日中、気温の上昇によって谷に落ちる「カーン」という氷の音も趣があります。

春には、その音が冬の終わりを告げる風物詩として、地元の方に親しまれているそうです。

例年では12月下旬から2月末までが見頃です。

 

日に日に姿を変える古閑の滝。

一瞬一瞬の奇跡のアートを、ぜひ皆さんにも見ていただきたいとおもいます。

■古閑の滝 (阿蘇ユネスコジオパーク内33カ所あるジオサイトのうちのひとつです)

http://www.aso-geopark.jp/geosites/geosite10.htm

さらに、古閑の滝から南(高森方面)に向かうと箱石峠があります。

峠の上から景色を見渡すと冠雪した阿蘇山の稜線が映え、美しく雄大な姿を眺めることができます。

(▲草小積みと雪景色の阿蘇山 箱石峠)

手前の草原にあるのは、農業の機械化とともに見られることが少なくなった草小積み。

刈り取った野草を乾燥させて稲の茎で結び積み上げ、雨から守るためにススキを上から被せたもので、

冬の間の牛のえさなどに利用されてきました。

草小積みの牧歌的な風景は、通気性がよく草が傷みにくい貯蔵法として、

阿蘇に暮らしてきた先人たちの文化的草原資源の知恵が守られている姿なのです。

 

季節ごとに、新しい発見と感動を与えてくれる阿蘇の自然。

ちょっとコタツから抜け出して、防寒具を身にまとったら、

冷たく凛とした阿蘇の空気と冬の魅力を感じに遊びにきてみませんか?

雄大な冬の景色を堪能した後の温泉はまた、格別ですよ~♫

■阿蘇温泉町村湯マップ

http://onsen.aso.ne.jp/map/index.html

http://minamiaso-onsen.jp/access.html

■阿蘇地域アクセスルートマップ

http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/tecforce/pdf/asoaccess

 

■阿蘇地域の積雪・凍結に伴う道路情報

http://www.pref.kumamoto.jp/kenhoku/kiji_8808.html

ページ先頭へ↑

2017年01月23日野草堆肥づくりのための採草・草集め ~草原に暮らすカヤネズミ発見!~【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさんこんにちは~!阿蘇自然環境事務所の山口です!

今回は阿蘇の草原が、人々の暮らしにどのように利用されているのか、

集草作業に参加してきましたので、みなさんにご紹介したいとおもいます。

 

(▲刈った草を大鎌で集めて運ぶ様子 photo by Yuki Iwanami 2016.12.6)

 

阿蘇の草原は昔から牛馬の放牧地として利用されたり、堆肥として農業に利用されていました。

また、茅葺き屋根の材料になるなど、草原と人の暮らしのつながりのなかで草原を維持するために危険を伴う野焼きを行ってきました。

現在は化学肥料の普及に伴い、野草堆肥の利用が減るとともに、茅葺き屋根の家もなくなるなど、

農業形態や生活様式の変化とともに草原の草の利用されなくなってきています。

農業も畜産業も後継者不足や高齢化、また兼業化により、採草や放牧が行われることなく、

野焼きや輪地切りといった草原維持の作業もされないまま放置される草原が増えてきています。

さらに、阿蘇は年間2500mmの以上も雨が降るので、草原をそのまま放置していると数年で藪(やぶ)となり、植生が推移してその後森林へと移り変わっていきます。

 

このような状況から、草原面積の減少・草原の変容が進んでいます。

 

今回は阿蘇草原シール生産者の会員の方が、土づくりの堆肥として利用している牧野へ行ってきました。

前の週に草刈りに参加し、数日そのまま天日干しさせて、この日に集草作業を迎えました。

束にして平地まで運び、マウントカッターという肥料切断機で草束を細かくしていきます。

 

(▲ダイナミックな集草風景&集めた草を運ぶ様子 photo by Yuki Iwanami)

 

(▲マウントカッターで野草を裁断しトラックに積む&カットして堆肥になる草)

 

そしてこの日集草作業の撮影のため参加していたフォトグラファーの岩波友紀さんが見つけたのは、

小さくてつぶらな瞳がとってもかわいい『カヤネズミ』!!!

(▲草原で暮らすカヤネズミ photo by Yuki Iwanami)

かや(茅)という名前の通り、阿蘇の草原等に生息している日本で一番小さなネズミです。

カヤネズミの体長は6、7cm 体重は500円玉くらいの重さ(5~7g)です。

このような稀少な生き物が暮らす草原も、採草や野焼きなど、人の手で守られています。

植物も生き物も多様な草原をみんなで力を合わせて後世へつなげていきたいですね。

 

※野生の生き物は、鳥獣保護管理法により、捕まえたり家に持ち帰ったりすることは禁止されています。

 たいせつに見守っていきましょう。

ページ先頭へ↑

2017年01月04日穏やかな初日の出と阿蘇の道路状況【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田

謹んで初春のお慶びを申し上げます。阿蘇事務所の藤田です。

今年の元旦は、阿蘇山上にも雲がかからず、スッキリ快晴!

現在、唯一阿蘇山上(草千里)に登ることができるパノラマライン『県道111号線』は、通常7:30~18:00までとなっていますが、元旦のみ6:00から通行が可能だったので、草千里まで登ってみました。

この日は、中岳火口からの噴煙も少なく、風もなく穏やかだけどキーンとする冷たさの中、日の出の瞬間を待ちました。

左手に中岳火口 右手に草千里

昨年、熊本では甚大な震災が発生し、復興に向けて進んでいる中、このように穏やかなご来光を臨むことができ、「今年は穏やかな1年になるように・・・」と、多くの方が手を合わせられたことと思います。

また、『阿蘇神社』には毎年お参りをしていますが、熊本地震により倒壊した拝殿は撤去され、普段見ることができない『神殿』を拝むことができるまたとない機会となっています。

元旦の阿蘇神社

しかし、道路状況を懸念される方も多いのか、参拝者も例年よりもやや少なめのようです。ミルクロードも渋滞が心配されていましたが、年末の俵山トンネルの開通や二重の峠の交差点の左折ラインができたことが功を奏したのか、正月3ヶ日は大きな渋滞は見られませんでした。

こんなあたたかい正月はめったにありません。どうぞお気軽に阿蘇にお越しくださいね。

私たちも阿蘇の復興に向け、志も新たに取り組んでいきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ